ヲラトニク(旧 ココカラ Blog)

有限会社アサヒ技研コミュニケーションメディア研究所からお届けします.

古畑中学生

2008-06-17 12:48:02 | 映画を観る
三谷幸喜監督「ザ・マジック・アワー・ショー」公開にあわせて,さまざまなキャンペーンが展開されている.三谷幸喜本人がありとあらゆる番組に登場しているが,過去の三谷作品もまとめて放映されている.人気シリーズ「古畑任三郎」もスペシャル版が再放送されているが,スピンオフとして古畑の中学生を描くのがこの「古畑中学生.」

実は古畑と向島が同級生だったとか,母親はスナックでホステスをしていたとか,父親はよくわからないとか,古畑の過去が明らかになる.初めて恋心を抱いたのは両親が離婚してどちらにも引き取られず祖父に預けらた薄幸の少女.いくつもの伏線がきれいに村の埋蔵金探しに集約されていく.

三谷作品らしく豪華なキャスティングでそれぞれのキャラクターが立っているのだが,なかでも物事の本質を捉えることを説く教頭がいい.善と悪の本質について古畑に問い,見かけや振る舞いに惑わされることのないように説く厳めしい教頭.自転車に乗って走り去る黒服の後ろ姿は,いつものセリーヌの自転車に乗って走る古畑の姿そのもの.

中学生時代の古畑と向島を演じる二人もなかなかのもの.というか,面差しがとても似ている.三谷幸喜が,彼がいなかったらこの作品はなかったと言わせるのも納得する雰囲気をもっている.

やがて村を去る古畑親子を見送りながらの向島のモノローグは,「古畑任三郎」本編での二人の関係を思い出させる.エンディングに今の向島が縁側で中学生時分に古畑からもらった「バスカビル家の犬」を大事そうに読んでいたり,今のツーショット写真を飾っているなど,基本をきっちり押さえたスピンオフに仕上がっている.(2008.6.14 放映)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国会の質問で引き合いに出さ... | トップ | Sexial Identity »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画を観る」カテゴリの最新記事