ことば宇宙 universum verborum

英語中心、心に響くことば旅行

たわらのねずみがこめくって

2023-04-25 | 語源

西沢爽はタワラはタナ(棚、店 たな)で「貸家、長屋」か、また、ネズミについては、約束があるのに短時間、他の客の相手にある女郎か、あるいは、ネヅレ(夜這い)かと推測する。しかし、前者は近世ではヌスミ(盗)といい、上記の意味にネズミが使われるのは明治中期である。これはヌスミとネズミの相似た語形の混同による。(中略)ここで参考になるのが京都のわらべ歌「下駄かくしちゅうねんぼはしりの下のねずみが…」である。この「はしり」は台所の流しのことだが、今の子供には縁遠く、だんだん意味が分らなくなる。そこで、子供は使い慣れた言葉に替えて、「柱の下」「橋の下」と納得して歌うことになる。以上のことから、ここはもと「棚の鼠」であり、これが次のコメクッテの関連から、コメを「米」と考えて、「俵の鼠」と転化したのであろう。

七「ずいずいずっころばし」』より

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どんどこしょ | トップ | ちゅうちゅうちゅう »

コメントを投稿

語源」カテゴリの最新記事