アニメ『昭和元禄落語心中』が完結しました。
雲田はるこさんの同名の漫画が原作のアニメです。第1期が2016年の1月から、そして第2期が2017年1月から放送されました。ワタクシは原作漫画は未読です。
第1期は昭和50年代、斜陽を迎えた落語界の大御所・八代目有楽亭八雲のもとへ”与太郎”が押しかけ弟子になるところから物語は始まりますが、物語は八雲が若かりし頃(戦前から昭和30年代くらい)に舞台を移し、菊比古(八雲のかつての高座名)とその盟友・二代目助六、そして2人に影響を与える女性”みよ吉”との関係を中心に描いています。
TVアニメ「昭和元禄落語心中」PV③ rakugo shinju animation PV3
また第2期は時代が下って、真打に昇進し三代目助六を名乗る与太郎と老境を迎えた八雲、二代目助六とみよ吉の娘・小夏、さらには小夏の息子・信之助を中心に物語が描かれています。
「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」TV-SPOT
第1期が放送されているときはまだ原作の漫画が連載中ということもあってかワンクールずつ分割して作られたと思われます。
ちなみにTVシリーズ第1期の第1話は2015年3月発売の単行本第7巻と同年8月発売の第8巻の特装版に付録でついていたOVAを再編集したもので、おかげでこの第1話だけ1時間になっています。当初、ワタクシはずっと一時間でやってくれるのかとぬか喜びしたもんです。
それしても今作は、時代の変化によって次第に廃れていく落語界を背景に様々なキャラクターたちの人生を描く渋~い物語で、ロボットアニメ好きを公言しているくせにワタクシはアクションもメカも出てこない、このアニメに夢中でした。
じゃあ、このアニメって何がすごいのかって、それは声優の演技です。もちろん物語はすばらしいです。技術的には作画や音楽もいいのですが、ワタクシにとっての最大のモチベーションは”声優の演技”でした。
このアニメは戦前から敗戦直後、高度経済成長期を経てバブル崩壊期までロングスパンで扱っていますが、ロングスパンであるにも関わらずそれによるキャストの変更をほとんど行っていないのです(変声期を迎える男性キャラの場合はさすがに変えてます)。さらに噺家の物語ですから、当然演者が落語まで披露するワケです。
経年で年老いた演技+経年で円熟味を増す落語を同時に演じなければいけないキャストもいます(逆に若々しい声+上手でない落語も演じています)。それが八代目八雲役・石田彰さんです。
石田さんといえばエヴァンゲリオンの渚カヲルなど”美少年・美青年”役をハマリ役にしてる声優さんですよね。まさか老人の声が出せるなどと思いもよらなかったのですが、第1期の第1話を観て、その説得力のある演技にビックリしました。
また彼は、その声のまま落語をやるワケですが、落語も上手い(といってもワタクシもあんまり詳しくはないのですが)。
物語の進行は青年期の八雲、さらに老いた八雲を登場させるワケですが、ずっと石田彰さんなのです。どんな年齢の八雲も説得力のある演技をしてくれるもんだから、ワタクシはずっとそれを追いかけていました。石田さんの演技にもうすっかり虜になってたんでしょうね。
百聞は一見にしかずということで公式のダイジェスト映像がありますのでご覧ください。
「昭和元禄落語心中」アニメ第一期“与太郎放浪篇”ダイジェスト映像
石田さん以外ではやはり山寺宏一さんはすごいです。キャラクターの演技・落語の質は申し分ないクオリティです。また第2期を合わせると小林ゆうさんもすごかったです。助六の娘・小夏の幼少期(小学校入学前)から50歳代くらいまで見事に演じ分けてくれています。
でもなんでロングスパンでキャストを変えないなんて演出したのでしょうか?
ワタクシの個人的意見ですが、”『昭和元禄落語心中』は人生を描いた物語だから”じゃないかと思うのです。例えば八雲は消えゆく落語と心中しようとさえ考えている人物で経年したとはいえ、その都度演者を変更していたらキャラクターそのものが軽くなってしまうと考えたからではないでしょうか?
