ヴァニラ・アイスはプラチナの夢をみるか?

サンプル数一人の話。日記、アニメの感想などを独りよがりに書いてます。

『怪獣総進撃(1968)』~ツッコミを入れながら怪獣を楽しんでほしい~

2019-04-15 22:21:12 | 映画系
『怪獣総進撃(1968)』

1968年(昭和43年)8月1日に封切り公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第9作。監督は本多猪四郎さん、特技監督は有川貞昌さん総勢11体の怪獣が登場する東宝怪獣映画20本目の記念映画です。本作の登場怪獣の数は昭和ゴジラ映画で最多であり、2004年に『ゴジラ FINAL WARS』が公開されるまではゴジラシリーズでも最多だったとのこと。登場怪獣はゴジラ、ミニラ、ラドン、モスラ(幼虫)、アンギラス、バラン、バラゴン、ゴロザウルス、マンダ、クモンガ、キングギドラ。上映時間は89分。

あらすじ

20世紀末(劇中の新聞では1994年)、国連科学委員会(U.N.S.C.)は硫黄島に宇宙港を建設する一方、世界の脅威だった怪獣たちを小笠原諸島の島(通称「怪獣ランド」)に集め、平和裏に管理・研究していた。しかし、怪獣ランドに突然謎の毒ガスが充満した直後、怪獣たちが主要都市に出現して暴れ始める。原因を突き止めるべく、国連科学委員会は月ロケットムーンライトSY-3艇長の山辺克男に怪獣ランドの調査を依頼する。早速調査に向かった克男たちは、怪獣ランドの職員たちによって怪獣たちがリモートコントロールで操られていることを知る。さらに、その職員たちを操るキラアク星人が姿を現し、恐るべき地球侵略計画が明らかになる(Wikipediaより引用)。

感想

本作は人類とキラアク星人との攻防戦を描いたSF映画、怪獣たちが大暴れする怪獣映画の二つの要素に分解できると思いますが、SF映画としてはツッコミどころが満載でしたね。

ツッコミどころはいろいろありますが、最大のツッコミ所はキラアク星人です。

彼らは戦力が少ないので直接攻撃をしないらしいんですが、地球人類より科学が発達しているので各国の要人を操るなりすればもっと侵略もスムーズにできると思うんですが・・・・。

だからわざわざ怪獣を操らなくてもって思ってしまいました。

まぁ昔の特撮やアニメの回りくどい侵略方法は、もはや風物詩なので、こういう細かいこときにしない作りも本作の魅力の一つではありますが、SF映画としてはゆるすぎです(笑)。

一方、怪獣映画としてはかなり楽しめました。

冒頭のような平和な世界が、再び”人類の驚異”となった怪獣の暴力にさらされる展開は”怪獣映画の王道”に回帰してて興奮しました。やっぱり怪獣は都市を破壊してくれないと!

そんな状況から終盤に怪獣たちが人類の味方になったときの頼もしさはハンパなかったですね~。

それから宇宙怪獣キングギドラVS地球怪獣連合の対決もアツかったです。ゴジラ最大にして最強のライバルの登場自体も嬉しいものの、ゴジラたち怪獣が力を合わせて戦う展開にはシンプルに感動してしまいます。

まぁ多勢に無勢ですから、最終的にキングギドラは血祭りに上げられてしまうのですが・・・。

そうそう、ワタクシ個人としてはアンギラスが大活躍してたのが嬉しかったです。ゴジラと史上初めて対決した怪獣なのに本作までは再登場の機会がなかったですからね。

結局のところ本作はSF映画として観るか、怪獣映画として観るかで評価が180°変わってくる映画ではありましたね。ツッコミを入れつつ怪獣の活躍に興奮するのが本作の正しい鑑賞方法じゃないでしょうか?

【公式】「怪獣総進撃」予告 総勢11怪獣が暴れまくるゴジラシリーズの第9作目。


予告編のタイトルは『ゴジラ電撃大作戦』となっていますが、1972年の「東宝チャンピオンまつり」での公開時に改題されたとのことです。元のタイトル版の予告編が見つからなかったのでご了承ください。

さて、特撮については今回もよくできていますね。

各都市の作りこまれたミニチュアと、それが破壊されていく場面は本作の大きな見所だと思います。特にモスクワがラドンのソニックブームで吹き飛ぶシーンのクオリティは素晴らしかったですね。

それからムーンライトSY-3号などのメカニックもカッコいい。今となってはレトロフューチャーなんて表現されるデザインなんでしょうが、実にそれがいい!本作ではメカからも目が離せませんよ。

まぁ宇宙服のデザインはダメですが・・・。だってヘルメットの頂点に尖った突起物がくっついてるんですよ。無重力空間で尖ったものってご法度ですからね~。

怪獣総進撃 東宝DVD名作セレクション
本多猪四郎,馬淵薫
東宝


出番こそ少ないもののキラアク星人に操られた大谷博士役の土屋嘉男さんの演技が素晴らしかったです。

紳士的な物腰の中からにじみ出る悪意、本当に気味が悪かったです。本作を鑑賞するときは、ぜひ土屋さんの演技にも注目いただきたいです。

怪獣総進撃(プレビュー)


本作の冒頭から登場するムーンライトSY-3号ですが、『ウルトラセブン』の登場メカであるウルトラホーク1号と同2号を足して2で割ったようなデザインが本当にカッコイイ。

もちろんデザインだけでなく、単機で大気圏離脱・再突入、戦闘までこなすという万能すぎる性能に加え内部には探検車という車両まで搭載できるとか男子のハートをがっちりつかむメカであることは間違いないですね。



ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966)』~意外なウルトラマンとの類似点~

2019-04-11 20:37:46 | 映画系
『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966)』

1966年(昭和41年)7月31日に封切り公開した日米合作の特撮映画。監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さん。前年に公開された怪獣映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』の姉妹編。元々は『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編として企画されたのですが、本多監督の「映画は1本1本独立したものが良い」という考えから独立した作品となったとのこと。登場怪獣はサンダ、ガイラ、大ダコ。上映時間は88分。

あらすじ


とある海難事故で生き残った船員は「仲間はフランケンシュタインみたいな怪物に喰われた」と証言した。フランケンシュタインを研究しているスチュワート博士は、一年前に死んだフランケンシュタインが復活したのではないかと問われるが、復活したとしても海にいたり人を襲う事はあり得ないと答える。 だが、その後もフランケンシュタインと思われる怪物の目撃情報は相次ぐ。スチュワートと助手のアケミは昨年フランケンシュタインが消えた富士山へ調査に向かう。その一方、横須賀で発見された体細胞の調査の結果フランケンシュタインと同一のものであることが判明。その直後、羽田空港に海のフランケンシュタインの怪獣”ガイラ”が出現。またしても犠牲者を出してしまう。 自衛隊は最新兵器メーサー殺獣光線車を使用したL作戦でガイラを追い詰めるが、そこにもう一体のフランケンシュタイン・山の怪獣”サンダ”が現れ、ガイラを助けて逃走。だが、良心を持つサンダと凶暴なガイラはやがて闘争を始めるのだった・・・。果たして二体のフランケンシュタインの怪獣の戦いの行方は?


感想

特撮ファンから人気の特撮映画というので鑑賞してみたのですが、ワタクシには合わなかったですね・・・・。

結構見どころの多い映画でもあるので場面場面では楽しめたんですが、”人を喰らう巨大人型怪獣”というのがどうも好きになれなかったです。

人を喰らう設定そのものが残酷ではありますが、人型の巨大怪獣がそれをやると”食事をする人間の根源的な残酷さ”を突き付けられているようでエグさが増すように感じるのです。ちなみにワタクシは同じ理由から人気漫画『進撃の巨人』が苦手だったりします。

それだけでなく、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、サンダVSガイラの戦いの結末も無理矢理終わらせた印象があって好きになれないのです。

それはさておき、ワタクシの好きに慣れない要素を排除して俯瞰した時にある巨大ヒーロー番組に似ていると感じました。

その巨大ヒーローは”ウルトラマン”です。

『ウルトラマン』にはヒーロー・ウルトラマンVS怪獣の格闘バトルと空想科学兵器を扱う防衛組織の2つの要素があると思いますが、本作も善のサンダVS悪のガイラの格闘バトルメーサー殺獣光線車という空想科学兵器で戦う自衛隊が登場します。

劇中でサンダはヒーロー未満の扱いですが、役割はヒーローに近い存在なので両作品はよく似ていると思います。

ウルトラマンと本作はほぼ同時期に世に出ていますし、なによりどちらも円谷英二さんが関わっています。実は異母兄弟のような関係なのではと邪推しています。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(プレビュー)


精緻なミニチュアや怪獣の造形など特撮の見どころはかなり多い作品になっていると思います。

特にサンダ&ガイラが人型をしているからこそできる軽快なアクションや格闘シーンはゴジラシリーズのアクションとは一線を画するものでかなり迫力があります。

手を自由に使えるアクションってこんなにアクションに幅を持たせられるのかって思いましたからね。

また防衛組織(自衛隊)がちゃんと活躍をする数少ない怪獣映画の一つであると思います。実在の兵器の再現度の高さも見所ですが、メーサー光線車のデザインや活躍は童心に帰って喜んでました

それだけに結末が物足りなかったですケドね。最後まで活躍させてやって欲しかったです。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
本多猪四郎,馬淵薫
メーカー情報なし


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本多猪四郎,伊福部昭,馬淵薫
東宝


キャスティングや役者さんたちの演技は悪くないのですが、いかんせん本作は特撮の面白さで引っ張る映画だと思うので人間ドラマに見所はあまりなかったですね。

そもそもストーリーもフランケンシュタインがなぜ2体に分裂したのか?冒頭の大タコはどこいっちゃったのか?などなどツッコミ所も満載で雑な印象もありました。

まぁ人間ドラマがなくても怪獣によるパニックや逃げまどう群衆といった”怪獣映画ならでは”のシーンには力が入ってるので「怪獣映画観たなぁ」って気分にはなりますよ。

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2体ともデザインが怖いんだよなぁ~。ゴジラにあるような愛嬌もないし、ただただ恐怖を感じます

サンダ&ガイラのデザインは『ウルトラマン』の登場怪獣のデザインで知られる成田亨さんが担当しています。こんなところにも『ウルトラマン』との類似点が!

