いよいよ!【フリースケーティング】のジャンプ構成を語ります~!
基本となるジャンプの基礎点一覧。よく使う物のみ、もう一回おさらいを。
3回転アクセル(3A)→8.5点
3回転ルッツ(3Lz) →6.0点
3回転フリップ(3F)→5.3点
3回転ループ(3Lo) →5.1点
3回転サルコウ(3S)→4.2点
3回転トゥループ(3T)→4.1点
2回転アクセル(2A)→ 3.3点
2回転ループ(2lo)→ 1.8点
2回転トゥループ(2T)→1.3点
ノーミスで滑った場合に、基礎点の高い順に書き出してみました。
構成はどうしようかと思いましたが、最近のものから。
(スピン、ステップの基礎点は除き、純粋にジャンプのみ)
ただ、ソチの本番にジャンプ構成を上げたり、
下げたりと変えてくるかもしれないので、あくまで目安として。
あ、以前のブログにも書きましたが、
フリースケーティングは、コンビネーション3回も含めて合計7回ジャンプが飛べます!
★より後のジャンプは後半なので、基礎点に1.1倍のボーナスがつきます。
それを加算した得点です。敬称略。
※計算間違えていたら、教えて下さい……ケアレスミス多いので。
① 浅田真央/日本
3Aが2本の構成か1本の構成かわかりませんが、どちらにしてもトップなので。
『3A2本』
3A(8.5) 3A+2T (9.8)3F(5.3)
★ 2A+3T(8.14) 3S(5.3) 3F+2Lo+2Lo(9.79)3Lo(5.61) 52.44点
『3A1本』
3A (8.5)3F+2Lo(7.1) 3Lz(6.0)
★ 2A+3T (8.14)3S(4.62) 3F+2Lo+2Lo(9.79) 3Lo(5.61) 49.76点
② アデリナ・ソトニコワ/ロシア
3Lz+3Lo (11.1)3F(5.3) 3Lo(5.1)
★ 2A+3T(8.14) 3F+2T+2T(8.69) 3S(4.62) 2A(3.61) 46.56点
③ ユリア・リプニツカヤ/ロシア
3Lz+3T(10.1) 2A+3T+2T(8.7)
★ 3F(5.83) 2A (3.61)3Lo+2T (7.04)3S(4.62) 3Lz(6.6) 46.5点
④ ポリーナ・エドモン/アメリカ
3Lz+3T(10.1)3F+1 Lo+3 S(10)2A(3.3)
★3F(5.83)3Lz(6.6)3Lo+2T (7.04)2A(3.61) 46.48点
⑤ グレイシー・ゴールド/アメリカ
3Lz+3T(10.1)2A+3T(7.4)3Lo(5.1)
★ 3F(5.83)3Lz(6.6)3 S +2T+2T(7.48)2A(3.61) 46.12点
⑥ ガブリエラ・デールマン/カナダ
3Lz+3T(10.1)2A+3T(7.4)3F(5.3)
★3Lz(6.6)2A(3.61)3 S +2T+2T(7.48)3Lo(5.61) 46.1点
⑦ 村上かなこ/日本
3T+3T(8.2)3Lz(6.0)3Lo(5.1)
★3F+2T(7.26)3F(5.83)2A(3.61)3S+2Lo+2Lo(8.58) 44.58点
⑧ 鈴木明子/日本
3F+2T+2 Lo(8.4)2A+3T(7.4)3Lz(6.0)
★3F(5.83)3Lo(5.61)3 S +2T(6.05)3 S(4.62) 43.91点
⑨ アシュリー・ワグナー/アメリカ
3F+3T(9.4)2A(3.3)3 S(4.2)
★3Lo+2ASEQ(7.39 ) 3Lz(6.6)3Lo(5.61)3 F+2T(7.26 ) 43.76 点
⑩ マエ・ベレニス・メイテ/フランス
2A(3.3)3S+3 T(8.3)3Lz(6.0)3F(5.3)3Lo+2T(6.4)
★3Lo(5.61)2A+3T(8.14) 43.05点
⑪ キムヨナ/韓国
3Lz+3T(10.1)3F(5.3)3S+2T (5.5)
★3Lz(6.6)2A+2T+2Lo(7.04)3 S(4.62)2A(3.61) 42.77点
⑫ ジジュン・リー/中国
3F+2T(6.6)2A+3T(7.4)3Lz(6.0)3 S +2T+2 Lo(7.3)
★3F(5.83)3Lo(5.61)2A(3.61) 42.35点
⑬ ケイトリン・オズモンド/カナダ