キャラクターが軽くなってしまえば、自ずと物語も軽くなってしまいますからね。
でも、この演出に応えるためには相当の力量が必要だと思います。実際、石田さんの演技には鬼気迫るものを感じていましたからね~。お疲れ様でした。
今回の最終回で物語は意外な真実の示唆と清々しいまでのエンディングを迎え、ワタクシの心を満足させてくれました。2年かけてこれだけ満足させてくれたアニメはそうなかったです。
ネタバレを避けるためにストーリー部分にはほぼ触れない記事でしたが、騙されたと思って鑑賞してほしいTVアニメですね。それから大人の鑑賞に堪えるTVアニメとしてオススメしたい作品でもあります。
折りを見て原作漫画も読んでみたいですね。アニメとどう違うのか?アニメは原作を超えたのか?確かめたいですね。
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雲田はるこさんの同名の漫画が原作のアニメです。第1期が2016年の1月から、そして第2期が2017年1月から放送されました。ワタクシは原作漫画は未読です。
第1期は昭和50年代、斜陽を迎えた落語界の大御所・八代目有楽亭八雲のもとへ”与太郎”が押しかけ弟子になるところから物語は始まりますが、物語は八雲が若かりし頃(戦前から昭和30年代くらい)に舞台を移し、菊比古(八雲のかつての高座名)とその盟友・二代目助六、そして2人に影響を与える女性”みよ吉”との関係を中心に描いています。
TVアニメ「昭和元禄落語心中」PV③ rakugo shinju animation PV3
また第2期は時代が下って、真打に昇進し三代目助六を名乗る与太郎と老境を迎えた八雲、二代目助六とみよ吉の娘・小夏、さらには小夏の息子・信之助を中心に物語が描かれています。
「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」TV-SPOT
第1期が放送されているときはまだ原作の漫画が連載中ということもあってかワンクールずつ分割して作られたと思われます。
ちなみにTVシリーズ第1期の第1話は2015年3月発売の単行本第7巻と同年8月発売の第8巻の特装版に付録でついていたOVAを再編集したもので、おかげでこの第1話だけ1時間になっています。当初、ワタクシはずっと一時間でやってくれるのかとぬか喜びしたもんです。
それしても今作は、時代の変化によって次第に廃れていく落語界を背景に様々なキャラクターたちの人生を描く渋~い物語で、ロボットアニメ好きを公言しているくせにワタクシはアクションもメカも出てこない、このアニメに夢中でした。
じゃあ、このアニメって何がすごいのかって、それは声優の演技です。もちろん物語はすばらしいです。技術的には作画や音楽もいいのですが、ワタクシにとっての最大のモチベーションは”声優の演技”でした。
このアニメは戦前から敗戦直後、高度経済成長期を経てバブル崩壊期までロングスパンで扱っていますが、ロングスパンであるにも関わらずそれによるキャストの変更をほとんど行っていないのです(変声期を迎える男性キャラの場合はさすがに変えてます)。さらに噺家の物語ですから、当然演者が落語まで披露するワケです。
経年で年老いた演技+経年で円熟味を増す落語を同時に演じなければいけないキャストもいます(逆に若々しい声+上手でない落語も演じています)。それが八代目八雲役・石田彰さんです。
石田さんといえばエヴァンゲリオンの渚カヲルなど”美少年・美青年”役をハマリ役にしてる声優さんですよね。まさか老人の声が出せるなどと思いもよらなかったのですが、第1期の第1話を観て、その説得力のある演技にビックリしました。
また彼は、その声のまま落語をやるワケですが、落語も上手い(といってもワタクシもあんまり詳しくはないのですが)。
物語の進行は青年期の八雲、さらに老いた八雲を登場させるワケですが、ずっと石田彰さんなのです。どんな年齢の八雲も説得力のある演技をしてくれるもんだから、ワタクシはずっとそれを追いかけていました。石田さんの演技にもうすっかり虜になってたんでしょうね。
百聞は一見にしかずということで公式のダイジェスト映像がありますのでご覧ください。
「昭和元禄落語心中」アニメ第一期“与太郎放浪篇”ダイジェスト映像
石田さん以外ではやはり山寺宏一さんはすごいです。キャラクターの演技・落語の質は申し分ないクオリティです。また第2期を合わせると小林ゆうさんもすごかったです。助六の娘・小夏の幼少期(小学校入学前)から50歳代くらいまで見事に演じ分けてくれています。
でもなんでロングスパンでキャストを変えないなんて演出したのでしょうか?
ワタクシの個人的意見ですが、”『昭和元禄落語心中』は人生を描いた物語だから”じゃないかと思うのです。例えば八雲は消えゆく落語と心中しようとさえ考えている人物で経年したとはいえ、その都度演者を変更していたらキャラクターそのものが軽くなってしまうと考えたからではないでしょうか?
キャラクターが軽くなってしまえば、自ずと物語も軽くなってしまいますからね。
でも、この演出に応えるためには相当の力量が必要だと思います。実際、石田さんの演技には鬼気迫るものを感じていましたからね~。お疲れ様でした。
「昭和元禄落語心中」Blu-ray【通常版】一 | |
細居美恵子,雲田はるこ,熊谷純 | |
キングレコード |
今回の最終回で物語は意外な真実の示唆と清々しいまでのエンディングを迎え、ワタクシの心を満足させてくれました。2年かけてこれだけ満足させてくれたアニメはそうなかったです。
ネタバレを避けるためにストーリー部分にはほぼ触れない記事でしたが、騙されたと思って鑑賞してほしいTVアニメですね。それから大人の鑑賞に堪えるTVアニメとしてオススメしたい作品でもあります。
昭和元禄落語心中(1) (ITANコミックス) | |
雲田はるこ | |
講談社 |
折りを見て原作漫画も読んでみたいですね。アニメとどう違うのか?アニメは原作を超えたのか?確かめたいですね。
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