ことば宇宙 universum verborum

英語中心、心に響くことば旅行

かごめかごめ

2023-07-11 | 語源

以上の語句の解釈を踏まえて、全文の意味が分かるように通釈すると、次の通りになる。「かがめ、かがめ。籠の中の鳥のように輪の中でかがんでいる鬼さんは、一体いつになったら外にお出になるのか」「夜明けである暗い晩に、望まぬまま籠のような輪の中につるっと、まるで鶴と亀とがすべるように、入ってしまったよ」「では、真後ろにだれがかがんでいるか当ててごらん。当たったら外に出られるよ」

五「かごめかごめ」』より

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いどのまわりでおちゃわんかいたのだあれ

2023-05-16 | 語源

このイドノマワリは江戸語のイドバタ、イケノハタと同じ意味であり、陰門のふち、へりを指している。次のオチャワン(御茶碗)は無毛の女陰、カク(欠)は割るで、「新鉢(しんばち)を破(わ)る」と同じ意味であり、ハチはやはり女陰である。このカクはそれ単独で、また、タレ(垂)ヲカク(掛)、カクヤッカイとともに交合を意味する。ここは前の句と同じく、第三者的な立場から処女を犯したのは誰だとひやかして、囃し立てていることになる。さらに、自分のことを言いながら、しらばくれて自分は知らない、一体誰だと平気を装っているとも考えられる。

七「ずいずいずっころばし」』より

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おとつぁんがよんでもおっかさんがよんでもいきっこなぁし

2023-05-09 | 語源

この句は明治期の資料にはなく、第二次のやはり批評的な、観察的な追加であろう。意味は説明するまでもなく、子供の遊びでもいいが、「丁稚と小娘」(前掲)のような、男女の若者が隠れて秘密の性戯にふけっている最中で、親に呼ばれても行くはずがなく、息をこらしていると考えてもよい。

七「ずいずいずっころばし」』より

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ちゅうちゅうちゅう

2023-05-02 | 語源

今昔物語(巻二十九第三)に「半蔀(はんじとみ)のありけるより、鼠鳴きを出して手をさし出でて招きければ、男寄りて」と、女の客引きとして用いられている。近世には特に遊女が客を呼び入れるときにこの声を発した。ここは鼠が鳴いていることになっているが、女郎が客を引く媚態の様子の雰囲気を同時に漂わせている。さらに、この擬音語はクチスイ(口吸)をも表しているだろう。三回のチュウは接吻の音をも意味し、夢中になっている男女の切実な状態を暗示し、鼠のおもしろい動作と落差をつけ、二重写しにする表現効果をもたらす。

七「ずいずいずっころばし」』より

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たわらのねずみがこめくって

2023-04-25 | 語源

西沢爽はタワラはタナ(棚、店 たな)で「貸家、長屋」か、また、ネズミについては、約束があるのに短時間、他の客の相手にある女郎か、あるいは、ネヅレ(夜這い)かと推測する。しかし、前者は近世ではヌスミ(盗)といい、上記の意味にネズミが使われるのは明治中期である。これはヌスミとネズミの相似た語形の混同による。(中略)ここで参考になるのが京都のわらべ歌「下駄かくしちゅうねんぼはしりの下のねずみが…」である。この「はしり」は台所の流しのことだが、今の子供には縁遠く、だんだん意味が分らなくなる。そこで、子供は使い慣れた言葉に替えて、「柱の下」「橋の下」と納得して歌うことになる。以上のことから、ここはもと「棚の鼠」であり、これが次のコメクッテの関連から、コメを「米」と考えて、「俵の鼠」と転化したのであろう。

七「ずいずいずっころばし」』より

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どんどこしょ

2023-04-18 | 語源

このことから、ドンドコショが祭りを想像させるほど大騒ぎをしている状態であるとともに、オマツリの様子であることが分り、それはやはりヌケタラによってなのである。

七「ずいずいずっころばし」』より

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ぬけたら

2023-04-11 | 語源

中野栄三の『江戸秘語事典』によると、ヌクは「交会御法(ぎょほう)でいう秘語」であって、「抜けるまでおけば女房機嫌也」のように、「遂情」にいい、ツツハライ(筒払)やトッパズス(トリハズス)と類語であると説明する。後者は「女のあさましさについとっぱづしそうになる時、紛らかすが法さ」(部屋三味線)のように、女郎が「思わず真情を現わしてしまう」ことで、これはシオチ(仕落)で恥とされるが、ついうっかり我を忘れてしまうのである。ヌケルは中野の説くように、江戸語のイク、デル、オクルと同じ状態を表す閨房語であった。このヌクは現代語の「生きぬく、勝ちぬく、困りぬく」のように、「最後まで、すっかり…しとげる」のように、頂点、限界を極め、至り着くという意味もある。このような語感が江戸語のヌケルにもあったと思われる。以上により、ヌケタラは絶頂感の境地まで読み取っていいだろう。

