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宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「大仏頂広聚陀羅尼経」

2020年01月16日 | Weblog



「大仏頂広聚陀羅尼経」の一部でも
読誦したり 聞いたり 書写したり 他者に教えたりする事で
菩提道に至る事ができるとされ

また この呪を誦したり 書写する事で
阿耨多羅三藐三菩提が得られるとされます。

以下 「大仏頂広聚陀羅尼経」の一部です。

「爾時(にじ)
如来於其座上(にょらいおござじょう)
黙思惟無垢無畏曼荼羅(もくしゆいむくむいまんだら)
大蓮華光明仏頂(だいれんげこうみょうぶっちょう)
従定覚已(じゅうじょうかくい)
於大衆中(おたいしゅちゅう)
告金剛大将(ごこんごうたいしょう)
我有三摩地(がうさんまじ)
大金剛曼荼羅(だいこんごうまんだら)
有余種種七宝蓮華(うよしゅじゅしっぽうれんげ)
大如車輪(だいにょしゃりん)
在其壇中(ざいごだんちゅう)
金剛大将重白仏言(こんごうたいしょうじゅうびゃくぶつごん)
我欲受持此(がよくじゅじし)
無畏宝蓮華仏頂大壇秘密心(むいほうれんげぶっちょうだいだんひみつしん)
唯願如来分別解説(ゆいがんにょらいふんべつげせつ)
如来許之(にょらいこし)
金剛従座而起(こんごうじゅうざにき)
以手振杵(にしゅしんしょ)
在仏前立(ざいぶつぜんりつ)
聴仏所説(ちょうぶつそせつ)

爾時(にじ)
如来即説(にょらいそくせつ)
無畏大宝仏頂心呪(むいだいほうぶっちょうしんしゅ)
即説呪曰(そくせつしゅわつ)

オン・アモガマニ・ジュバラ・パドマ・シツニシャ
ウン・チリ・キッシャ・スヴァーハー。」

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「ゾロアスター教の祈祷文(ウシュタ・ヴァイティ)」

2020年01月16日 | Weblog



++++++++

ゾロアスター教の教義は、善悪二元論を特徴とするが、
善の勝利と優位が確定されている。
一般に「世界最古の一神教」とも言われる。

ゾロアスター教は光(善)の象徴としての純粋な「火」を尊ぶため、
拝火教(はいかきょう)とも呼ばれる。

ゾロアスター教の全寺院には、
ザラスシュトラが点火したとされる火が絶えることなく燃え続け、
寺院内には偶像はなく、信者は炎に向かって礼拝する。

++++++++

ウシュタ・ヴァイティ(ヤスナ43章第一節)を誦して祈る事で
自他に幸いが与えられるとされます。

2遍誦す。

★「ウシュター・アーマーイ・ヤーマーイ・ウシュター・カマーイチト
  ヴァセ・クシャヤーンス・マズダーオ・ダーヤート・アフロ
  ウタユイティ・テヴィシム・ガト・トイ・ヴァセミ
  アシェム・デレドヤーイ・タト・モイ・ダーオ・アールマイテ
  ラーヨ・アシュイシュ・ヴァングエウシュ・ガエム・マナンゴ。」

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「日蓮宗における術法」

2020年01月16日 | Weblog


日蓮宗の祈祷の奥伝に進むほど
呪歌に 「高天原」や「よろづの神」という言葉があったり、
護符に「天照大神」「八幡大菩薩」と書かれたり
また 五七五形式の呪歌などが多く見られ

法華経に特化している 
日蓮宗の表面的な形態とは 大きくかけ離れており、

日蓮宗などでは 
神道を否定して 法華経信仰に励むように薦めている事も見られますが

皮肉にも 奥伝に進むほど 
神道や 神道的感性に進むような構造になっており、

神道を否定する日蓮宗の人は
逆に 日蓮宗の表面しか知らないという 自己証明になってしまうようす。


日蓮宗の術法の実際に関しては
「日蓮宗祈祷聖典」には それほど詳しく掲載されているわけではなく、

「祈祷加持法華秘伝書」に 詳しく掲載されていますが、
「祈祷加持法華秘伝書」は 入手困難な状態になっているようです。

以下 「祈祷加持法華秘伝書」の ネットで拾った画像です。













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「仏説毘沙門天王功徳経」

2020年01月16日 | Weblog






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「羯磨秘密印智法」

2020年01月16日 | Weblog



観自在菩薩の三摩地を観じつつ
左右の手でそれぞれ 親指と小指の先同士を付けて 
残りの指を伸ばし
その両手を胸の前で 右腕が下になるように交差させて誦す。

「オン・サルヴァ・ブッダ・プージャ・プラバルタナ・パドマ
 オン・ブラティム・カーラ・パドマ
 オン・ラティプラバルタナ・パドマ
 オン・マハースカ・パドマ・ディダ・フーム。」


このようにして 愛楽が得られる。
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( 真柱様の御誕生日祝賀パーティー in 山陽大教会 )

2020年01月16日 | Weblog



+++++++++++++++

      ■ 裏天理時報 ■ 


(中山善司)               
(  `m´)  「…今日で 私も 61歳!

          でも まだまだ 感性は若いって

          言われているんですよ!」

(中山善司)               
(  `m´)つ  「…それじゃ 今日から         |・)!

