内子紀行 (愛媛県喜多郡内子町)

2013年02月06日 | まち歩き

A_uchiko_010

内子紀行 木蝋生産で栄えた縁を残す町並み

伊予大洲から内子にはJR利用だが、普通列車でも15分の距離だが運行本数が少ない。11時45分発の松山行(普通)に乗車した。ディーゼル(キハ32)のワンマンカーだ。このような列車に乗れるのも地方旅の楽しみの一つだ。

内子座 大正5年2月創建

この木造劇場は木蝋や生糸の生産で栄えた内子の町で、芸術・芸能を愛する人たちの熱意A_uchiko_021で建てられた。案内してくれた係の女性の話によると、地元の株主18名が出資して「株式会社内子座」を設立、大正5年(1916)に花道・すっぽん・回り舞台・せりなどを備えた本格的な木造の歌舞伎劇場が建てられた。3年後には創建100周年を迎える歴史がある。たった18名の株主で創建できたというのは木蝋産業で大きな財を築いたということだろう。舞台に向かって右側の少し高くなっている升席1列は株主専用席、一般の升席A_uchiko_022は現在では中央を仕切りを外して6枚の座布団をおいて6名席としているそうだ。舞台中央の扁額には「芸於遊」とある。左側にある花道は少し幅が広い。花道を七三に入ったところに「すっぽん」がある。舞台にあるせりで役者が出てくるが、すっぽんから出てくるのは妖術使や幽霊が登場したり退場する時に使うそうだ。劇場の中は2階も地下にある「奈落」も見学ができる。老朽化していた内子座は昭和60年に復元され再出発、現在では文楽・歌舞伎ほかの公演の劇場として年間60日ほど使われている。定員は650名。

A_uchiko_023

   内子座正面の扁額         大向(おおむこう)         奈落(ならく)

       ----------------------------

八日市・護国の町並み

A_uchiko_050  

商いと暮らし博物館

JR内子駅正面の道の二つ目の信号を左に、本町通りを道なりに10分足らずでA_uchiko_025内子座に着く。さらに10分ほど進むと伊予銀行内子支店がある交差点に出る。ここを左に道なりに進むと、「八日市・護国の町並み」に出る。ゆっくりと伝統的な建物が並ぶ町並み(距離薬600m)を楽しめる。内子座と伊予銀行との中間地点・右側に「商いと暮らし博物館」がある。江戸時代から明治の商家を使って、大正時代の商家(薬屋)の暮らしを人形と当時の家具などを使って再現している。

A_uchiko_031

       ----------------------------

町屋資料館 大村家 本芳我家

伊予銀行のある交差点を左に折れると町並みが変わる。実際に住宅として使っているそうだA_uchiko_033が、通りから見る限り生活感が見えず、この日はほとんど人通りが無かったので映画のセットを歩いている感じだった。坂を上がってすぐ左側に町屋資料館があり、しばらく進むと大村家と本芳我家(写真左)がある。ともに国の重要文化財だ。大村家は江戸末期寛政年間に建てられた民家でこの街並みでは最も古い建物、本芳我家は木蝋生産で財をなした豪商の本家で、明治22年に建てられた。庭園は中に入れないが外から見ることが出来る。建物と庭から豪商といわれるのがもっともだと思う。

A_uchiko_034

    町屋資料館               大村家            本芳我家の庭

       ----------------------------

木蝋資料館 上芳我邸

上芳我邸は木蝋生産で財をなした芳我家の筆頭分家の屋敷で、本家同様に江戸時代からA_uchiko_040明治にかけて栄えた商家。明治27年に建てられた主屋、木蝋生産施設など10棟が国の重要文化財にしてされている。当時の豪商の暮らしぶりと木蝋生産について見学することが出来る。木蝋とは、ハゼノキ(ウルシ科の落葉高木)の実の種子と果肉を分離して、果肉を粉にして蒸したものを搾り機で圧力をかA_uchiko_041けて搾りとる蝋。これを蝋皿で固めてものが生蝋(きろう)、主として和ろうそくの原料として使われた。生蝋を晒したものが白蝋(晒蝋)、内子では伊予式箱晒し法を考案して大量生産を可能とした。商標は「旭鶴」。白蝋は医薬品・化粧品などに使われ海外にも輸出された。一番奥にある資料館でその工程やパリやシカゴの万国博覧会で受賞したときの賞状など展示されている。立派な屋敷と木蝋生産施設の見学にはゆっくり時間をかけて見る値打ちは十分にある。

A_uchiko_043

       ----------------------------

A_uchiko_051

 松山へアンパンマン列車で      内子駅前のC12231       内子へはキハ32  

       ----------------------------


最新の画像もっと見る