ヲラトニク(旧 ココカラ Blog)

有限会社アサヒ技研コミュニケーションメディア研究所からお届けします.

2007-12-22 12:24:32 | 映画を観る
ブレードランナー・ファイナルカット.デジタル・リマスタリングでシャープな映像になり,これまでは赤が強かったカラーバランスが調整されているなど基本的なスペックがあがっている.これは時代の流れとして当たり前.

それに加えて,よく知られているミスも修正されている.例えば,デッカードを迎えに来たホバーカーが上昇するときに見えていたワイヤーが消されている.こういった細部の修正で完成度は格段に上がっているのだが,感激したのはロイ・バティが死んだ後に飛び去る鳩のカット.

この鳩は,ロイ・バティが左手に握っていて,彼の死の象徴として飛び立つもの.最終版で追加されたカットなのだが,最終版のために新たなカットを撮影するためのセットはすでに存在しなかったため,工場に鳩を放って撮られた.この工場がブレード・ランナーの世界観に対してシンプルすぎる外観のうえに空が青い.あまりにも違いが大きすぎる.

ファイナルカットではこの鳩だけが残されて工場はすべて CG で描き変えられている.今の技術をもってすればさして難しくないことなのだが,これでようやくブレードランナーは完成したといえる.
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