七「ずいずいずっころばし」』より

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とっぴんちゃん

2023-04-04 | 語源

しかし、この語はここでは前後の文脈からいって、実質的な意味を担い、一種の擬態語であろう。また、トッピンチャンやドッピンシャンの語もあることから、西沢爽の説の通り、トッピはドッピの転訛であろう。ドッピ(ト)は「どっぴとわめいて」(日葡辞書)「嫁を見にどっぴと路次へかけて出る」(柳多留)のように勢いよく立ち騒ぐさまを表す。また、ドッピドッピは「さまざまの者を内へ取込で、どっぴどっぴと騒ぐやら、茶屋だの女部屋など、すべったはころんだはと」(浮世風呂)と、勢いがさらに盛んになるさまを表す。また、ドッピサッピは「表ざしきが乱妨な、どっぴさっぴの大一座」(与話情浮名横櫛)と 使われた。また、トッピキシャという形もあった(半沢敏郎『童遊文化史』)。このことから、ドッピキシャ→ドッピンシャ→ドッピンシャン→ドッピンチャンという変化が考えられる。いずれにしろ、ここはドッピを語基とした複合語を考えればよい。ドッピが清音化してトッピ、さらにトッピンのように撥音をつけて四拍子にした方が語として安定し、シャンがチャンに転訛して、より強い滑稽な様子を印象づける。以上によって、歌意は、遊女と攻め合って、戯れいちゃつき、大騒ぎをしていることになる。

七「ずいずいずっころばし」』より

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ごまみそずい

2023-03-21 | 語源

コマイ(木舞)とは壁の下地として、竹を細かく縦横に編み、細い縄で絡げたもので、その職人をコマイカキという。この職人は指の使い方が巧みで、複雑に交叉した竹を組んでいく。これが川柳の題材に好まれ、「こまいかき根津の入り訳け聞いて居る」(柳多留)は、職業柄、遊女との入り組んだ事情を聞き、「こまいかき茶人にいぢりころされる」(川柳評万句合)は建築にうるさい茶人に苦労する。このコマイカキの練達した指の動きが探宮、探春することを連想させ、コマイヲカクという熟語もできた。「女房を稽古所にするこまいかき」(柳多留)「くじる手の鶺鴒(せきれい)らしいこまいかき」(柳の葉末)と、妄想が膨んでいく。後の句は古事記にあるように、鶺鴒の尾の上下運動を指し、「こまかい指の動きが…くじる手つきを教える先生のようだ」といっている(矢野貫一「淫喩辞彙」『文学』平成十一年七月)。江戸語では他に「 (指)人形(を使う)、指遣う、指木偶(でく)、指てんごう」「二本指」なども用いられた。以上により、コマイショの元の形はコマイシヨウと想定され、コマイショウを経て、コマイショと短縮形になったのであろう。その意味は抉(くじ)り、弄( いじ)ろうと、いたずら遊びをしようといっているのである。これが明治期になって元の意味が分らなくなり、コマイショがコマミソ、さらにゴマミソ(胡麻味噌)という日常の食物に解釈し直されたものと思われる。

七「ずいずいずっころばし」』より

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ずいずいずっころばし

2023-03-14 | 語源

ズイズイは次のズッコロバシを序詞のように導き、調子を整える語句である。「つんつんつばき」「なんなんなつめ」など現代の歌謡や童謡のように、同じ音の語句を引き出し、中心的な語句を強く引き立てることになる。ところが、この形に定着する前は、ズイズイスッコロバシヤ(『時代子供うた』) 、ツイツイズコバシ(伊勢、『遊戯法』)であり、語形は一定していない。従って、現在のズッコロバシは少なくとも訛って変形したものであると推定できる。そこで、この語をよく見ると、コロブ、コロバシという動詞を含んでいることに気付く。西沢爽は『江戸語大辞典』の用例にもある式亭三馬の『小野愚譃字尽(ばかむらうそじづくし)』(文化三年)に、最下層の私娼である夜鷹の別称として「惣嫁(そうか)、夜発(やはち)、辻君、ついころばし…」とあることに着目し、このツイコロバシをケ(蹴)コロバシの転訛だろうとした。これは卓説であり、この冒頭句がこの歌全体の意味を方向づけ、決定することになる。ツイコロバシは他動詞形であるが、その自動詞形のツイコロビ、訛ってツイコロボも『鳴絃之書』(元禄十五年)『正風集』(享保十五年)などにあり、夜鷹、惣嫁の別名として使われた。

七「ずいずいずっころばし」』より

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Pegusus

2020-12-17 | 語源

winged horse in Greek mythology, late 14c., from Latin, from Greek Pēgasos, usually said to be from pēgē "fountain, spring; a well fed by a spring" (plural pegai), especially in "springs of Ocean," near which Medusa was said to have been killed by Perseus (Pegasus sprang from her blood). But this may be folk etymology, and the ending of the word indicates non-Greek origin. Advances since the 1990s in the study of the Luwians, neighbors of the Hittites in ancient Anatolia, show a notable convergence of the Greek name with Pihaššašši, the name of a Luwian weather-god: "the mythological figure of Pegasus carrying the lightning and thunderbolt of Zeus, ... is likely to represent an avatar of the Luwian Storm-God of Lightning ...."

