そしょくにっき

このはらの粗食な食生活+日々のつぶやき。おかしいことゆってると赤ペンはつっこむよ。

小説b-Boyについて

2022-04-13 | 2022

  小説bーBoyと投稿の思い出 

 

小説ビーボーイ 2022年春号(4月14日発売)に初掲載作「水のナイフ」の続編を書きました。ご存じの方も多いかと思いますがこの号で小説ビーボーイは休刊になります。

 

本誌の「小bと私」というインタビューにも答えさせてもらったのですが、読み返すと他の先生方の温もり溢れるお答えに比べて、自分の文章のサバサバして体感温度が低い感じにビビリました。情感が……足りないですね。それはさておき、小説bーBoyの投稿と掲載作の思い出を語ってみようと思います。この語りのために、昔の雑誌の切り抜きを探し出しました。

その昔、BL小説にはまった私は投稿をはじめます。学生時代から少女小説や二次創作の小説を書いていたので、小説を最後まで書き上げるということはできていました。今はなきJUNEやそのほかのBL出版社に投稿し、その中で奨励賞をもらえたのがビブロス(リブレの前身)の小説bーBoy新人賞でした。雑誌で自分のペンネームを見つけて「ええええっ」と叫んだような記憶があります。あ、賞金は3千円でした。ビブロスで奨励賞をもらったのは「ピーターと狼」という幼なじみ同士の(多分)短編で、それはこちらの「COMPLETE A+B」という同人誌の総集編にはいっています。

「COMPLETE A+B」https://comicomi-studio.com/goods/detail/58680

当時、編集部から「心理描写を踏み込んで。話の折り返し地点でフェードアウトしてるように感じる、このまま終わるならもう少し説得力のあるエンドシーンを」という感じの評をもらってました。賞をもらえたことで「これは相性がよいかも!」と思い、続けて投稿しました。

次の投稿作は「水のナイフ」で、こちらは期待賞をもらいました。高校の先生と、性格の悪い生徒のお話。賞金は1万円とワンランクアップ!編集部からは「オリジナリティあふれる作品。ところどころ場面展開がわかりにくいところもあり、文章的には不安定」という感じの評をもらってました。

誌上で評をもらうことはすごく嬉しかったのですが、今思うと注意点をまったく気にしてなかったです……好き勝手に書いてました。勢いづいた私は、小説と漫画が一緒になった「ビブロス新人大賞」というのがあったのでそれにも応募し「TRUE LOVE」という作品で、選外佳作・審査員特別賞をもらいました。賞金は3万円です。これを何に使ったか今では覚えてない。覚えておけるものを買っておけばよかった。編集部からは「もう少し文章に色気がほしい、小説を書いて文章を磨いてほしい」という雰囲気の評でした。この「TRUELOVE」は数年後、雑誌に隙間ができた時にひょいとのせていただきました。昔、電子配信してましたが見当たらないので、みつけたらまたアドレスを貼っておきます。正直に申しますが、この話の内容を覚えてないです……。

3回続けて賞をいただいたあと、期待賞をもらった「水のナイフ」が参考掲載してもらえることになり、壮絶に修正した記憶があります。どこをどうなおしたのかは覚えてないですが、指摘のあるままとにかくなおしました。当時、何かヘロヘロになった記憶があります。私の記憶が間違っていなければ、小説に挿絵がつくことになった時、私は「こういう感じのキャラです」と自分で下手くそな絵を描いて編集部に送ったような気がします。今考えると、ものすごくうざい奴だ……担当さんからは何のレスポンスもなく華麗にスルーされたような?もう記憶が曖昧です。無事に「水のナイフ」は参考作として掲載され、商業誌の初掲載作になりました。当時、作品の最後に掲載されていた著者コメントに「本当に載るんですか?」とくっそ汚い自筆で書いてあって、新鮮でした。今も字は汚いです。その後、水のナイフは、脇役を主人公にした続編のセカンド・セレナーデを書き下ろして「セカンドセレナーデ」というノベルズに入りました。そちらがこのノベルズになります。hontoさんを貼ってますが各電子書店、書店にあります。紙本はもう絶滅危惧種かもですが。

「セカンドセレナーデ」電子https://honto.jp/ebook/pd_10168270.html

その後、お仕事として小説の依頼がきて(多分)「眠る兎」という短編小説を書いて掲載してもらいました。私が思うに、これが実質デビュー作でいいのかなと思います。「眠る兎」は先生と生徒が文通!!で知り合うというレトロな恋愛話で、ノベルズ発売のあと文庫化しています。各電子書店、書店にあります。

「眠る兎」紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_03095491.html

「眠る兎」電子https://honto.jp/ebook/pd_25963732.html


「眠る兎」ですが、表紙にデビュー!という文字がつくこともなく、その後に書いた話にもつくことなく(多分)、淡々とお仕事をもらい、書いて載せてもらいを続けてきました。当時は学園物で元気のいい男の子が主人公の華やかな話が人気の時期だったので、私はあまり時流にはのってなかったと思います。時流にのってませんでしたが、担当さんは「どういう話が読みたい」ということは言わず、私が提出した中でやばいプロットだけ「これはダメです~」と笑顔で弾いてくれました。そして弾かれたやばいプロットはいそいそと他社に持っていったり、同人誌で書いたりしてました。当時は雑誌の仕事が多く、締め切りがあって追い込めるものは自分に合ってたと思います。今でも雑誌は好きです。


