ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンス (WEcafe)

国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータによるサイエンスカフェWEcafe公式ブログ

【WEcafe vol.1】 小笠原カフェ  (ゲスト:加藤英寿さん・須貝杏子さん)

2009年08月22日 | WEcafeイベント
サイエンスを支えるのは研究者だけでなく、
(小笠原研究の場合は)カメラマンやダイバー、
登山家などもいることをもっと伝えたかった!
と反省会でおっしゃった加藤さん。

どんなカフェだったのか様子をのぞいてみましょう




7/25(土) 天気:  
参加者:19名 ゲスト:加藤英寿さん・須貝杏子さん (首都大学東京)



午後1時半から始まったカフェの前半(約1時間)は、
加藤さんの自己紹介から始まり、小笠原諸島や調査の話でした。


船酔いがひどいにもかかわらず、島好きが高じて
船で25時間かかる小笠原諸島の調査を10年前から始めたこと。
カメラマンが記録してくれた調査の映像を交えてその様子が紹介されました



休憩をはさんで4グループに分かれて
小笠原諸島にまつわるクイズを解きました。


「小笠原諸島には数多くのカタツムリが住んでいますが、
周りは海で囲まれて陸地とつながったことがありません。
そんな島へカタツムリはどうやって入ってきたのでしょうか?」


これは、まだ分かっていないので今も研究されています。
正解はないのでどんな仮説でもかまいません。



加藤さんが思わずうなるような仮説を目指して考えました

   台風や竜巻に運ばれてきた説
   ヤドカリや貝から進化した説
   魚のエラについてきた説
   流木と一緒に流されてきた説
   鳥やコウモリにくっついてきた/糞に含まれていた説


2つ目のクイズはやや難しかったようで、
1問目とは対照的にグループ内の笑いや話声が少なめでした。
(2つ目のクイズ:「どちらも無人島の北硫黄島と南硫黄島ですが、
北硫黄島には海鳥がいません。どうしてでしょう?」)



それでも色々な仮説が出てきました

   天敵説 (ネズミやヘビ、人が連れてきたペットが海鳥の卵を食べてしまう)
   地形が巣作りに適していない説
   気候が海鳥の繁殖に適していない説
   餌の多い海流が北硫黄島には存在しない説


今回クイズに使った問題のほかにも小笠原諸島の成り立ちについては、
まだ分かっていないことがいくつもあるそうです


小笠原諸島の理解を深めていくためには、

   仮説を作る/思いつく
   仮説を確かめる(検証する)
   2で確かめた結果、誤りであった仮説は潰す
   1に戻る

を繰り返す過程が大事だと加藤さんがおっしゃっていました。





さて、第1回目のWEカフェはいかがでしたか? 次回も楽しみにしてください


WEカフェが

参加者の皆さん

会場を提供してくださった国立科学博物館や

サポーターの武田計測先端知財団

当日お手伝いに駆けつけてくれた皆さん

によって支えられているように、

小笠原の研究者が仮説を立てては崩してを繰り返せるのも

調査を助けてくれるカメラマン、ダイバーや

登山家がいるからなのだと思うのでした。


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