ワカキコースケのブログ(仮)

読んでくださる方ありがとう

今さらだけど、ちゃんと自分のプロフィールを、の巻

2014-02-19 04:50:30 | 日記


先日の「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」、neoneoセレクションの『アーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄の男』にご来場くださった方、ありがとうございました。

映画は(セレクションには自信があった通り)、評判よかったです。
萩野亮との僕のトークについては、知人友人の感想は大まかに以下の通り。

「話が長えよ! 相手の人(萩野)に悪いだろ、お前ばっかしゃべってんじゃねえか、しかもまとまらねえし」
「前半は、前説トーク記事http://webneo.org/archives/13834とダブっていて、タルかった」
「若木さんが、『えー、ヨーロッパ文化の底流にありますのはそもそも……』なんて大仰な脱線を始めたら、前の席のひとが(なに言い出してンだこのひと)とクスクス笑ってた。まあ、ウケたんだから、結果的によかったんじゃないですか」
「トークも若木節が炸裂し、わたしの前列の若い男性二人組は頷いたり笑ったりで、大受けでした」
「トーク、凄かったです。ベルグソン、ドゥルーズ、ポピュリズム、果てはトインビーまで出て来て、観客に対するサービス精神に、感激しました」

一応、少しはウケたらしい。ホッとした。

数年前にミニ・ライヴのMCという非常に慣れないことをして、ソチ五輪のスケート会場のリンクよりもよく滑ったことがある。
「マイケル・ジャクソンなんてね、『スリラー』なんてのがタイヘンに評判でしたけども。ワタシなんかもっと大変。今日もこの格好で歩いて来たんですけどね、人とぶつかってスイマセン……、しばらくして、アレ、アレレ。ない、財布がない。『スリダー!』」
とかやってる最中に、いちばん前の席の女の子が携帯メールを始めた。その後で弾き語りの出番だった後輩には、「あんなに冷えたところに出るのは初めてです。そんなに僕が嫌いですか」と真顔で問い詰められた。

あの夜に流した涙(心でね)から、少しは進歩した、と思いたい。しかし基準はウケたかウケないか、という態度は、どうもやはり映画のアフタートークには噛み合わない気もする。その点ではやはり、アカデミックな萩野に悪いとあやまりつつ。

ただ、今回もっとも痛感したのは、やはり、ボクが一体何者なのか、ハッキリしないと開催側にも迷惑をかけるということだった。
大した仕事もしていない自分のアピールなんて恥ずかしくて……と、ずっと遠慮気味だった。なにしろ誰でもタイトルは知っている、というものがない。この業界、代表作を持たないベテランほど情けない存在はない。
しかし、大したことはなかろうと、ある程度はひとさまに把握してもらえるようにしておかないと、ますます何者かハッキリせず、迷惑をかけることが分かった。

そういうわけで、新規のクライアント提出用につくっているプロフィールを、ここに転載します。


若木康輔  構成作家

1968年北海道生まれ、日本映画学校(現・日本映画大学)・脚本ゼミ(池端俊策ゼミ)卒。
リサーチャーなどを経て1996年よりフリーランスの構成作家として活動。
現在までに手掛けた番組・ビデオは150タイトル以上。


〈主な番組/レギュラー〉
テレビ東京「脳みその具!」(96) ※深夜枠バラエティ
MXTV「あなたの街から生中継!」(98-99)
テレビ東京「オーラ!」(03) ※スボ―ツ選手など各分野の新進紹介の帯番
BS-TBS「大学病院救急救命室」(05-06) ※ドラマ+情報の1話完結シリーズ
旅チャンネル「ASIA NAVI」(06-07) ※アジア各国紀行
BS-TBS「中国水紀行」シリーズ(09) ※全4回の紀行ドキュメンタリー
サイエンスチャンネル「いっこく堂のエネルギー劇場」(09)
NHK「熱中時間」(09-10) ※番組内コーナーV
BS12/MXTV「グローバル・ビジョン」(09-放送中)
MXTV「うたかた」(12) ※歌謡曲スタジオ収録
BS12/千葉テレビほか「唄声チャチャチャ」(13-放送中)
  など

