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憂太郎の教育Blog

教育に関する出来事を綴っています

ごあいさつ

2013-03-29 06:03:55 | その他
 突然ですが、この3月をもちまして、教員の職を辞することになりました。
 このBlogも6年以上に渡り続けてきましたが、今後は、学校教育の場を離れますので、更新することはなくなります。
 ただ、特別支援教育関係の過去のエントリーは、まだ、いくつか読まれているようですので、もうしばらくこのままにしておきたいと思います。
 長い間のご愛顧ありがとうございました。

 桑原憂太郎

今年もお世話になりました

2012-12-29 17:50:17 | その他
 冬休みである。
 終業式後の3連休に、肩痛眼痛顔痛になって、丸3日間ダウンしていた。
 3日たってやっと痛みが治まったかと思うと、今度はずっと寝ていたせいで、腰にきてしまった。今までに経験のない腰痛がやってきて、再び2日間病休。その最中に、ドカ雪があって、もうどうでもいいや、という捨て鉢な気分になり、結局、なし崩し的に納めとなった。仕事納めも忘年会もクリスマスも、すべて吹っ飛んでしまった、なんとも締まらない年の瀬となった。
 昨日あたりから、ようやくPCの前に向かえるようになったのだけど、今はどうにもセキが出る。セキ止めを飲みながら、片づけをしているというのが今の状況である。
 
 そういうわけで、今年はもうこれでおしまいにします。
 皆様、よいお年を。
 来年も、このBlogをよろしくお願いします。

寺脇研『ロマンポルノの時代』(光文社新書、2012年)を読む

2012-09-01 18:56:18 | その他
 4月より中学生になった娘に、使っている教科書を見せてもらう。
 その教科書を見ると、どうにも可笑しい気分になる。
 現行指導要領下で、教科書は見事に先祖返りを果たしていたのである。

 中1の場合、数学はそうでもないのかもしれないが、社会科と理科、英語は顕著ではないだろうか。
 特に、英語は、昭和55年指導要領下よりも教科書の内容は難しくなっているのではないかと、素人目には思った。
 
 ここで、学習指導要領の変遷について、おさらいをしておく。現行の指導要領とは、平成23年改訂指導要領のことをいうが、中学校は、今年度すなわち平成24年度から完全実施なので、今年が初年度である。今回は「脱・ゆとり教育」と言われている通り、30年ぶりに授業時数も増加したし、教育内容も増えた。当然、教科書も厚くなった。こうしたことは、改革とか変革というよりも、単に「ゆとり前」に戻った、つまりは先祖返りした、という方が正しいと私は思う。
 わが国では、昭和46年改訂指導要領下での学校教育が、もっとも教育内容が多かった時期だった。「教育の現代化」なんて言われていたが、同時に「落ちおぼれ」という言葉が一般的に言われるようになったのも、この時期だ。私は小学生だった。
 続いて、その反省を受けた昭和55年改訂指導要領から、少しずつ教育内容は削減されていく。この時期、私は中学生。そののち、「生きる力」がキーワードとなる平成4年改訂と続く。この時期、私は教員養成系の大学生。指導要領の勉強も、教員採用試験の勉強も、この平成4年版がベースである。
 そうして、私は中学校社会科教員となって、平成4年版の教科書で授業をし始めたのであるが、自分が中学生だった頃とは、さほど教育内容は変化していなかった。逆に、歴史や公民は最新の内容が取り入れられて、教えることが増えているような印象すらあった。
 だから、ゆとり路線は昭和55年から始まるなんていう議論がされるけど、平成4年版までは、そんなに現場レベルでは教育内容は削減されている体感はない。
 やはり、なんといっても、その次の改訂である平成14年改訂指導要領が現場ではドラスティックだった。普通の中学校教師だったら、これもあれも教えなくて、本当にいいの?と思ったはずである。社会科では、歴史や公民の重要語句が間引きされた。地理では、従来教えていた単元がスコンと消えていた(理科も同様とのこと)。この平成14年改訂からの10年間が、いわゆる「ゆとり教育」と呼ばれているもの。
 そして、今回の平成23年改訂の現行指導要領で、教育内容は元に戻ったのだった。社会科でいえば、「ゆとり」で消えていた教育内容がめでたく復帰。特に地理は、「ゆとり」下で批判されたいわゆる地誌教育にカリキュラムが戻り、完全に先祖返り。理科も単元が戻り、従前となっているとのこと。英語は、イディオムは平成4年版とは大きな変化はないものの、テキストの量は増加して平成4年版よりも難しくなったのではないか、というのが私の印象。
 そういうわけで、中学校の社会科、理科、英語あたりは中1の教科書を見る限り10年前の「ゆとり」前に戻ったのであった。つまり、あの「ゆとり」の10年間は何だったの?ということなのだ。