            もみの 幼児天理教育を始めようと思うのだ」

          
(中山善司)               
(  `m´)  「…さて

          今夜は 山陽大教会で

          私の誕生日祝賀パーティーが 

          開かれるのだが…」



+++++++++++++++




        | ■□  山陽大教会 ■□ |

      | ■□ 真柱様の御誕生日祝賀パーティー ■□ |



  (  `m´)(  `m´)(  `m´)
     (  `m´)(  `m´)(  `m´)
        (  `m´)(  `m´)(  `m´)

            
(大教会長)               
(  `m´)    「…役員の皆様

             今夜は 真柱様の御誕生日祝賀パーティー、

             間もなく 真柱様が

             当大教会に 到着されるはずでありますが」


(大教会長)               
(  `m´)    「…真柱様は ビールに目がない、

             そこで真柱様に とにかくビールを勧めて

             酔い潰れさせてから

             宮地神仙道のクソガキのしつけを

             表統領さまに 委ねるように誓約をさせる、

             このような作戦で参りましょう」


(大教会長)               
(  `m´)
       (蒸し鶏)(しらすずし)(白身南蛮)(玉子豆腐)
        (ビール)(ビール)(ビール)(ビール)



(中田善亮)
(  `m´)  「…大教会長さま 役員の皆さま、

           それでは ひとつ その作戦で参りましょうか。

           とにかくクソガキを 真柱から

           引き離させなくては 話しが進みませんからなあ」



           (中山善司)               
           (  `m´)つ| ガラッ



(大教会長)               
(  `m´)    「…真柱さまぁぁぁぁぁぁぁぁ

            御誕生日 おめでとうございまぁぁぁぁぁぁす!!

            ビールを山のように 用意してございます。

            お祝いでございますから

            今夜は とことん お飲みになってくださぁぁぁぁぁぁい!」



         (中山善司)
         (  `m´)つ( ビール )

            


    \ お誕生日 おめでとうーーーーーー! /
  (緑っち宮司) (出口ペペ)
ζ~(  `m´)~ζ(  `m´) |・)(  `m´)



(大教会長)               
(  `m´) 「…恐れ入りますが、

          今夜のお祝いは 天理教内の者だけで

          行う事になっておりまして」


  ( 中山善司)
  (  `m´) 「…せっかく 私の誕生日を

            お祝いに来てくれたのだから、

            一緒に食べて いいではないか」




 (  `m´) 「…みんなで プレゼントを持ってきたんだよ。

           中山のおっさんは 車が趣味だから、

           もみちゃんと 私が一緒に

           紙粘土で 車を作ってきたんだぁ!」



|・)(  `m´)つ 【 車 】




  ( 中山善司)
  (  `m´) 
           【 車 】


  ( 中山善司)
  (  `m´) 「…心がこもっている感じの

            世界に1つだけの車だよね。

            どうも ありがとう。」



  (緑っち宮司) 
ζ~(  `m´)~ζつ 「…アタシは
 
              すみよっさんの 交通安全ステッカーをあげるの♪」


  ( 中山善司)
  (  `m´)
         【 住吉大社 交通安全ステッカー 】



  ( 中山善司)
  (  `m´) 「…車に貼ったら

            凄まじい霊験を 発揮しそうだよね。

            どうも ありがとう。」


(出口ペペ)
(  `m´)つ 「…NZよ

           今夜は 大本本部から

           大本神諭を プレゼントだ!」


  ( 中山善司)
  (  `m´)
          | 大本神諭 |



  ( 中山善司)
  (  `m´) 「…大本教の魂が こもっていそうだよね。

           どうもありがとう」



 (緑っち宮司)
ζ~(  `m´)~ζ
            (玉子豆腐)


 (緑っち宮司)
ζ~(  `m´)~ζつ(玉子豆腐) 「…まあ 美味しそうな 玉子豆腐♪

                   アタシが 頂きまーす♪

                   ああ 美味しい♪」



(大教会長)               
(  `m´) 「…あぁぁぁぁぁぁ

          これでは 作戦が遂行できず、

          パーティーの意味が 無いではないか!」



(中山善司)               
(  `m´)  「…作戦とは どういう事か?

           このパーティーには 

           何か 裏の目的があったのか?!」

           

 (緑っち宮司)
ζ~(  `m´)~ζつ  「…ビールも美味しい♪

               あっ」


  (緑っち宮司)                        (大教会長)  
ζ~(`m´  )~ζ ==========3  ブーーーーーッ!!     !(`m´  )



~ガス~      ~ガス~  ~ガス~
     ~ガス~      
         (大教会長)     
         (  `m´)つ…



(中田善亮)
(  `m´)つ  「…こうなったら             |・)!

            クソガキを さっさと捕獲する事にして」


         (中山善司)
         (  `m´)つ(ビール)

     
(中山善司)               
(  `m´)=========================3  ブーーーーーーーーーーーッ!!
      (ビール)



(中山善司)                 (中田善亮)
(  `m´)        ======ビール====3(`m´  )
     (ビール)
                      
     
      
         (中田善亮)     
         (  `m´)つ…
  ~ビール~  ~ビール~ ~ビール~  ~ビール~



 (緑っち宮司)
ζ~(  `m´)~ζ  「…それじゃ 

              ビールも飲んだし

              大阪に 帰る事にしようっと♪」



 (緑っち宮司)
ζ~(  `m´)~ζつ  「…もみじちゃん            |・)!

