一昨日は大暑だったけど 東京は涼しかった。その後暑さが戻ったとはいえ、苦しい程ではない。
この前、原田芳雄さんの遺作名作の「大鹿村騒動記」を映画館で観て 日曜日はハリウッド映画「hangover」を観た。
どちらもドタバタコメディで 可笑しくて面白い。最近の映画では群を抜いて良かったな。
「hangover」は四人の中年男が独身生活に年貢を納めるハリウッド流ドタバタコメディ。「hangover」は二日酔いの意味で、映画は結婚式前に独身生活最後のバカ騒ぎをして羽目を外しまくるもの。
旅の恥はかきすてとばかりに旅の恥のかき捨て場、Las Vegasでムチャクチャをする。
アメリカ人の陽気さと馬鹿さ加減極まるストーリー。深みも味わいもなんにも無い。しかし、そう思わせておいてエンディング近くで人間性の成長を描いたりしている。
先ずは馬鹿騒ぎを笑い飛ばして頂いて、みたいな展開はハリウッドスタイルの王道だ。
それに比べて「大鹿村騒動記」は最初から最後まで どの場面を切り取っても人間性が溢れている。
いちいち登場人物同士の掛け合いが可笑しい。
で、非常に叙情的で美しい。
片や砂漠の中の歓楽シティ。片や長野の山間の緑豊かで瑞々しい。
共通しているのは人生の可笑しさと馬鹿さ加減を笑い飛ばしてるところと 見終わったあとの清々しさだ。
ハリウッドはカラッとしていて、Las Vegas特有の真っ青な空の様な爽やかさ。
大鹿村のは山あいを吹きぬける風のように 美しい爽やかさだった。
大鹿村騒動記では人が山奥に定着することから始まる、濃密な人間模様から醸し出される可笑しさを描き、hangoverでは赤の他人とのすれ違いから巻き起こるドタバタを笑いにしている。
この2作品を立て続けにみると、アメリカは大陸で、日本は風光明媚な島国なんだなとつくづく思う。
新たな街を作っては捨てて来たアメリカ文化。島国故に 土着・固定化せざるを得なかった日本。
同じコメディと言う切り口でも コレほど対比が鮮明な2作品はありません。
是非、「大鹿村騒動記」と「hangover」を立て続けに 鑑賞なさる事、オススメします
※hangoverは公開中のhangover2ではなく、DVDで出てるhangover1が良いです。