本来、読み切りのタイプで長いシリーズを書くのが苦手。シリーズを続けられる人が羨ましかったのですが、そんな私でも何とか長いシリーズにできた最初の話が記憶喪失がテーマの「COLD」です。雑誌に「COLDSLEEP」「COLDLIGHT」「COLDFEVER」の順に掲載させていただき、それぞれに書き下ろしをつけて3冊発売。最初の3冊は3冊で一つの話になっています。続編の「COLD HEART」は登場人物が脇役にチェンジし、麻生ミツ晃先生の「COLD」シリーズのコミカライズにあわせて小説bーBoyで連載をはじめ、連載の扉絵を最初からノベルズに入れるつもりで書いてもらっていました。この時、小説bーBoyは隔月だった気がしますが、連載が猛烈にきつかった記憶があります。それに付き合ってくれた担当さんも扉絵の麻生先生も大変だったと思います。この場をかりてお詫びを……。COLDは話の途中経過が地獄みたいな話ですが、好きだと言ってくださる方が多くて、最終刊の四六判で大団円にできた、まとめられたことでやりきったー!と思ったお話でした。COLD6作品はこちら。電子も各社で発売中です。今ですと、長い時間をかけて完結させた話を一気読みできます。

「COLDSLEEP」

紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_03064101.html

電子https://honto.jp/ebook/pd_25698931.html

「COLDLIGHT」

紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_03073077.html

電子https://honto.jp/ebook/pd_25732418.html

「COLDFEVER」

紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_03079984.html

電子https://honto.jp/ebook/pd_25771138.html

「COLD HEART in TOKYO」

紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_26211632.html

電子https://honto.jp/ebook/pd_26675177.html

「COLD HEART in New York」

紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_26246684.html

電子https://honto.jp/ebook/pd_26675178.html

「COLD THE FINAL」

紙本https://honto.jp/netstore/pd-book_29028639.html

電子https://honto.jp/ebook/pd_29163146.html

 

麻生ミツ晃先生の漫画版! 紙版のリンクが貼れないので後日に

「COLDSLEEP」https://honto.jp/netstore/pd-book_03376223.html

「COLDLIGHT」https://honto.jp/netstore/pd-book_26227411.html

「COLDFEVER」https://honto.jp/netstore/pd-book_28989302.html

 

上下巻のシリーズで「月に笑う」シリーズもあります。こちらは「月に笑う」「灰の月」の上下巻、全4冊になっています。「月に笑う」の中学生とチンピラの話が好きで、雑誌掲載から早めに本になった話です。この作品だったか定かではないですが、人が動くときに理由づけをするため、よくトイレに行かせていたのですが、担当さんに「BLなので、受がトイレに行くという描写はいらない」というようなことを言われ、ハッとしてそれ以降、トイレにいくために立ち上がる回数を減らしたような気がします。「月に笑う」は人生初サイン会をしていただいた記念の本になります。続編の「灰の月」は月に笑うに少しだけ出てきた惣一という経済ヤクザの話で同人誌で書いてましたが、書いても書いても終わらないという地獄のループを繰り返し、登場人物がボロボロのグチャグチャになってようやく決着のついた話でした。これは表紙のイラストと装丁が素晴らしくて、時折取り出しては眺めています。「灰の月」は同人誌で「月に笑う 惣一編」というタイトルだったため、商業発売にあたりどうしてもタイトルを考えねばならず、しかしなかなか決まらなくて、担当さんと話をするたびに、あれは、これは、と意見を出してもらったりして、最終的に灰の月に決まりました。担当さんの「これでもいい気がしてきた」が決め手でした。そしてやっぱり灰色ではなく灰だったなと。ぱっと数秒でつけるタイトルもありますが、こちらは悩み抜いてつけたタイトルだったのですごく記憶に残っています。

「月に笑う 上」

紙本  https://honto.jp/netstore/pd-book_03177170.html

電子 https://honto.jp/ebook/pd_28211026.html

「月に笑う 下」

電子 https://honto.jp/ebook/pd_28222913.html

「灰の月 上」

紙本 https://honto.jp/netstore/pd-book_29479422.html

電子 https://honto.jp/ebook/pd_29619796.html?deqid=42686725961&recid=002002

「灰の月 下」

紙本  https://honto.jp/netstore/pd-book_29559550.html

電子 https://honto.jp/ebook/pd_29662375.html?deqid=42692276637&recid=002002

 

雑誌に書いた話では「薔薇色の人生」というデリヘル店長と刑事のお話がとても好きです。登場人物が愛おしい感じで。こちらはインタビューにも書きましたが、前編掲載でビブロスが潰れ、後編は新会社の同名雑誌に掲載されるという大変なことになったことでも記憶にあります。

「薔薇色の人生」

電子 https://honto.jp/ebook/pd_27515151.html

 

脳は一つ、かつ忘却するので、過去のインタビューで語ったことを再び語ったりしているような気もしますが、ご容赦を。雑誌が休刊してしまうのは寂しいですが、時代かなあと。デビューから小説bーBoyには随分とお世話になり、沢山の小説を掲載していただきました。そして最後の雑誌に声をかけてもらえたのがとても嬉しかったです。本当に。雑誌最後の作品は、初めて掲載させてもらった作品のその後にしました。はじめさせてもらった作品で、終わらせてもらいました。リブレさんは引き続きノベルズでお世話になる予定です

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2 コメント

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Unknown ()
2022-05-04 22:25:23
ヘンテコな服を着てるイケメンのお話も書籍化してほしかったです(◞‸◟)
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Unknown (木原)
2022-08-22 18:14:35
こんにちは。
へんてこな服のイケメン……
青春狂走曲でしょうか
だとしたら懐かしいです。
古い物も、何とかサルベージして
いきたいとは思っています
返信する

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