              もみじちゃんにも プレゼントを持ってきたの。

              子授けお守りと 安産お守りのセット、

              これでもう 安心よね♪」



(出口ペペ)
(  `m´)つ 「…梅子は               |・)!

           早く 大本本部に帰って

           御神業をするのだ。」


(中山善司)               
(  `m´)つ    「…もみは          |・)!  

             おぢばに帰って

             今夜から 幼児天理教育を受けるのだ。」



(  `m´) 「…もみちゃん 危ない

          逃げるんだぁーーーーー!」



|ミ サッ!
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「滅罪を得る」

2020年01月16日 | Weblog



誦す事で 滅罪が得られるとされます。

★「ヒナスティ・ダイトヤテジャーンシ・スヴァネナープーリャ
  ヤー・ジャガト・サー・ガンター・パートゥ・ノ・デヴィ
  ポブヨアナー・スターニヴァ。」




以下 ネットに投稿されていた体験談のコピペです。

++++++++++++++

何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを最初に言っておく。

もう一つ俺の経験から言わせてもらうと、一度や二度のお祓いをすれば何とかなるって事はまず無い。
長い時間かけてゆっくり蝕まれるからね。
祓えないって事の方が多いみたいだな。


俺の場合は大体2年半位。
一応、断っておくと五体満足だし人並みに生活できてる。
ただ、残念ながら終わったかどうかって点は定かじゃない。

まずは始まりから書くことにする。
当時俺は23才。 社会人一年目って事で新しい生活を過ごすのに精一杯な頃だな。
会社が小さかったから当然同期も少ない、必然的に仲が良くなる。
その同期に東北地方出身の○○って奴がいて、こいつがまた色んな事を知ってたりやけに知り合いが多かっりした訳。

でよく、これをしたら××になるとか△△が来るとかって話あるじゃない?
あれ系の話はほとんどガセだと思うんだけど、幾つかは本当にそうなってもおかしくないのがあるらしいのよ。
そいつが言うには何か条件が幾つかあって、偶々揃っちゃうと起きるんじゃないかって。
俺の時は、まぁ悪ふざけが原因だろうな。
当時は車を買ってすぐだったし、一人暮らし始めて間もないし、
何よりバイトとは比べ物にならない給料が入るんで週末は遊び呆けてた。

8月の頭に、ナンパして仲良くなった子達と○○、
そして俺の計4人で所謂心霊スポットなる場所に肝試しに行ったわけさ。
その場は確かに怖かったし、寒気もしたし何かいるような気がしたりとかあったけども、
特に何も起こらず、まぁスリルを満喫して帰った訳だ

3日後だった。
当時の会社は上司が帰るまで新人は帰れないって暗黙のルールがあって、毎日遅くなってた。
疲れて家に帰って来て、ほんと今思い出しても理解出来ないのだが、
部屋の入口にある姿見の前で、「してはいけないこと」をやったんだ。
試そうとか考えた訳ではなく、ふと思い付いただけだったと思う。


少し細かな説明をする。
当時の俺の部屋は駅から徒歩15分、八畳1R、玄関から入ると細い廊下がありその先に八畳分の部屋がある。
姿見は部屋の入口、つまり廊下と部屋の境目に置いていた。

俺が○○から聞いていたのは、鏡の前で△をしたまま右を見ると◆が来るとか言う話だった。
体勢的にちょっとお辞儀をしているような格好になる。
「来るわけねぇよな」なんて呟きながら、お辞儀のまま右向いた時だった。

部屋の真ん中辺りに何かいた。 見た目は明らかに異常。
多分160センチ位だったと思う。
髪はバッサバサで腰まであって、簾みたいに顔にかかってた。
っつーか顔にはお札みたいなのが何枚も貼ってあって見えなかった。

なんて呼ぶのか分からないけど、亡くなった人に着せる白い和服を来て、小さい振り幅で左右に揺れてた。
俺はと言うと…、固まった。
声も出なかったし一切体は動かなかったけど、頭の中では物凄い回転数で起きていることを理解しようとしてたと思う。

想像して欲しい。
狭い1Rに、音もない部屋の真ん中辺りに何かいるって状態を。
頭の中では原因は解りきっているのに起きてる事象を理解出来ないって混乱が渦を巻いてる。

とにかく異常だぞ? 灯りをつけてたけど、逆にそれが怖いんだ。
いきなり出てきたそいつが見えるから。 そいつの周りだけ青みがかって見えた。
時間が止まったと錯覚するくらい静かだったな。

とりあえず俺が出した結論は「部屋から出る」だった。
足元にある鞄を、何故かゆっくりと、慎重に手に取った。
そいつからは目が離せなかった。 目を離したらヤバいと思った。
後退りしながら廊下の半分(普通に歩いたら三歩くらいなのに、かなり時間がかかった)を過ぎた辺りで
そいつが体を左右に振る動きが少しずつ大きくなり始めた。
と同時に何か呻き声みたいなのを出し始めた。

そこから先は、実はあんまり覚えてない。
気が付くと駅前のコンビニに入ってた。
兎にも角にも、人のいるコンビニに着いて安心した。
ただ頭の中は相変わらず混乱してて「何だよアレ」って怒りにも似た気持ちと、
「鍵閉め忘れた」って変なとこだけ冷静な自分がいた。
結局その日は部屋に戻る勇気は無くて一晩中ファミレスで朝を待った。

