みんな黒くなった

Ｋさん（埼玉県）は地域の牽引車として酪農を引っ張ってきました。

昨年から、そんなＫさんを訪れるたびに和牛が増えて、牛舎の中が少しずつ黒くなっていたのですが・・・先日、みんな黒くなってしまいました。

年齢や乳質（体細胞数）取引基準の引上げなどを考えると、自分にはこれからの酪農継続はきついからと、６月いっぱいで酪農を止め、牛舎は和牛だけになったからです。

「うちだけでなく、和牛に切り換えようかという人はけっこういるから、和牛の本なら売れるよ」

と、笑いながら木陰に吊るしたハンモックに寝ころぶＫさん。


このように再出発なり新生する牛舎がある一方で、この地域では、空の牛舎も目につくようになってきました。

往時を知る者としては、そんな牛舎を見ると「酪農で一番楽しかったことは何ですか？」と、ふと訊ねてみたくなります。