江原由夏さん出演の、KUUM17 第3回公演「のれ!ストレッチャー」を観てきました!
このカンパニーの公演を観るのは、1作目の「伊予の撫子」に次いで2度目でしたが、
なんともまあ、温かい作品を創る方たちです。
今回はタイトル「のれ!ストレッチャー」から、スピード感のある病院のドタバタ劇・・・的な世界が
一瞬にして私の脳裏に広がったのですが、内容はまったく違いましたw
ここからネタバレですが、舞台は、とある老人ホーム。
江原由夏さん演じる「キャンディ」という、いつも飴ちゃんを持っている おばあちゃんは、
とってもオシャレな着こなしで、元気で気の良い女性。
純露とミルキーが好きで、純露はコーヒーに溶かして飲んだりもしますw
私も、あんなふうな、オシャレなおばあちゃんになりたいなー。(いや、純露をコーヒーに溶かす、とかじゃなく。)
若い役者さん達の、おじいさんおばあさんぶりは、とても自然で、行き過ぎな表現もなく、亡くなった祖父母を
思い出しました。心地良い音響も手伝って(そう、選曲がいつもいいカンジなんですよ。KUUM17さん!)
穏やかで心地よい、おじいさんおばあさん達の暮らしぶり。ほの暖かい空気感。
そんな中、生まれる「秘密」や、久しぶりの「冒険」。きっと、どんなにかワクワクして、楽しいのだろう!と
おじいさんおばあさん達の気持ちを思うと、こちらまで、ワクワクドキドキしてきました。
やっぱり、ヒトは、いくつになっても、ワクワクやドキドキ、希望とか、やってみたい事がないと
いけませんよね。そういう気持ちの大切さ、とても感じました。
そして、観ているときから、観終わってからも、ずっと浮かんでいた想い。
それは、自分は人生の終わりをどんなふうに迎えるのだろう?ということ。
重く苦しいものではなく、不思議な温かさと自然さで、そう考えさせてくれた舞台でした。
「私は、最期に誰といるの?」「どこで?どんなふうに?」「最期に行きたいところは、どこだろう?」
「最期に望むことは、なんだろう?」「しあわせな最期をむかえられるかな?」
老人なので、セリフも多くはない。ゆっくり話す。穏やかな中でも、登場人物のひとりひとりの心の中が、
手に取るようにわかりました。それぞれの微妙な心までもが。
お客さんも、それぞれの体験や想いに重なったようで、早い段階にアチコチから、すすり泣きが聞こえてきました。
終演後に、「音楽も私達世代よね。」と話されていた女性たち。きっと、彼女たちが一番この話を身近に感じて
いたのでしょう。沢山泣いてましたもの。親の介護とか、死とか、自分の老後とか、身近な世代の方々です。
私は、祖父母や自分に置き換えて観ていました。観客それぞれに、いろいろな感情を呼び覚ましただろう舞台でした。
「私のこと、忘れちゃったとしても、大丈夫よ。胸の中に、温かいものが残っているはずだから。」
ああ~~・・・
はっ!失礼しました。
今回の舞台を観て、2作目の「風の子ピュー」が観られなかったことが、今更ながらに悔やまれました。
本当に、温かいなにかが心に残る、そんな世界を見せてくれる、KUUM17の舞台です。
「のれ!ストレッチャー」は、下北沢 しもきた空間リバティにて、4月22日(日)まで。
駅チカの会場もウレシイです。椅子は、案外(失礼!)座り心地よし。
ちなみに、初日は満員!!でした