空が白み始めた頃、恐る恐る部屋のドアを開けた。
良かった。消えてた。
部屋に入る前に、もっかい外に出て缶コーヒーを飲みながら一服した。
実は何もいなかったんじゃないかって思い始めてた。
本当にあんなん有り得ないしね。

明るくなったってのと、もういないってので少し余裕出来たんだろうね。
さっきよりはやや大胆に部屋に入った。
「よし、いない」何て思いながら、カーテンが閉まってるせいで薄暗い部屋の電気を着けた。

昨晩の出来事を裏付ける光景が目に入ってきた。
昨日、アイツがいた辺りの床に物凄く臭いを放つ泥(多分ヘドロだと思う)が、それも足跡ってレベルを超えた量で残ってた。
起きた事を事実と再認識するまで、時間はかからなかった。

ハッと気付いてますますパニックになったんだけど、
…俺、電気消してねーよ…ははっ。
スイッチ押した左手見たらこっちにも泥がついてんの。
しばらくはどんよりした気持ちから抜けられなかったが、出ちまったもんは仕方ねーなと思えてきた。

まぁここら辺が俺がAB型である典型的なとこなんだけど、そんな状態にありながら泥を掃除してシャワー浴びて出社した。
臭いが消えなくてかなりむかついたし、こっちはこっちで大問題だが会社を休むことも一大事だったからね。

会社に着くと、いつもと変わらない日常が待っていた。
俺は何とか○○と話す時間を探った。
事の発端に関係する○○から、何とか情報を得ようとしたのだ。
昼休み、やっと捕まえる事に成功した。 以下俺と○○の会話の抜粋。

俺「前にさぁ、話してた△すると◆が来るとかって話あったじゃん。昨日アレやったら来たんだけど。」
○○「は?何それ?」
俺「だからぁ、マジ何か出たんだって!」
○○「あー、はいはい。カウパー出たのね」
俺「おま、ふざけんなよ。やっべーのが出たってんだよ」
○○「何言ってんのかわかんねーよ!」
俺「俺だってわかんねーよ!!」

駄目だ、埒があかない。
○○を信用させないと何も進まなかったため、俺は淡々と昨日の出来事を説明した。
最初はネタだと思っていた○○もやっと半信半疑の状態になった。
仕事終わり、俺の部屋に来て確かめる事になった。

夜10時、幸いにも早めに会社を出られた○○と俺は部屋に着いた。
扉を開けた瞬間に今朝嗅いだ悪臭が鼻を突いた。
締め切った部屋から熱気とともに、まさしく臭いが襲ってきた。
帰りの道でもしつこいくらいの説明を俺から受けていた○○は「・・・マジ?」
と一言呟いた。信じたようだ。
問題は○○が何かしら解決案を出してくれるかどうかだったが、望むべきではなかった。

とりあえず、お祓いに行った方がいいことと知り合いに聞いてみるって言葉を残し奴は逃げるように帰って行った。
予想通りとしか言いようがなかったが、奴の顔の広さだけに期待した。

臭いとこに居たくない気持ちからその日はカプセルホテルに泊まった。
今夜も出たら終わりかもしれないと思ったのが本音。
翌日、とりあえず近所の寺に行く。さすがに、会社どころじゃなかった。

お坊さんに訳を説明すると
「専門じゃないから分からないですね~。
しばらくゆっくりしてはいかがでしょう。きっと気のせいですよ」
なんて呑気な答えが返ってきた。 世の中こんなもんだ。

その日は都内では有名な寺や神社を何軒か回ったがどこも大して変わらなかった。
疲れはてた俺は、埼玉の実家を頼った。
正確には、母方の祖母がお世話になっているS先生なる尼僧に相談したかった。
っつーかその人意外でまともに取り合ってくれそうな人が思い浮かばなかった。


ここでS先生なる人を紹介する。

母は長崎県出身で当然祖母も長崎にいる。
祖母は、戦争経験からか熱心な仏教徒だ。
S先生はその祖母が週一度通っている自宅兼寺の住職さんだ。
俺も何度か会ったことがある。
俺は詳しくはないが、宗派の名前は教科書に乗ってるくらいだから
似非者の霊能者などとは比較にならないほどしっかりと仏様に仕えてきた方なのだ。

人柄は温厚、落ち着いた優しい話し方をする。
俺が中学に上がる頃、親父が土地を買い家を建てることになった。
地鎮祭とでも言うんだっけ? 兎に角その土地をお祓いした。

その一週間後に長崎の祖母から「土地が良くないからS先生がお祓いに行く」という内容の電話があった。
当然、母親的にも「もう終わってるのに何で?」ってことでそれを言ったらしい。
そしたら祖母から「でもS先生がまだ残ってるって言うたったい」って。
つまり、俺が知る限り唯一頼れる人物である可能性が高いのがS先生だった。


日も暮れてきて、埼玉の実家があるバス停に着いた頃には夜9時を回る少し前だった。
都内と違い、工場ばかりの町なので夜9時でも人気は少ない。
バス停から実家までの約20分を足早に歩いた。
人気の無い暗い道に街灯が規則的に並んでいる。
内心、一昨日の事がフラッシュバックしてきてかなり怯えてたが、幸いにも奴は現れなかった。

