お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

魔女がいっぱい

2010-10-26 | about 英語の絵本


All About Witches

今日の絵本のテーマは魔女です。
日本では、映画「魔女の宅急便」に出てくる魔女も、ちょっとブームになった小説(後に映画化)「西の魔女が死んだ」のおばあさんも、いずれも可愛くてやさしい魔女ですね。アメリカにも"善い魔女"と"悪い魔女"がいますが、両方の魔女が同時に登場するお話がいろいろあります。話題のミュージカル「ウィキッド Wicked」しかり、「オズの魔法使い」しかり。おとぎ話では「眠り姫」には両方が登場しますが、「シンデレラ」には善い魔女だけが、「白雪姫」には悪い魔女だけが出てきます。

絵本は?というと、小さな子のお話に出てくるのはたいてい"善い魔女"ですね。たとえば、先週ご紹介した「大きなカボチャThe Big Pumpkin」や「消えたカボチャ Vanishing Pumpkin」はいずれも善い魔女が主人公でした。

そもそも"魔女のおばあさん"として知られることの多い"善い魔女"は、昔々はたいてい村はずれにひっそりと住んでいて、村の人の病気を治してあげたり、悩みごとを解決してあげたりする……、今で言う癒し役だったと信じられています。そんな典型的な善い魔女のお話は?というと、まずは「ストレガ・ノナ(Strega Nona)」でしょう。お手伝いに雇った少年とのあれこれから魔女の暮らしの秘密が垣間見える……。1979年出版の絵本で、この年カルデコット賞を受賞しています。古典的な一冊としてお薦めです。

次は比較的新しい絵本で「ホウキの座席(Room on the Broom)」。善い魔女は実はちょっと間が抜けているところが可愛い、と相場が決まっています。魔女が猫をホウキに乗せて仲良く飛んでいたら、どっと風が吹いて、あ!魔女の帽子が‥‥、杖が‥‥、飛ばされてどこかへ行ってしまいました! さぁ大変! 猫と魔女が落し物を探しに行くと……落し物は見つかるのですが、逆に拾いものが……動物たちが皆そろって「ねぇホウキに乗せてくれる?」 気のいい魔女は、もちろん乗せてあげますが……。

イギリスの作家と画家ジュリア・ドナルドソン(Julia Donaldson)とアクセル。シェフラ―( Axel Scheffler)の作品は21ヶ国語に翻訳されて世界中でベストセラーになり、5つの賞を授かりました。ジュリアはもともとは作詞作曲する子どもの歌の作者として出発し、児童劇の創作を手掛けた後に絵本作家としての活動を始めました。
読み聞かせがYouTubeにアップされていますし、人気の絵本は人形劇の舞台にもなっています。

いずれも怖くない善い魔女のお話しでしたが、やっぱりハロウィンですから、ちょっと怖いお話もなければ面白くありません。
……というわけで、最後はやはりイギリスの作家ロアルド・ダール(Roald Dahl)の「魔女(The Witches)」です。絵本ではありませんが、挿絵がいっぱい入った物語で、読み聞かせにはぴったり。幼稚園くらいから、あるいは、もっと小さくても大丈夫でしょう。でも、ちょっと怖いので、ベッドタイムに読むのはちょっと大きくなってからがよいと思います。10月に入り、町中がなんとはなしのハロウィン気分でいっぱいになってきたら、毎日少しずつ読み進めて、ちょっと怖いなぁ……とハロウィン気分を盛り上げるのに最適の一冊です。

ふとしたきっかけで魔女の秘密の集会に行き合わせてしまった男の子のお話です。魔女は子どもが大嫌いなのを知っていますか?男の子を見つけた魔女たちは「あぁ臭い、臭い」と言って彼をネズミに変えてしまいます。さぁ大変! お話の続きは……?  読んでのお楽しみ。秋の夜長、魔女にネズミにされた男の子の、その後の奮闘をハラハラ、ドキドキしつつ読んでください。

ところで、魔女の見分け方を知っていますか? ネズミにされてしまった男の子、実はおばあちゃんから「魔女には気をつけなさいよ」とくどいくらいに言われて、見分け方を教わっていたのです。

おばあちゃん曰く「まず頭をご覧。魔女はつるつるに禿げてるから、いつでもカツラをかぶってるんだ。ちょっと見ただけじゃわからないけど、でもよく見るんだよ。カツラが禿げ頭にあたってチクチクするから、しょっちゅう頭を掻いてるからね。」それから「魔女は爪先が長くて先のとんがった靴を履いているよ。実は、足の指先がないことを隠すためなんだ。」そうそう、それから、とおばあちゃんは続けます。「絶対に手袋を外さないのも魔女の特徴だよ。ディナーの時も手袋をはめている。もちろん長い爪を隠すためさ。」それからね、まだあるよ。「ほんとの魔女は瞳の色が変わるし、歯は緑なんだよ。いいかい? よく注意おし!」

いかがです? なんとはなしに……怖くなりませんか?




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もうひとつのパンプキンパッチ | トップ | かしこいキャンディ戦略 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

about 英語の絵本」カテゴリの最新記事