特撮界における元祖巨大ロボットとは何かというと1957年の映画「地球防衛軍」に登場する「モゲラ」です。
こいつは地球侵略を目的にする異星人ミステリアンの開発した、土木用ロボットで、地球侵略のために攻撃用に転用されます。
全長50メートル、重量5万トンの巨体を誇るモゲラは モグラをモチーフに顔にドリル、体中に金属製のキャタピラを装備し、目からは怪光線をだして攻撃します。
腕部分を回転させて地下を掘り進むこともでき、正にモグラロボット”モゲラ”です。
劇中でモゲラは2体でてきますが、1体目は人間相手に大暴れしますが、鉄橋の上にきたところで鉄橋を爆破され落下。活動を停止させます。
2体目は地下から攻撃をしようと地上に出てきますが、運悪く対ミステリアン兵器「マーカライト・ファープ」の真下で、その下敷きになって活動停止してしまいます。
こうして見てみると最初の活躍以外は割とあっけないんですよ、コイツ。
まぁ敵側のロボットだし、土木用ロボットだし、過剰な期待は禁物ですけど、それにしてもカッコ悪い!
でもソコがコイツのかわいいところと往年の特撮ファンには愛されているようですよ。
後年、モゲラはデザインも設定も一新され対ゴジラの決戦兵器に転生いたしますが、それはまた別の話・・・。

DVDのパッケージです。中央の横を向いてるのがモゲラくんです。
『地球防衛軍』についても紹介しときますね。
監督は本多猪四郎、特技監督に円谷英二、音楽を伊福部昭と初代『ゴジラ』のメインスタッフが制作に関わっています。
-あらすじ-
不審な山火事!突然の地盤沈下!巨大ロボットの出現!次々と起こる怪事件は宇宙人・ミステリアンの仕業だった。
彼らは、富士山麓に密かに建設したドーム基地の周囲3キロの所有、6人の地球人女性との結婚の許可を要求してきた。しかし、圧倒的な科学、軍事力を持つミステリアンの要求は徐々にエスカレートし、遂に地球の覇権をかけた壮絶な戦闘が始まった!
(DVDパッケージ裏より引用)
実は日本初の侵略宇宙人ものであり、未遂には終わるものの地球人と宇宙人の結婚を最初にとり上げた世界で最初の映画でもあります。
先述のとおり巨大ロボットが登場したのも初めて、さらにそのロボットが初のロボット怪獣でドリルロボというオマケつき。さらに東宝特撮初のシネマ・スコープ作品など「初物づくし」の映画だったりします。
ストーリーについては今では当たり前のフォーマットとなってしまった「宇宙人侵略もの」ですが、その根底に流れるのは核兵器への警鐘であったり、世界平和への願いだったり意外にメッセージ性も高い作品となっています。
でも、つっこみどころも満載で時代の隔世を感じますね・・・。
外国人科学者が無理やりしゃべる日本語とセリフをかむ通訳にはおかしいというよりほほえましいです。
映像面では今見るとチャチな特撮ですが、いかにリアルに見せようかという工夫に満ちていて楽しいです。
それに対ミステリアン兵器の数々がなかなかカッコいい!
デザインはプラモの箱絵で有名な小松崎茂画伯なんですよね。
レトロフューチャーって言葉はこの人のためにあるようなもんですね~。
宇宙人ミステリアンのデザインですが、まるで戦隊ものみたいな格好してます。
色も赤がリーダーなんて実は戦隊もの元祖?なワケないか・・・・。
余談ですが、ミステリアンのリーダーのしゃべり方がその後の宇宙人のしゃべり方の基本になったらしいです。
ま、興味があったら見てくださいまし、志村喬はやっぱり渋いなぁときっと感じてくれますよ。
(いままでの話カンケーねぇじゃん)
地球防衛軍マーチ(モゲラ出現)・・・地球防衛軍
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