シリコンバレー周辺の公立学校の,来たるべき新年度(2013ー2014年度)のスタート初日を調べてみました。
シリコンバレー北端のサンフランシスコ市は8月28日から、南端のサンノゼ市では8月14日が新学期初日です。両市の中間に位置する、スタンフォード大学のあるパロアルト市は8月15日から、アップル本社のあるクパティーノ市は8月19日から、筆者の住むロスアルトス市は8月21日からです。でも、サンノゼに隣接するサラトガ市は9月4日からと遅いスタート。バラバラです。
教育行政の中央集権が徹底していて、スケジュールもほぼ全国一律という日本とは違い、車で1時間もあれば行けるくらいの範囲にある学校区なのに、しかも公立学校なのに、新学期開始の日がこんなにバラバラ・・・教育行政も地方分権が徹底したアメリカならでは、です。
しかし、数日のズレはあるにせよ、実は、いずれの学校区にも共通なのは、新学期の開始が年々早まっていることです。今年のシリコンバレーもそうですが、最近では、8月半ばに学校が始まるのが当たり前になってしまいました。でも、実は、これ、アメリカではニュー・トレンド。しばらく(・・そうですね、ここ数年、せいぜい10年くらい)前までは、アメリカの新学期は9月になってからノンビリ開始・・・が常識でした。
アメリカでは夏休みは "Vacation(休暇)" で、学期半ばの春休みや冬休み(これらの休みは "Break" とよばれます)とは違います。夏休みは、5月末から6月はじめに前の学年が終わって、次の学年が始まるまでの、まったく拘束のない、自由時間なのです。ですから、宿題もなければ、登校日もないし、部活動もありません。”Vacation” というのは、そもそもそういうものだったのかと、私は、アメリカに来て、初めて理解しました。
要するに夏の3ヶ月は「学期」中でも、「学年」中でもないのです。だから、夏休みは生徒も自由ですが、先生も自由。先生方もほとんど学校には拘束されません。つまり、アメリカの学校の1年は、12ヶ月ではなく、9ヶ月なのです。日本の制度を見慣れた目には、このコンセプトは、なかなか納得しにくいものです。
さて、新学期の話に戻りましょう。アメリカでは、9月の第一月曜日はレイバー・デイという国民の祝日で、全国の学校も会社もお休みです。そして、実は、かつては、この8月最後の週末が「夏休み最後の大型連休」と位置づけられていて、アメリカ中の子ども持つ家族が、親子揃って「行く夏を惜しむ」最後のお出かけ日でした。
「もう夏休みも終わりだから、もう1回、ディズニーランドにでも行くか?」とか、「まだ暑いから、もう1回、海水浴に行こう!」とか、そう、日本の8月のお盆休みの週のように、親のお休みを待ちかねた子どもたちがお出かけをねだり、アメリカ各地の行楽地が親子連れであふれかえる日だったのです。また、そこかしこでBBQのホーム・パーティがある日でもあり、大型スーパーでは大袋入りの氷が必ず売り切れる日でした。
ところが学校の新学期が早まったために、レイバー・デイは「夏休み最後の大型連休」から、ただの連休に。この影響で、夏休みの家族旅行が30%も減ったと報じられ、「8月は、もう夏ではなくなってしまった・・・学校はどうしてそんなに急ぐのか?」と嘆く声がそこかしこで聞かれます。
今日の絵本は "Back to School, Splat!"です 。長い夏休みの後では、学校に戻るのにいまいち気がのらない子もいます。そんな子を毅然と送り出すには、親もちょっと深呼吸。学校が始まる日が近づいて来たら 新学期向け(Back to School)の絵本を読んで、親子ともども気分をひきしめ,学校モードに切り替えます。今日の絵本も、そんな1冊。人気のヒーロー、猫のSplatも、学校に戻りますよ。
Splat the Cat: Back to School, Splat! | |
HarperFestival |
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