ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンス (WEcafe)

国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータによるサイエンスカフェWEcafe公式ブログ

ミュージアムパーク茨城県自然博物館企画展「こけティッシュ 苔ワールド!」をレポート!

2013年06月13日 | 展示レポート

こんにちは、WEcafeの村田です

 

真夏のようなカラっとしたお天気に恵まれた6月8日、ミュージアムパーク茨城県自然博物館で開催されている企画展「こけティッシュ 苔ワールド!~ミクロの森に魅せられて~」に行ってきました。

この企画展の開催期間は6月16日までと残りわずかですが、展示の評判を聞きつけてWEcafeメンバーが突撃して参りました!

 

まずは苔ワールド展のマスコットキャラクター にご注目!

コケ植物を模したこのマスコットキャラクター、実はコケの代表的な3タイプである蘚類(せんるい)、苔類(たいるい)、ツノゴケ類の特徴をよく表わしています。なんと職員さん自らがデザインされたそう。

かわいいマスコットキャラクターがあちこちで解説してくれるので、私のような初心者の来館者でも親しみを感じられますね!

 

苔類の1種であるゼニゴケの50倍拡大模型を発見!

細部にまでこだわって作られています。

 

こちらはボランティアさん手作りの、コケの葉の模型です。

フェルトを使って立体的に作られており、触ることもできます。

 

このような「拡大模型」や、「触る模型」の他にも「実際にのぞきこめる顕微鏡」を用いた展示もありました。

コケの種類は日本だけで1700種ありますが、どうしてもサイズが小さいので、肉眼で見ただけでは種類ごとの違いを実感しにくいのが難点。様々な展示の工夫のおかげで、コケの特徴をより理解しやすいですね!

 

さらに、映像を使った展示にも注目!

こちらは定点カメラを使ってコケの受精や成長を撮影した貴重な映像です。

実はこの映像は、博物館の駐車場で撮影したとのことです。

駐車場の片隅で、時に雨が降ったり、霜が降りたりする中、コケがぐんぐん成長して行く様子はドラマチックでした!健気なコケたちを応援したくなります。

 

子供達に人気の動画展示を見つけました。2ヶ月間のゼニゴケの成長を23秒の早送り動画にして、床に投影したものです。

私もこの展示が大好きです!コケが地上に広がっていく様子を、うまく映像を使って表現しています。

まるでアート作品のようで、ボーっと見ているだけで癒されますよ~

 

さらに、直径6 mの巨大な室内苔庭「フレッシュこけガーデン」では生きているコケも見ることができます!

 

子供から大人まで、コケを体感できる工夫があふれています。

皆さんも魅惑の苔ワールドを体感してみませんか?

 

<今回ご紹介した博物館>

ミュージアムパーク茨城県自然博物館

 

【アクセス】

茨城県坂東市大崎700

常磐自動車道谷和原ICから 車で約20分

つくばエクスプレス守谷駅から関東鉄道バス約20分、徒歩約5分

東武野田線愛宕駅から茨城急行バス約15分、徒歩約10分

 

【入館料】

企画展開催期

大人 720円

高校・大学生 440円

小・中学生 140円

※小・中高生は毎週土曜日入館無料です(長期休み期間を除く)

 

【開館時間】

9:30 ~ 17:00(入館は16:30 まで)

※展示最終日も入館は16:30 までとなります

 

【休館日】

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

 


国立科学博物館企画展「江戸人展」をレポート!

2013年06月05日 | 展示レポート

こんにちは!WEcafeの村田です

今回はWEcafeお勧めの博物館展示をレポートいたします!

 

第一弾は、国立科学博物館企画展「江戸人展」!

東京藝術大学在学中に「江戸人展」の展示作成に携わった、戸坂明日香さんに案内して頂きました。

 

江戸人展では、大江戸エリアから出土した江戸の人々の「骨」の標本を中心に、幅広く江戸中期以降の文化が紹介されています。

大江戸とは、現在の山手線内に隅田川東岸を合わせた地域を指しています。

 

展示室入口は武家屋敷風の門構え、足元には当時の大江戸の拡大地図が。

あ、気になる地名発見!いつもサイエンスカフェをしている千駄木はこの辺?などなど…

 

さぁいよいよ中へ!

 

まずは入口にある案内図をご覧ください。

ほっこりする手描きイラストが描かれた案内図、これ、実は戸坂さんのデザイン!

 

戸坂さんは、頭骨(とうこつ)から生前の顔を再現する“復顔”を担当していました。

こちらが復元された江戸人のお顔です!!

江戸時代後期にもなると、武家と町人とでは顔つきが異なっており、その違いが対比しやすいように展示されています。

武家は面長、町人は四角顔です。

 

戸坂さん(写真中央)によると、食生活や、日常の歯の食いしばる頻度・強度の違いによって顎(あご)の形が変わっていったそう。

 

左側が武家女性、右側が町人女性です。違いがわかりますか?

中には武家のような頭骨を持つ町人もいたので、はっきりと二分される訳ではないですが、大まかな違いはよくわかります。

当時の時代背景を考えると、骨を前にして想像が膨らみます。

 

最後に戸坂さんに、「復顔」の難しさを伺いました。

 

「復顔では、骨の形から科学的に顔を再現していきます。

ただ、耳の形、唇の厚さ、まぶたなど、骨からは推定しにくい部分は、

骨の形からインスピレーションを膨らませてつくるんです。

特に、眼球の位置(=目の出っ張り具合)を決めるのが大変でした」

 

なるほど、科学者と芸術家が細部にまでこだわってはじめて、江戸人の顔が蘇ってくるんですね。

骨だけで、こんなに色々なことが分かってしまうとは驚きでした!

 

骨以外にも、江戸の人々の服装、髪型、化粧といった文化も紹介されています。お歯黒のにおいを嗅ぐことのできる体験コーナーも!

どれも、江戸特有の文化がリアルに感じられるものばかりです。

 

「江戸人展」は6月16日まで。

この機会に、江戸人たちの雰囲気を感じてみてはいかがですか?

 

<今回ご紹介した博物館>

国立科学博物館 (http://www.kahaku.go.jp/)

企画展「江戸人展」 (http://www.kahaku.go.jp/event/2013/04edo/event.html)

【アクセス】

東京都台東区上野公園 7-20

JR「上野」駅公園口から徒歩5分

【入館料】

一般・大学生:600円

高校生以下:無料

【開館時間】

9:00 ~17:00 (入館は16:30 まで)

※金曜日のみ9:00 ~20:00

【休館日】

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

 

※企画展「江戸人展」は入館料のみで見学可能