 文科省は「ゆとり路線」をやめて、元に戻しましたとは絶対に言わないけど、教科書は露骨である。日本の戦後教育は「ゆとり」の10年間だけ「異端」だったことが、はっきりとわかるのである。

 このような「異端」な文教政策を推し進めた戦犯は誰かといえば、寺脇研だ。もちろん、氏の一人の力だけで、こんな大きな政策を推進できたわけでもないし、氏は当時「ゆとり」推進のスポークスマンとしての役回りを演じただけ、ということもいえる。だから、「ゆとり」失敗に対し、氏ひとりに詰め腹を切らせる(事実、中央から飛んだ後、文科省を辞めたわけだけど)のも気の毒かもしれないが、現在ですらメディアに露見して、「叩かれて虐められる可哀相な元官僚の絵」を自分で演出している風にもみえるので、叩いても別にいいだろう。
 現在、テレビに出ては「ゆとり路線」は間違っていたと伏し目がちに言っておきながら、ネット上では「ゆとり」教育はいいこともあったと平気で言うような氏は、当時、文教政策の中枢に居るべきではなかった。教育は国家百年の大計であるから、「ゆとり」で学力低下をまねき、今後、「ゆとり」で育った国民によって国力低下をもまねくであろう文教政策を推進した寺脇氏には、これから百年は国賊者としての汚名を着せ続けるべきであろう。

 さて、今回、氏を話題にあげたのは、寺脇研『ロマンポルノの時代』(光文社新書、2012年)を読んだから。
 氏は、文部省の官僚の頃も、映画時評を雑誌に掲載しているライターだったのね。それも、ロマンポルノを愛する。
 氏が、映画好きということは知っていたけど、ここまでのめりこんでいたとは知りませんでした。氏のにっかつロマンポルノへの愛惜の情が溢れる、とても素敵な新書。私としては、80年代の後期作品に対する評論が、70年代の初期作品より少ないのが残念であるが、ロマンポルノを映画芸術として、正当に評価している点が何とも素晴らしい。また、氏の自伝的な部分も、鼻につかない程度に書かれていて、そんなことにも好感。
 こういう著書を読むと、私には氏への敬愛の念が生じる。
 こうやって官僚とライターの二足のわらじを履いていれば、それはそれで幸せな人生だったろうにと、余計なお世話ながら思う。けれど、氏は官僚としてのデキが良かったものだから出世してしまい、文教政策の中枢に入り込み、のっぴきならないところにまで行き着いてしまったのだろう。
 現在の、映画評論家という肩書きに、氏は果たして満足しているのだろうか。


竹島問題について、現状、今後。

2012-08-25 10:15:28 | その他
 韓国大統領の竹島上陸に端を発した日韓の領土問題の衝突は、今のところ先行きが不透明な状況である。どうして、今回、先行きが不透明なのかというと、表向き、わが国の政府が譲歩していないということに尽きる。
 これまでも、韓国、中国、ロシアとは、それぞれ竹島、尖閣諸島、北方領土で大小の衝突を起している。そうした衝突をどう収拾させてきたかというと、日本が、表向き、いわゆる「大人の対応」という、何だかよくわからない譲歩によったためだ。
 大人だろうが子どもだろうが、譲歩は譲歩である。多くのイシューが錯綜する外交上、譲歩することは多々あることだけど、こと領土問題でやすやすと譲歩するというのは、わが国くらいだと思った方がいい。無論、それは外交問題では軍事的な圧力をかけることをしないという、わが国の国是に基づき、そして、そういう国是に基づいているのは、わが国くらいしかないという国際状況によっているわけだけども。
 近いところでは、香港活動家の尖閣諸島上陸に際し、シナリオ通りの強制送還とかたちで中国と決着をさせている。やはり、これも譲歩である。今回については、送還せずに粛々と国内法によって起訴するべきだったろうに、中国政府におもねってしまい、結果、国益を損ねてしまった。

