
『怪獣総進撃(1968)』
1968年(昭和43年)8月1日に封切り公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第9作。監督は本多猪四郎さん、特技監督は有川貞昌さん総勢11体の怪獣が登場する東宝怪獣映画20本目の記念映画です。本作の登場怪獣の数は昭和ゴジラ映画で最多であり、2004年に『ゴジラ FINAL WARS』が公開されるまではゴジラシリーズでも最多だったとのこと。登場怪獣はゴジラ、ミニラ、ラドン、モスラ(幼虫)、アンギラス、バラン、バラゴン、ゴロザウルス、マンダ、クモンガ、キングギドラ。上映時間は89分。
あらすじ
20世紀末(劇中の新聞では1994年)、国連科学委員会(U.N.S.C.)は硫黄島に宇宙港を建設する一方、世界の脅威だった怪獣たちを小笠原諸島の島(通称「怪獣ランド」)に集め、平和裏に管理・研究していた。しかし、怪獣ランドに突然謎の毒ガスが充満した直後、怪獣たちが主要都市に出現して暴れ始める。原因を突き止めるべく、国連科学委員会は月ロケットムーンライトSY-3艇長の山辺克男に怪獣ランドの調査を依頼する。早速調査に向かった克男たちは、怪獣ランドの職員たちによって怪獣たちがリモートコントロールで操られていることを知る。さらに、その職員たちを操るキラアク星人が姿を現し、恐るべき地球侵略計画が明らかになる(Wikipediaより引用)。
感想
本作は人類とキラアク星人との攻防戦を描いたSF映画、怪獣たちが大暴れする怪獣映画の二つの要素に分解できると思いますが、SF映画としてはツッコミどころが満載でしたね。
ツッコミどころはいろいろありますが、最大のツッコミ所はキラアク星人です。
彼らは戦力が少ないので直接攻撃をしないらしいんですが、地球人類より科学が発達しているので各国の要人を操るなりすればもっと侵略もスムーズにできると思うんですが・・・・。
だからわざわざ怪獣を操らなくてもって思ってしまいました。
まぁ昔の特撮やアニメの回りくどい侵略方法は、もはや風物詩なので、こういう細かいこときにしない作りも本作の魅力の一つではありますが、SF映画としてはゆるすぎです(笑)。
一方、怪獣映画としてはかなり楽しめました。
冒頭のような平和な世界が、再び”人類の驚異”となった怪獣の暴力にさらされる展開は”怪獣映画の王道”に回帰してて興奮しました。やっぱり怪獣は都市を破壊してくれないと!
そんな状況から終盤に怪獣たちが人類の味方になったときの頼もしさはハンパなかったですね~。
それから宇宙怪獣キングギドラVS地球怪獣連合の対決もアツかったです。ゴジラ最大にして最強のライバルの登場自体も嬉しいものの、ゴジラたち怪獣が力を合わせて戦う展開にはシンプルに感動してしまいます。
まぁ多勢に無勢ですから、最終的にキングギドラは血祭りに上げられてしまうのですが・・・。
そうそう、ワタクシ個人としてはアンギラスが大活躍してたのが嬉しかったです。ゴジラと史上初めて対決した怪獣なのに本作までは再登場の機会がなかったですからね。
結局のところ本作はSF映画として観るか、怪獣映画として観るかで評価が180°変わってくる映画ではありましたね。ツッコミを入れつつ怪獣の活躍に興奮するのが本作の正しい鑑賞方法じゃないでしょうか?