3F+2T(6.6)2A+3T(7.4)3Lz(6.0)3 S(4.2)
★3F(5.83)3T +2T+2T(7.73)2A(3.61) 41.37点
⑭ カロリーナ・コストナー/イタリア
3Lz(6.0)2A(3.3)3F+2T(6.6)3Lo(5.1)
★3 T (4.51 ) 3 S(4.62)3 S +2T(6.05 ) 36.18 点
※ヨーロッパ選手権の構成から抜き出しましたが、基礎点が低すぎるので、
多分、二つ目のジャンプは2A+3Tにする予定ではないかと。
あと3連続ジャンプがないので、最初の3F+2Tの後か、後半の3 S +2Tの後に
2Tか2Loがつきそうな気がします。
FSは7回ジャンプが飛べるので、
構成も色々とバラエティに富んだものになっています~。
FSでは、みんなエッジエラーのあるジャンプも1回は組み込んできます。
エッジエラーのあるものでも入れないと、基礎点が下がるからです。
★ショートとフリーの合計点の高い順★
SP FS
① 浅田真央 21.39 + 52.44 =73.83(1回構成だったら、71.15)
② ユリア・リプニツカヤ 19.23 + 46.5 =65.73
③ ポリーナ・エドモン 19.03 + 46.48 =65.51
④ グレイシー・ゴールド 19.34 + 46.12 =65.46
⑤ ガブリエラ・デールマン 19.03 + 46.1 =65.13
⑥ アデリナ・ソトニコワ 17.13 + 46.56 =63.69
⑦ 村上かなこ 17.66 + 44.58 =62.24
⑧ キム・ヨナ 19.03 + 42.77 =61.8
⑨ ジジュン・リー 19.03 + 42.35 =61.38
⑩ 鈴木明子 17.13 + 43.91 =61.04
⑪ アシュリー・ワグナー 15.84 + 43.76 =59.6
⑫ ケイトリン・オズモンド 17.13 + 41.37 =58.8
⑬ マエ・ベレニス・メイテ 16.6 + 43.03 =58.5
コストナー選手は構成がはっきりしないので割愛。
ジャンプの基礎点の合計は、浅田選手が73.83点でトップです。
2位のリプニツカヤ選手と最大8点、最低でも6点ぐらい差があるので、
3Aを一回転倒しても回りきって転べば、基礎点はトップのままです。
浅田選手は、FSで3Aを一度も飛ばずに2Aにしても、
65.95点で基礎点はトップになります。
ジジュン、ヨナ選手は、SPは基礎点が高いですが、
FSの基礎点が低いので、SPのアドバンテージがひっくり返されて、
合計の基礎点では村上、ソトニコワ選手の下になります
FSの基礎点が低いということは、簡単で安全な構成ということです。
ミスを抑えられます。
ただ基礎点が低いので、ミスをしたらもっと基礎点が下がり、
一個のジャンプミスが致命傷になります。
ジジュン選手は3F+3Tが飛べるので、
フリーの3F+2T(3-2)を3F+3T(3-3)に変えて基礎点を上げるかもしれません
そうすれば基礎点が2.8点あがるので、64.18点。合計基礎点が6位になります。
ヨナ選手はトップ選手では唯一、3Lo(トリプルループ)を試合にいれてません
試合に組み込めないほど、成功率が低い……苦手なのだと思います。
基礎点が割合と高い3回転のジャンプが1つないことで、
これ以上点を上げる構成が組めません。
SP、FSと難しい3Lz+3Tを飛ぶのに、他の3Lz+3Tを飛ぶ選手よりも
3~4点低くなってしまうのはそのせいです。
ちょっとでも基礎点を上げるなら、前半に飛ぶ3Fか3S+2Tを
後半のジャンプにしてボーナスを稼ぐという方法もありますが、
足の疲れる後半にジャンプを固めてしまうのはリスクが高いです。
こうしてみると、トップの選手は、
① 3A、もしくは3-3を飛び、
② 2回転にセカンドトリプルをつける2A+3Tを入れて、
③ 3回転からはじまる3回転-2回転-2回転の3連続ジャンプ
というのが基本構成で、これらが得点源です。とてもレベルが高い。
3Aや3-3は難しいので、
どの選手もフリースケーティングの最初に飛びます。
2回転にセカンドトリプルをつける2A+3Tは
3-3の次に難しく得点が高いので、選手によって
足が疲れてないプログラム前半にもってきたり、