〈主な番組/単発〉
ディレク TV「サッカーW杯フランス大会直前スペシャル」(98)
スカパー「サッカーFIFAワールドカップ日韓大会・総集編」(02)
青森朝日放送「未来新聞」シリーズ(05-07) ※地方の小学生イベント紹介
KHB(東日本放送)「東北6県人気ラーメン・ベスト60」(06)
旅チャンネル「ソン・スンホン除隊スペシャル」(07)
KHB(東日本放送)「みやぎ満漢全席スペシャル」(11)
広島ホームテレビ「ダイドードリンコスペシャル日本の祭り『ちょうさいじゃ 男たちが賭けた103段』」(13)
  など

〈主なセル・ビデオ〉 ※96~02年にかけてスポーツ選手の年鑑ビデオなどを多く構成。
文藝春秋「NumberVIDEO」/プロ野球=「熱闘!日本シリーズ」シリーズ、ノーヒット・ノーラン、伝説のプレー大全、阪神タイガース プロレス=「力道山血風録」シリーズ ほか=荻原健司
VAP/長嶋茂雄、松井秀喜、読売ジャイアンツ
竹書房/舞の海、由美かおるのエクササイズ
  など

〈展示映像〉
平城京遷都1300年祭・平城京歴史館「平城京 はじまりの都」(10)※現在も上映中

〈PR・広報関係の番組・ビデオの主なクライアント〉
総務省、資源エネルギー庁、JICA、東京都港区、川崎市麻生区、NTTドコモ、協和発酵、野村不動産など

〈教育関係(教材ビデオ)の主なクライアント〉
三省堂、学研、中央出版、増進会(Z会)など ※02年、学研「中学陸上」で教育映像祭優秀賞


2007年より並行して映画ライターとして活動。

〈執筆参加した書籍〉
愛育社『映画イヤーブック2007』(07)
キネマ旬報社刊『知っておきたい映画監督100』シリーズ(09-10)
同『現代日本映画人名事典 男優篇/女優篇』(11)
ACブックス『映画館のつくり方』(10)

〈寄稿した媒体〉
『映画芸術』
『月刊スカパー!』
東京国際映画祭公式サイト
  など

現在、ドキュメンタリー専門誌『neoneo』編集メンバー


だいたい、以上。通販関係や今となってはタイトルさえ忘れたもの(ペット、ガーディニング入門、健康情報などなど)、新聞沙汰になったグレーなクライアントのところのもの、CD-ROMなど旧メディアになったソフト、それにゴーストでやったVシネマの脚本などは外している。映画ライターとしても、無署名記事や、ゴーストの対談構成は同様。
レギュラーでも単発でも並列に1タイトルとして、それで150タイトルはこなしているのだから、まあ、やっているほうかなとは思う。ずっと貧乏だけど、1996年にピンになって以来、仕事自体が途切れたことは無い。企画書自体は軽く、その3倍はつくっている。

にしても。やっぱり恥ずかしい。

つくづく、これってもの(内容というより、一般の方々に「ああ、あれ」とすぐ分かってもらえるもの)が無い。無いので、いつまでたっても自分に自信が無い。
「『SMAP×SMAP』のADやってました」と年下の人に言われると、(わ、いじめられたらどうしよう……)と途端にビビってしまう始末である。インディーズ映画の人気監督さんなどに「作り手としてはァ」と高圧的な物言いを、最近ちょくちょくされるようになってきたが、オレはキミがガキの頃からマチバで台本書いとるのだぜ、と答えられない。どんなのやってきたんですか? と聞かれたら、きっとモゴモゴしてしまうので。だからそのたび、微笑したまま黙ってしまう。

こんなにボンヤリした、二流・三流感たっぷりのプロフィールを見られたら、トークのゲストにふさわしいなどとはますます判断されなくなるだろう。
それでも、こうしてブログに上げます。

近くに、「原一男の弟子」で、ヤマガタでも高円寺でも「顔」で、ドキュメンタリー業界で彼とおともだちじゃない人間はモグリらしい、ぐらいの男がいる。彼は「テレビの現場でずっと生きてきた」とよく重々しく言うのだが、プロデューサーなのかディレクターなのか、何をしてるのかいつまでたってもよく分からない。「あそこは経営が苦しいらしい」「あの人はあそこと揉めたらしい」といった噂話を披露する時は、高い声を出して幸せそうな笑顔なのだが、自分の仕事の話になると妙にぼやかす。
僕のようにドキュメンタリー「も」見るアウトサイダーは、〈ひょっとしてオマエ、実は「素豆腐」の若旦那じゃねーのか疑惑〉を感じないこともないのだが。

