いわゆる井戸端会議

体が好奇心でできている「雑学の女王」の熱い雑談

祖母天国へ

2007-07-30 01:18:29 | 日記・エッセイ・コラム

 日曜昼前に、祖母を見舞うため都営新宿線からJR総武快速線に乗り換える階段で、スイカをバッグからごそごそ出しているとき、携帯が鳴った。父からだった。10分前に祖母が亡くなったことを知らされた・・・・。間に合わなかった・・・。

 馬喰町から稲毛まで大粒の涙を人目はばからずぼろぼろ流しながら、鼻水をずるっとさせながらも、夫と子どもたちに宛ててメールで知らせた。千葉に着くと弟が迎えに来てくれて病院に急いだ。長く通ったお見舞いの道、私達家族は行きはいいけどいつも帰るときはせつなさと涙を流し病院&施設を後にしたここ4年間だった。2年前に祖父が亡くなったのも同じ病院だった。

 金曜日に見舞ったときはもう下あごで呼吸し、熱も高く、顔も赤く、むくみ、ぜいぜいし、喉を鳴らして苦しがっていた祖母はあまりにあんまりだった。死亡診断書上では5日間の肺炎での結果となっていたが、それはほんとうに最後でもし、これが日本の統計になるのだとしたら、これからは違う目でみなくては。

 弟と霊安室に入ると、おばと姉が泣いて待ってた。私はその寝顔があまりに安らかであることに安心し、息子の寝顔に似ている祖母になぜか安心して、霊安室なのにコワくもなんともなく、それがいわゆる遺体なのに、ほっぺをくっつけてみた。冷たくはあるものの、まだ「許せる冷たさ」だった。喉元はまだほんのりあったかかった。伸縮包帯でぐっと顔を巻かれた祖母は、昔の面影はすっかり消えてしまってたけど、2年前の脳梗塞以来後遺症で残った片麻痺がとれているので2年ぶりに均衡のとれた面差しに戻っていて、とてもうれしかった。このまま待っていると、どんどん戻ってそのうちにしゃべり始めたら・・なんて希望を持ってしまう。

 おばの希望で祖母はやっと「帰宅」した。いつもの寝室に祖母はなんのチューブもなく、寝かされた。親戚の葬儀ではどこか「怖い」感じがするけれど、祖母が帰ってきてくれてうれしくて、自然で、両親、おば家、うちの兄弟達はなぜか盛り上がってきた。

 伊丹十三監督が「お葬式」を作りたくなったのもわかる。母が棺は布張りがいいか白木がいいかということを、祖母の枕元でみんなにまるで「カツどん」がいいか「天重」がいいかのようにききに来たときには、笑うしかなかった。そう、わが実家方の葬儀はなぜかいつも笑い泣きをする。せっかくだからゴージャスに、と私は意見を言った。

 祖母はホントに優しくて、いつも自分はあとまわし。みんなが集まるときに、祖母がちゃんと着席して箸をとっているのを見たことがない。いつも台所といったりきたりして、お正月になるとキロ単位で揚げる鳥のから揚げも、じっくり焼くイソベまきも、昔は高級品だったご進物用メロンも祖母は自分では食べていなかったと思う。誰が帰るときにもお土産をたくさん持たせてくれて、お客さんや親戚の話にはいつもふんふん聴き役になっていた。そして自分でもよく話していた。

 クリスマス会に、私と姉がピンクレディーを踊ったり、歌ったりするたびに、ほんとに上手だわ、かわいらしいこと、と眼を丸くしてほめてくれて、祖母にほめてもらうのが私はほんとうにうれしかった。

 今、いったん帰宅してこれを書いている。日付変わって今日は通夜、明日は告別式。もう何度も覚悟したはずなのに、どうしたことだろう。全くだめだ。祖父も祖母もいない実家はメインメニューを出せないレストランのような(へんなたとえ)物足りなさがある。

 11時間半待てば月命日が祖父と同じとなる時刻。私が最後に見舞ってから47時間後。祖母は力尽きた。最初の脳梗塞から意識と身体の自由を失って生還して2年。危篤から8ヶ月。最後は肺炎には勝てなかった。命の火を自分の発熱に燃やして昇天したような高熱だった。苦しいのに、生きていてくれてありがとう、そしてさようなら。さようならではないな。待っててね、かな。生かされ族の私としては三途の川は「ちょっとその辺」の近所感がある。祖父とあまりに仲良しだったので、お互い寂しかったと思う。今頃、手を取り合ってふたりの好きだった「赤ぶどう酒」(祖父はワインとは呼ばない)で湯豆腐をつつきながら晩酌して仲良く休んでくれていたら、すごくうれしい。

 亡くなった人の話をするのが供養と私のグリーフワーク(悲しみを癒す作業)になるそうなので、しばしおつきあいくださいませな。そうそう、この井戸端で危篤を知った親戚、知人のおじさまたちが、「いつも見てるよ」と言ってくださったので、これからは襟を正して書き続けたいと思います。お役に立ててよかったです。

 哀しすぎると、涙って出ないね。はぁ。

 


