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本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

< 犬神家の一族 >

2024年02月01日 | ドラマ。

これは2023年製作のドラマなんですね。
横溝作品はどうしても古いものというイメージがあって……
4月に放送されたドラマの9月の再放送を録画したものを正月に見る。
でも製作から1年たってないものを見るのはわたしにしては相当早い方。

なかなか出来のいい作品だと思いました。特に前編は引き込まれて見ていた。
吉岡秀隆の金田一はこないだ見た「悪魔が来りて笛を吹く」で若干悪目立ちを感じたから、
どうかなと危ぶんでいたんだけど、今回は演技が浮くとは感じなかった。

わたしは映画やドラマなど、総じて「フィクションとしてどうか」とある意味点数をつけながら
見る傾向がある。このドラマはその意識がなく見られた。
点数をつけながら見るのも楽しいけど、没頭できた方が満足感は高いかな。


やっぱり大竹しのぶは……迫力があるなあ。この人が中心にいてこそのドラマの重みですね。
そしてこの役での古川琴音は驚いた。いい役じゃないですか。
この人近年けっこう出てますよね。というか、わたしが見たドラマによく出ている。
けっして美人ではないと思うが、個性的でいい女優さんだと思っている。

皆川猿時は今まで雰囲気がしつこくて苦手な方の俳優だったが、
年齢を重ねて少し脂気が抜けてきたのか、今回は面白みがありましたね。
この立場の弁護士は冷静沈着なタイプと、振り回されるタイプがあると思うが今回は後者。
他に騒げる人がいない以上、この人が騒いだことで吉岡秀隆の
癖のある演技が悪目立ちしなかった感じ。

堀内敬子は信頼の役者さんなので楽しく見た。
南果歩は信頼感はあるんだけど、今回のドラマでは実はなかなか気づかなかった。
事前に南果歩が出ることを知っていたにも関わらず。気づいたのは話の半ばくらい。
いい意味で印象が違うということかもしれないが。

野間口徹がこの立ち位置で出たのが謎。うれしかったけど。
今まで全然知らなかったけど、良さそうな雰囲気を感じたのは猿蔵役の芹澤興人と
磯川警部役の小市慢太郎。多分どちらもほとんど見たことはない。

金子大地は「しもべえ」でがっつり見ている。……が、ビジュアルが思い出せない……
存在は覚えてるんだが。26歳?25歳?で高校生役をやっていたんですねえ。
やっぱりこういう役はイケメンがやると映えますねえ。

他の役も、一般的な知名度はそれほどない役者を起用していて、それが奏功していると
思ったな。お気に入りの役者目当てにドラマも見るのも楽しいけど、
こういう風に有名じゃない役者のハーモニーで作り上げるドラマの方が没頭度は高い気がする。
よく作られたドラマ限定ですが。


けっこう込み入った話だが、丁寧に説明していた印象。
それでも遺言は理解できなかった(汗)。難しすぎましたわ。
菊乃の部分は、原作とは最も違う部分なんでしょ?このドラマにはほとんど出てこない。
それがないと、佐兵衛の異様な遺言の内容の説得力が不足するんですよねー。
そこが残念。でも菊乃までがっつり出しちゃうとごちゃごちゃ感が増すだろうな。


最後は……まあ詳細に言及はしませんが、そう来たか。という終わり方。
けっこう上手い処理だったと思った。が、上手いから面白いかというと、
それほどではなかった。まあおまけみたいなもんやね。

有名な大股開きのシーンはあっさりでしたね。わたしはあれ、中盤のシーンかと思って
いたのでここで来るのかと意外だった。もう少しフォーカスというか、
説明してほしかった気もするんだけど。

でもとにかくみっちりと中身の詰まった、いいドラマだと思った。
このレベルのドラマが揃えばテレビの今後も明るいんだけどなー。
まあ不可能だろうけど……なにしろ時間も予算も足りなさすぎる。


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