万物流転

今日、１２月１７日は僕の敬愛する田村潔司の
３８回目の誕生日だ。初めて田村潔司の試合を
見た頃、１８年後という今の３８歳の田村潔司と
３６歳の自分など想像も出来なかった。互いに
”中年”となり、様々なモノが変わってしまった。
孤高の天才が異を唱えていたグラウンドでの打撃が
認められた総合格闘技に対し”Ｕ”を背負って挑み、
僕の目の前で”戦慄の膝小僧”ヴァンダレイ・シウバに
完全玉砕されてから、早いもので５年と１０ヶ月が過ぎた。
月日の流れというチカラは、つい数年前の通念や常識を
いとも簡単に覆し状況を一変させる。事実、あれだけの
栄華を極めた世界的格闘技イベント”ＰＲＩＤＥ”も今年を
もって消滅した。あの頃、誰がこの終末を予測し得たか。

ＰＲＩＤＥ絶対王者シウバもＵＦＣへ移籍。拠点を
米国へ移し、ＣＢをも離脱した。そのシウバに
三度敗れた日本の英雄、桜庭和志が今では
Ｋ－１側へと移籍し、シウバの去ったＣＢで合宿を
している。そして、桜庭和志がＰＲＩＤＥで撃破した
グレイシーの一人、ハイアンは先日、留置所内の
独房で死亡した。共にＰＲＩＤＥで活躍した兄ヘンゾの
気持ちを思うと胸が痛む。また、去り行く者があれば、
再び起する者もいる。天才”船木誠勝”が現役復帰を
宣言し、桜庭和志とこの大晦日に前田日明の見守る
リングで対峙する。船木は決戦に向け、離脱した
パンクラスに属する道場”グラバカ”で練習をしている。
そのグラバカの特攻隊長、三崎和雄はＨＥＲＯ’Ｓの
秋山と旧ＤＳＥが主催する大会で対戦する。

もう、何が何だか分からない。今の格闘技界では、
何が起こっても不思議ではない。更に来年、日本の
格闘技界は大連立から業界再編への動きが加速する
との噂もある。その主人公は勿論、将軍こと谷川貞治
ＦＥＧ代表だ。氏の思惑にはプロレスロマンの集大成
カード”桜庭ｖｓ田村”の実現へ向けてのプランが既に
あると思われる。同時に、多くのタレントが揃う旧ＰＲＩＤＥ
系選手たちと優秀なスタッフを手中に収めようと必死に
動いているらしい。長い歴史の中、双方で生じた好ましくない
”恨み辛み”の思惑や人間関係から考えれば、今までなら
”ない”と言ってもいい。が、既に年末興行でサイは
投げられている。もしかすると、前田日明と高田延彦と
船木誠勝が握手する場面に遭遇するかもしれない。
この状況では、それは無いと言えない。その時、
田村潔司と桜庭和志には、是非、立ち会っていて欲しい。
とは、言いつつ、無いな。日明兄さんは離脱するかも。