が、夜になり涼しくなったからか俺は自分の身体の異変に気が付いた。
どうも首の付け根辺りが熱い。
伝わりにくいかと思うが、例えるなら首に紐を巻き付けられて左右にずらされているような感じだ。

首に手をやって寒気がした。熱い。首だけ熱い。
しかもヒリヒリしはじめた。どうも発疹のようなモノがあるようだった。
歩いてられなくなり、実家まで全力で走った。
息を切らせながら実家の玄関を開けると母が電話を切るところだった。
そして俺の顔を見るなりこう言ったんだ。

「あぁ、あんた。長崎のお婆ちゃんから電話来て心配だって。
S先生があんたが良くない事になってるからこっちおいでって言われたて。あんたなんかしたの?」
「あらやだ。あんた首の回りどうしたの!!?」

答える前に玄関の鏡を見た。
奴が来るかもとか考えなかったな…、何故か。
首の回り、付け根の部分は縄でも巻かれているかのように見事に赤い線が出来ていた。
近づいてみると、細かな発疹がびっしり浮き上がっていた。

さすがに小刻みに身体が震えてきた。
何も考えずに、母にも一言も返事をせずに階段を駈け上がり、母の部屋の小さな仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返した。
そうする他、何も出来なかった。

心配して親父が「どうした!!」と怒鳴りながら走って来た。
母は異常を察知して祖母に電話している。母の声が聞こえた。泣き声だ。
逃げ場はないと、恐ろしい事になってしまっていると、この時やっと理解した…。

実家に帰り、自分が置かれている状況を理解して3日が過ぎた。
精神的に参ったからか、それが何かしらアイツが起こしたものなのかは分からなかったが、2日間高熱に悩まされた。
首から異常なほど汗をかき、2日目の昼には血が滲み始めた。

3日目の朝には首からの血は止まっていた。
元々滲む程度だったしね。
熱も微熱くらいまで下がり、少しは落ち着いた。

ただ、首の回りに異常な痒さが感じられた。
チクチクと痛くて痒い。
枕や布団、タオルなどが触れると鋭い、小さな痛みが走る。
血が出ていたから瘡蓋が出来て痒いのかと思い、意識して触らないようにした。
布団にもぐり、夕方まで気にしないように心掛けたが、便所に行った時にどうしても気になって鏡を見た。
鏡なんて見たくもないのに、どうしても自分に起きてる事をこの目で確認しないと気が済まなかった。

鏡は見たこともない状況を写していた。

首の赤みは完全に引いていた。
その代わり、発疹が大きくなっていた。
今でも思い出す度に鳥肌が立つほど気持ち悪いが敢えて細かな描写をさせて欲しい。
気を悪くしないでくれ。

元々首の回りの線は太さが1cmくらいだった。
そこが真っ赤になり、元々かなり色白な俺の肌との対比で正しく赤い紐が巻かれているように見えていた。
これが3日前の事。 目の前の鏡に映るその部分には膿が溜まっていた。

…いや、正確じゃないな。

正確には、赤い線を作っていた発疹には膿が溜まっていて、まるで特大のニキビがひしめき合っているようだった。
そのほとんどが膿を滲ませていて、あまりにおぞましくて気持ちが悪くなりその場で吐いた。
真水で首を洗い、軟膏を母から借り、塗り、泣きながら布団に戻った。
何も考えられなかった。
唯一つ「何で俺なんだ」って憤りだけだった。

泣きつかれた頃、携帯がなった。○○からだった。
こういう時、ほんの僅かでも、希望って物凄いエネルギーになるぞ? 正直、こんなに嬉しい着信はなかった。

俺「もしもし」
○○「おぉ~!大丈夫~!?」
俺「ぃや…大丈夫な訳ねーだろ…」
○○「ぁー、やっぱヤバい?」
俺「やべーなんてもんじゃねーよ。はぁ…。っつーか何かないんかよ?」
○○「ぅん」
○○「地元の友達に聞いてみたんだけどさ~、ちょっと分かる奴居なくて…、申し訳ない。」
俺「ぁー、で?」

正直、○○なりに色々してくれたとは思うがこの時の俺に相手を思いやる余裕なんてなかったから、
かなり自己中な話し方に聞こえただろう。

○○「いや、その代わり、友達の知り合いにそーいうの強い人がいてさー。紹介してもいいんだけど金かかるって…」
俺「!? 金とんの?」
○○「うん、みたい…。どーする?」
俺「どんくらい?」
○○「知り合いの話だととりあえず五十万くらいらしい…」
俺「五十万~!?」

当時の俺からすると働いているとはいえ五十万なんて払えるわけ無い額だった。
金が惜しかったが、恐怖と苦しみから解放されるなら…。
選択肢は無かった。

俺「…分かった。いつ紹介してくれる?」
○○「その人今群馬にいるらしいんだわ。知り合いに聞いてみるからちょっと待ってて。」

話が前後するが、俺が仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返していた時、母は祖母に電話をかけていた。
祖母からすぐにS先生に相談が行き(相談と言うよりも助けて下さいってお願いだったらしいが)、
最終的にはS先生がいらしてくれる事になっていた。