本作と『ウルトラマン』とが異母兄弟のような関係というのもあながち間違ってないのかも?


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967)』~ミニラのデビュー作~

2019-04-02 20:53:53 | 映画系
『怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967)』

1967年(昭和42年)12月16日に公開されたゴジラシリーズの第8作でゴジラの息子”ミニラ”の初登場作品です。本編は福田純監督、特撮は有川貞昌監督。本編ではグアム島ロケが敢行されて話題になったとのことです。登場怪獣はゴジラ、ミニラ、カマキラス、クモンガ。上映時間は86分。

あらすじ


南太平洋に浮かぶ孤島ゾルゲル島では将来の食糧難対策として楠見博士ら国連の科学者チームによって気象コントロール実験”シャーベット計画”が進められていた。そして開始された実験は謎の妨害電波により失敗。島は異常高温に見舞われ、生息していた大カマキリが怪獣カマキラスへと変貌した。そして謎の妨害電波の発生源だった巨大な卵の中からゴジラの赤ん坊・ミニラが孵化するのだった。カマキラスに襲われるミニラの叫びに駆けつけた親ゴジラはカマキラスを撃退するが、実験所は壊滅。島内の洞窟に避難した楠見博士たちにはさらに熱病に、カマキラスに、そして巨大グモ・クモンガに襲われる運命が待っていた。楠見博士は島からの脱出のため再度、実験を行おうとするが・・・・。一方、ミニラの教育に奮闘するゴジラ。そんななかミニラがクモンガに襲われてしまう。ミニラは覚えたての放射火炎で立ち向かうが・・・・。果たして楠見博士ら一行とミニラの運命はいかに?

感想


なかなか面白い映画でした。

物語は楠見博士たちの話とミニラの話で基本的に別々で進行していくのですが、最終的に実験チームの危機とミニラの危機がリンクする作りが上手いです。観ている方は楠見博士たちとミニラの2つの視点で感情移入できて最後までハラハラドキドキできます。

また人間ドラマ、怪獣特撮それぞれに見所が多くて、非常に楽しかったです。

登場人物では実験一筋で頭の固い楠見博士をはじめ、島の環境に馴染めず嫌気がさしてるメンバー、実験を嗅ぎ付けて押しかけメンバーになったジャーナリスト、島の洞窟に暮らす美女のヒロインなど個性が豊かで、彼らが危機を乗り越えることで一つにまとまっていく展開はまさに王道でした。

それから怪獣特撮では怪獣バトルの他に、いつもは人間の文明を壊してばっかりのゴジラが何かを積極的に守る姿腕白で甘えん坊なミニラがとても新鮮で楽しかったです。

特にミニラがすごくカワイイ。顔はお世辞にもカワイイとは言えないのですが、やんちゃで人間っぽい姿を観ているうちにだんだん愛おしくなってきます。怪獣映画なのにほっこりとした気分にさせてくれました。だからこそクモンガに襲われた時は本気で心配しちゃいましたよ。

まぁ今の時代から観ればいろいろとツッコミ所やちゃちな部分もあるんですが、それを忘れさせてくれる物語と特撮でした。

【公式】「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」予告 ミニラが初登場するゴジラシリーズの第8作目。


予告が結構ハッチャケてますね。予告だけ観るとコメディにも思えてしまいますが、本編はそれなりにシリアスです。まぁこの時代くらいからゴジラも本格的に”子供向け”にシフトしているので重苦しい映画というワケでもありませんがね。

それからコミカルで親しみやすい造形のゴジラ親子に対し、カマキラス、クモンガの悪役怪獣の造形はリアルで気持ち悪いものになっています。

このヘンも子供にどちら側に感情移入すればいいのか、わかりやすくするためにわざとやっているのでしょう。

それにしても悪役怪獣はスーツアクターがいないのによく動きます。そのおかげでゴジラとの対決シーンが非常に迫力があるものに仕上がっています。

また、古臭さ全開の機械の造形も味があって結構好きです。レトロ好きのワタクシはオープンリールのコンピューターとかに”未来”を感じていた時代があったんだなぁと目を細めてしまいます。

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高島忠夫,前田美波里,久保明
東宝


ヒロイン役の前田美波里さんがめちゃベッピンさんでした。ワタクシは世代的に前田さんの若いころを知りませんから結構衝撃でした。

それにしても前田さんが演じるサエコなんですが、すごい投擲力を持っています。ある意味これも見所の一つです。

MM ミニラ2005
バンダイ(BANDAI)
バンダイ(BANDAI)


本作でデビューを飾ったミニラですが、この後、『怪獣総進撃』(1968)、『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969)に出演後、長らく出番がなく『ゴジラ FINAL WARS』(2004)が今のところの最終出演となっています。

”ゴジラの息子”といえばミニラが思い浮かぶのでこんなに出演が少ないとは驚きでした。

ところでミニラの顔ってブサイクですよね~。びっくりしたオッサンみたいな顔してません?子供のクセにオッサン顔なんだよな~コイツ。

そういえば、平成ゴジラシリーズでもミニラ的ポジションの怪獣は登場するようなんですが、ミニラの反省を踏まえてデザインされてるらしいんですよね。

S.H.MonsterArts リトルゴジラ&結晶体セット
バンダイ
バンダイ

↑1994年の『ゴジラvsスペースゴジラ』に登場したリトルゴジラです。確かにミニラよりはカワイイですね。でもな~んかコレジャナイあざとさを感じてしまうんだよなぁ~。

やっぱりブサイクだけどミニラが一番好きなワタクシです。

ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『マタンゴ(1963)』~怪物より人間の怖さを思い知る映画~

2019-03-27 21:37:06 | 映画系
『マタンゴ(1963)』

1963年8月11日に公開された日本の特撮ホラー映画で東宝の”変身人間シリーズ”の番外編的作品です。原作はウィリアム・H・ホジスンの「夜の声」。『ゴジラ』を生んだ本田猪四郎監督、円谷英二特技監督の手により製作されました。上映時間は89分。

あらすじ

豪華なヨットで海に繰り出した7人の若い男女が嵐に遭って難破し無人島に漂着した。そこはカビと不気味なキノコに覆われた孤島であった。波打ち際で見つかった難破船には生存者はおらず、「船員が日々消えていく」と書かれた日誌や、「キノコを食べるな」という警告が残されていた。当初、協力していた7人も飢餓と疑心による極限状態で次第に理性を失い、心はバラバラになっていく。そしてついに彼らの前に奇怪なキノコ人間が姿を現す・・・。


感想

面白かったです。所謂”ホラー映画”というより極限状態の人間を描いた”人間ドラマ”という印象が強い作品ですね。

飢餓や不安、疑心によって理性のタガが外れた人間が見せる生々しい感情と愚かな行動は非常にリアルで興味深かったです。

自分だけ島から逃げようとする、食べ物を餌に大金をせしめる、自分を奪い合って対立した男たちを見てほくそ笑むなどなど人間が見せる醜い部分こそしっかり描いていて、改めて「人間って怖いなぁ」と思わせてくれました。

こういう物語で人間を過剰に美化しても鼻について逆に共感できませんからね~。その点、この映画のオチは最高なんですよ~。

劇中、理性を保ち続けて行動していたかに見える主人公の末路は衝撃的でしたからね。

それから救いのない物語なのに悲壮感をあまり感じないのも大きな特徴だと思います。酷い目に遭ってるのが”セレブでパリピ”だから観ているコッチは少なからず「ざまぁみろ」って思いもありましたしね。

こういう”セレブでパリピ”な人々に対する批判も狙ってやったのかなぁと感じています。

マタンゴ 予告編


変化途上のキノコ人間がやたら怖いです。中間形態の体全身がカビだらけになった造形も秀逸。それから変化の初期段階も怖かった!体半分がカビに寄生されてるのに笑顔でキノコ食べてるとか身震いしました。

でもキノコ人間の完全体のデザインはゆるキャラっぽくてカワイイです。鳴き声もバルタン星人といっしょだし(笑)。ホラー映画としてはここらへんで少し損してるかもしれないですね。