ひまわり

2007-07-29 02:26:42 | 出産・育児

 この前のカウンセリング講座終了時に、小グループのリーダーさんから終了記念のピンバッジと、一輪のひまわりをプレゼントされた。台風の日だからひまわりは家につくころには「よれて」しまった。

 それを最初は水上げをしてコップに入れておいた。キッチンに。

 以来、二男がちょこちょこ入ってきては、「おはな」「おはな」と言う。お花は認識して言えるようになった。次の日、いつものようにおやつのおせんべいをあげたら、それを持ってちょこちょこまたキッチンにはいってきてひまわりの前にきた。

 小さい手で、ひまわりに「どうぞ」と自分のおせんべいをたべさせている。

やさしい子に育ってくれている。ありがとう。子どもが優しい心に育っていることを認識できるとき、今の私のシアワセは、これ、です。

070719_1536

そんなひまわりはこれです。今はもう枯れてしまいました。


保育園児の10年後

2007-07-28 00:14:10 | 出産・育児

 最近仕事でどうしても都合がつかず、中1の息子に1歳の息子の保育園の送迎を頼むことがある。乳児の頃はさすがにムリだけど、最近は、安全面でも情緒面でも信頼して任せることができるように両方が育ってきた。そう、兄や親ってのはだんだんなるものね。

 やはり、男の子はすごい。力が強くなったので、12キロの暴れん坊を抱きかかえてもへっちゃら。私がふうふういいながら追いかける1歳児なんて、へのかっぱ。それどころか弟と遊べる時間を楽しめている、さすがだ。

 夫が始発で出て加えて、私も3人の寝顔に去りがたく出た朝も、実は気が気でなかったのは私。うまくいったそうなので、安心したが、そうっと、「何が一番たいへんだった?」と聴くと・・。朝ごはんか、保育園のお支度の複雑なお作法か、起こしてぐずられたか・・新米ママでもたいへんなのに、彼ははにかみながらこう言った。

「・・・わかれるとき」

おお。そうだったのか。それかー。

「だって。オレの足に抱きついて泣くんだもん・・・」と切なそうに言う。

おおおお、おおおおお。そうなのよー。早起きも面倒な支度もへっちゃらなんだけど、ママは別れるあの瞬間が一番たいへんだったのよー。君がたくさん泣いたじゃないのぉぉ。

なんだか息子と結婚して子どもを預けてるような錯覚がしてきたぞ、まずい。でも私はすごくキュンときた。しっかり育ってくれている。ありがとう。長男よ。君が結婚するときは付加価値高いぞ、だってウンチオムツも替えられて、保育園送迎もバッチリなんて、今ドキの「自分の仕事のことしか考えられない若パパ」よりずうっといけてるぞぉ!


今度も奇跡は起こる?

2007-07-27 21:55:09 | 日記・エッセイ・コラム

 朝、実家の弟から祖母がまたまたまたまた肺炎を起こし、ナースステーションの隣の部屋に移ったとメールが来た。

 ・・・・・・・・

 行かなくちゃ。

 幸い、融通のお願いできるお仕事だったので、場所と時間を変更し、今日の仕事はなんとかマネッジして切り抜けた。

 祖母にはどうか、苦痛のないように夜も朝も過ごしてほしい。苦しそうな息遣いと眼が、私を引き止めた。10分も見舞えなかったけれど。抵抗力の落ちたからだ中の皮膚には湿疹が広がってしまい、身体の表面の不都合というのは、見舞うものをまた切なくさせる。

 また行かなくちゃ。暑い夏だ。


笑顔力

2007-07-26 15:37:05 | まち歩き

 朝、珍しくとんでもない早起きをして研修の仕事に出かけた。JRと私鉄の接続する駅で某K党の女性候補がオレンジ色の華やかな服装で、同じ色のシャツの運動員と華々しく街宣活動をしていた。だれもが忙しく通り過ぎる中、私は、他選挙区でありながら、じいっとウォッチングしながら通った。お金かけてるなぁ。気合入ってるなぁ。高そうなスーツだなぁ。ポスターより痩せたなぁ。などなど。

 次の塊は、M党の男性候補&運動員だった。サラリーマンが思うところあって立候補してます、のような地味な運動員とともに、控えめにそこにたたずんでいた。

 実は先の地方選挙で私の知り合いが区議選に出た。2人。別の区で。1人の親しい候補者からの依頼で入魂応援のメッセージをそのサイトに寄せたことがある。選挙はけっこう熱いよ、私。だって聴かれリッチな世の中を目指してるから。

 さて、その地味なサラリーマン風候補者に、よくわかんないんだけど、ちょっとマジな笑顔で無言の「がんばって!」光線を発射してみた。すると・・・フシギなことに、その候補者は私のほうに歩み寄ってきて、両手を差し出し握手をするではないか。温かい優しいふわっとした人間の、未来を見据える者の手だった。←勝手に熱くなる。私も。

 ・・・・・合コンなら成立だわ・・・と不埒なことを思いながら、「頑張ってください」とにこやかにさわやかに彼に伝えて私は仕事に向かうため、私鉄駅に行った。

 選挙には行ってみよう!違う選挙区で投票権利がなくて、ごめんなさい。Mさん。それに人物本位で選んでるからごめーん。