ただし、S先生もご多忙だし何より高齢だ。
こっちに来れるのは三週間先に決まった。
つまり、三週間は不安と恐怖と、何か起きてもおかしか無い状況に居なければならなかった。
そんな状況だから、少しでも出来るだけの事をしてないと気持ちが落ち着かなかった。

○○が電話を折り返してきたのは夜11時を過ぎた頃だった。

○○「待たせて悪いね。知り合いに相談したら連絡入れてくれて、明日行けるって。」
俺「明日?」
○○「ほら、明日日曜じゃん?」

そうか、いつの間にか奴を見てから五日も経つのか。
不思議と会社の事を忘れてたな。

俺「分かった。ありがと。ウチまで来てくれるの?」
○○「家まで行くって。車で行くらしいから住所メールしといて」
俺「お前はどーすんの?来て欲しいんだけど」
○○「行く行く」
俺「金、後でも大丈夫かな?」
○○「多分大丈夫じゃね?」
俺「分かった。近くまで来たら電話して」

何とも段取りの悪い話だが、若僧だった俺には仕方の無い事だった。

その晩、夢を見た。
寝てる俺の脇に、白い和服をきた若い女性が正座していた。
俺が気付くと、三指をつき深々と頭を下げた後部屋から出ていった。
部屋から出る前にもう一度深々と頭を下げていた。
この夢がアイツと関係しているのかは分からなかったが。

翌日、昼過ぎに○○から連絡が来た。
電話で誘導し出迎えた。
来たのは○○とその友達、そして三十代後半くらいだろう男が来た。
普通の人だと思えなかったな。
チンピラみたいな感じだったし、何の仕事をしてるのか想像もつかなかった。
俺がちゃんと説明していなかったから両親が訝しんだ。
まず間違いなく偽名だと思うが男は林と名乗った。

林「T君の話は彼から聞いてましてね。まー厄介な事になってるんです。」
(今さらですまん。Tとは俺、会話中の彼は○○だと思って読んでくれ。)

父「それで林さんはどういった関係でいらしていただいたんですか?」
林「いやね、これもう素人さんじゃどーしようもなぃんですよ。
お父さん、いいですか?信じられないかも知れませんがこのままだとT君、危ないですよ?」

林「で、彼が友達のT君が危ないから助けて欲しいって言うんでね、ここまで来たって訳なんですよ」
母「Tは危ないんでしょうか?」
林「いやね、私も結構こういうのは経験してますけどこんなに酷いのは初めてですね。この部屋いっぱいに悪い気が充満してます」
父「…」
父「失礼ですが、林さんのご職業をお聞きしても良いですか?」
林「あー、気になりますか?ま、そりゃ急に来てこんな話したら怪しいですもんねぇ」
林「でもね、ちゃんと除霊して、辺りを清めないと、T君、ほんとに連れて行かれますよ?」

母「あの、林さんにお願いできるでしょうか?」
林「それはもう、任せていただければ。こーいうのは私みたいな専門の者じゃないと駄目ですからね。
ただね、お母さん。こっちとしとも危険があるんでね、少しばかりは包んでいただかないと。ね、分かるでしょ?」
父「いくらあればいいんです?」
林「そうですね~、まぁ二百はいただかないと…。」
父「えらい高いな!?」

林「これでも彼が友達助けて欲しいって言うからわざわざ時間かけて来てるんですよ?
嫌だって言うならこっちは別に関係無いですからね~。
でも、たった二百万でT君助かるなら安いもんだと思いますけどね。
それに、T君もお寺に行って相手にされなかったんでしょう?
分かる人なんて一握りなんですわ。また、一から探すんですか?」

俺は黙って聞いてた。
さすがに二百万って聞いた時は○○を見たが、○○もばつの悪そうな顔をしていた。
結局、父も母も分からないことにそれ以上の意見を言える筈もなく、渋々任せることになった。

林は早速今夜に除霊をすると言い出した。
準備をすると言い、一度出掛けた。
(出がけに両親に準備にかかる金をもらって行った)
夕方に戻ってくると、蝋燭を立て、御札のような紙を部屋中に貼り、
膝元に水晶玉を置き数珠を持ち、日本酒だと思うがそれを杯に注いだ。
何となくそれっぽくなって来た。

林「T君。これからお祓いするから。これでもう大丈夫だから」
林「お父さん、お母さん。すみませんが一旦家から出ていってもらえますかね?
もしかしたら霊がそっちに行く事も無い訳じゃないですから」

両親は不本意ながら、外の車で待機する事になった。
日も暮れて、辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。
林はお経のようなものを唱えながら一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。
俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。
林からそうするように言われたからだ。

お祓いが始まってから大分たった。

お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。

最初こそ気付かなかったが首がやけに痛い。
痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。
目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっているとお経が止まった。

しかしおかしい。

良く分からないが区切りが悪い終り方だったし、終わったにしては何も声をかけてこない。
何より、首の痛みは一向に引かず、寧ろ増しているのだ。
寒気も感じるし、何かが布団の上に跨がっているような気がする。