マタンゴ [東宝DVD名作セレクション]
木村武
東宝


この時代の東宝特撮お馴染みの役者さんが多くキャスティングされていますが、怪獣映画で演じる善玉役と全く違う役どころで新鮮でした。

本作は人間ドラマの比重が大きいために役者の演技が重要なのですが、どの役者さんもにも文句がありませんね。

特にヨットマン役の佐原健二さん、ナイトクラブの歌手役の水野久美さんは素晴らしかった。どちらも濃いキャラで物語をグイグイ引っ張ってくれました。

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イワクラ
イワクラ


キノコ人間はフィギュアの方が不気味です。劇中ではヨタヨタ、フラフラ動くし怖がる役者の演技がなければ、まるでゆるキャラ!今の時代からみれば滑稽な印象です。

そうそう、”マタンゴ”と聞くとレトロゲーマーとしてはスーファミの名作RPG『ライブ・ア・ライブ』の近未来編を思い出してしまいます。

その名も”マタンゴ”という覚醒作用のあるキノコが登場します。これって間違いなく元ネタはこの映画でしょうね。ちなみに物語の重要なアイテムになるのですが詳しい話は別の機会にしましょう。

この他、音楽の分野にも影響を与えているようで筋肉少女帯も『マタンゴ』という曲を歌っています。こうしてみると知名度のわりにゲームや音楽など影響力は大きい映画なんだなって実感しますね~。

古い映画ですからマイナス面も多いとは思いますが、それを差し引いても面白いので古い映画だからと敬遠せずに鑑賞してほしいですね。


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『バンブルビー(2018)』~バンブルビーのかわいさに萌えろ!!~

2019-03-26 20:15:10 | 映画系
『バンブルビー(2018)』

2018年12月21日にアメリカで公開され、2019年3月22日に日本で公開されたアメリカのSFアクション映画です。映画『トランスフォーマー』シリーズの登場人物であるバンブルビーを主人公に据え、シリーズ1作目の主人公サムとバンブルビーが出会う以前の物語を描くスピンオフ作品となっています。監督はトラヴィス・ナイトさん。上映時間は114分。

あらすじ


父親を亡くした哀しみから立ち直れない思春期の少女チャーリーは、18才の誕生日に、海沿いの小さな町の廃品置き場で、廃車寸前の黄色い車を見つける。自宅に乗って帰ったところ、その車が突如、変形《トランスフォーム》してしまう。驚くチャーリーを前に、逃げ惑う黄色の生命体。お互いに危害を加えないことを理解した瞬間、似たもの同士のふたりは急速に距離を縮める。チャーリーは記憶と声を失い“何か”に怯える黄色の生命体に「バンブルビー(黄色い蜂)」と名前をつけて、かくまうことに決める。ボロボロに傷ついたバンブルビーと、心に傷を抱えたチャーリー。思いがけない友情が芽生えるのだが、しかし、予測不能の事態に巻き込まれていくのだった-(公式HPより引用)

感想

すごく楽しんできました!

”地球人と地球外生命体との心の交流”物語の本筋に上手く派手なロボットアクションをミックスしているので大満足でした。

ストーリー展開も複雑ではなく誰にでも楽しめるように作られていますし、なにより『トランスフォーマー』の予備知識も不要でこの映画だけ観ても楽しめるものに仕上がっているのはポイントが高いですね。

もちろん『トランフォーマー』のスピンオフ作品としても満点の出来だと思います。

シリーズの名物キャラであるバンブルビーがどういう経緯で地球にきたのか?なぜ声を失ったのか?などなどが描かれてて、シリーズ第1作へと続いていく展開もアツかったです。

もうね、とにかくバンブルビーがかわいい!

記憶(そもそも地球が初めてですし)と声を失ったバンブルビーはまさに”デッカイ赤ん坊”

車状態で公道を走行中、追いついてきたチャーリーにロボットの腕出して手を振ったり、チャーリーの喜ぶ顔が見たくて調子にのって物を壊すなどいろいろやらかします

その反面、チャーリーが危機に陥ったら、全力で戦って彼女を守るのです。無邪気な面と健気で勇敢な面を併せ持つバンブルビーのギャップに萌える人も多いでしょう。

『バンブルビー』日本版予告


予告編観てもらっただけでもバンブルビーの”かわいさ”がわかっていただけた思いますが、かわいいだけじゃなく迫力あるアクションでも魅了してくれました。

格闘シーンの流れるような動きの楽しさはCGとは思えない質の高さでワクワクさせてもらいました。

それから過去のシリーズでは多人数VS多人数のためアクションの中身は良くてもゴチャゴチャしてわかりづらかった印象があったんですが、本作ではバンブルビーVS敵単体というケースが多かったのでとてもわかりやすかったです。

ロボットアクションのシーンは意外に少ないのですが、それでも十分満足できました。それはやっぱりストーリーがいいからなんでしょうね。

チャーリーとバンブルビーの交流から生まれた互いの危機に命を懸ける友情という王道のストーリー展開はいつ観ても心を打たれてしまいます。

それからチャーリーが父親の死を乗り越える瞬間の感動も王道ではありますが、心を打たれました。このシーンが個人的にはお気に入りなんですが、ネタバレになるのでこれ以上書きません

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グッドスマイルカンパニー(GOOD SMILE COMPANY)
グッドスマイルカンパニー(GOOD SMILE COMPANY)


過去のシリーズより丸っこくてかわいい印象にデザインされてるようですね。2本の角?がヒョコヒョコ動くのも萌ポイントでした。

本作は字幕版だけでなく、吹替版、吹替+MX4D版など選択して楽しめるようになっていますね。

身体にこたえるので(歳なので)MX4Dは論外としても、英語わかりませんが俳優の感情がダイレクトに伝わってくる字幕版で観てきました。

『バンブルビー』吹替版予告


この動画でだいたい吹替版の雰囲気もわかりますね。まぁ悪くないですね。それでも選択は間違ってなかったと思っています。だって吹替版はいずれTVで観れるでしょ。

それにしても主演の女優さんの演技はよかったですね。バンブルビーは実際には存在しないんですから演技難しかったと思うのですが・・・。

ヘイリー・スタインフェルド
って名前しっかり覚えておこうっと!


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966)』

2019-03-21 21:19:23 | 映画系
『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966)』

1966年(昭和41年)12月17日に公開された日本映画で「ゴジラシリーズ」の第7作です。元々は南海の孤島を舞台にキングコング、エビラ、モスラの3大怪獣の登場する特撮映画『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』として企画されましたが、企画は不採用となりその脚本の主役をキングコングからゴジラに置き代え、「ゴジラシリーズ」の一編として再利用されました。監督は福田純さん、特技監督は円谷英二さんです。登場怪獣ゴジラ、エビラ、モスラ、怪鳥大コンドル。

あらすじ

金庫破りの名人吉村は行方不明になった兄を探す青年・良太、市野と仁田の大学生二人組とひょんなことから出会う。4人は盗んだヨットで南海の孤島に漂着した。島は秘密組織「赤イ竹」に支配されていた。赤イ竹は秘密裏に水爆の原料である重水を製造し、その労働のためインファント島から住民たちを強制的に連行していた。また島の近海にはエビラという怪獣が潜んでいて島からの脱出を阻んでいた。4人に赤イ竹の手から逃れてきたインファント島の女性ダヨを加えた一行はインファント島の住民たちを救出し島からの脱出を計るが、良太はバルーンで島外に流され、仁田は赤イ竹に囚われてしまう。残された3人は絶望的な状況のなか島で眠るゴジラを利用することを思いつくが、果たして・・・・。

感想

ゴジラシリーズにしては珍しくコメディ色の強い作品でした。

ワタクシは冒頭にイタコが出てくるシーンから”真面目に観るなよ”オーラが出ていたので肩の力を抜いて鑑賞しましたが、とにかくツッコミ所満載の”バカ映画”なので賛否分かれる問題作であることは間違いないです。

イタコのお告げを信じたばかりに他人のヨットを盗んで出航させた挙句に遭難して物語の舞台である孤島に流されるとか、バルーンでインファント島までいっちゃうとかどんな話やねんって思いますし、なによりゴジラが人間っぽいので、本作よりも以前のゴジラ映画が好きな人だったらキレそうなんですよ。

ゴジラが鼻の頭をかいて「幸せだなぁ~」ってポーズやるんですからね。”シェー”どころの騒ぎではありませんよ。

でもね、こういう映画って”真面目にツッコんだら負け”ですからね。一度あるがままを受け入れてから笑いながらツッコんでました。

ただなぁ~本作はコメディ映画としても怪獣映画としてもチト物足りない印象でした。

主役側の若い役者たちが演技力不足だし、タイトルにもクレジットされてるモスラの活躍もイマイチでしたからね。作品のノリ自体は嫌いじゃなかったんですがね~。

【公式】「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」予告 海の凶悪怪獣エビラと死闘を演じるゴジラシリーズの第7作目。