 しかし、韓国相手の竹島については、違う。
 今回の竹島問題を見ていると、野田政権の対応は今のところ上々である。しっかりしたものだと思う。「不法占拠」発言も、国際司法裁判所提訴手続きも、時機を得ている。この政権のブレーンは誰なのだろう。
 特に、今回、韓国が親書を受け取らず、わが国に送り返してきたという愚行に対し、わが国も外務省の門前でまさしく門前払いを喰らわせるという、「大人げない」態度を取ったところは、大きく評価していいだろう。愚行で責めてくる相手には、相手のレベルに合わせた対応するべきなのである。子どもと大人がキャッチボールをするときに、大人が子どものレベルに合わせないと、キャッチボールにならんのだから。
 今後、竹島に泳いで上陸した韓国人俳優をわが国に入国させるかどうかが政治問題になるようだが、やはり、そういう俳優には入国ビザは発行しないという「大人げない」対応を取るのがよいだろう。
 野田政権としては、今回の竹島と尖閣諸島の問題で、消費税増税が見事に吹っ飛んでしまって、ホクホクしていることだろう。それに、ナショナリズムを煽って政権を浮揚させたいという韓国と中国の思惑に、野田政権も思わぬ形で便乗できて、野田政権の支持率も恐らくは上昇することだろう。

 こうした一連の衝突について、日本のマスコミは「冷静に」「大局的に」「大人の対応」を繰り返しアナウンスする。これは、世論の暴発を本能的におそれるマスコミとしては、仕方のない役回りなのかもしれない。
 しかし、『産経新聞』だけは違う。ナショナリズムに火を着けることを堂々とやる。
 本日の(2012年8月25日)の一面コラム「産経抄」は、言う。

▼ならば、ここは一番、日本国民は相手が反省するまで大いに怒った方がいい。小欄はしばらく、韓流ドラマは見ず、韓国製のモノは買わないことにした。中には「大人の対応をした方がいい」としたり顔で論じる政治家や文化人と称する世間知らずもいるが、大人はわがままな子供をしつける義務がある。
(『産経新聞』2012年8月25日付)

 私も無論、領土問題については、『産経新聞』の主張でいくべきと考える。
 愚行には愚行なのである。ドラマを見ず、不買運動というのは、愚行である。しかし、「子ども」を相手するのであるから、こちらもレベルを下げるのである。
 ちょうど、尖閣諸島に香港活動家が不法上陸をした後、日本の慰霊団の数名が上陸をしたように、そういう「大人げない」対応がちょうどよいのである。この件では、中国は通り一遍の抗議をわが国にしただけで、それ以上のことは今のところはやっていない。そういうものなのである。わが国でも慰霊団の数名が上陸を果たしたことで、ヒートアップした国内の対中国への反感も収束の方向に向かった。そういうものなのである。

 『産経新聞』については、私はエセ保守新聞と思っているので、その論調には大いに批判的である。けど、こと韓国、中国問題にはめっぽう強いし、そこから導き出される主張には賛同することが多い。今回のここ2週間の報道でも、『産経新聞』発のニュースソースがネットを巡っている。

 今後である。
 今回の日韓の衝突で、米韓FTA(自由貿易協定)の話題がでてきた。
 私は、この話題がわが国で議論されることを期待する。
 米韓FTA協定によって、韓国経済は悪化してしまい、その内憂を反日という外患に転化することで、政権の浮揚を求めた、という内容である。
 この米韓FTAの話題、私は何に期待しているかというと、TPPの議論に重なることだ。米韓FTAがわが国のTPPの議論まで行き着くことに期待しているのだ。
 私はTPPの賛否は、本当の保守を見極めるリトマス紙だと思っている。
 現在は、野田政権はもちろん、エセ保守新聞の『産経新聞』を含む、都市圏マスコミすべてがTPPに賛成し、共産党ほか中小政党と地方マスコミが反対という、おかしな状況となっている。
 しかし、自民党の一部も反対しているように、本当の保守であればTPPには賛同しないはずなのである。
 今後、米韓FTAの話題が報道されることで、わが国の国内世論が反TPPに傾いたとき、都市圏マスコミがどういう論調を取るか、大いに期待している。

