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Swallowtail

着物のこと。歌舞伎のこと。
私のもとにやってきた小さな命のこと。
新米ママが綴る日々の徒然☆

赤坂大歌舞伎 『人情噺文七元結』 『鷺娘』

2010年07月22日 | 歌舞伎
猛暑日となった今日、赤坂大歌舞伎を見てきました。
ACTシアターはかなりの入り(見る限り、満席だったような?)で
盛り上がってました。


『人情噺文七元結』
博打にハマって貧窮している長兵衛。
このままでは年も越せない、と、
ケンカの絶えない長兵衛(勘三郎)と妻・お兼(扇雀)のことを慮って、
娘・お久(芝のぶ)が自分の身を吉原の妓楼角海老に売ってお金を作ろうとする。
可哀相に思った角海老女房お駒(秀太郎)が情けをかけ、
一年間、店には出さず自分の小間使いとして働かせる、と約束します。


このお久ちゃんがいじらしくて...
お兼は後添えで、お久とは血がつながっていないのに、
反対に「後添えに来てくれたのに、苦労させて申し訳ない」
と泣くんです。
芝のぶさん、鈴の音のような声で、素敵でした。
そして、白塗りしてないお顔の可愛らしいこと!

そして、女房お駒は、情けをかけながらも長兵衛をピシっと諭して、
ほろっと泣かされました。
ちょっと声が小さくて、迫力はなかったけど、
「こうゆう気風の良いおばあちゃん、いそう...」
と思わされました。
踊りとかの先生だったご隠居さんで実在してそうです。


次の幕で文七(勘太郎)の身投げをとめようと、
お久が身を売って作ってくれた五十両を文七にあげてしまう。
そのことをお兼は信じてくれなくて大喧嘩。
扇雀さんと勘三郎さんの掛け合いは夫婦漫才のようで、
特にギョロっと目をむいて長兵衛をなじる扇雀さんの表情には
思わず爆笑でした。

歌舞伎ってこんなに笑えるの?こんなに楽しいの?と
心から楽しめました。

この演目は、山田洋次監督が補綴を手がけた、とのこと。
筋書きを見たら、ラストを違う設定にしてあり、原作の落語版により近い形、とある。
私はこの演目自体を見るのが始めてだったので、オリジナル歌舞伎版を見てみたいです。


『鷺娘』
七之助さんが白無垢で登場した瞬間に、
ACTシアターが雪降る冬に変わりました。
引き抜きで衣装が変わるたびに、「お~っ!」と歓声が上がっていました。


実は私の旦那さん、歌舞伎は未体験なんです。
以前より、いつこの道に引きずりこもうかと画策しているのですが、
今日のような内容だと楽しめるのではないかな?
演目もそうですが、上演時間もコンパクトだし...

さすがに今回はちょい無理そうなんで....

今後も何度も繰り返し上演してほしいです。



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小学館DVDブック 『名演名作選 初代 二代目 中村吉右衛門の芸』

2010年07月11日 | 歌舞伎



DVD139分、鑑賞しました。

各演目のみどころのダイジェスト映像ですが、
『極付幡随院長兵衛』『河内山』をはじめとする
セリフ回しの素晴らしさ!見ごたえがありました。

特に未見だった『俊寛』の幕切れの鬼気迫る表情、引き込まれました。
本編中、吉右衛門さんのナレーションで、
「DVDで播磨屋の芸に興味をもたれた方が劇場に足を運んでほしい」
と語っていますが、まさにこの演目を
「いま、見たい」と思わされました。

初代の映像は、『熊谷陣屋』及び、
当代が小四郎で共演している『盛綱陣屋』の一部で、
予想していたより収録時間は短く、
残存する映像が本当に少ないことを感じさせ、
このDVDの価値を改めて感じました。


贅沢を言えば、さよなら公演で見た演目で、
もう少し長く収録してほしい!と思う演目もありました。


『義経千本桜 大物浦』の「餓鬼道、修羅道、畜生道~」と
今までの苦労を語る部分や、「生きかわり、死に変わり~」
など、もう一度みたい場面など。
『熊谷陣屋』の幕切れ、送り三重の三味線とともに、
ひっこみまで、もうちょっとだけ見せて~!
と思いました。

でも、あの感動をもう一度!というのが意図ではないと思うので、
吉右衛門さんのおっしゃるように、「続きは劇場で!」ということですね。
また劇場に足を運ぶのが、さらに楽しみになるようなDVDでした。



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『初代 二代目 中村吉右衛門の芸』

2010年06月24日 | 歌舞伎
あら素敵!こんな本が発売になったのですね。


名演名作選 初代 二代目 中村吉右衛門の芸 (DVDブック)
朝田 富次 小学館 売り上げランキング: 7001



発売元の小学館のサイトによると、
「DVDは18演目のダイジェスト映像で総時間約139分」とのこと。

「さよなら公演」の映像も使用しているということなので、
『義経千本桜 渡海屋・大物浦』や『時今也桔梗旗挙』あたりでしょうか?
吉右衛門さんの渡海屋銀平や知盛の映像が手元におけるとあらば...

