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【絵画-44】グスタフ・クリムト1862-1918 ウイーン分離派=伝統嫌い派

2022年08月02日 | 絵画 音楽 映画

グスタフ・クリムト1862-1918

オーストリアの公共事業開発に参画でブレイクする

1885 ブルク劇場の天井画

1890 美術史美術館のアテナ壁画(ハンス・マカルト1840-1884の後継)

1892 相棒で弟のエルンスト・クリムト病死

1894 ウイーン大学四学部の天井画依頼を受ける

1894 ウイーン大学四学部の天井画→クリムト様式が大ヒンシュク→大学は受け取り拒否

1895 ウイーン分離派結成(美術アカデミーから分離)

1907 『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』ドイツ・マンハイムで展覧会

   『フリッツア・リードラーの肖像』

1908 『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』ウイーン展覧会

1912 『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 II』

1918 脳梗塞のあとスペイン風邪で死亡

   数多くの愛人・モデルと終始同居、最愛のエミーリエは、弟エルンストの妻の妹

   生涯独身であったが子供は14人いる

   オーストリア・ハプスブルク帝国崩壊

1923 アデーレ・ブロッホ=バウアー遺書残す

    :クリムト作品はオーストリア絵画館に寄贈@夫フェルディナント・ブロッホ=バウアーの死後

1925 アデーレ・ブロッホ=バウアー病死

1938 ドイツはオーストリア併合:アンシュルス

   フェルディナント・ブロッホ=バウアー財産没収 スイス亡命

1944 ドイツがオーストリア侵攻で天井画の3部作は消失

1945 フェルディナント・ブロッホ=バウアー死亡@スイス

 

接吻@オーストリア・ギャラリー

モデルはクリムト本人と愛人エミーリエ

クリムト作品の多くは金箔が特徴、エミーリエがいたずらで金箔をキャンバスに貼ったのがきっかけ

 

アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像1881-1925@NY 160億円@2006

【1903 制作】  せいさくウィーンの銀行家フェルディナント・ブロッホ=バウアーの依頼で、妻アデーレをモデルに描いた@1903年。工芸技法を取り入れたこの絵画は現在100億円の価値があるとか。アデーレは1881年@ウイーンでユダヤ人財閥の家庭に生まれる。父フェルディナントはオリエント鉄道会社の社長。アデーレ18歳のときに35歳のユダヤ人実業家(製糖工場経営)ブロッホと結婚。アデーレの姉はアデーレの夫の兄と結婚。

つまりウイーンでも最も裕福な環境に居たアデーレはウイーンでは有名人であったが、1925年に髄膜炎で急死。1938年ナチスがオーストリアを併合すると、フェルディナントはチェコ、スイス亡命し、財産は没収(略奪)。このとき「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」はバウアーの姪のマリア・アルトマンに相続されるはずだった(フェルディナントの遺言)。マリアは全財産をナチスに没収されてロサンゼルスに亡命し、アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像はウイーンのヴェルヴェデーレ宮殿に飾られた。

時は流れ1999年にマリアは叔父フェルディナントの遺言に基づきオーストリア政府に対してアデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像などのクリムト作品6点の返還を要求すべく訴訟を起こした。弁護士はランドル・シェーンベルクで、作曲家シェーンベルクの孫である(ユダヤ人 1936年にアメリカに亡命していた)訴訟費用は裁判費用+請求する物の価値の1.2%(175万ユーロ:約1700万円) これに対して弁護士ランドル・シェーンベルクはアメリカ国内での訴訟を行えるようにした@2004。

マリアが89歳の2006年に、オーストリアに対してアデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像の返還訴訟に勝利。ロス美術館でのお披露目では全米が歓喜したという。その直後マリアはNYのノイエ・ガレリエ@2001の持ち主(化粧品ブランドの創設者エスティー・ローダーの息子ロナルドのギャラリー)にアデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像155億円で売却する。また他の作品はオークションに出し、アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱはアメリカの司会者オプラ・ウインフリーが約100億で購入した(NYのMoMa美術館にある)。するとオプラは2016年に172億円で中国に売却、個人所有になった。このようにしてクリムトの絵は各所に散らばった。

映画 黄金のアデーレ

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