U魂(ウコン)

◆『U.W.F』最強伝説を追い求める
36歳 おやじブログ

U我独尊

2008-12-30 | コラム 闘議



気付けば孤独だった。
親の醜態、兄の暴力、理不尽、タテマエ、
全てのモノに嫌気が差していた。
そして、堪え難き日々に決心する。
「こんな家族と縁を切ろう、家を出よう。」
中学3年からアルバイトを始めた。
高校へ入学すると、頓珍漢な新任教師が
担任となった。兄貴ぶって近寄ってきたが
軟弱で偽善者だった。
「人種差別はいけない!韓国はこんなに
素晴らしい所だ!」とHRの時間に人種差別問題を
語りだした時、一人の男が席を立って偽善者に
「オマエに何が分かるんだ!」と殴りかかった。

こいつの言っている事が正しい。
分かった顔で何を偽善者が語るのだ。
その日から友となり、僕は孤独でなくなった。
彼は”朴厳玄”とハングル名を名乗った。
厳玄と僕は当時、ムーブメントとなっていたUWFと
「最強」という言葉に魅せられて、毎日、呪文の様に
唱えて体を鍛え、バイトで金を貯めて独立に備え
二人で夢を見ていた。そんな僕らは燻る不満分子を
治めきれず、揉め事ばかり起こしていた。
次第に僕と厳玄は周囲に煙たがられ、”面倒な二人”
としてレッテルを貼られ孤立していった。

だけど、突然、UWFも厳玄も僕の前から消えた。
UWFが解散しバラバラになって複数の団体が
旗揚げされた年、厳玄は殺された。
嫌われ者だった厳玄の葬儀は寂しいものだった。
僕は悔しくて、葬儀の日、出席しなかった同級生を
片っ端に殴りに行った。そして次の日から、僕は
また独りになった。自暴自棄になって、犯人に
復讐する事だけを生甲斐に暴れ回った。そんな
破滅へ進む自虐者など誰も相手にする筈もなく、
僕は何年もの間、闇雲に多くの人を傷つけて、
身勝手に全てを怨んでいた。

そんなどん底の日々、唯一の光が田村潔司だった。
筋肉を隆起させ、感情を露に躍動して闘う
田村潔司の姿に夢と魂を見ていた。そして、孤立も
厭わない強さに心から憧れていた。
勝手に背負わされた重荷にも負けず、パトリック・
スミスをヒール・ホールドで下した試合を見た日、
自分自身と重なり、鬱積したものを吐き出すかの様に
一緒に声が枯れるまで雄叫びを上げた。
「独りでもやれるんだ!俺はやれるんだ!」
僕は田村潔司を手本に、支えに生きてきた。
友が殺害されて心が折れ、復讐を誓って無謀なる
行動をしていた自暴自棄な日々を送っていたが、
田村潔司が何度も逆境から這い上がってリングに
向うから、僕は己を省みるようになり、立ち直れた。

だから、田村潔司の”痛み”くらい分かち合いたい。
僕はただのファンだけど、同じ場所、同じ空気の
中なら、背負えなくとも共有することはできる。
みんなが田村潔司を否定しても、田村潔司に
魂を教わった僕には分かる。
何事にも屈せず、最期まで貫くという男の覚悟、
半端者の言いたい奴には言わせておけばいい。
U魂を授けてくれた田村潔司に感謝の意を込めて
僕は明日、立ち合う。

口出無用、手心、介錯不要
刻んでこよう、あの頃の様に。
そして、これからもUの名の下に。
途中で見切りをつけた人々に言われなくとも、
答えなど既に承知。

最強とは、恐れぬ心
Uとは、生き様

田村潔司は僕の青春、僕の全て

「U我独尊」


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3 コメント

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おはようございます (やすにい)
2008-12-30 07:59:57
ここまできたら、コメント残すのも野暮かな?なんて思いつつ、、決戦前に最後に。。。

各々それぞれに心の中に様々なUがあり、色々な田村愛がある中で、Uさんの言葉、文章は本当に感銘を受けました。

有難う御座います。

また、以前からの「友人の死」が私の中でモヤモヤ引っ掛かって いたのですが、断片だけわかって少し安心?しました(すんません。適当な表現が浮かびません)



会場に参加できませんが、遠く鹿児島から正座して見てます!

長丁場ですから、メインまで休み休み頑張って下さい!
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Unknown (きいくん)
2008-12-30 12:58:09
仕事に行く電車待ちのホームで泣かせんでください。隣の見知らぬコドモが驚いてますwパトスミ戦の、あの時の魂の雄叫びはホンモノです。そうでなければ人の人生に影響を与えられる筈ありません。それぞれの田村潔司を胸に秘め、数奇な運命を背負った者が集う機会を設けていただいたuさん、感謝しております。
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Unknown (28ん)
2008-12-30 23:14:45
なんとか最後まで願掛けのU魂のすべてに書き込みを終了できました。僕もUさんとは親しくさせていただいてますが、すべてを知るものではありません。(ややこしいおっさんキャラ付けを推進してはいますがwwww)。もしかしたら想像以上の極悪人かもしれない(笑)想像を超えた修羅場を過ごしてきてるかもしれない。ただ実際わかるところは僕にとっては気のいい兄貴であり、夜はとことんアホになり若者に無理やり混じり騒ぐ「おっきい幼稚園児」「ピータパンズ」の同志でしかないわけです。ただこのややこしいおっさんがこの年末に埼玉に俺を向かわせる最後の背中への一押しをしたことだけは間違いないです。明日場合によっては私の最後の総合格闘技生観戦になるかもしれません。よろしくお願いします。
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