第8回教師力BRUHS-UPセミナーin札幌 のお知らせ

2012-07-08 19:37:58 | その他
教師力BRUSH-UPセミナー旭川が終了しました。
関係各位の皆様、ありがとうございました。
次は、これです。

第8回教師力BRUHS-UPセミナーin札幌
「明日が楽しみになる学級づくり・授業づくり」
『子どもが“つながる”集団づくりと話し合い活動』

私も参加します。
なんとか、最新の教育の議論についていけるように頑張りたいと思います。
せめて、ついていっているフリくらいは、し続けられるように、頑張りたいと思います。
以下、詳細です。
どうぞ、ご参加下さい。


第8回を迎えた教師力BRUSH-UPサマーセミナーin札幌。
今年も開催いたします。
今年はのテーマは、「つながり」。
教室の中の「つながり」について、様々な角度から検討、提案します。
講師として、ミニネタ、フォロー術で、
全国を駆け回っている山口県の中村健一先生をお招きしています。
学びの深い2日間になること、間違いなしです。


日 時:平成24年8月2日(木)3日(金)
    9時15分から16時45分
場 所:札幌市産業振興センター
      (札幌市白石区東札幌5条1丁目1-1)
参加費:参加費3000円(通し参加は5000円)
後 援:北海道教育委員会(予定)札幌市教育委員会(予定)

お申し込みは、こちらから。
http://kokucheese.com/event/index/42638/

以下詳細日程です。

【1日目】8月2日(木)

09:15~09:25 受付

09:25~09:30 開会セレモニー

09:30~10:45 全体講座「子どもと“つながる”、子どもが“つながる”フォロー術」
岩国市立平田小学校教諭  中村 健一

10:45~11:15 全体セッション「“つながる”生むあの場面・この場面」
ファシリテーター…三浦将大(福島・小)

11:30~12:30 分科会・選択講座
「“つながり”を生み出す3つの取り組み~具体的な映像から検討するメソッドの有
効性~」
A「話し合いの見える化が子どもたちをつなげる」
水戸ちひろ(室蘭・小)
B「ファシリテーションで子どもたちをつなげる」
山寺 潤(今金・小)
C「アクティビティで子どもたちをつなげる」
大野睦仁(札幌・小)

13:30~15:00 分科会・選択講座
「3つの“つながり”を生み出す教室の具体的展開」
 13:30~14:30
A「先生と子がつながる日記指導を考える」
増澤友志(札幌・小)山口淳一(札幌・小)
B「保護者とつながる4つの場面(家庭訪問・懇談会運営・個人懇談・電話対応)の
運営とその対応」
三浦将大(福島・小)山下 幸(札幌・中)
C「子と子がつながる”しかけ”」
岸本まり(帯広・小)細山 崇(名寄・小)
 14:30~15:00「学びのシェア」

15:15~16:45パネルディスカッション
「“つながり”の見える化について考える~学びのシェアリング」
ファシリテーター…山下幸(札幌・中)
パネラー…中村健一先生 桑原 賢(旭川・養)小林 智(旭川・中)
     高橋裕章(札幌・小)藤原友和(函館・小)

16:45~16:50 閉会セレモニー

【2日目】8月3日(金)

09:15~09:25 受付

09:25~09:30 開会セレモニー

09:30~10:00 全体提言「授業の今を語る~課題と方向性」
             南山潤司(札幌・小)

10:15~12:00 分科会・選択講座「授業の今を考える~理論&模擬授業~」
A「一斉授業を作る」
講師…斎藤佳太(登別・小)授業者…坂本奈央美(函館・中)指定討論者…桑原賢
(旭川・養)
B「話し合いの授業をつくる」
講師…小林智(旭川・中)授業者…大野睦仁(札幌・小)指定討論者…森岡達昭(中
札内・小)
C「活性化する授業をつくる」
講師…高橋裕章(札幌・小)授業者…太田充紀(富良野・小)指定討論者…中村健一
先生

13:00~14:45 全体講座「子どもの思考が見えて、『つながる』授業を提案する」
特別支援…湯藤瑞代(紋別・養)
小学校…藤原友和(函館・小)
中学校…高橋和寛(岩見沢・中)

15:00~16:30「授業へのQ&Aと学びのシェア」
ファシリテーター…山寺 潤(今金・小)
指定討論者…中村先生(山口・小)桑原 賢(旭川・養)木下尊徳(陸別・小)
重堂真也(音更・小)山口淳一(札幌・小)