この予告編がすでにふざけてますね~。まぁ本作のノリを分かってもらうためにはここまでしないといけなかったのでしょう。

それにしても質の高い特撮シーンについてはさすが円谷英二といったところでしょう。ミニチュアも本物ばりによくできていますからね。特撮の小物を観るだけでも少し幸せになれますよ。

それに怪獣の対決シーンも見応えがありました。特にゴジラとエビラの最初の対決シーンは好きですね。

岩でキャッチボール、海に入って迫力ある格闘シーン(なんとゴジラがエビラを投げ飛ばします!)と巨大さの迫力に加え本作のコメディっぽい味付けも忘れないニクい対決シーンになっていました。

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 東宝DVD名作セレクション>
関沢新一
東宝


主役を金庫破りにした発想はすごく面白いし、そのキャストが宝田明さんてもの意外性があってよかったですね。しかも宝田さんの演技は若い俳優たちの演技力不足をかなりカバーしてくれてましたから。

それから敵側の俳優さんに平田昭彦さんや田崎潤さんが起用されてることに意表をつかれましたね。いつもの東宝特撮映画なら味方側にいるはずの人たちですからね。しかも平田さんは結構ノリノリで悪役演じてて微笑ましかったです。

ゴジラ 怪獣 エビラ/ソフビ/MARMIT
ノーブランド品
ノーブランド品


エビラにはハサミあるから”エビよりザリガニ”だよなぁ~って劇中で誰もが思うことでしょう。それにしてもこの商品写真だとザリガニのフィギュアにしか見えん(笑)

ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『海底軍艦 (1963)』~実に惜しいなぁ~

2019-03-15 20:49:48 | 映画系
『海底軍艦 (1963)』

1963年(昭和38年)12月22日に公開された、東宝制作の特撮映画。監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さん。原作は1900年に発表された押川春浪さんの小説『海底軍艦』ですが、映画の登場人物や設定は映画オリジナルで「少数の人員が孤島で海底軍艦を建造する」という大まかなストーリー以外にほぼつながりはないとのこと。登場怪獣マンダ、上映時間94分。

あらすじ

かつて海底に没したムウ帝国が突如として人類に宣戦布告した。ムウ帝国の超科学に圧倒される人類。だがムウ帝国打倒の最後の希望が残されていた。旧日本海軍大佐・神宮寺によって南海の孤島で秘密裏に開発された”海底軍艦・轟天号”をムウ帝国は恐れていたのだ。当初、轟天号出撃を神宮司大佐は日本海軍再建のためでないと動かせないと依頼を拒否するが、世界で猛威を振るうムウ帝国を前に翻意し轟天号を出撃させる!果たして海底軍艦・轟天号はムウ帝国の野望を砕くことができるのか?

感想

なんだがすごく惜しい作品でした。というのも”ムウ帝国の侵略””旧日本海軍の秘密兵器””深海に棲む大怪獣””父と娘の再開物語”と映画が面白くなる要素が満載にも関わらずどれも中途半端になっているからです。

どれもあと一味あればこまかいことは考えず面白い映画として成立したと思うんですよ。

まず言いたいのはムウ帝国の最期。いくら悪役側とはいえ一国まるごと滅びるのはあまりに可愛そうで抵抗がありました。ムウ帝国にも人類に味方する人たちがいたりすると話がもう一転して面白かったかも?

それから娘を犠牲にしてまで轟天号を開発してきた大佐が娘に非難され、娘がムウ帝国に拉致されると今までのこだわりを捨ててアッサリ翻意するところなんて納得がいきません。もっと信念と愛情の間で逡巡するみたいなシーンが欲しかった。

そしていよいよ出撃した海底軍艦・轟天号なんですが、強すぎます・・・・。秘密兵器なんだからしょうがないのかもしれませんが、ムウ帝国だって超科学兵器で戦うワケですからもっと苦戦しないと面白くない。しかも怪獣マンダ戦もあまりにアッサリ決着がついてしまうのもどうかと思いました。

ワタクシ、最大の見どころは”轟天号VSマンダ”と予想してただけにこの決着には脱力しました。

ワタクシの私見ですが、そもそも主人公(高島忠夫さん)とその相棒(藤木悠さん)のカメラマンは不要だったと思います。彼らを削ればもっと尺を物語のいろいろなところに配分できたと思うんですよね。

海底軍艦(プレビュー)


特撮映画特有のツッコミ所満載なのは他の映画と変わりませんが、それを霞ませるほどの娯楽性が出せてないがゆえに”ツッコミ所の多い映画”に見えてしまってます。

しかしながらメカニックのデザインや特撮シーンには力が入っていましたね。

艦の前方に大型のドリルを取り付けた轟天号のデザインはカッコよくて多くの特撮ファンの心に風穴をあけたのも頷けます。

特に発進シークエンスがめちゃくちゃカッコいいんですよ~。

そして特撮シーンでは丸の内がムウ帝国の攻撃で陥没するシーンのダイナミックさはなかなかすごかったですね。だからこそ、ムウ帝国にももっと頑張って轟天号を苦戦させてほしかったなぁ~。

海底軍艦 [東宝DVD名作セレクション]
押川春浪
東宝


主人公の高島さんには申し訳ないのですが、神宮司大佐役の田崎潤さん、楠見元少将役の上原謙さんのオジサン二人がいい演技してるんですよ。

信念に生き、戦後20年経ても海底軍艦建造に命を懸けた漢・神宮寺大佐とその娘を預かって育てた良識人・楠見元少将のキャラクターに現代の草食系日本人が忘れてしまった骨太さが垣間見えて興味深かったですね。

正直、神宮寺大佐が主人公でよかったのに・・・。

フジミ模型 海底軍艦 轟天号
フジミ模型(FUJIMI)
フジミ模型(FUJIMI)


ドリルがいい味出してますね。この少年の心をふるわせるデザインは秀逸ですよ。戦艦が空を飛ぶという発想って結構先進的ですよね~。この発想が宇宙戦艦ヤマトなどに引き継がれていったのでしょうね。

ところで余談ですが、轟天号って聞くとどうしてもワタクシ、こちら↓を思い浮かべてしまう(笑)



漫画『究極超人あ~る』のR・田中一郎が乗る自転車の名前が”轟天号”なのです。

figma 究極超人あ~る R・田中一郎 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
Max Factory
Max Factory


この漫画、ふざけた漫画でした。まぁ大好きですけど・・・。


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『怪獣大戦争(1965)』~古いけど最後までワクワクできる良作~

2019-03-10 18:01:45 | 映画系
『怪獣大戦争(1965)』

1965年(昭和40年)12月19日に公開された日本とアメリカの合作映画でゴジラシリーズの第6作。”怪獣映画”と”空想科学映画”を融合させた娯楽映画で、漫画『おそ松くん』中のギャグ「シェー」をゴジラが行う場面があることでも有名です。監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さんが担当しました。登場怪獣はゴジラ、ラドン、キングギドラ。上映時間は94分。

あらすじ


196X年、木星に新衛星”X星”が発見された。そこに住むX星人より宇宙怪獣キングギドラ撃退のためにゴジラとラドンを貸してほしいと申し出があった。しかし、ゴジラ、ラドンを地球より連れ出したX星人は二大怪獣を電磁波で洗脳し、キングギドラとともに地球侵略を開始したのだった。果たして地球人はX星人の野望を砕くことができるのか?

感想

娯楽映画としては良作でした。物語のテンポがよくて観ている方としてはずっとワクワクできましたからね。

ストーリーについては空想科学映画の枠に怪獣映画をはめ込んでいるので実はかなり”怪獣要素”が少なかったです。ただ要所要所で怪獣たちが大暴れするのでそんなに気になりませんでしたケドね。

それから主人公を日本人とアメリカ人二人にしたのもよかったです。怪獣をなんとかする役X星人をなんとかする役(恋愛も含む)を分けて演じさせることができ、物語がスムーズに進行できたと思います。

ここからは邪推ですが、劇中でコンピューターを絶対視するX星人を描くことで”全体主義思想への批判”とか”コンピューターに支配されることの恐怖”みたいなメッセージも含まれているように感じました。そういう意味でも大変興味深い映画でした。

と、ここまで褒めちぎってますが、特にX星人がらみのデザインはツッコみどころ満載

UFOのデザインがお椀を重ねてるみたいだし、X星人の格好もコスプレみたいで全体的にダサい。1965年の映画としてもなんとかならんかったんか?

