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日本版よりも感動した『チィファの手紙』

2020年10月09日 21時13分06秒 | 映画


【基本情報】
 原題:你好,之华
 英題:Last Letter
製作年:2018年
製作国:中国
 配給:クロックワークス

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:36/146
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
姉、チィナンが亡くなった。
妹のチィファ(ジョウ・シュン)は、
姉宛に届いた同窓会に出かけ、
そのことを伝えようとするも、
姉に間違えられた上にスピーチまでするハメに。

同窓会には、チィファが憧れていた
イン・チャン(チン・ハオ)も来ていた。
チャンは途中で帰ったチィファを追いかけ、呼び止める。

チャンがチィナンに恋していたことを知っていた
チィファは姉のフリを続けた。
連絡先を交換するが、チャンが送ったメッセージを
チィファの夫ウェンタオ(ドゥー・ジアン)が目撃。
「この男はなんだ!」と激昂し、
チィファのスマホは破壊されてしまう。

仕方なくチィファは、
チャンに住所を明かさないまま、
一方通行の手紙を送ることに。
かくして始まった「文通」は、
思いもかけない出来事を巻き起こす。

【感想】
本作は2020年1月17日に公開された
岩井俊二監督の『ラストレター』の中国版。
しかし、これが作られたのは『ラストレター』よりも前の2018年とのこと。

設定に多少の違いはあれど、内容はほぼ同じ。
なんだけど、中国版の方が格段に面白く、感動して泣いた。。。
文通を通じて、過去の思い出に浸りつつ、
いまだ残る想いを抱えながら、
最愛の人の死と向き合う流れが心にしみる。
特に、チャンがチィナンに線香をあげるシーンは、
彼の涙にもらい泣きしたね。。

正直、日本版はそこまで刺さらなかったから
どうだろうなあと思ってたんだけど、
これは観てよかったな。

その理由はいくつかある。
まず、日本版を観ていてストーリーわかってるから、
こっちの方がよりじっくり観れたってのはあるだろう。

次に、中国版の方がテンポがよかった。
必要なシーンが凝縮されているように感じて、
話に集中しやすかった気がする。

そして、こっちの方がキャラクターの感情がよく出てる。
日本人と中国人の違いかもしれないけど、
中国版の方がみんな感情を表に出すから感情移入しやすかった。
終盤で、チャンがチィナンに線香をあげるシーンで
彼がメッチャ涙流してるけど、
日本版だと福山雅治はそんなそぶりなかったから。

あと、これは監督もおっしゃっていたけど、ローカライズがうまい。
回想シーンの1988年は、日本版だと現代との差がわかりづらい上に、
キャストがかぶってるから時間軸の変化を感じづらかった。

それに対して、中国版はかなり時代背景を意識していた。
向こうにおける地方の1988年は日本とはかなり違ったということもあり、
風景がかなり昔を思わせる感じになっていたんだよね。
その時代の差が時間軸の変化を顕著にさせて、風情があったと思う。

他にも、登場人物の会話には細心の注意を払い、
中国人にとって違和感のない形に仕上げるほどの徹底ぶりだったようだ。

そういうこだわりの差が、日本版よりも面白く、
感動する要因へと繋がっていったのだろう。

ただ、結局わからなかったのは、
チャンは途中で手紙を2通もらうことになる
(チィファからのものと、チィナンの娘のムームーたちからのもの)けど、
そこで「何で2通あるんだ?」と深掘りしなかったこと。
これは日本版でもそうなんだけど、
真相を聞こうと思わなかったのかな。

映画「チィファの手紙」

初恋、めぐる― 岩井俊二監督作品 出演 ジョウ・シュン/原題:你好、之華

映画「チィファの手紙」

 


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