俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

■五体俳句669「老猫の眼あけて座る寒露かな」(北原志満子)

2024-10-08 04:56:00 | 五体俳句

○五体俳句669・眼(め)15(動物)・北原志満子04・2024-10-08(火)
○「老猫の眼あけて座る寒露かな」(→北原志満子04)
○季語(寒露・晩秋)(「→現代俳句データベース」より引用)【→五体俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたくけせそにぬねのへほみむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:今日は二十四節気の「寒露」。季節は晩秋へと移る。老いた猫も秋冷の空気の中で完全に目覚めている。

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■次元俳句669「洞穴を水迸る芒かな」(筏井竹の門)

2024-10-07 04:56:00 | 次元俳句

○次元俳句669・穴7(空間)・筏井竹の門01・2024-10-07(日)
○「洞穴を水迸る芒かな」(筏井竹の門01)
○季語(芒・三秋)(「→俳句の作り方」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3索引4索引5忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(いいいたうえぬねふへむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:怒濤が迸(ほとばし)る海沿いの洞穴。崖上の台地には芒の群が海風に揺れる。


筏井竹の門(いかだいたけのかど)(1871-1925)
○好きな一句「尾踏まれて礼者に鳴かぬ猫老いぬ」(『俳句三代集』1939)02
○季語(礼者・新年)(「→きごさい歳時記」より引用)

【Profile】:石川県金沢市出身。俳人、俳画家。→正岡子規の『日本』俳壇に投句。子規門で新傾向俳句の→河東碧梧桐に傾倒、句会『越友会』を立ち上げる。1906年に自身の句誌『葦附』を主宰、1908年には高岡新報(現在の北日本新聞)の選者となる。また1911年に日本画家の冨田溪仙に師事、数多くの優れた俳画も残している。

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■挿絵俳句669a「秋のへび蛇行の記憶置き去りに」(『遠景』2024)(鎌田透次)

2024-10-06 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句669a・秋のへび・透次683a・2024-10-06(日)
○「秋のへび蛇行の記憶置き去りに」(『遠景』2024)(→鎌田透次683a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(秋のへび・仲秋)

an autumn snake-
leave meandering memory
on the grass / Touji

【作句メモ】:残してきたものか 落としてきたものか 忘れてきたものか 記憶も痕跡の一つであるか

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■方法俳句668「三日月や給油レバーは銃に似て」(『旧の渚』2012)(小池康生)

2024-10-05 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句668・直喩148似て7・小池康生01・2024-10-05(土)
○「三日月や給油レバーは銃に似て」(『旧の渚』2012)(小池康生01)
○季語(三日月・仲秋)(「→海のいろ-句集『旧の渚』小池康生」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけせそにぬねのめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:銃に似た握りの感覚の給油レバー。あの三日月の方角へこれから長距離運転をしていくのだ。


小池康生(こいけやすお)
○好きな一句「煮凝や昏がり多き家に住み」(『旧の渚』2012)02
○季語(煮凝・三冬)(引用同上)

【Profile】:1956年大阪市出身在住。「銀化」同人。「」代表。

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■特集俳句668「野分あとの柔かき日が朝飯に」(細見綾子)

2024-10-04 04:56:00 | 特集俳句

○特集俳句668・食事俳句1-2朝食・細見綾子06・2024-10-04(金)
○「野分あとの柔かき日が朝飯に」(→細見綾子06)
○季語(野分・仲秋)(「俳句小歳時記水原秋櫻子編(大泉書店)」より引用)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5【→俳人一覧(いいいたうえせそちつてぬねふへむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:野分が過ぎた後の柔かき陽光を背中に。優しく煮込まれてよく味のしみ込んだ柔らかい煮物でも食べているのか。

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■色彩俳句668「水の秋水に棲むもの銀の唇」(『母系の眉』2013)(萩澤克子)

2024-10-03 04:56:00 | 色彩俳句

○色彩俳句668・銀14・萩澤克子01・2024-10-03(木)
○「水の秋水に棲むもの銀の唇」(『母系の眉』2013)(萩澤克子01)
○季語(水の秋・三秋)(「→スピカ」より引用)【→色彩俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえけこすせそちつてとぬねのふへほむめゆ~)】【→俳句結社索引

【鑑賞】:水に棲む銀の唇。何らかの秋の魚類であろう。しかし魚の名は提示されていない。銀という色だけを提示した不明句である。


萩澤克子(はぎさわかつこ)
○好きな一句「あの世から眺むるために柿干しぬ」(『母系の眉』2013)02
○季語(柿・晩秋)(「→BLOG俳句新空間」より引用)

【Profile】:1969年10代で「歯車」(1955年→鈴木石夫指導の俳句勉強誌として創刊)入会。

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■五感俳句668「炎ゆるまま乾びてをりぬ唐辛子」(柳堀悦子)

2024-10-02 04:56:00 | 五感俳句

○五感俳句668・乾感10・柳堀悦子01・2024-10-02(水)
○「炎ゆるまま乾びてをりぬ唐辛子」(柳堀悦子01)
○季語(唐辛子・三秋)(「→柳堀悦子facebook」より引用)【→五感俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけすせそつてとにぬねのはひふへほゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:乾燥した唐辛子の炎えるような赤。ほどよく曲がった光沢の赤。いかにも辛そうな光沢の赤。鮮やかな一物俳句である。


柳堀悦子(やなぎぼりえつこ)
○好きな一句「葛切や水は吉野の神の水」02
○季語(葛切・三夏)(引用同上)

【Profile】:1953年東京都出身。「」・「」・「春野」誌友。

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■挿絵俳句668b「新しき周回へ乗る秋稲星」(『遠景』2024)(鎌田透次)

2024-10-01 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句668b・新しき・透次682b・2024-10-01(火)
○「新しき周回へ乗る秋稲星」(『遠景』2024)(→鎌田透次682b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(秋稲星・三秋)

a autumn comet-
you get into orbit
new trajectory / Touji

【作句メモ】:「稲星(いなぼし)」とは「彗星(すいせい)」の和名。弔いは2年目の軌道に入る。「新しき周回」はほんの少しの光芒なのか。

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■挿絵俳句668a「吸飲みを如雨露代りに供花の菊」(『遠景』2024)(鎌田透次)

2024-09-30 04:56:00 | 挿絵俳句

○挿絵俳句668a・吸飲みを・透次682a・2024-09-30(月)
○「吸飲みを如雨露代りに供花の菊」(『遠景』2024)(→鎌田透次682a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(菊・三秋)

a feeding cup
instead of a watering can
chrysanthemum for you / Touji

【作句メモ】:病床の妻の口へと水を差した吸飲みがある。今は秋の供花にその吸飲みで水をやる。独りこつこつと生きてきたことを知る妻の一周忌。稲穂忌(2023.9.30)。

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■次元俳句668「黄泉の国国花はシロバナヒガンバナ」(『あざみ日和』2011)(河野薫)

2024-09-29 04:56:00 | 次元俳句

○次元俳句668・超次元55黄泉5・河野薫03・2024-09-29(日)
○「黄泉の国国花はシロバナヒガンバナ」(『あざみ日和』2011)(→河野薫03)
○季語(ヒガンバナ・仲秋)(「俳句界201303別冊「平成名句大鑑」」より引用)【→次元俳句-索引1索引2索引3索引4索引5忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(いいいたうえぬねふへむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:黄泉の国に国花があるとしたら、それは間違いなく「シロバナヒガンバナ」であろう。小気味よく断定をした句。ヒガンバナ の白花種。「→四季の山野草・白花彼岸花」。彼岸の妻へ。明日一周忌。

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