まぁそれらが映画そのものの面白さまで霞ませることはなかったと思いますケドね。

そうそう、特撮ファンから賛否分かれる”ゴジラのシェー”ですが、ワタクシは”有り”だと思います。X星は地球よりも重力の軽い星なんですから、いつもよりゴジラが軽快に動いたり、ジャンプしたりするのも当然だと思うからです。作り手がそこまで考えていたかは知りませんが・・・・。

怪獣大戦争(プレビュー)


特撮シーンについては過去作から流用されたシーンも少なからずあって残念ではありますが、X星や地球での力の入った怪獣対決は本作の大きな見所です。

それから地球から連れ去られるゴジラとラドンが妙にカワイイ。本作では地球産の二大怪獣のお茶目さが随所に見られますので見逃してほしくないですね。

そしてなにより出番こそ少ない怪獣たちですが、クライマックスが怪獣対決になるので鑑賞後に残る余韻は”怪獣映画そのもの”。怪獣ファンも満足できるものになっていると思います。

怪獣大戦争 東宝DVD名作セレクション
関沢新一
東宝


キャストは東宝怪獣映画お馴染みの人々に加え、ニック・アダムスさんを起用、宝田明さんとダブル主演でした。予告編と違って納谷悟朗さんがニック・アダムスさんの日本語吹替えを担当しているので全編日本語で聞くことができます。

ワタクシはダブル主演お二人のどっちが上でも下でもないカンジにすごく好感が持てました。いいコンビなんだろうな感をお二人が上手く演じていたと思います。

HG ゴジラ 7 X(エックス)星人 単品
バンダイ
バンダイ


女性は全員同じ顔のX星人さんです。なんだろうこのコスプレ感は・・・(笑)。

怪獣大戦争マーチ ロングバージョン ~Invasion of Astro-Monster march longVer.~


怪獣大戦争といえばこの曲ですね!近年『シン・ゴジラ』でも流れた時は心躍るものがありました!ホントいつ聞いても男子の心をワクワクさせてくれます。ちなみに格闘家の佐竹雅昭さんがリング入場曲に使ってましたね~。

【予告編#2】ゴジラ キング・オブ・モンスターズ (2019) - カイル・チャンドラー,ベラ・ファーミガ,ミリー・ボビー・ブラウン 原題:GODZILLA: KING OF THE MONSTERS


昔の作品観てたらコッチがめちゃくちゃ楽しみになってきましたよ~。早く5月31日にならないかな~。


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『翔んで埼玉(2019)』~実は感動作?~

2019-03-08 17:44:41 | 映画系
『翔んで埼玉(2019)』


2019年2月22日公開の日本の映画。魔夜峰央先生による同名の漫画を原作に『テルマエ・ロマエ』シリーズの武内英樹さんがメガホンをとり、二階堂ふみさんとGACKTさんのダブル主演で映画化したものです。原作が未完であるため原作をベースとした「伝説パート」と、現代の埼玉在住のとある一家が登場する映画オリジナルの「現代パート」が交錯する構成となっています。ちなみに主題歌は芸人はなわさんの『埼玉県のうた』でした。上映時間106分。

あらすじ

暑い夏のある日、埼玉県の熊谷市に住む「菅原家」。娘の愛海の結納のため、父の運転する自家用車で都内に向かっていると カーラジオのNACK5で、都市伝説を題材にしたラジオドラマが始まった。それは「埼玉解放の伝説の人物・麻実麗」の物語だった。
199X年、東京では埼玉への迫害が続いていた。埼玉県人は通行手形なしでは都内に入ることもできず、過度に虐げられた生活を余儀なくされていた。そんな東京にある代々都知事を生み出してきた超名門校・白鵬堂学院に、海外から麻実麗という美少年が転校してきた(ウィキペディアの当該ページより引用)。


感想

間違いなく”バカ映画”、そして”茶番劇”です。でもなぜか”不思議な感動”が心に残る映画でした。

埼玉県をディスリまくってただ悪口雑言を言ってるだけの映画に思われるかもしれませんが、”東京に虐げられた埼玉を解放する”という物語を描くことによって実に見事に埼玉愛を表現していました。それに東京以外の道府県全てへのエールもこもっていたようにも思いました。

「東京だけが日本じゃないぞ!」みたいなね。そういうメッセージを感じると嬉しくて感動しちゃいますよ。

だから岡山県人のワタクシでも楽しく鑑賞することができたのではないかと思っています。この映画観た後で「自分の出身県は田舎だけどいいところいっぱいあるもん」って思った人は多いと思いますよ。

それにしても「伝説パート」は完全に大人の悪ふざけ。凄いキャストに濃い化粧や派手な衣装で大げさに演技させ、大人数を使ってのシーンを多用したり人もお金もちゃんとかけた”本気の悪ふざけ”を魅せてくれました。

特にキャスティングは豪華ですよね。主演の二階堂ふみさん、GACKTさん、脇をかためる伊勢谷友介さん、京本政樹さん、中尾彬さんとこれだけの面々が観客を面白がらせてくれます。

主演のお二人は言うに及ばす、伊勢谷さん、京本さんの存在感は凄まじいものがあって、役をもっと選んでほしいと本気で心配になりました。伊勢谷さんなんて役に入りすぎて正直気持ち悪いんですよ(それがまたいいんですけどね)。

それと個人的には浜野さざえ役の小沢真珠さんが個人的に好きです。出番は少ないんですが、小沢さんが出てくる度に笑ってしまいました。

『テルマエ・ロマエ』の監督が贈るディスり合戦開幕! 映画『翔んで埼玉』予告編 /2月22日(金)公開


『テルマエ・ロマエ』と同じくらい笑わせてもらいました。小学生並みのギャグセンスばっかりでしたが嫌いじゃありません。

それから言っておきますが、本作にツッコんだら負けですからね。あまりにツッコむところ多すぎて死んじゃいます(笑)。

一応、「伝説パート」へのツッコミは「現代パート」がやってくれるので、それに身を任せてあるがままを受け入れてくださいね。そういう意味で「伝説パート」と「現代パート」を錯綜させた構成は見事でした。

初めのうちは「伝説パート」の物語に冷ややかだった「現代パート」の登場人物も物語が進んでいくと、その物語に感化されて共感していく様子はワタクシ達観客の心理そのものであったと思います。

実は映画内で観客が「伝説パート」のバカバカしい物語に共感するように「現代パート」で誘導してたんじゃないかって思うんですが、実際はどうなんでしょうか?

このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 (Konomanga ga Sugoi!COMICS)
魔夜 峰央
宝島社


そういえば言及してませんでしたが、ワタクシは原作は読んでいません。ですので原作とどう違うのか?という話はできませんので悪しからずご了承ください。まぁ原作知らなくても楽しめる映画にはなっていると思います。

はなわ - 埼玉県のうた(TEASER MOVIE)


エンディングでこの歌がフルコーラスで流れます。これを最後まで聴いたらこの映画がどういう映画かわかるようになってるのはおシャレでしたね。きっと映画にご立腹の埼玉県人の人も許してくれるハズです。

あ~埼玉県羨ましいな~。誰か『翔んで岡山』って映画撮ってくれないかな~。

ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『宇宙大怪獣ドゴラ(1964)』二兎追うものは一兎も得ずな映画

2019-03-04 18:09:43 | 映画系
『宇宙大怪獣ドゴラ(1964)』

1964年(昭和39年)8月11日に公開された東宝の怪獣映画です。本作はそれまでの怪獣映画とちがって”不定形の怪獣”の表現に挑んだ意欲作で監督は本田猪四郎さん、特技監督は円谷英二さんの名コンビにより撮影されました。物語面でも娯楽性を高めるため”人間VS怪獣”に並行して”宝石強盗団VSダイヤGメン&刑事”が描いています。上映時間81分。

あらすじ

ある日、日本上空を周回中の人工衛星が突如消失を遂げる。その一方、世界各国の宝石店が襲われ、多量のダイヤモンドが盗難事件が頻発する。警視庁はその犯人が国際宝石強盗団とにらんで捜査を開始したが、実は強盗団も謎の強盗犯に犯行を妨害されていたのだった。警視庁の駒井刑事は強盗団の一味と目される謎の外国人マークを追跡中に彼が逃げ込んだ宗方博士のもとでマークを発見するもあと一歩のところで博士が研究するダイヤを強奪、逃亡されてしまう。逃亡したマークは国際宝石強盗団に謎の強盗犯の一味と疑われて拉致されるが、辛くも強盗団の隙を突いて逃亡。一方、駒井刑事の目の前で石炭集積場の石炭が空に吸い取られるという事件が起きる。実は怪事件は全て”宇宙怪獣ドゴラ”の仕業だったのだ!炭素をエネルギー源にするドゴラはいずれ人間を滅ぼすだろうと予言する宗方博士。果たして人類はドゴラを殲滅できるのだろうか?そしてドゴラ殲滅作戦の陰で行われる国際宝石強盗団と警視庁&ダイヤGメンの熾烈な攻防の行方は?

感想

一本の映画で並行して2つのストーリーが描かれているので、一粒で二度おいしい作品かと思いきや二兎追うものはなんとやらな作品になっていました。

尺が原因なのか脚本が原因なのかどちらのストーリーも中途半端な印象でした。面白くなる要素はあったので怪獣なら怪獣、宝石強盗なら宝石強盗で別々に映画作ればよかったのに・・・。惜しいですね。

特に謎の外国人マークのキャラクターはすごく魅力的で軽妙さと抜け目のなさを併せ持つまるで”ルパン三世”のような人物で彼の劇中での活躍がなければこの映画最後まで観れなかったと思います。

開始5分で酔っ払いが空中浮遊するシーンが出てきた時は怪異の表現であることは理解してますが、心が折れそうになりましたからね。

そうそう、この映画って妙にギャグっぽいところもあるんだよなな~。

博士の秘書が外国人をおもてなしするのに番茶と枝豆出してくるし、ものすごく悪いハズの宝石強盗団のメンバーがギャグっぽいをとか”VS怪獣とVS宝石強盗団”ってだけでも物語が盛りだくさんなのに笑わせにきますからね~。

サービス精神旺盛なのは理解しますが、正直、それは要らないと思いました。

宇宙大怪獣 ドゴラ(プレビュー)


この映画の功労者であるマークの説明が”変な外人”って雑すぎる(笑)。確かに演じているダン・ユマさんってイケメンじゃないとは思いますが、これは酷い!!