【公式】「怪獣総進撃」予告 総勢11怪獣が暴れまくるゴジラシリーズの第9作目。
予告編のタイトルは『ゴジラ電撃大作戦』となっていますが、1972年の「東宝チャンピオンまつり」での公開時に改題されたとのことです。元のタイトル版の予告編が見つからなかったのでご了承ください。
さて、特撮については今回もよくできていますね。
各都市の作りこまれたミニチュアと、それが破壊されていく場面は本作の大きな見所だと思います。特にモスクワがラドンのソニックブームで吹き飛ぶシーンのクオリティは素晴らしかったですね。
それからムーンライトSY-3号などのメカニックもカッコいい。今となってはレトロフューチャーなんて表現されるデザインなんでしょうが、実にそれがいい!本作ではメカからも目が離せませんよ。
まぁ宇宙服のデザインはダメですが・・・。だってヘルメットの頂点に尖った突起物がくっついてるんですよ。無重力空間で尖ったものってご法度ですからね~。
出番こそ少ないもののキラアク星人に操られた大谷博士役の土屋嘉男さんの演技が素晴らしかったです。
紳士的な物腰の中からにじみ出る悪意、本当に気味が悪かったです。本作を鑑賞するときは、ぜひ土屋さんの演技にも注目いただきたいです。
怪獣総進撃(プレビュー)
本作の冒頭から登場するムーンライトSY-3号ですが、『ウルトラセブン』の登場メカであるウルトラホーク1号と同2号を足して2で割ったようなデザインが本当にカッコイイ。
もちろんデザインだけでなく、単機で大気圏離脱・再突入、戦闘までこなすという万能すぎる性能に加え内部には探検車という車両まで搭載できるとか男子のハートをがっちりつかむメカであることは間違いないですね。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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あらすじ
20世紀末(劇中の新聞では1994年)、国連科学委員会(U.N.S.C.)は硫黄島に宇宙港を建設する一方、世界の脅威だった怪獣たちを小笠原諸島の島(通称「怪獣ランド」)に集め、平和裏に管理・研究していた。しかし、怪獣ランドに突然謎の毒ガスが充満した直後、怪獣たちが主要都市に出現して暴れ始める。原因を突き止めるべく、国連科学委員会は月ロケットムーンライトSY-3艇長の山辺克男に怪獣ランドの調査を依頼する。早速調査に向かった克男たちは、怪獣ランドの職員たちによって怪獣たちがリモートコントロールで操られていることを知る。さらに、その職員たちを操るキラアク星人が姿を現し、恐るべき地球侵略計画が明らかになる(Wikipediaより引用)。
感想
本作は人類とキラアク星人との攻防戦を描いたSF映画、怪獣たちが大暴れする怪獣映画の二つの要素に分解できると思いますが、SF映画としてはツッコミどころが満載でしたね。
ツッコミどころはいろいろありますが、最大のツッコミ所はキラアク星人です。
彼らは戦力が少ないので直接攻撃をしないらしいんですが、地球人類より科学が発達しているので各国の要人を操るなりすればもっと侵略もスムーズにできると思うんですが・・・・。
だからわざわざ怪獣を操らなくてもって思ってしまいました。
まぁ昔の特撮やアニメの回りくどい侵略方法は、もはや風物詩なので、こういう細かいこときにしない作りも本作の魅力の一つではありますが、SF映画としてはゆるすぎです(笑)。
一方、怪獣映画としてはかなり楽しめました。
冒頭のような平和な世界が、再び”人類の驚異”となった怪獣の暴力にさらされる展開は”怪獣映画の王道”に回帰してて興奮しました。やっぱり怪獣は都市を破壊してくれないと!
そんな状況から終盤に怪獣たちが人類の味方になったときの頼もしさはハンパなかったですね~。
それから宇宙怪獣キングギドラVS地球怪獣連合の対決もアツかったです。ゴジラ最大にして最強のライバルの登場自体も嬉しいものの、ゴジラたち怪獣が力を合わせて戦う展開にはシンプルに感動してしまいます。
まぁ多勢に無勢ですから、最終的にキングギドラは血祭りに上げられてしまうのですが・・・。
そうそう、ワタクシ個人としてはアンギラスが大活躍してたのが嬉しかったです。ゴジラと史上初めて対決した怪獣なのに本作までは再登場の機会がなかったですからね。
結局のところ本作はSF映画として観るか、怪獣映画として観るかで評価が180°変わってくる映画ではありましたね。ツッコミを入れつつ怪獣の活躍に興奮するのが本作の正しい鑑賞方法じゃないでしょうか?