16:30~16:40 閉会セレモニー

第46回教師力BRUSH-UPセミナーin旭川のお知らせ

2012-07-01 07:32:09 | その他
第46回教師力BRUSH-UPセミナーin旭川

日時:2012年7月7日(土)
    9:00~16:45
場所:旭川市勤労者福祉会館


明日から使える授業づくり講座です。
「熱心な先生方必見!あなたの授業がグーンとうまくなる!!」

毎日の授業、いまいち子どもがのってこない、この題材はどうやって教えたらいいのだろう、ああ授業が崩壊しそうだ…。そんな悩みを持った先生いらっしゃいませんか?
授業の悩み解決や授業力アップのためのセミナーです。一流の講師陣が「授業」づくりの発想法について提案します。
近隣の先生方、是非ご参加を。

講師
松田剛史(ソーシャルベンチャー「あんじょう家本舗」代表、旭川大学経済学部教職課程講師)
堀裕嗣(札幌市立北白石中学校教諭)
小林智(旭川市立第二中学校教諭)
桑原賢(北海道鷹栖養護学校教諭)


9:00~9:15 受付
 9:15~9:45 開会式、オリエンテーション「授業づくりの発想」
10:00~12:00 講座1/松田剛史「教室ファシリテーション入門」
13:00~13:40 模擬授業/堀裕嗣、森岡達昭「1枚の写真から授業をつくる」
13:40~14:15 トークセッション/堀、桑原「私の授業のつくりかた」
14:30~15:00 講座2/小林智「統率を意識した授業技術5つのポイント」
15:00~15:30 講座3/桑原賢「授業のユニバーサルデザイン5つのポイント」
15:30~16:30 学びのシェアリング
16:30~16:40 閉会式

申し込みは、こちらです。

京都祇園軽自動車暴走事故について

2012-04-14 22:14:59 | その他
 京都市東山区で軽乗用車が暴走し歩行者7人が死亡した事故について。
 事故当日、4月12日の21時からのNHKニュースでは、「発作」までは報道していたが「てんかん」という言葉は、アナウンサーもレポーターも一切発しなかった。無論、NHKの方針によるものに違いなかった。運転者の家族のコメントも流していたが、「てんかん」というコメントはカットしていて放送されていない。しかし、報道の内容は、どうみても「てんかん」発作による事故ということを伝えていた。こうした、あまりに露骨な事なかれ主義に私は嫌悪した。
 しかし、翌日の新聞報道では、運転者の家族が「てんかん」だったとコメントをしたことで、見出しには「てんかん」と載った。家族が言っているからOKという新聞社の報道姿勢に、私はもっと嫌悪した。たとえ報道によって、一般の「てんかん」者が差別を受けようが、家族が言っているのを報道したまでだという、報道者側の責任回避ともいえる報道姿勢に、報道者としてのプライドはないのかと思った。そのうえ、これでは、まるで今回の事故は加害者家族に責任があるかのようなリードとなっている。(もちろん、家族には法的な責任はないし、医師にも責任はない)。こうなると、悪辣さも感じてしまう。
 これでは、まだNHKニュースの方が、良心的であった。

 今後である。
 報道に関していうならば、今後、報道機関は「てんかん」について正確に報道することだろう。そして、わたしたちは「てんかん」について正しい理解をすることだろう。別に、差別するなとか、共生社会を目指せとか、そういう価値的な規範について議論する必要はない。
 そうではなく、単純に知識として「てんかん」とはどういうものなのかを、わたしたちは知ることだ。
 正しく理解をすれば、今回の事故は、運転者の犯罪的行為に他ならないことがわかるだろう。そして、「てんかん」者の免許取得制度についても、今後は、見直されて取得の条件がより厳しくなるかもしれないが、取得禁止になることはないだろう。現在でも、発作の危険性のある者には免許は与えられないのだ。発作の危険性のない者だけが運転できる。これが現行の制度だ。できることといえば、免許取得時や更新時や取り締まりの時に、発作の危険性を測定することなのだろうが、これも現在では不可能であるということは、「てんかん」についての正確な理解の範疇に入るだろう。
 せいぜい、罰則の強化ということだろうけど、それによって、今後もこうした事故のリスクが軽減されるとは思えない。