特撮シーンですが、いつもの特撮映画に比べれると時間が短くて特撮観たい人には残念かもしれないですな。ただ、その短い中でもちゃんと力の入ったシーンになっているのは円谷英二の存在なくして語れないでしょうね。

特にワタクシが印象に残ったのがドゴラが若戸大橋を破壊するシーンですね。ドゴラの触手で橋が持ち上げられ、引きちぎられていく様はかなりリアルで、観客にドゴラへの恐怖を植え付ける最高のシーンだったと思います。

それから四脚の先に戦車のキャタピラが取り付けられた対ドゴラ用の架空兵器もなかなかカッコよくて個人的に萌えました

人間のアクションシーンが多めという異色の怪獣映画ですから、いつもの怪獣映画より俳優さんが重要でした。

そのおかげで登場人物のキャラも結構クセが強かったと思います。その好例がマークなワケですが、他にも若林映子さんが峰不二子っぽい役を見事に演じてくれてて、とても印象深かったですね~。逆に片言の日本語を操る強盗団員役の天本英世さんはキャラが濃すぎでギャグ要員にしかなっていませんでしたね。

それなのに何故か博士の秘書のヒロインが一番薄味でした。番茶と枝豆出す以外では正直、いなくても物語は成立しちゃうし・・・。

宇宙大怪獣ドゴラ [東宝DVD名作セレクション]
丘美丈二郎
東宝


あ、気が付いたらドゴラの話をほとんどしてないですね・・・。ドゴラってクラゲかタコっぽい怪獣なもんだから、正直言ってあんまりカッコよくないんだよな・・・。残念ながら分かりやすくカッコいいキングギドラには及ばない怪獣でしょうね~。

史上初の”宇宙大怪獣”らしいので、怪獣特撮映画史では重要な映画なんでしょうケド、ワタクシは人には勧めにくい映画だなって思います。


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『貞子』容赦のないほど怖い映画になってほしい

2019-03-01 19:39:53 | 映画系
ここ最近、このブログで以前に書いた鈴木光司著『タイド』の読書感想文記事にアクセスがあったので「どうしてかなぁ?」と思っていたのですが、小説『タイド』が5月24日に公開予定の映画『貞子』の原作だったからなんですね~。全然、知らんかったです。

関連記事⇒『タイド』を読んだ~終盤の展開は好きになれない・・・~

映画『貞子』特報/この映画、容赦ない


映画『貞子』あらすじ:病院で心理カウンセラーとして働く秋川茉優は、警察によって保護された少女を担当する。一切の記憶を失い、自分の名前すら言えない少女と向き合う茉優だったが、次第に周囲で奇妙な出来事が起こり始める。一方、YouTuberとして活動する茉優の弟・和真は、再生回数の獲得に焦り、心霊動画を撮るため死者5人を出した団地の火事跡に忍び込む。

メガホンは映画『リング』の中田秀夫監督だけにかなり期待が持てます。予告はいかにも”ホラー映画”って感じになっていますね。”この映画、容赦ない”というキャッチコピーもグッとくるし、「う~う~きっと来る~♪」の歌も今風にアレンジしてて気合が感じられます。それにしても映画の方の主人公は女性だし、『タイド』にYouTuberなんて登場したかな?

『タイド』のあらすじはというと・・・・。

小説『タイド』あらすじ:前々世、前世の記憶を持ちながら生きる予備校講師の柏田誠二は、生きながら石像のようになってしまう奇病の解明を進めるうちに貞子とその家族にまつわる謎に突き当たる。貞子には弟がいた!そして貞子の母親の秘密とは?柏田は謎の解明に奮闘するが・・・・。

ということで主人公は前々世、前世の記憶をもつという男性ですし、もちろんYouTuberは出てきません。それにコッチはホラー色は薄いんですよ。

どうやら映画の方では全く違う設定の物語にするみたいですね。原作『タイド』は同シリーズの『リング』、『ループ』の物語を読んでいないとすんなりと理解できない部分もあるのでシリーズのファンではない人にも受け入れやすくアレンジするのなら賛成ですね。

それにワタクシは『タイド』をそのまま映画にしたんなら劇場に足を運ばないでしょうから。

リング [DVD]
鈴木光司,原正人,高橋洋
ポニーキャニオン


日本を代表する幽霊”貞子”の銀幕デビュー作です。見た人も多いかと思いますが、まだ見てない人は今回の映画のために予習をしておいてもいいかもしれないですね。

【すぐにわかる】リング あらすじを手書き紙芝居 Ring Picture-story show


怖くてどうして観られない方にはこういう親切な動画もありますよ。これなら全然怖くないですね~。

それはさておき『リング』を初めて観たときめちゃくちゃ怖くて夜眠れなかったのに今では完全に”ネタキャラ”になってて怖くもなんともなくなってしまいましたね・・・。

貞子vs伽椰子が恐怖の始球式


マエケン体操って(笑)。始球式なのになんでお前らこんなに気合入ってるんだ?何度見ても笑ってしまう!いいピッチングに、いいスイング、絶対に野球経験者やろ?

まぁこんな調子で今や面白い方での露出が多くなった”貞子”ですが、久しぶりにキャッチコピー通りに容赦のないほどに怖がらせてほしいもんです。


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『アリータ:バトル・エンジェル』~戦うヒロインを括目せよ!!~

2019-02-25 21:33:03 | 映画系
本日、『アリータ:バトル・エンジェル』を鑑賞してきました。劇場ではMX4D吹替え版と字幕版が上映されていましたが、MX4Dは腰にくるので字幕版にいたしました。

ちなみにワタクシは原作の『銃夢』は読んでません。なので今回の記事ではここが原作とは違うというような話は一切出てきませんのであしからずご了承くださいませ。

『アリータ:バトル・エンジェル』

日本では2019年2月22日から公開されたアメリカのサイバーパンクアクション映画です。木城ゆきとさんによる日本の漫画『銃夢(がんむ)』を原作に、監督はロバート・ロドリゲスさん、製作には『タイタニック』、『アバター』でメガホンをとったジェームズ・キャメロンさんらが関わっています。上映時間122分。

あらすじ

世界を荒廃させた大戦”没落戦争(ザ・フォール)”から300年。地球最後の空中都市"ザレム"と、ザレムから排出された廃棄物が積み上った"アイアンシティ"に世界は分断されていた。アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドは、ある日クズ鉄の山から300年前のサイボーグ少女の頭部を発見する。修復された彼女は過去の記憶を失っており、”アリータ”と名付けられイドのもとで暮らすようになる。そんなある日、町を騒がせる事件にイドが関わっているのではないかと不信に思ったアリータはイドを密かに尾行、そこでイドが犯罪者を狩って治安を守る賞金稼ぎ"ハンター・ウォリアー"である事を知る。そしてイドを襲った賞金首に立ち向かったその時、アリータは自分の中に格闘術"パンツァークンスト"と、かつて月面で戦った兵士としての記憶が眠っているに気づく。そしてこの事件から彼女と彼女に関わる人たちを巻き込んで物語が大きく動いていく!果たして彼女の正体とは?そして彼女に待ちかまえる運命とは!?

感想

とにかくバトルシーンに見応えがありすぎましたね。

設定上肉弾戦中心のバトルシーンはジャッキー・チェンの映画のように作りこまれていましたし、ガシガシ力押しでくる敵達に対して主人公アリータのしなやかでスピーディな身のこなしの対比も小気味よくて何度でも観たいアクションに仕上がっていました。

ホントにパンツァークンストを使って戦うアリータが美しくてかっこいいんですよ~戦うヒロインっていいなぁって思いました。

アクションに限らず”武骨でメカメカしい”敵キャラとアリータの”女性らしいフォルム”の対比のおかげでフルCGで描かれた彼女にワタクシは親近感を持ったし、感情移入もすんなりできました。

最初、アリータのデザインを見た時は「目がデカい!フルCGだと周囲のリアルな俳優たちに馴染んでない」とか思っていたんですがね~。映画が終わるころには「アリータええやん、カワイイやん」って思ってましたからね~。

ところでストーリーなんですが、少し雑な印象でした。122分に結構なエピソードを詰め込んでいるな~と思ったからです。一つ一つがあんまり丁寧じゃなくて”ダイジェスト”を観ているようだったんですよね。

まぁでもアクションやバトルでお腹いっぱいになれる映画ではあるのでそこまでこだわることはないのかも?