【公式】「怪獣総進撃」予告 総勢11怪獣が暴れまくるゴジラシリーズの第9作目。
予告編のタイトルは『ゴジラ電撃大作戦』となっていますが、1972年の「東宝チャンピオンまつり」での公開時に改題されたとのことです。元のタイトル版の予告編が見つからなかったのでご了承ください。
さて、特撮については今回もよくできていますね。
各都市の作りこまれたミニチュアと、それが破壊されていく場面は本作の大きな見所だと思います。特にモスクワがラドンのソニックブームで吹き飛ぶシーンのクオリティは素晴らしかったですね。
それからムーンライトSY-3号などのメカニックもカッコいい。今となってはレトロフューチャーなんて表現されるデザインなんでしょうが、実にそれがいい!本作ではメカからも目が離せませんよ。
まぁ宇宙服のデザインはダメですが・・・。だってヘルメットの頂点に尖った突起物がくっついてるんですよ。無重力空間で尖ったものってご法度ですからね~。
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本多猪四郎,馬淵薫 | |
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出番こそ少ないもののキラアク星人に操られた大谷博士役の土屋嘉男さんの演技が素晴らしかったです。
紳士的な物腰の中からにじみ出る悪意、本当に気味が悪かったです。本作を鑑賞するときは、ぜひ土屋さんの演技にも注目いただきたいです。
怪獣総進撃(プレビュー)
本作の冒頭から登場するムーンライトSY-3号ですが、『ウルトラセブン』の登場メカであるウルトラホーク1号と同2号を足して2で割ったようなデザインが本当にカッコイイ。
もちろんデザインだけでなく、単機で大気圏離脱・再突入、戦闘までこなすという万能すぎる性能に加え内部には探検車という車両まで搭載できるとか男子のハートをがっちりつかむメカであることは間違いないですね。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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「怪獣総進撃」は元々はゴジラ映画最終作になる予定の映画で、最終的に怪獣と人間の行き着く先を描いているようですね。動物園で飼われているようになってしまった怪獣達の姿に不満の方が多いようですが、人間にしてみれば怪獣を傷つけずにその力を抑えるにはこれしか無かったと思います。怪獣達を眠りから覚ましてしまったのは人間ですが、故意にやった訳ではありませんし、怪獣達を攻撃したくてしているのではありません。人間だって自分達の生活を守らなければいけないのですから。
でも、この映画を最後まで観ていると「怪獣達の管理」を勧めているのでは無い事に気づきます。ラストの怪獣達の様子を見ていると、全ての管理システムが壊れた怪獣ランドに自分達から帰ったように見えます。管理やコントロール無しでもここで生きていくと言っているように見えました。
思えば怪獣ランドという楽園を提供されていた時分から、すでに怪獣達は人間に対して理解を示していたものと思われます。キラアク星人との最終決戦に赴くSY-3号を見上げている怪獣達の様子は、自分達が加勢に行けない事を悲しんでいるように見えます。アンギラスに至っては始終俯き加減で、まるで泣いているみたい。
思えば2代目アンギラスは人間を手に掛ける描写が一度もありませんね。都市破壊に加わっていませんし、壊したのはリモコンの兵器ぐらい。初代や3代目は囚人を巻き込んだり戦艦を落としたりしてましたけど。
この頃のゴジラさんは大分性格が丸くなっていると思われますので、人間を敵と見なす事は無いでしょう。事件の後は怪獣達は管理されないし、人間達も管理しない共存世界の実現。これが昭和ゴジラシリーズの最終的なテーマだと思います。
怪獣たちが怪獣ランドをすすんで安住の地に決めたという説は目から鱗でした。セリフのない怪獣たちの細かな動作からいろいろ読み取ってしまうA-chanさんの眼力にはいつも感服しております。
ワタクシは今年になって怪獣映画を本格的に鑑賞しているとあって表面的な見方しかできていないので今後もいろいろ教えてくだされば幸いです。