目を開けたらいけない。それだけは絶対にしてはいけない。
分かってはいたが…。開けてしまった。
目を開けると、恐ろしい光景が飛び込んできた。

林は、布団で寝ている俺の右手側に座りお祓いをしていた。
目を開けると、林と向き合うように俺を挟んでアイツが正座していた。
膝の上に手を置き、上半身だけを伸ばして林の顔を覗き込んでいる。
林の顔とアイツの顔の間には拳一つ分くらいの隙間しかなかった。
不思議そうに、顔を斜めにして、梟のように小刻みに顔を動かしながら、聞き取れないがぼそぼそと呟きながら林の顔を覗き込んでいた。
今思うと林に何かを囁いていたのかもしれない。

林は…少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。
少し顔が笑っていたように見えた。
時々小さく頷いていた。

俺は、瞬きも忘れ凝視していた。
不意にアイツの首が動きを止めた。

次の瞬間、顔を俺に向けた。
俺は…慌てて目をギュッと閉じ、布団を被りひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。
俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。
恐ろしかった。

ガタガタと音が聞こえ、階段を駈け降りる音が聞こえた。
林が逃げ出したようだ。
俺は怖くて怖くて布団に潜り続けていた。

両親が来て、電気を着けて布団を剥いだとき、丸まって身体が固まった俺がいたそうだ。
林は、両親に見向きもせず車に乗り込み、まっていた○○、○○の友達と供に何処かへ消えていった。
後から○○に聞いた話では、「車を出せ」以外は言わなかったらしい。
解決するどころか、ますます悪いことになってしまった俺には、三週間先のS先生を待っている余裕など残っていなかった。

アイツを再び目にしてからさらに4日が経った。
当たり前かも知れないが首は随分良くなり、まだ痕が残るとは言え明らかに体力は回復していた。
熱も下がり身体はもう問題が無かった。

ただ、それは身体的な話でしかなくて、朝だろうが夜だろうが関係無く怯えていた。
何時どこでアイツが姿を現すかと思うと怖くて仕方無かった。
眠れない夜が続き、食事もほとんど受け付けられず、常に辺りの気配を気にしていた。

たった10日足らずで、俺の顔は随分変わったと思う。
精神的に追い詰められていた俺には時間が無かった。

当然、まともな社会生活なんて送れる訳も無く、親から連絡を入れてもらい会社を辞めた。
(これも後から聞いた話でしかないのだが…、連絡を入れた時は随分嫌味を言われたらしい)
とにかく、何もかもが怖くて洗濯物や家の窓から見える柿の木が揺れただけでも、もしかしたらアイツじゃないかと一人怯えていた。
S先生が来るまでには、まだ二週間あまりが残っていた俺には長すぎた。

見かねた両親は、強引に怯える俺を車に押し込み何処かへ向かった。
父が何度も「心配するな」「大丈夫だ」と声をかけた。
車の後部座席で、母は俺の肩を抱き頭を撫でていた。
母に頭を撫でられるなんて何年ぶりだったろう。
(当時の俺にはだが)時間の感覚も無く、車で移動しながら夜を迎えた。
二十歳も過ぎて恥ずかしい話だが、母に寄り添われ安心したのか、久方ぶりに深い眠りに落ちた。

目が覚めるとすでに陽は登っていて、久しぶりに眠れてすっきりした。
実際には丸1日半眠っていたらしい。
多分、あんなに長く眠るなんてもうないだろうな。
外を見ると車は見慣れない景色の中を進んでいた。

少しずつ、見覚えのある景色が目に入り始めた。
道路の中央に電車が走っている。
車は…長崎に着いていた。これには俺も流石に驚いた。
怯え続ける俺を気遣い、飛行機や新幹線は避け車での移動にしてくれたらしい。
途中で休憩は何度も入れたらしいが、それでもろくに眠らず車を走らせ続けた父と、
俺が怖がらないようにずっと寄り添ってくれた母への恩は、一生かけても返しきれそうもない。

祖父母の住む所は長崎の柳川という。
柳川に着くと坂道の下に車を停め両親が祖父母を呼びに行った。
(祖父母の家は坂道から脇に入った石段を登った先にある)
その間、俺は車の中に一人きりの状態になった。

両親が二人で出ていったのは足腰の悪い祖母やS先生の家に持っていく荷物を運ぶのを手伝うためだったのだが、
自分で「大丈夫、行って来て」なんて言ったのは本当に舐めてた証拠だと思う。
久しぶりに眠れた事や、今いる場所が東京・埼玉と随分離れた長崎だった事が気を弛めたのかもしれない。

車の後部座席に足をまるめて座り(体育座りね)、外をぼーっと眺めていると急に首に痛みが走った。
今までの痛みと比較にならないほど、言い過ぎかも知れないが激痛が走った。

首に手をやると滑りがあった。…血が出てた。
指先に付いた血が、否応なしに俺を現実に引き戻した。
この時、怖いとか、アイツが近くにいるかもって考える前に「またかよ…」ってなげやりな気持ちが先に来たな。
もう何か嫌になって泣けてきた。

分かってもらえれば嬉しいけど、嫌な事が少しの間をおいて続けて起きるのって、もうどうしようも無いくらい落ち込むんだよね。
気持ちの整理が着き始めると嫌な事が起きるっては辛いよね。
この時は少し気が弛んでいたから尚更で、
「どーしろっつーんだよ!!」とか「いい加減にしてくれよ」とか独り言をぶつぶつ言いながら泣いてた。