映画『アリータ:バトル・エンジェル』日本オリジナル予告【天使降臨】編60秒2月22日(金)劇場公開


予告編観ただけではアリータの目のデカさにどうしも気を取られてしまう!でも映画観たらちゃんと印象が変わるんですからエラいもんです。

それはさておき、映像はすごいですよ。ちゃんとお金かけて作ったらこんなSF世界も違和感なく描けるんです。つくづく感心します。日本でもこんなSF観たいんだけどなぁ~。

「アリータ:バトル・エンジェル」特別映像:メイキング(パフォーマンスキャプチャー編)


ほう、こんな風に作っていたんだ。演技はちゃんと女優さんにしてもらってガワだけフルCGを被せるってことですね。やっぱり人間らしい動きをイチから作るのは大変ですからね。

それはいいのですが、だれか翻訳してください。

映像ばっかり褒めてますが、俳優さんたちの演技も悪くなかったですよ。特に悪役側が。

まずは奇しくも今日、『グリーンブック』で今年のアカデミー助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリさん演じるベクターはなかなかでした。

本作の悪役ベクターは本来小物っぽいんですが、度々黒幕に体を乗っ取られるという変わった役を上手く演じてくれました。それにしても彼はサングラスかけてるだけでも悪役オーラ全開にできるから大したもんです(笑)

それからベクターの手を組むサイバー医師のチレン役ジェニファー・コネリーも謎めいた雰囲気を纏う女性を存在感たっぷりに演じてましたね~。最初チレンを観た時「浅野ゆう子かな?」って思ったんですが、エンドロールでジェニファー・コネリーって気づきました。

日本リーバ LUX SUPER RICH ジェニファー・コネリー 1993 cm


昔は品があって日本人好みの美人さんだったですが、本作では謎のセクシー熟女って感じで全然印象が違いました。すごいもんですね。

銃夢(1)
木城ゆきと
講談社


原作の存在は知っているんですが全然読んでないですね。これを機会に読んでみようかな~?

それはともかく、映画の方は続編を匂わして終わります。今回で原作のすべてを使ってないようですからね。ワタクシは”戦うヒロイン・アリータ”の活躍をもっと観たいのでぜひ続編も作ってほしいもんです。


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『三大怪獣 地球最大の決戦(1964)』ゴジラの宿敵キングギドラ登場!

2019-02-17 11:04:34 | 映画系
『三大怪獣 地球最大の決戦(1964)』の感想

1964年(昭和39年)12月20日に公開された日本映画。「ゴジラシリーズ」の第5作であり、『空の大怪獣ラドン』と『モスラ対ゴジラ』の直接的な続編でもあります。監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さん。同年12月に公開予定だった『赤ひげ』の撮影が長引いたため、正月興行用に急遽制作された作品で、ゴジラが初めて善玉として描かれる一方でゴジラの宿敵キングギドラが初登場した作品です。ちなみに防衛隊(自衛隊)は登場するものの戦車や戦闘機などを使った作戦は実施せず、また本作のストーリーは『ローマの休日』から強く影響を受けているとのこと。上映時間93分。登場怪獣はゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラ。

あらすじ

ある日、1つの巨大な隕石が黒部ダム付近へ落下した。同じ頃、警視庁の進藤刑事は来日直前に死亡したセルジナ公国のサルノ王女と金星人を名乗って地球滅亡を訴える女性とが同一人物ではないかと捜査を開始した。金星人に興味を持ったラジオ局の記者である進藤の妹・直子は金星人を保護ホテルに匿うが、金星人をサルノ王女として付け狙う暗殺団がホテルを襲撃。からくも小美人たちの機転で暗殺団の計画は失敗。時同じくして阿蘇山からラドン、海からはゴジラが現れ戦いを開始した。まもなく宇宙最強の怪獣キングギドラが黒部ダムの隕石から誕生し、東京を壊滅させた。暴れまわるキングギドラに対抗するため、小美人はインファント島からモスラを呼び、モスラは自分と力を合わせてキングギドラと戦うようゴジラとラドンに呼びかけるが、拒絶される。モスラは単身キングギドラに向かうが・・・・。一方、金星人には暗殺団の魔の手が再びせまっていた・・・。謎の金星人の正体とは?そして地球の運命はいかに?

感想

娯楽大作の名にふさわしい作品でした。前半は金星人をめぐるドラマでひっぱり、後半は怪獣対決で盛り上げる手法は見事。93分とは思えぬボリューム感が味わえました。

本作のドラマ部分はミステリアスな女性キャラを中心に据え主役の刑事と暗殺団との激しい銃撃戦などのアクションも多めで満足感が高かったです。

これまでワタクシが観てきた東宝怪獣映画だと怪獣の登場に右往左往する人間ばかりが描かれてきたので、本作のような怪獣にひっぱられすぎないストーリーの怪獣映画はかえって新鮮でした。正直、怪獣ださなくても”金星人”の話で一本作れそうですからね。

だからといって怪獣の描き方が雑ってワケでもなく、ちゃんと3体の怪獣の魅力を描きつつ新怪獣のキングギドラに対抗させます。

でもそのおかげで”怪獣映画恒例”の防衛隊と怪獣の対決シーンがバッサリありませんでしたケドね。それにキングギドラ対策も全部モスラ任せってのにはツッコミを入れてしまいましたが・・・。

それから本筋とは関係ありませんが、怪獣の会話を通訳する小美人のシーンが微笑ましかったですね。「ゴジラもラドンもそーだ、そーだ」言ってますとか大笑いさせてもらいました。

古い時代の映画だし、急ごしらえだしでツッコミ所もたくさんありますが、ほんとにドラマと特撮のバランスが素晴らしく気楽に鑑賞できる娯楽映画として一度は観ていただきたい作品です。

【公式】「三大怪獣 地球最大の決戦」予告 ライバル怪獣キングギドラが初登場するゴジラシリーズの第5作目。


キングギドラが東京を破壊するシーンは必見!不謹慎ですがギドラの稲妻状の光線が建物を破壊していくのがメチャクチャ格好いいんですよ~。今でも全然通用する破壊シーンで特撮ファンには幸せな時間でした。

それから怪獣の対決シーンですが、ギドラに3大怪獣がそれぞれの特徴をいかしつつ戦う決戦はアツい!怪獣特撮映画ファン垂涎の名シーンでしょう。

それに加え個人的に観てほしいのはゴジラとラドンのケンカです。ゴジラを軽々持ち上げるラドン、ラドンが起した強力な風に耐えるゴジラ。そして大岩でのヘディング対決(笑)。か~ら~のモスラの”説得シーン”がカワイイ!地球産の怪獣のお茶目さを堪能してください。

だからこそキングギドラの悪役さが映えるし、クライマックスのバトルでゴジラ達3大怪獣に感情移入できるんでしょうね。

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関沢新一
東宝


キャスティングも豪華で脇役に志村喬さんがいます。相変わらず渋い。志村さんがお医者さんなら刑事の夏木さんに治療器具の電圧操作を任せても流せてしまう(笑)。

それから本作はダブルヒロインで直子役の星由里子さんとサルノ王女役の若林映子さんがすごく魅力的。直子は快活な女性、サルノ王女(金星人)はミステリアスな女性とタイプの違うヒロインをそれぞれ上手く演じてくれてます。

若林さんって『キングコング対ゴジラ』にもご出演されてますが、全然印象の違う役を演じててビックリ!できれば両方観て比べてほしいですね。

そうそう人間側のドラマも重要なので怪獣映画にはめずらしく脇役の顔がよく見える映画になっていたの印象的でしたね。サルノ王女の家来役の天本英世さんとか阿蘇山で帽子を拾う大村千吉さんとか・・・。

そしてワタクシが個人的に注目したのは暗殺団役の黒部進さんと調査隊隊員役の古谷敏さん。本作の2年後にはウルトラマンで黒部さんがハヤタ隊員で、古谷さんがウルトラマンのスーツアクターとして共演していますよね(古谷さんはウルトラセブンのアマギ隊員としても知られてますね)。ただの偶然ですが、ちょっと嬉しかったです。

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3大怪獣も魅力的なのですが、本作で初登場のキングギドラの造詣も神がかってますね~。金色で3つ首の龍っていかにも強キャラって感じで悪役なのにカッコよすぎですわ~。

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』予告2


今度の映画も本作と同じ怪獣が揃うことが予告されてますね。

やっぱりゴジラ・ラドン・モスラ連合VSキングギドラの対決構図になるのでしょうか?それとも怪獣バトルロイヤルになるのか?今から楽しみであります!


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『モスラ対ゴジラ(1964)』昭和シリーズ”悪役”ゴジラの最期を見よ!