 今回の悲惨な事故によって、世論が「てんかん」者への自動車運転に対して、否定的な情動にかられてしまわないかどうか注視したいと思う。

春休みのセミナー案内です。

2012-03-25 20:15:11 | その他
春休み、中学校教師向けのセミナーの案内です。
近郊の方は是非ともどうぞ。




第17回中学校・学級経営セミナーin札幌
学級経営・10の原理
学級開きで何を語るか/いかなるシステムを敷くか

開催日:2012年3月31日(土)

会場:札幌市コンベンションセンター

定員:30名

参加費:3000円

講師
堀 裕嗣/山下 幸/桑原 賢/小林 智
坂本奈央美/橋和寛/對馬義幸/友利真一/米田真琴・他

「学級経営・10の原理」とは……。1.一時一事の原理/2.全体指導の原理/ 3.具体作業の原理/4.定着確認の原理/5.具体描写の原理/6.時間指定の原理/7.即時対応の原理/8.素行評価の原理/9.一貫指導の原理/10.同一歩調の原理 この10原理のことです。


【日程】

09:00~09:10 受付

09:10~09:15 開会セレモニー

09:15~10:15 講座1/堀 裕嗣
「学級経営10の原理で学級開きをスムーズに…」
「学級経営・10の原理」をわかりやすく、楽しくレクチャー。裏話もいっぱい飛び出る必聴の講座。

10:30~11:00 講座2/桑原 賢
「特別な支援を要する子への対応・5つの極意」
11:00~11:30 講座3/小林 智
「やんちゃ系生徒への対応・5つの極意」
11:30~12:00 講座4/山下 幸
「年度当初の保護者への対応・5つの極意」
3つの視点から見た年度当初の対応の妙。スムーズな学級開きのために15の極意を提案します。

13:00~14:30 講座5/堀裕嗣+若手中学教師5人
「若手教師の困り感・こう考え、こう手立てを打てば効果が上がる」
若手教師5人に学級開きに際して不安に感じていることを挙げてもらい、
堀先生の司会でベテラン講師陣が応えていきます。参加者の質問にもお答えします。

14:45~15:45 講座6/提案:對馬義幸・橋和寛・友利真一・米田真琴
/解説:山下 幸・小林 智・桑原 賢・堀 裕嗣
「私の学級システム・4つの提案」(提案10分×4+20分の解説)
日直・給食・清掃・学級組織・席替え……年度当初に敷く学級システムを4人の先生方が提案。

16:00~16:45 講座7/堀裕嗣+對馬義幸・山下幸・小林智・橋和寛・坂本奈央美
「学級開きの私の語り~生徒たちとの出逢いで何を語るか」
最初の学活。学級担任として生徒たちに何を語りますか。生徒たちに語るとおりに実演(各5分)します。その後、堀先生の司会で学級開きの語りの方向性について参加者といっしょに考えます。

16:45~16:50 閉会セレモニー


【お申し込み先】

山下 幸(やました・みゆき) E-mail : miyuyama1970@yahoo.co.jp
氏名・勤務校・連絡先を必ずお書きください。


今年度の業務が終わりました

2012-03-25 20:13:18 | その他
 今年度の業務が終わった。

 今年は卒業担任だったので、生徒を送り出したあとは、とてもゆとりのある年度末であった。
 異動もないので慌ただしくもなく、数年ぶりに、この時期にホッとすることができた。修了式までに、教室の片づけを含めて、年度末の業務をすべて終わらせることができたのも、数年ぶりである。

 来週からは、ソロソロと新年度の業務ということになる。


「教師力BRUSH-UPセミナー2012冬in札幌」のお知らせ

2011-12-25 08:36:54 | その他
私がお世話になっている方々の主宰している研究団体の冬季セミナーです。
今冬いちばんのおすすめです。
一流講師勢揃いの2日間です。


教師力BRUSH-UPセミナー2012冬in札幌

協同学習/ファシリテーション/授業づくり・学級経営
3つの部屋から選ぶ4つの選択講座!

