さらりーまん専科

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「節電」の叩き売りを始めた関西電力八木社長

2011-06-23 17:29:49 | Weblog
6月21日、関西電力の八木社長が橋下大阪府知事を訪ね、「節電のお願い」をした。その議事録を大阪府が発表した。そのボリュームはA4用紙で15枚と大作だが、中身はお粗末。

橋下知事と八木社長の会談概要

とにかく、原発4基がこの夏動かないので大変だ。節電をお願いします。と八木社長は頭を下げるばかり。だが、そこへ至る情報は全くのブラックボックスなのだ。上記リンクの大阪府のホームページには関西電力の提供資料も提示されているので参照されたいが、その資料が噴飯もの。これで、よく橋下知事は納得したものかとビックリさせられた。

まず、関西電力の供給能力がいくら、いくらあるが、原発が動かないので、ここまでダウンするとかの数字の提示かあってしかるべきだろう。だが、供給能力の内訳は何もなく、8月の供給能力は2938万㌗だとの数字を見せるのみ。あわせて、八木社長は「この夏、原発4基が動かないので大変だ。それは300万㌗という大きな量でカバーするのは並大抵ではない」と言うのみ。

このブログでは、6月15日に「関電の15%節電のペテン」と題して、その中身のインチキを指摘したが、なんとその時、こっちも大きな間違いをしていた。5基が動かないと計算したのだが、実は1基は定期検査中にもかかわらず、調整運転と称して動いているようなのだ。つまりは、前回に計算した関電の供給能力は118万㌗も余裕が出ることになる。

ともあれ、関電の供給能力は3487万㌗ある。動かないのが、八木社長の言うところの300万㌗とすると3187万㌗は供給能力があるわけだ。そして、需要が昨年並と大幅修正したものが3138万㌗。ギリギリ大丈夫だが、このままでは予備が少なすぎるのは確か。

だが、自家発電などの他社受電(電力会社同士の融通とは違う)が昨年の最大実績では628万㌗もあるのだ。さらに、東電が揚水発電を隠していたように、関電も揚水発電量を開示していない。

3187万㌗+628万㌗=3815万㌗もの供給能力がある。こうした頑張りをすべて隠して供給力は2938㌗しかないと言うのみなのだ。ともあれ、予備率は20%を超える。こんな能力がありながら、節電をお願いし、企業の生産をダウンさせようとまでする関西電力の狙いがなになのか。

この他社受電が拡大すれば、発送電一体の電力会社の独占に穴があく。『週刊朝日』で広瀬隆氏が指摘した、このことが、東電に代わって電気事業連合会の会長企業となった関西電力の必死に守らなければならない生命線なのだろう。

昨日は、奈良県知事と会談して10%の節電に合意したという。最初の15%は一体なんなのか。閉店前のスーパーの割引じゃあるまいし、京都府とは5%とか、兵庫とは0%なんてこともあるのかしら。いずれにしても、売り上げを低く誘導する関電。株主にたいする背任は重大だ。

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