2019-02-05 21:34:44 | 映画系
『モスラ対ゴジラ(1964)』

1964年(昭和39年)4月29日に公開された日本映画。ゴジラシリーズの第4作にして『モスラ』の続編でもあります。監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さん。上映時間は89分。登場怪獣はゴジラ、モスラ(幼虫、成虫)。

モスラとゴジラの闘いを初めて描いた作品でゴジラが昭和シリーズで唯一、怪獣同士の闘いにおける黒星を喫した作品です。

あらすじ

ある日、大型の台風が発生し日本に直撃した。壊滅してしまった倉田浜干拓工事現場の流木の中から新聞記者酒井と中西純子は放射能を含んだ異様な物体を発見した。その頃、静の浦の海上に巨大な卵が漂着した。三浦博士たちはこの卵を調査したが正体がつかめなかった。そして巨卵は商売に利用しようとたくらんでいた興行師熊山と政界ボス虎畑が買い取られることになった。そこへインファント島から小美人がモスラの卵を返して欲しいとやって来た。しかし小美人さえ商売に利用しようする人間社会に失望した小美人はインファント島へ帰っていった。一方、倉田浜干拓地では、大音響と共に大怪獣ゴジラが出現し、名古屋を蹂躙する。ゴジラ撃退のため三浦博士と酒井、純子の三人は、モスラを頼ってインファント島へ向かう。三人の必死の願を聞いたモスラは日本に向かって羽ばたく。そして巨大な孵化装置の上にのっている卵を間にゴジラとモスラの対決が始った。金色の猛毒鱗粉をふりまき奮戦するモスラだがついにゴジラの前にその命を散らしてしまう。その後、卵から二匹のモスラがかえりゴジラへ攻撃を開始した。果たして勝つのは・・・・?

感想

モスラとゴジラの対決映画として普通に楽しめました。でも物語には少し物足りなさも感じました。

まず冒頭からゴジラ登場までのストーリー展開の既視感。考えてみて気づいたんですが、本作の序盤が『モスラ』のストーリーに似ているんですよ。

『モスラ』・・・・主人公が新聞記者、悪役は小美人をさらった悪徳興行師、小美人を追ってモスラが日本に。

本作の序盤・・・・主人公が新聞記者、悪役はモスラの卵を買い取った悪徳興行師、モスラの卵を追って小美人が日本に。

こうやって簡単にまとめてみると『モスラ』と本作では小美人とモスラの役割が反転しているだけとわかります。当然、物語も似た話になってくるんですよ。もう一工夫あってもよかったかな~?

それから映画中盤で退場する二人の悪役。

映画前半は間違いなく悪役二人で物語を引っ張っていったのに、ゴジラが登場したら用済みとばかりに退場させられ、物語も”怪獣対決”へとシフトしていきます。『モスラ』の悪役は終盤まで登場するのに・・・。

本作には「観光開発ブーム」、「背後の興行師による暗躍」などへの批判がこもっていたらしいので、もう少し悪役をうまく使っていれば物語自体ももっと面白くなったと思うんですが・・・・。

それでも人間の悪役から”悪役”を受け継いだゴジラは憎たらしい程に暴れまわってくれます。本作でも逃げ惑う人々から感じる恐怖感はすさまじく、正しい”悪役怪獣”のあり方を教えてくれます。

おかげで途中退場した悪役二人のこともほぼ忘れてましたけどね~。

【公式】「モスラ対ゴジラ」予告 東宝の2大怪獣スター、ゴジラとモスラの初対決を描いたゴジラシリーズの第4作目。


モスラとゴジラの対決には手に汗握るものがありました。成虫モスラが突風攻撃をしたり、ゴジラの尻尾を掴んで引きずったかと思えば、負けじとゴジラもモスラの羽根に放射能火炎を浴びせかけると激しいアクションで戦いを繰り広げます。

また、クライマックスでは幼虫モスラ2体が非力ながらも巧みな連携でゴジラを追い詰め、健気に糸を吐き続ける様子に声援を送りたくなりました。

モスラのデザイン上、あまりアクションを期待していなったので本作のモスラの活躍は期待以上でしたね。

それから今回もミニチュアには力が入ってました。実写とミニチュア再現された名古屋の町が一瞬見分けがつかないシーンがあって驚きました。そんな名古屋のミニチュアも豪快に壊されてしまいますが・・・。

モスラ対ゴジラ 東宝DVD名作セレクション
円谷英二,関沢新一
東宝


宝田明さん、星由里子さん、小泉博さん、藤木悠さん、佐原健二さんなどなどゴジラシリーズでもお馴染みのキャスティングで、とても豪華です。

特に佐原健二さんの守銭奴&小悪党ぶりは素晴らしく、あんな退場のさせ方はもったいと思ったのはワタクシだけではないハズ。劇中で「悪人にも生きる権利がある」とか言っておきながら、アッサリ殺すんですからね~。

もったいないといえばコメディリリーフ役の藤木悠さん。物語が堅くならないように配役されてる意図はわかるんですが、いつも緊迫した場面でばっかり登場するんですよ。なんか場違感がハンパなくて、若干コメディが上滑りしていると思うんですよね。

ま、モスラとゴジラの対決が本当の見せ場ってのはわかるんですケドね~。

ところで来月3月にスカパーの日本映画専門チャンネルにて本作が放送されるようですよ。しかも75分に短縮された「東宝チャンピオンまつり」版も放送されるとのこと。これは見逃せない。


通常版

放送局:日本映画専門チャンネル

放送日:3月20日(水) 21:00から
    
    3月24日(日)  9:00から

    3月27日(水) 19:15から



東宝チャンピオンまつり版

放送局:日本映画専門チャンネル
 
放送日:3月6日 (水) 21:00から

    3月15日(金) 18:00から

    3月17日(月)  9:45から

    3月22日(金) 19:30から 
 

本作をもって昭和シリーズの”悪役”ゴジラは死んで、次作からは地球を守る”ヒーロー”としてゴジラは転生することになります。本作でその”死に様”をとくとご覧いただきたいものです。


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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『竹取物語(1987)』十二単の沢口さんを見たいなら

2019-02-03 20:41:42 | 映画系
『竹取物語(1987)』の感想

1987年9月26日に公開された日本の特撮映画で総製作費20億円の東宝創立55周年記念超大作。『竹取物語』を原作に、かぐや姫が宇宙人だという設定のもと大伴大納言と竜の戦いや蓮の花型の巨大宇宙船で迎えが来るラストの特撮シーンを取り入れた作品。監督は巨匠・市川崑さん、特技監督は中野昭慶さん、主演は沢口靖子さん。上映時間121分。

あらすじ

今は昔、幼い娘を亡くし悲しみに暮れる竹取の夫婦は天空から飛来した光る竹から生まれた不思議な子どもを授かった。夫婦はその子どもに亡くなった娘・加耶と同じ名で呼び我が子のように育てた。その後、加耶は美しい娘に成長し、その美貌は都にまで轟くようになった。そして加耶は3人の貴公子から同時に求婚され、世に得難い宝物を見つけ出した者に嫁ぐという難題で3人の翻弄する。その一方で加耶は月から来たことが判明し、月から使者が迎えにくるというが・・・・・

感想

あまりに普通で無難な映画なんですよね~。豪華キャスティングなうえ、セットにもお金がかかっているハズなんですが、なんか外連味が足りないんですよ。それに特撮は妙に安っぽいし、キャスティングとセットにお金かけすぎたんじゃないでしょうか?

本作のストーリーってまんま”かぐや姫”なんですよ。それが悪いワケではありませんが、日本人なら誰でもストーリー展開知ってますからね。改悪って言われることを恐れず、もっとアレンジしてもよかったとは思いました。

それから一番の見どころのハズの特撮シーンですが、これがいただけない。

まず、竜との対決シーン。出てくる竜が完全にネッシー!

海から長い首だけだして攻撃してきます(というか、たぶん全身つくってないです)。いきなり中途半端な怪獣映画が始まってなんだか興ざめ。それに竜が空飛んでるとか全身出てくるようにはできんかったのか?

またラストの月からの使者が飛来するシーン。ここが完全に”未知との遭遇”

ようするに空飛ぶ円盤UFOが神々しい光を放ちつつ迎えにくるワケですよ。たしかによく見れば”蓮の花”の形してはいるんですが、似すぎです。

”宇宙人なら円盤型UFOに乗っている”という固定観念から抜け出せないという悪い見本のようなシーンでありました。

TVスポット / 竹取物語


沢口さんは間違いなくキレイです。見所はそこだけと言ってもいいかもしれません。

それに思ったほど下手な演技でもなかったのは意外。この映画って世間では沢口さんの大根役者ぶりが揶揄されてる気がするんですがね・・・。まぁ今の演技と大差ないように思えるので演技の幅は広くないようですが・・・。

むしろ沢口さん以外のキャストの方が棒読みっぽくて違和感ありましたね。特に常田富士男さん、なぜあんなに棒読みっぽかったんだ?

しかも竹取の造役の三船敏郎さんが合ってないですよ。”かぐや姫のおじいさん”ってもっと年寄りで好々爺なイメージなのになんだかすごく気性が荒くて強そうなんです。



↑こういうおじいさんが一般的でしょ?三船さんだと強そうすぎて月からの使者を追い返えしちゃうんじゃないか?って思っちゃいましたよ。

ちなみに三船さんも棒読みっぽいんですよね~。名優がどうして野暮ったい演技してるか不思議ですね。

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市川崑,菊島隆三,石上三登志,日高真也
東宝


まぁいろいろ難癖をつけてみて気づいたんですが、結局、”沢口靖子さんが美しく撮れていればそれでいい映画”だったんでしょうね。

だからあんまり沢口さんに関わらない特撮シーンにも力を入れず、沢口さんの演技がくわれないように三船さんにも野暮ったい演技させたんじゃないかって邪推しております。

とにもかくにも十二単姿の沢口靖子さんがものすごくキレイですから沢口さんのファンならば必見の映画ですよ。


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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