○次元俳句669・穴7(空間)・筏井竹の門01・2024-10-07(日)
○「洞穴を水迸る芒かな」(筏井竹の門01)
○季語(芒・三秋)(「→俳句の作り方」より引用)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5・忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:怒濤が迸(ほとばし)る海沿いの洞穴。崖上の台地には芒の群が海風に揺れる。
○筏井竹の門(いかだいたけのかど)(1871-1925)
○好きな一句「尾踏まれて礼者に鳴かぬ猫老いぬ」(『俳句三代集』1939)02
○季語(礼者・新年)(「→きごさい歳時記」より引用)
【Profile】:石川県金沢市出身。俳人、俳画家。→正岡子規の『日本』俳壇に投句。子規門で新傾向俳句の→河東碧梧桐に傾倒、句会『越友会』を立ち上げる。1906年に自身の句誌『葦附』を主宰、1908年には高岡新報(現在の北日本新聞)の選者となる。また1911年に日本画家の冨田溪仙に師事、数多くの優れた俳画も残している。
○挿絵俳句669a・秋のへび・透次683a・2024-10-06(日)
○「秋のへび蛇行の記憶置き去りに」(『遠景』2024)(→鎌田透次683a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(秋のへび・仲秋)
an autumn snake-
leave meandering memory
on the grass / Touji
【作句メモ】:残してきたものか 落としてきたものか 忘れてきたものか 記憶も痕跡の一つであるか
○方法俳句668・直喩148似て7・小池康生01・2024-10-05(土)
○「三日月や給油レバーは銃に似て」(『旧の渚』2012)(小池康生01)
○季語(三日月・仲秋)(「→海のいろ-句集『旧の渚』小池康生」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:銃に似た握りの感覚の給油レバー。あの三日月の方角へこれから長距離運転をしていくのだ。
○小池康生(こいけやすお)
○好きな一句「煮凝や昏がり多き家に住み」(『旧の渚』2012)02
○季語(煮凝・三冬)(引用同上)
【Profile】:1956年大阪市出身在住。「銀化」同人。「奎」代表。
○色彩俳句668・銀14・萩澤克子01・2024-10-03(木)
○「水の秋水に棲むもの銀の唇」(『母系の眉』2013)(萩澤克子01)
○季語(水の秋・三秋)(「→スピカ」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:水に棲む銀の唇。何らかの秋の魚類であろう。しかし魚の名は提示されていない。銀という色だけを提示した不明句である。
○萩澤克子(はぎさわかつこ)
○好きな一句「あの世から眺むるために柿干しぬ」(『母系の眉』2013)02
○季語(柿・晩秋)(「→BLOG俳句新空間」より引用)
【Profile】:1969年10代で「歯車」(1955年→鈴木石夫指導の俳句勉強誌として創刊)入会。
○五感俳句668・乾感10・柳堀悦子01・2024-10-02(水)
○「炎ゆるまま乾びてをりぬ唐辛子」(柳堀悦子01)
○季語(唐辛子・三秋)(「→柳堀悦子facebook」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:乾燥した唐辛子の炎えるような赤。ほどよく曲がった光沢の赤。いかにも辛そうな光沢の赤。鮮やかな一物俳句である。
○柳堀悦子(やなぎぼりえつこ)
○好きな一句「葛切や水は吉野の神の水」02
○季語(葛切・三夏)(引用同上)
【Profile】:1953年東京都出身。「晨」・「汀」・「春野」誌友。
○挿絵俳句668b・新しき・透次682b・2024-10-01(火)
○「新しき周回へ乗る秋稲星」(『遠景』2024)(→鎌田透次682b)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(秋稲星・三秋)
a autumn comet-
you get into orbit
new trajectory / Touji
【作句メモ】:「稲星(いなぼし)」とは「彗星(すいせい)」の和名。弔いは2年目の軌道に入る。「新しき周回」はほんの少しの光芒なのか。
○挿絵俳句668a・吸飲みを・透次682a・2024-09-30(月)
○「吸飲みを如雨露代りに供花の菊」(『遠景』2024)(→鎌田透次682a)【→Haiku and Illustrationへ →第14句集50句へ】
○季語(菊・三秋)
a feeding cup
instead of a watering can
chrysanthemum for you / Touji
【作句メモ】:病床の妻の口へと水を差した吸飲みがある。今は秋の供花にその吸飲みで水をやる。独りこつこつと生きてきたことを知る妻の一周忌。稲穂忌(2023.9.30)。
○次元俳句668・超次元55黄泉5・河野薫03・2024-09-29(日)
○「黄泉の国国花はシロバナヒガンバナ」(『あざみ日和』2011)(→河野薫03)
○季語(ヒガンバナ・仲秋)(「俳句界201303別冊「平成名句大鑑」」より引用)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5・忌日祈念日俳句】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:黄泉の国に国花があるとしたら、それは間違いなく「シロバナヒガンバナ」であろう。小気味よく断定をした句。ヒガンバナ の白花種。「→四季の山野草・白花彼岸花」。彼岸の妻へ。明日一周忌。