プログ内連載「試写で見た映画」の更新。今をときめく人気監督・濱口竜介の新作を見せていただいた。
『悪は存在しない』2024年 NEOPA/fictive監督・脚本 濱口竜介配給 Incinehttps://aku.incline.life/
この映画を見てからつらつらと頭に浮かんだことを書いていきたいのだが、長くなるだろう割にはたいした感想文にならないことは前もってお断りしておきます。謙遜や予 . . . 本文を読む
『ストーミー・ウェザー』という、1943年製作のアメリカ映画をご存知ですか。当時人気の黒人エンターテイナーが多数出演した音楽映画で、すこぶる付き!の楽しさ。僕が今まで見てきた音楽映画、ミュージカル映画のなかでも上位に入るだろう。ただ、黒人兵の慰問のために作られた映画であり、その楽しさの大部分は有事国家の要請に基づいていることが端々で分かる。甘い/からいの味わいが二重構造になっている。メモしておきた . . . 本文を読む
プログ内連載「試写で見た映画」の更新は、去年(2023年)6月公開の『カード・カウンター』(2021 ポール・シュレイダー)以来。気まぐれで、お粗末なことです。
今回の映画は、試写で拝見させていただいたあと、どう感想を言ってよいのか言葉がなかなか出てこなかった。僕は近年、なんでも見たり聴いたり読んだりしたらすぐいいところを書く、を稽古代わりにしているのだが(欠点や好みでない部分は後回し。長所より . . . 本文を読む
〈まず使用楽曲について〉学生の頃、マーティン・スコセッシとヴィム・ヴェンダースが監督した映画のなかで流れ、それに村上春樹の小説のなかに登場する1960~70年代ロックの曲名がすぐに分かる文筆家や先輩にあこがれた。自分もそうなりたいと、中古レコード屋によく行くようになった。
そうして今。2月の末にヴェンダースの最新作『PERFECT DAYS』(2023)を見たら、劇中で流れる曲=主人公の平山(役 . . . 本文を読む