みんなの僧

24で僧侶になり54で住職になるまで夢や悩みを聞き続けて30年。

もうこりた

2011-11-27 13:03:37 | 日記
被災地に赴いた時の福島の朝焼け。もはや8ヶ月が 過ぎた。


さて



・もう、こりた

・もうこ りた

お人好しが過ぎる自分には 「もう 懲りた」

他人に喜んで貰うのは 嬉しい。しかし、他人が己の欲望を満たす為の手助けをして喜んでもらう時は それ相当の対価があって然るべきである。

それが、「仕事」で「ビジネス」であり「商売」だ。不景気や不安を理由にして、不当に売値を釣り上げたり、労働賃金を値切ったりするのは単なる「強欲」に過ぎない。

今の時代 そんなのが横行している。不如意にも生まれついての お人好しが災いして そんな輩と出会したり、利用されたりする。
で、後悔すること夥しい。
そんな輩にも、そんな輩に知恵と労力と経験と人脈とが不当に利用される自分にも「もう、懲りた」である。

しかし、本当に苦しんでいる人や助けを必要としている人には知恵と労力と経験と人脈は活かしたいし、活かさないと 人間社会なんて未来は 無い。

己だけが、己の家族だけが、他人を出し抜いて幸せになっても 地域や地方や日本は幸せにはならん。

幸せでない日本に住む未来人は現在の日本人を恨むだろう。己を捨てて、日本の未来の為に戦った英霊たちに対する尊敬とは真逆の軽蔑をもって語られる事は想像に難くない。
己だけや、己の家族だけが幸せでいい時代は終わった。

自分も幸せで、家族も互いに助けあって 幸せで、幸せに分け前があるなら、他の人や苦しんでる人に 差し上げて生きるのが、新たな日本人だ。

意味のないケチや必要以上の強欲には鉄槌をくださないといけない。

拙僧には 下す資格や人格は無いので、あるかたは 是非、天誅を下して頂きたい。

今や強欲がそこかしこにのさばっている。

1400兆円もため込んだり、その金を掠めとるために投資家がアメリカと日本の政府を動かして、郵便貯金を解体したり、円高なのに投機家がガソリンを高騰させたり、もうもう、あれやこれやの強欲輩の枚挙に暇がない。

しかし、日本の未来は存外に明るいと拙僧は思っている。

この度の震災では、自分の生活や立場や仕事を捨ててまでも 被災地に乗り込んだ若者が無数に いた。
動機が不純であろうが、無かろうが あの壊滅した風景に身を置けば 感じたり考えたりしたことは多大にあったろうと思う。

若者が我を忘れて被災者を助けるなかで、手伝いするなかで得たものは何だったろう

それは「忘己 利他」という布施行だったかもしれない。読み方は、「ぼうこりた」ではなく「もうこ・りた」
我を忘れて、他人の窮地を手助けする。

利他行という 仏道修行にもつながる。

そこから生まれる「絆」こそ 日本の未来だと思う。
子孫に、争議のもとになる数千万の貯金を残すより、未来につながる「絆」を残す。
それが 結果、子孫たちが幸せな日本で生きることになる。

未来の幸せは「忘己 利他」から始まっている。

他人の強欲の為に働き、喜ろこばせるのは「もう、懲りた」です。

他人の窮地を救うべく、手助けをして喜んで頂くのは「忘己 利他」。

拙僧が大尊敬する 愛すべき大先達みんなの僧、「瀬戸内寂聴」さん。

寂聴さんが、忘己 利他の精神で被災地に赴き、ボランティアと言う 忘己 利他を実践する若者たちを讃えるドキュメントをテレビで見て、かつ現実の強欲たちの惨状 を思うにつけ ブログした。

寂聴さん、あなたは本当に素晴らしい。そして、寂聴さんに誉め讃えられる若者たち、あなたたちも同様に素晴らしい。

政治や企業は混沌。だが、まだまだ日本と日本人は見捨てたもんじゃないです。

頑張ろう!日本!

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