ボーナスをもらうために後半に組み込んだりと色々です。
プログラムの最後のジャンプは、疲れもあるので
簡単な2Aや得意ジャンプで終わる選手が多い中、
ただ一人、ドヤぁ!とばかりコンビネーションの
2A+3Tを飛んでくるメイテ選手はかっこいいと思います
3連続ジャンプは6種類のどのジャンプにつけてもいいです。
簡単なジャンプほどミスなく飛べるので、簡単なものか得意ジャンプ
トリプルサルコウ(3S)、トリプルフリップ(3F)が多いです。
トリプルトウループ(3T)でもいいですが、①と②で2回つかうことが多く、
一つのプログラムで同じジャンプは2回までの、
回数制限にかかって使えないことが多いです。
三回転の後につける連続の二回転は基本、2T+2Tですが、
Lo(ループジャンプ)が得意な選手は、
2Lo+2Loにかえてきます。これだと2T+2Tに比べて基礎点が
1点あがり、後半ボーナス1.1倍でもっと得点があがります。
上位選手で3回転+2Lo+2Loを飛ぶのは、浅田、村上選手です。
特に浅田選手は後半に3F+2Lo+2Lo(9.79)を飛んで、
3Lz+3T(10.1)に近い高得点を稼いでいます。
また2T+2Tよりももうちょっと基礎点を上げるために、
ジジュン、ヨナ選手は片方だけLo(ループジャンプ)に置き換えて、
2T+2 Loという組み合わせにしてます。
トップ選手では、ヨナ選手がダブルアクセル(2A)からはじまる
2-2-2の一番簡単な3連続になっています。超安全構成です。
また、リプニツカヤ選手は2-3-2 という、
間に三回転が入った、得点が高く珍しい3連続になっています。
3-2-2の3連続が基本の中、
3F+1 Lo+3 Sと間に一回転ループという、
一見「ジャンプミス?」みたいなジャンプを挟んで、
3回転ジャンプをつないだ3-1-3という
ごっつい(と私には思える)三連続ジャンプを飛ぶ
エドモン選手は男前だと思います
最近、流行りなのかこのジャンプを飛ぶ選手が女子やジュニアにちらほら。
そして基礎点も10点ととても高いです!
そしてジャンプに関してもうひとつ。
男子シングルの選手と違って、
女子シングル選手のジャンプのピーク、
いちばんジャンプが飛べる年齢は15歳前後と言われています。
女子は体型変化がはじまる前、子供体型の頃が、
体も軽く難しい3-3が回転不足もなくバンバン飛べます。
今回のオリンピック出場選手でいうと、
リプニツカヤ・エドモン・デールマン選手がその年代にあたります。
この時期の選手は、ジャンプに安定感があることが多くて
高難度でもノーミスができる確率が高いと思います。
リプニツカヤ選手は去年からシニアにあがってシニアの大舞台も経験していますが、
エドモン、デールマン選手はまだ大きな大会の経験が浅そうなので、
その辺がどうでるんだろう?と思います。
体型変化がくると背が伸びて肉がつき、体のバランスが変わってくるので、
ジャンプが飛べなくなり、苦しむ時期がきます。
どんなにジャンプが飛べていても、その時期を乗り越えられず消えてしまう選手もいます。
今、残っている20代前後の選手は、体型変化を乗り越え、
ある程度のジャンプ能力をキープしつつ、
本番で力を出しつつ大崩れしない、生え抜きの選手だと思います
ただ、十代半ばのようなジャンプは望めないので、
練習して磨いたスケーティングや表現で差をつけて戦います。
ジャンプがピークの若手女子ともジャンプの基礎点で
戦える浅田選手は、とても強いです。
リプニツカヤ選手は体型変化がきているようで、
太らないようにかなりダイエットしていると聞きました。……大変だ
ソトニコワ選手も体型変化に苦しんでいましたが、
何とか乗り越えて今期、安定してきたと思います。
沈んでいく選手、乗り越えられる選手を見ていると、
何となくですが、体重がつきすぎなければ乗り越えられそうな気がします。
けど若い女の子にダイエットは……きついだろなあ。
ロシアには、ソトニコワ選手と同年代の、
タクタミシュバという3Aも練習していたジャンプの得意な選手もいましたが、
体型変化を上手く乗り越えられていない感じです。
何とか乗り切って、またシニアの大会で姿を見せてくれたらと思います。
次は、スケーティングとスピンについて簡単に、
その次に選手について語れたらと思っています。