日時 :2012年1月7日(土)~8日(日)
場所 :札幌市コンベンションセンター
参加費:6000円(1日参加4000円)
後援 :札幌市教育委員会・北海道教育委員会

講師:赤坂真二/大谷和明/岡山洋一/堀 裕嗣
太田充紀/大野睦仁/木下尊徳/斎藤佳太/坂本奈央美/橋和寛/高橋裕章/田中光夫/藤原友和/丸山宏昌/三浦将大/水戸ちひろ/南山潤司/森岡達昭/山口淳一/山下 幸/山寺 潤/米田真琴


【本セミナーの特徴】

1.話題の講師陣に、本には書いていない裏話や本音を直接に聞くことができます。
2.基礎的な授業技術・教育技術から最先端の教育理論・教育実践までいま全国的に必要とされている、話題となっている提案が目白押しです。
3.協同学習の部屋/ファシリテーションの部屋/授業づくり・学級づくりの部屋という3つの部屋から、自分の興味にあった講座を選んで受講します。
4.どの講座も対話型であったりワークショップであったり模擬授業であったりと参加者が体験的に学ぶことができます。
5.どの講座を選択してもすべての講座資料をもらうことができます。
6.定員が少なく、休憩時間等に直接講師に質問したり対話したりすることができます。


【1日目/2012年1月7日(土)】

09:15~09:45 受付

09:45~11:15 全体講座1 ワールド・カフェ~いまどきの授業づくり・学級づくり/カフェホスト:堀裕嗣/グラフィッカー:水戸ちひろ

11:30~12:30 全体講座2 勇気と元気と安心の授業づくり・学級づくり/赤坂真二/グラフィッカー:水戸ちひろ

12:30~13:30 昼食・休憩

13:30~15:00 ワークショップ1
【協同学習の部屋/WS-A】模擬授業で学ぶ!国語科ペア・グループ学習/模擬授業:木下尊徳・森岡達昭(各20分)/模擬授業解説:田中光夫・山下幸・橋和寛
【ファシリテーションの部屋/WS-B】体験で学ぶ!ファシリテーション・グラフィック入門/水戸ちひろ・坂本奈央美
【授業づくりの部屋/WS-C】ストップモーション授業検討~身につけるべき授業技術・社会/模擬授業:太田充紀/司会:山口淳一/模擬授業解説:赤坂真二・南山潤司・高橋裕章

15:15~16:45 ワークショップ2
【協同学習の部屋/WS-D】対話で学ぶ!協同学習を成立させる5つの視点/田中光夫・太田充紀・山下幸
【ファシリテーションの部屋/WS-E】シナリオで学ぶ!ファシリテーション入門/岡山洋一・丸山宏昌
【学級づくりの部屋/WS-F】対話で学ぶ!安心感をつくる学級づくり/赤坂真二・堀裕嗣

【2日目/2012年1月8日(日)】

09:15~10:15 全体講座3 いまこそ発想の転換を~これまでの教育/これからの教育/大谷和明/グラフィッカー:藤原友和

10:30~12:00 ワークショップ3
【協同学習の部屋/WS-G】子どもたちノリノリ!楽しく学び合う音楽授業ネタ10連発!/斎藤佳太
【ファシリテーションの部屋/WS-H】アイス・ブレイキングのネタ12連発!/大野睦仁
【学級づくりの部屋/WS-I】Q&Aで学ぶ「学級経営・生徒指導の原理・原則」/堀裕嗣/質問:米田真琴・橋和寛・水戸ちひろ・田中光夫/司会:山下幸

12:00~13:00 昼食・休憩

13:00~14:30 ワークショップ4
【協同学習の部屋/WS-J】協同学習の着地点!レポート・作文ネタ5連発!/山寺 潤
【ファシリテーションの部屋/WS-K】ファシリテーション・グラフィック上級編/藤原友和
【授業づくりの部屋/WS-L】専門家4人が繰り出す!おもしろ簡単理科実験12連発!/司会:山口淳一/大谷和明・南山潤司・橋裕章・三浦将大

14:45~16:45 全体講座4 オープン・スペース・テクノロジー~これからの授業づくり・学級づくり/岡山洋一・丸山宏昌


【お申し込み方法】

こくちーず http://kokucheese.com/event/index/21267/ でお申し込みいただくか、

または

1.氏名/2.学校名/3.E-mail/4.FAX/5.両日参加か1日参加か(1日参加の場合は参加日・ただし、両日参加希望者が多い場合には両日参加を優先させていただきます)/6.ワークショップ1~4の希望の選択講座記号のそれぞれをお書きのうえ、下記までお申し込みください。

高橋裕章(たかはし・ひろあき)

E-mail: nanazou32@gmail.com