憂国の花束

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「家」か「皇胤」か

2021-08-28 21:56:30 | 皇位継承
皇室の制度改革は遠からず行われるのだろう。
制度改革そのものは禁忌ではない。問題は改革の根本部分をどのように定めるか、である。
突き詰めれば「家」の継承か「皇胤」の継承か、という問題になる。

女系派は「家」の継承で皇位継承問題を考える。
男系派は「皇胤」の継承で皇位継承問題を考える。

大まかに分ければ、そういうことになるだろう。
考える基盤が根本的に違うので、どれだけ話し合っても一致に至らない。
歴史を考えれば、皇位を継承するものは、皇胤を継承するものでなくてはならない。というのが男系派の思いであろう。

政府、皇室制度で新ポスト 内閣府次官退任の山崎氏
2021/8/27 12:51 産経新聞

政府は27日、9月1日付で内閣府事務次官を退任する山崎重孝氏を、新設する皇室制度連絡調整総括官に充てる人事を決めた。安定的な皇位継承策に関する企画立案、総合調整を担う。発令は9月2日付。 

政府は安定的な皇位継承策を検討する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)を設け、皇族の確保策などを議論している。政府関係者は「山崎氏にはこうした議論でハイレベルな調整を担ってもらいたい」と話した。 

有識者会議は、女性皇族の婚姻後の皇籍維持と、旧宮家(旧皇族)の男系男子子孫と現皇族による養子縁組の2案を軸とする中間整理をまとめている。


山崎重孝氏
山口県出身。東大法学部卒。
自治行政局の行政課長や大臣官房審議官(地方行政、個人番号制度、地方公務員制度、選挙担当)などを務め、総務省内ではミスター行政局として知られる地方行政の専門家である。その後、内閣総務官を経て、2017年に自治行政局長。2019年に内閣府事務次官。2021年退職、内閣官房参与。 
(wiki)

山崎氏についてはこのような記事がある。昨年11月山崎氏の内閣事務次官退職を伝えている。
内閣次官、次は田和氏 薄まる「安倍色」
 2020年11月30日 エコノミストonline

内閣府の山崎重孝次官(1983年、自治省入省)の交代観測が出ている。山崎氏は、内閣総務官を務めた経験から、皇室や宮内庁関連の事務にも精通しており、内閣次官としてのミッションは、平成から令和への代替わりに伴う一連の行事を無事に遂行することだった。11月8日に立皇嗣(りっこうし)の礼が行われ、一連の儀式が終わったことや、2019年1月の就任から1年半以上が経過していることから、臨時国会閉会後に交代する公算が大きい。 

後任には、内閣府ナンバー2ポストである内閣府審議官(次官級)の田和宏氏(84年、経済企画庁入庁)が有力視されている。田和氏は、経企庁の王道とも言えるマクロ経済分析畑を歩み、早くから次官候補と目されていた。菅義偉首相が信頼しているとされる林幸宏政策統括官(88年、経企庁入庁)は、田和氏の直系だ。

皇室の制度改革は
①女性皇族の婚姻後の皇籍維持
②旧宮家(旧皇族)の男系男子子孫と現皇族による養子縁組
この二つを軸として成されるようだ。

①に対して女系派は、取りあえず女系天皇への足がかりを得たと安堵するだろうし、②に対しては男系派の多くは、皇胤の継承は果たせるとして賛成するだろう。

①は皇胤を無視して、天皇、皇族を機能で捉えている。
②は皇胤の継承ではあるが、同時に既存の宮家を継承するため、考え方としては「家」の継承が前面に出ている。

「家」の継承が前面に出れば、いずれ、「皇胤」は忘れられ家を相続するのは男性でも女性でも変わりが無い。ということになるだろう。

②案は男系男子派への配慮と見せかけて、実は女系天皇への途を開くものではないかしら。
宮家の養子、猶子は江戸時代までは珍しく無かったようだが、「皇胤の継承」が社会の共通認識として決定的だった時代に行われた養子、猶子と、「皇胤」への理解があやふやになった今現在行われる養子、猶子とでは持つ意味も違ってくる。

よって、私は①も②も反対。
①はまた、高円宮家のご息女たちのご活動をみれば、制度など今更必要ないだろうと思うが?
制度化して皇族の身分のままとなれば、既婚の女性皇族としての皇族費を支払わねばならない。皇族費支払ってまでして頂かなくてはならない既婚女性皇族のお仕事とは何でしょう?


皇族の数が減少して、自然消滅するのなら、それもまた歴史の必然、自然の摂理であろう。
とりわけ今のような皇室なら、無理して残す必要もないと思う。
ただ、2000年、日本と共にあった天皇が、情けない姿で消えてしまうのはやはり残念な気もする。
どうしても皇族の数を増やしたいのなら、復籍させる人物の選定に問題は残るが、新宮家を立てて旧宮家の子孫に復籍していただくのが「皇胤の継承による皇位継承」で宜しかろうと思う。