ギリシア神話の翼を持った馬、14世紀後半、ギリシア語のPēgasosに由来するラテン語に由来し、大抵、「泉、泉から湧き出る井戸」のpēgē由来といわれており、特に「海の泉」、その近くでメドゥーサがペルセウスに殺されたと言われている。(ペガサスは彼女の血から飛び出た)。しかし、これは民間語源の可能性があり、語尾は非ギリシア起源を表している。古代アナトリアヒッタイト人の隣人であるのルウィ語族の研究における1990年代からの進展はルウィ語族の天気の神の名ピハッサッシとギリシア語名と著しい一致を示している。「ゼウスの雷と電を持っているペガサスの神話上の姿はルウィ語族の稲妻を持つ嵐の神の化身を表している可能性が高い」


Pegusus

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Henry

2020-07-05 | 語源

From the Germanic name Heimirich meaning "home ruler", composed of the elements heim "home" and ric "ruler". It was later commonly spelled Heinrich, with the spelling altered due to the influence of other Germanic names like Haganrich, in which the first element is hagan "enclosure". Heinrich was popular among continental royalty, being the name of seven German kings, starting with the 10th-century Henry I the Fowler, and four French kings. In France it was rendered Henri from the Latin form Henricus. The Normans introduced the French form to England, and it was subsequently used by eight kings, ending with the infamous Henry VIII in the 16th century. During the Middle Ages it was generally rendered as Harry or Herry in English pronunciation. Notable bearers include arctic naval explorer Henry Hudson (1570-1611), British novelist Henry James (1843-1916), American automobile manufacturer Henry Ford (1863-1947), and American actor Henry Fonda (1905-1982).

「家長」を意味するゲルマン系の名前でheim「家」とric「支配者」の合成語。最初の部分hagan「敷地」を持つHaganrichのようなゲルマン系の名前の影響で、後にHeinrichと綴られるのが普通になった。Heinrichは大陸の王家で人気があり、10世紀のハインリッヒ1世捕鳥王に始まる7名のドイツ王と4名のフランス王がいる。フランスではラテン語形HenricusからHenriアンリとなった。ノルマン人がイギリスにフランス語形を導入し、結果16世紀の悪名高きヘンリー8世を最後とする8名の王によって使われた。中世には一般的に英語の発音ではHarryやHerryとなった。この名を持つ有名人は、北極海探検家ヘンリー・ハドソン(1570-1611)、イギリスの小説家ヘンリー・ジェイムズ(1843-1916)、アメリカの自動車製造者ヘンリー・フォード(1843-1916)、アメリカの俳優ヘンリ・フォンダ(1905-1982)がいる。

Henry

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EMMERICH

2020-07-04 | 語源

Germanic name, in which the second element is ric meaning "ruler". The first element may be ermen "whole, universal" (making it a relative of Ermenrich), amal "work, labour" (making it a relative of Amalric) or heim "home" (making it a relative of Henry). It is likely that several forms merged into a single name.

ゲルマン系の名前で、2つ目の要素は「支配者」の意味のric。最初の要素はermen「全体の、宇宙の」(Ermenrichの同類語)かamal「仕事、労働」(Amalricの同類語)かheim「家」(Henryの同類語)の可能性がある。いくつかの語形が一つの名前に融合した可能性が高い。

Emmerich

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AMERIGO

2020-07-03 | 語源

Medieval Italian form of EMMERICH. Amerigo Vespucci (1451-1512) was the Italian explorer who gave the continent of America its name (from Americus, the Latin form of his name).

EMMERICHの中世イタリア語形。アメリゴ・ヴェスプッチ(1451-1512)はイタリアの探検家で、アメリカ大陸にその名を与えた(彼の名前のラテン語形から)。

Amerigo

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America

2020-07-02 | 語源

In the English-speaking world, this name is usually given in reference to the United States of America (see AMERIGO). It came into use as an American name in the 19th century.

英語世界では、この名前は通例アメリカ(AMERIGOを参照)合衆国を指すのに使われている。19世紀にアメリカの名前として使われるようになった。

America

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