憂太郎の教育Blog

教育に関する出来事を綴っています

竹島問題について、現状、今後。

2012-08-25 10:15:28 | その他
 韓国大統領の竹島上陸に端を発した日韓の領土問題の衝突は、今のところ先行きが不透明な状況である。どうして、今回、先行きが不透明なのかというと、表向き、わが国の政府が譲歩していないということに尽きる。
 これまでも、韓国、中国、ロシアとは、それぞれ竹島、尖閣諸島、北方領土で大小の衝突を起している。そうした衝突をどう収拾させてきたかというと、日本が、表向き、いわゆる「大人の対応」という、何だかよくわからない譲歩によったためだ。
 大人だろうが子どもだろうが、譲歩は譲歩である。多くのイシューが錯綜する外交上、譲歩することは多々あることだけど、こと領土問題でやすやすと譲歩するというのは、わが国くらいだと思った方がいい。無論、それは外交問題では軍事的な圧力をかけることをしないという、わが国の国是に基づき、そして、そういう国是に基づいているのは、わが国くらいしかないという国際状況によっているわけだけども。
 近いところでは、香港活動家の尖閣諸島上陸に際し、シナリオ通りの強制送還とかたちで中国と決着をさせている。やはり、これも譲歩である。今回については、送還せずに粛々と国内法によって起訴するべきだったろうに、中国政府におもねってしまい、結果、国益を損ねてしまった。

 しかし、韓国相手の竹島については、違う。
 今回の竹島問題を見ていると、野田政権の対応は今のところ上々である。しっかりしたものだと思う。「不法占拠」発言も、国際司法裁判所提訴手続きも、時機を得ている。この政権のブレーンは誰なのだろう。
 特に、今回、韓国が親書を受け取らず、わが国に送り返してきたという愚行に対し、わが国も外務省の門前でまさしく門前払いを喰らわせるという、「大人げない」態度を取ったところは、大きく評価していいだろう。愚行で責めてくる相手には、相手のレベルに合わせた対応するべきなのである。子どもと大人がキャッチボールをするときに、大人が子どものレベルに合わせないと、キャッチボールにならんのだから。
 今後、竹島に泳いで上陸した韓国人俳優をわが国に入国させるかどうかが政治問題になるようだが、やはり、そういう俳優には入国ビザは発行しないという「大人げない」対応を取るのがよいだろう。
 野田政権としては、今回の竹島と尖閣諸島の問題で、消費税増税が見事に吹っ飛んでしまって、ホクホクしていることだろう。それに、ナショナリズムを煽って政権を浮揚させたいという韓国と中国の思惑に、野田政権も思わぬ形で便乗できて、野田政権の支持率も恐らくは上昇することだろう。

 こうした一連の衝突について、日本のマスコミは「冷静に」「大局的に」「大人の対応」を繰り返しアナウンスする。これは、世論の暴発を本能的におそれるマスコミとしては、仕方のない役回りなのかもしれない。
 しかし、『産経新聞』だけは違う。ナショナリズムに火を着けることを堂々とやる。
 本日の(2012年8月25日)の一面コラム「産経抄」は、言う。

▼ならば、ここは一番、日本国民は相手が反省するまで大いに怒った方がいい。小欄はしばらく、韓流ドラマは見ず、韓国製のモノは買わないことにした。中には「大人の対応をした方がいい」としたり顔で論じる政治家や文化人と称する世間知らずもいるが、大人はわがままな子供をしつける義務がある。
(『産経新聞』2012年8月25日付)

 私も無論、領土問題については、『産経新聞』の主張でいくべきと考える。
 愚行には愚行なのである。ドラマを見ず、不買運動というのは、愚行である。しかし、「子ども」を相手するのであるから、こちらもレベルを下げるのである。
 ちょうど、尖閣諸島に香港活動家が不法上陸をした後、日本の慰霊団の数名が上陸をしたように、そういう「大人げない」対応がちょうどよいのである。この件では、中国は通り一遍の抗議をわが国にしただけで、それ以上のことは今のところはやっていない。そういうものなのである。わが国でも慰霊団の数名が上陸を果たしたことで、ヒートアップした国内の対中国への反感も収束の方向に向かった。そういうものなのである。

 『産経新聞』については、私はエセ保守新聞と思っているので、その論調には大いに批判的である。けど、こと韓国、中国問題にはめっぽう強いし、そこから導き出される主張には賛同することが多い。今回のここ2週間の報道でも、『産経新聞』発のニュースソースがネットを巡っている。

 今後である。
 今回の日韓の衝突で、米韓FTA(自由貿易協定)の話題がでてきた。
 私は、この話題がわが国で議論されることを期待する。
 米韓FTA協定によって、韓国経済は悪化してしまい、その内憂を反日という外患に転化することで、政権の浮揚を求めた、という内容である。
 この米韓FTAの話題、私は何に期待しているかというと、TPPの議論に重なることだ。米韓FTAがわが国のTPPの議論まで行き着くことに期待しているのだ。
 私はTPPの賛否は、本当の保守を見極めるリトマス紙だと思っている。
 現在は、野田政権はもちろん、エセ保守新聞の『産経新聞』を含む、都市圏マスコミすべてがTPPに賛成し、共産党ほか中小政党と地方マスコミが反対という、おかしな状況となっている。
 しかし、自民党の一部も反対しているように、本当の保守であればTPPには賛同しないはずなのである。
 今後、米韓FTAの話題が報道されることで、わが国の国内世論が反TPPに傾いたとき、都市圏マスコミがどういう論調を取るか、大いに期待している。