初代の『平家女護島 俊寛』や『松浦の太鼓』も一度見てみたいと
ずっと思っていたので、ダイジェストであっても嬉しいです。



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 「『でっけえ歌舞伎』入門 マンガの目で見た市川海老蔵」

2010年06月18日 | 歌舞伎



著者は複数のペンネームで、「神の雫」、「シバトラ」、「ブラッディ・マンディ」等の
ヒット作を生み出しているマンガ原作者。

ポップカルチャーのクリエイターである彼が、
市川海老蔵のために書き下ろした新作歌舞伎「石川五右衛門」
その製作の現場で見た、役者・市川海老蔵の魅力を紹介しています。


この新作歌舞伎は、新しい形で創作されました。
同じ原作をもとに、マンガと歌舞伎を製作するという連動企画です。

この本も、マンガ読者を劇場へ誘導するシナジー効果を
高めるための本といってもいいと思います。

しかし、歌舞伎の発祥や、団十郎代々の芸についても平易に説明しており、
大変分かりやすいこと、
また、なにより市川海老蔵が役者としても人間としても
魅力いっぱいに書かれているので、
これから歌舞伎を見てみたい人も面白く読めるのではないかと思います。

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この本と同時に、私は、「坂東玉三郎 歌舞伎立女形への道」を読んでいて、
(Blogでの紹介はこちら→)
二つの本の中で語られているヒトや時代は違うのに関わらず、
私の中では、「新作歌舞伎」への興味がどんどん高まっていきました。


単なる好みの問題なのですが、
「やっぱり新作より義太夫狂言が見たいんだよね...」
と、今までは思ってきました。

勘三郎さんはすごい役者さんだと思うけど、
佐倉義民傳にはラップが使われてる、と聞くとテンションダウン
クドカン好きだけど大江戸りびんぐでっどとなると、
正直、あんまりグッとこなくて



われながら、それは玉三郎さんの「鷺娘」を見た劇評家が
「あんなに後ろにのけぞって!あれは歌舞伎じゃない」と言ったのと
同じ視点だったんだな、と思いました。

この二冊を読み終わるころには、
創造と破壊の繰り返しの果てにしか、新しいものを生み出すことはできない
のだな、と思うようになっていました。


新作歌舞伎「石川五右衛門」の再演があるかどうか?は
分かりません。
これからあるのかもしれません。

だからこそ、「芝居って見てこそ」、なのだと思いました。
新しいものを見せられても、「これは歌舞伎じゃない」としか思えないなら、
結局定点観測です。


そして、観客の側にも、「創造と破壊」の視点が必要だと思うようになりました。
そうしなければ、歌舞伎という、もう出来上がってしまったように見えて、
今なお生き続け、進化しようとしているものの成長の機会を摘んでしまうことになるんだな、
と思いました。


好き嫌いなく、なんでも見ればいい、ということでは決してありません。
同時代に生きている役者さんが、なにを作り上げ、
どのようなものを創生したかったのか、
そしてそのための新しい試みの数々を、
見て感じることこそ、歌舞伎を楽しむ醍醐味
なのではないか、ということです。



読書感想文としては、ちょっと話がそれましたが....

タイムリーに二冊が手に入り、同時に読めたことで、
自分の考えが変化したことに感謝したいと思います。



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「坂東玉三郎 歌舞伎座立女形への道」

2010年06月16日 | 歌舞伎
坂東玉三郎―歌舞伎座立女形(たておやま)への道 (幻冬舎新書)
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おすすめ度の平均: 3.5
1 玉三郎オタクの悪質な妄想5 歌舞伎界、次なる時代への必読書5 玉三郎って、こんなにすごい人だったのか




歌舞伎界で「女帝」として君臨していた中村歌右衛門。
世代交代により立女形の地位を獲得するまでの坂東玉三郎を、
インタビューや取材ではなく、膨大な資料から読み解いた本。

彼の立女形の地位を磐石としたのは、
三島由紀夫、澁澤龍彦、円地文子といった文人を惹きつけた美貌と才能。
国立劇場の演出家に見出され、多くの芝居で経験を積むことができたこと。
強運と努力、そして、なによりも、
自身が語る「手段を選ばなかったのかもしれない」という
貪欲さだったのではないかと思いました。


達成するまでの障害と、達成するまでの軌跡が
淡々と、しかし十分ドラマチックに描かれていますが、
私は、玉三郎にまつわる記録、としてではなく、
歌舞伎を軸とした芸能史として、夢中になって読みました。


想像以上の、役者、劇評家の間の政治的な理由やしがらみがそこにありました。


現在、新しい歌舞伎の創作に注力されている役者さんも多く、
またそれが新しい流れとして受け入れられています。

「歌舞伎とはその時代の世俗を取り入れながら変遷していくもの」という
声をあげることもでき、役者さんの創り手からすると、
今は良い時代なのでは?と思います。


また、歌舞伎はもっと身近な芸能だったのではないかとも感じました。


昭和49年、六代目・中村歌右衛門が文化勲章を受賞する際には
批判が週刊誌をにぎわしたといいます。
「型を継承するってだけで文化勲章を受けること自体が問題」
とも揶揄されたといいます。


昨今は、「歌舞伎」って聞くとなんだか有難がって、平伏する勢い。
役者のスキャンダルには飛びつくけど、
芝居の批評は専門の劇評家さん以外は恐れ多くて!
という雰囲気があるようにも思います。

それだけ、週刊誌を書く人、読む人、両方にとって
芝居を見ることが身近じゃなくなっているのではないかしら?
などと思いました。


どれだけ女帝・歌右衛門と、時代の寵児・玉三郎の対峙には
著者のバイアスがかかっているかは私にはわかりませんが、
とにかく、いまとなっては私には伺い知ることのできない、
当時の歌舞伎をとりまく世界を垣間見ることができて、とても興味深い本でした。



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