マレーシアのセランゴール州イスラム宗教局と、同州イスラム宗教委員会は6月13日、今年1月にマレーシア聖書協会から押収した聖書を返還しないと発表した。
セランゴール州政府から聖書を返還するよう指示があったが、「イスラムに対する破壊行為に当たる」として、1988年非イスラム宗教法に基づき返還しないことを決定した。
押収されたのは、マレー語とイバン語の聖書300部。イスラム宗教局が「非イスラムにも関わらずアラーという表現を使っている」との理由で聖書協会を家宅捜索し、聖書を押収した。
セランゴール州ではスルターン(君主)のシャラフディン・イドリス氏も州内で非イスラム教徒は「アラー」との表現を使用してはならないとの命令を発していたが、マレー語版の聖書で「アラー」が使用され続けていた。
同州のアブドル・カリド・イブラヒム首相は、問題解決に向け話し合いを行う方針を明らかにした。
マレーシアでは過去にも、2009年には同国政府がマレー語聖書5000冊を押収、2011年には新約聖書と旧約聖書の詩篇、箴言など合わせて3万冊が押収されている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます