今日の絵本は "Corgiville Christmas(コーギ村のクリスマス)" 。コーギ犬が大好きで、クリスマスが大好きだったターシャ・チューダー作・画の絵本です。
Corgiville Christmas | |
Boyds Mills Pr |
「クリスマスが大好き、だから、毎年6月くらいからクリスマスの用意を始めるのよ」とインタビューで語っているターシャ。ターシャの写真集に紹介されている彼女の家のクラシックなクリスマスは、まるでおとぎ話の世界です。
Forever Christmas | |
Little, Brown Books for Young Readers |
ターシャの絵本に描かれているのは、実はターシャと子どもたちの実際の暮らしの一部。敢えて電気も水道もない家に住み、ニューイングランドの四季を堪能しきったターシャたちの暮らしは,現代の私たちの目にはもちろん、当時の同時代のアメリカ人にも、まさに毎日がおとぎ話、毎日が絵本の暮らしに見えたことでしょう。
ターシャは独学で絵を学び「生活のためにイラストを描いて売っていた」と自ら語っている、画家にして、児童文学作家ですが、晩年には,むしろ彼女の生き方そのもので知られ、敬愛された"ライフ・スタイリスト"でした。なにしろ、子どもたちが育ち上がってからは「チューリップの球根をたくさん買いたいから、イラストを描いて売っている」と、はにかみながらも、きっぱりと言っていたほど。実際、彼女がこよなく愛した庭は素晴らしいものです。
ターシャは絵本作家として、1945年に”Mother Goose" で、1954年に"1 is One" でカルデコット賞を受賞し、また1971年には、彼女の障害を通じての児童文学への貢献に対して "Regina Medal" を受賞しています。
日本語訳(コーギビルのいちばん楽しい日)も出ています。
コーギビルのいちばん楽しい日 | |
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