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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

設定と怪演に精神をえぐられる『女たち』

2021年06月06日 20時20分18秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:54/106
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
母親の介護
失恋
親友の自殺

【あらすじ】
主人公の美咲(篠原ゆき子)は、
母(高畑淳子)の介護をしながら地域の学童保育所で働いている。
東京の大学を卒業したものの、
就職氷河期世代で希望する仕事に就くことができず、
恋愛も結婚も、
なにもかもがうまくいかず、
40歳を目前にした独身女性である。

娘を否定し続ける毒母、
そんな母に反発しながらも自分を認めてもらいたいと
心の奥底で願う娘。
そこに「介護」という現実がのしかかってくる。
お互いに逃げ出したくても逃げ出せない。

あるとき、美咲が唯一心の拠り所としている
親友・香織(倉科カナ)が突然命を絶ち、
いなくなってしまう。
美咲にとって、
養蜂家として自立する香織は憧れだった。

美咲の心もポキリと折れ、
崩壊へと向かっていく。

【感想】
ここまで主人公を苦境に立たせる必要があるのかってぐらい、
主人公が悲惨すぎる。

父を亡くし、
介護が必要な母親は毎日罵声を浴びせてくる。
ヘルパーの男性(窪塚俊介)との恋愛もうまくいかない。
さらに、親友は突然自殺。

心が休まる場所もなく、
相談できる相手もおらず、
美咲の心の闇がどんどん大きくなっていく過程は、
観ているだけでこちらの心も蝕まれ、
体力も精神力も消耗するほど。

夢や希望という綺麗事を一切入れず、
現実と絶望だけが重くのしかかる彼女を見ていると、
むしろこっちがどうかしてしまいそう。

その辛いシチュエーションを
さらに際立たせているのがキャストの演技。
特に、美咲と母親はのやり取りは凄まじい。

美咲が鬱憤を爆発させて、
母親に想いの丈をぶつけるシーンなんか、
感情ってあそこまで表に出せるものなのかって驚いた。

そして、やっぱり母親を演じた高畑淳子の演技はとんでもなくて。
過去いろんなドラマや映画において、
この方の演技はいつも見とれてしまうけど、
今作では今まで以上に圧倒される。
右半身が麻痺している役どころなんだけど、
表情から口調、体の使い方に至るまで、
リアルすぎて。。。

正直、腑に落ちないところもあるっちゃある。
香織が命を絶つ理由や、
美咲と母親の関係性が急に変わるのも
唐突すぎるなって。
全体的に、
「ただ主人公に不幸を重ねた“不幸の幕の内弁当”じゃん?」
っていう感じもするのだけど、
それをカバーしてしまうぐらい、
キャストの演技が光る映画でした。

映画『女たち』公式サイト

《チームオクヤマ25周年》2021年6月1日(火)公開 映画『女たち』公式サイト。出演者:篠原ゆき子、倉科カナ、高畑淳子ほか。コロナ禍の重く...

 


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