浅間の麓から

張替本舗 金沢屋浅間店の張替日誌

『Go For Broke』

2010年11月10日 19時18分11秒 | ニュース

 最近、ブログタイトルの言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか。
「Go For Broke、あたって砕けろ」という成句なんです。先週、TVで「99年の愛」というドラマが5日間に渡り放映され、また今週11/13から映画「442日系部隊」が公開されます。
TVやネット上で当該内容を存じてる方々は、「442部隊」の実情をご既承かと思います。

 昭和16年12月8日、日本軍の真珠湾攻撃で、ハワイの日系兵士は銃を取り上げられ、西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られました。
収容所から志願した日系2世は、欧州の激戦地に送られ、目の前の敵と米国内の差別という“2つの敵”と戦っていたんです。
その過酷な戦場の中での彼らの合言葉が「Go For Broke」、当たって砕けろというほどの意味なんです。

アメリカの上院議員、ダニエル・イノウエさんは、第二次大戦中の欧州戦線で右腕を失いました。敵の手榴弾(しゅりゅうだん)が右ひじを直撃したために。その刹那(せつな)、反射的に右手をこじ開け、手榴弾をつかむと敵兵めがけて投げつけたとも。

フランスのブリエア解放後、第442連隊に対し、ドイツ軍に包囲されたテキサス大隊の救出命令が出たときのことです。イノウエ元中尉は「われわれを消耗品扱いしていることを知ってはいた。だが、将軍の頼みを歓迎した。日系人部隊の真価を発揮するチャンスだと考えた」と淡々と語られていたようです。

救出作戦に成功すると、将軍が閲兵して敬意を表したいといいます。442連隊の兵が集められましたが、中隊によっては総勢197人のうち5人しかいない。将軍は「ほかの兵士たちは?」と不服であったが、「いない兵は戦死か入院中」との報告に将軍は言葉を失ったと。
211人のテキサス兵を救出するために、442連隊は800人の死傷者を出していたんです。米陸軍史上10大戦闘に数え上げられる救出作戦の中で、日系米国人の忠誠心が認められたんですね。
(オバマ大統領は、先月10/5に「442連隊」に議会名誉黄金勲章を授与する法案に署名をしました。)

 イノウエ議員はいま、上院の国防小委員長として軍備増強をはかる立場であり、その理由を「戦争を回避したいからこそ、戦争に対する準備を万全にしておくこと」と答えています。
「必要に応じて報復する態勢が整っていることを知れば、相手は軽挙妄動することはない」と。

 ブリエアの死線を越えてきたイノウエ議員は、繰り返し抑止力の重要性を語られています。
いまの日本に、こうした安全保障観をもつ政治家が何人いるでしょうか。
国民の繁栄と安全を守るために、党派を超えて国家に忠誠と信義を尽くす人々が。

尖閣をめぐる中国の横暴な振る舞いに、物知り顔の官房長官が落としどころをさぐるような外交をする。
1歩ゆずれば、中国は2歩踏み込んできます。
ましてや、鳩山前首相は今年の5月、日本の領土なのに「尖閣の帰属は日中両国で議論して結論を」などと、わざわざ中国に火をつけました。
結果、米軍の普天間飛行場移設で、日米同盟に亀裂を生んでしまいました。
民主党の小沢元代表は、さらに「米海兵隊は撤退を」と述べ、抑止力を不安定にさえしている。
ロシアのメドベージェフ大統領が、この機に北方領土の国後島に強行訪問したのも、抑止力の低下と無関係ではないでしょう。

 元442連隊兵士のスティーブ・シミズさん(89)が、フランスの激戦地を65年ぶりに再訪した際、かの激戦地で倒れた戦友の墓が、いまも米国政府によって守られている事に涙したと。国家に尽くした人々に対して、国家がいまも敬意と崇敬の念をもっています。
いまの日本は一体どうなんでしょうか。

今日、尖閣ビデオを投稿、送信したとして、海上保安庁のベテラン航海士が聴取を受けていると報道がありました。
国家公務員守秘義務違反でありますが、国防に無頓着な党に対しての精一杯の訴えではないでしょうか。
ある海保職員は「長年、巡視艇に乗っていただけに、仲間が命がけで中国漁船と渡り合っている事実が、国民の目に隠されていることに義憤を募らせたのだろう」と言われていました。

赤穂浪士ばりの、国家への忠義・忠誠心、更には442部隊同様の覚悟は、もはや今の国家にはないのでしょうか。


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