そういうことを他人に言う前に、自分は謙遜抜きでしがない構成作家です、と恥をかいておきたかった。『ぼくは本屋のおやじさん』で「書かなければよかったと思うことこそ、書くべきこと」と著し、ほんとに書店経営のやりきれない愚痴を綿々とつづった早川義夫のイズムに則る。


今回は恥かきついでに、しつこく告知で締めさせてもらいましょうかね。


映画ライターとしての告知から。

1.「映画芸術」の、〈2013年日本映画ベスト&ワースト〉号に選者として参加しております。
http://eigageijutsu.com/

本屋さんで見てみてください。購入も検討してもらえれば幸いです。


2.先週末封切で話題(にもっとなっていい)の『ホームレス理事長 ~高校球児再生計画~』。阿武野勝彦プロデューサーにインタビューした記事がアップされています。
http://webneo.org/archives/13898


ふつう、こういう新作パブリシティのインタビューは複数あるため、30分なら30分、1時間なら1時間とキッチリ決まっています。しかし今回、配給協力の東風・ワタナベさんが「どうせ若木さんは粘りたいだろうから」と、

・話を聞く場所を、お店や大きな会議室のように構えずにすむ事務所内にする。
・ケツカッチンのない最後にする。

といった便宜を図らってくれました。こういう〈息がつうじる感〉が―その代わり、長くなっただけの記事にしなければ信頼関係は切れる緊張感も含めて―、仕事ってものの醍醐味でしょうか。当の阿武野さんにも鷹揚に延長に付き合っていただき、ありがたし。

で、構成作家としての告知も。

3.BS12で毎週土曜朝の5時30分より、『歌声チャチャチャ』という演歌・歌謡曲番組を放送しております。
演歌・歌謡曲ジャンルの番組に参加するのは、これで2本目。まだまだ勉強中です。
千葉、群馬、岐阜でも放送しておりますので、視聴可能な方、お見知りおきを。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%84%E5%A3%B0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%81%E3%83%A3


4.やはりBS12で、毎週土曜夜7時より、『グローバル・ビジョン』という番組を放送しております。
2009年から放送している、なかなかちょっと長寿なドキュメンタリー形式の番組。春からの年度で、ラスト・シーズンとなります。
http://www.globalvision-tv.com/index2.html

ドキュメンタリー関係者や映画ファンに何度告知しても、いつもほぼ完全に黙殺されてしまうのですが。そんなに悪い番組だとは、どうしても思えないまま現在に至ります。(ただ、おもしろいもので、あんまり専門専門じゃない友人のほうが見てくれる)

 

ブログ内連載〈試写で見た映画〉も、近々再開したいです。今年に入って見た、主なものを挙げておくと。

去年のヤマガタでは話題の中心だった4月公開の迫力ドキュ『アクト・オブ・キリング』

まさか綾野剛サンのようなイケメン俳優でズドンとくると思わなかった。わけあり男とわけあり女が、海でネイキッドになり、スルスルッと近づく場面は、増村『遊び』、神代『恋人たちは濡れた』の海と同じぐらいのK点越えだった4月公開の『そこのみにて光輝く』

実はトボけたところが随所にあり、そこがあるから〈歴史から消された悲劇の映画化〉のメロドラマ・タイプのものとは明らかに重量のケタが違う、「衝撃」「深く考えさせられる」「号泣」とすぐ書く人とは会話を避けたいけど、渋谷実の『気違い』や松林宗恵の「8・15」と聞いてピンとくる人とは真摯に感想を交わしたい、3月下旬公開の『チスル』。(シネフィル的固有名詞連発ですいません)

それから余裕があれば、14日にユーロスペースでの公開がいったん終わったばかりの『無人地帯』は、2011年3月11日以降の日本ではいまだ〈ゴジラ〉の新作が作られていない、〈311とゴジラ〉がしっかり語られていないのだと、ズシズシズシンと応える映画だった。はやく再上映してほしい。ってことも書きたい。


スポーツについて久しぶりに勉強したこと、三谷幸喜の舞台(『国民の映画』)をまた見たこと、などなどもありつつ。

 

 


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