車に両親が祖父母を連れて戻って来たんだけど、すぐにパニックになった。
何しろ問題の俺が首から血を流しながら後部座席で項垂れて泣いてるからね。
何も無い訳がないよな。
「どうした?」とか「何とか言え!」とか「もぅやだー」とか
「Tちゃん、しっかりせんか!!」とか「どげんしたと!?」とか「あなたどうしよう」とか。

この時は…思わず「てめぇらぅるっせーんだよ!!」って怒鳴ってしまった。
こんな時に説明なんか出来るわけねーだろって、てめぇらじゃ何も出来ねぇ癖に…黙ってろよ!とか思ってたな。
勝手に悪い事になって仕事は辞めるわ、騙されそうになるわ…
こんな俺みたいな駄目な奴のために走り回ってくれてる人達なのに…。
今考えると本当に恥ずかしい。

で、人生で一度きりなんだけどさ、親父がいきなり俺の左頬に平手打ちをしてきた。
物凄い痛かったね。
親父、滅茶苦茶厳しくて何度も口喧嘩はしたけど多分生まれてから一回も打たれた事無かったからな。
(父のポリシーで子供は絶対殴らないってのは昔から耳タコだったしね)

で、一言だけ「お祖父さんとお祖母さんに謝れ」って静かだけど厳しい口調で言ったんだ。
それで、何故か落ち着いた。
ってかびっくりし過ぎてそれまでの絶望感がどっかに行ってしまったよ。

冷静さを取り戻して、皆に謝ったら急に腹が据わってきた気がした。
走り始めた車の中で励ましてくれる祖父母の言葉に感極まってまた泣いた。
自分で思ってるよか全然心が弱かったんだな、俺は。

S先生の家(寺でもあるが)に着くとふっと軽くなった気がした。
何か起きたっていうよりは俺が勝手に安心したって方が正しいだろうな。
門をくぐり、石畳が敷かれた細い道を抜けると初老の男性が迎え入れてくれた。
そう言えばS先生の家にはいつもお客さんがいたような気がする。
きっと、祖母のように通っている人が多いんだろう。

奥に通され裏手の玄関から入り進んでいくと、十畳くらいの仏間がある。
S先生は俺の記憶の通り、仏像の前に敷かれた座布団の上に正座していて…ゆっくりと振り向いたんだ。

(下手な長崎弁を記憶に頼って書くが見逃してな)
祖母「Tちゃん、もうよかけんね。S先生が見てくれなさるけん」
S先生「久しぶりねぇ。随分立派になって。早いわねぇ」
祖母「S先生、Tちゃんば大丈夫でしょかね?」
祖父「大丈夫って。そげん言うたかてまだ来たばかりやけんS先生かてよう分からんてさ」
祖母「あんたさんは黙っときなさんてさ。もうあたし心配で心配で仕方なかってさ」

何でだろう…ただS先生の前に来ただけなのにそれまで慌ていた祖父母が落ち着いていた。
それは両親にも、俺にも伝わってきて、深く息を吐いたら身体から悪いものが出ていった気がした。
両親はもう体力的にも精神的にも限界に近かったらしく、
「疲れちゃったやろ?後はS先生が良くしてくれるけん、隣ば行って休んでたらよか」と人懐こい祖父の言葉に甘えて隣の部屋へ。

S先生「じゃあTちゃん、こっちにいらっしゃい」
S先生に呼ばれ、向かい合わせで正座した。

S先生「それじゃIさん達も隣の部屋で寛いでらして下さい。Tちゃんと話をしますからね」
S先生「後は任せて、こっちの部屋には良いと言うまで戻って来ては駄目ですよ?」
祖父「S先生、Tちゃんばよろしくお願いします!」
祖母「Tちゃん、心配なかけんね。S先生がうまいことしてくれるけん。
あんたさんはよく言うこと聞いといたらよかけんね。ね?」

しきりにS先生にお願いして、俺に声をかけてくれる祖父母の姿にまた涙が出てきた。
泣きっぱなしだな俺。
S先生はもっと近づくように言い、膝と膝を付け合わせるように座った。
俺の手を取り、暫くは何も言わず優しい顔で俺を見ていた。

俺は何故か悪さをして怒られるじゃないかと親の顔色を伺っていた子供の頃のような気持ちになっていた。
目の前の、敢えて書くが自分よりも小さくて明らかに力の弱いお婆ちゃんの威圧的でもなんでもない雰囲気に呑まれていた。
あんな人本当にいるんだな。

S先生「…どうしようかしらね」
俺「…」
S先生「Tちゃん、怖い?」
俺「…はい」
S先生「そうよねぇ。このままって訳には行かないわよねぇ」
俺「えっと…」
S先生「あぁ、いいの。こっちの話だから」

何がいいんだ!?ちっともよかねーだろなんて気持ちが溢れて来て、耐えきれずついにブチ撒けた。
本当に人として未熟だなぁ、俺は。

俺「あの、俺どーなるんすか? もう早いとこ何とかして欲しいんです。 大体何なんですか?
何でアイツ俺に付きまとうんですか? もう勘弁してくれって感じですよ。
S先生、何とかならないんですか?」

S先生「Tちゃ…」
俺「大体、俺別に悪いこと何もしてないっすよ!?
確かに□□(心霊スポットね)には行ったけど俺だけじゃないし、何で俺だけこんな目に会わなきゃいけないんすか?
鏡の前で△しちゃだめだってのも関係あるんですか?
ホント訳わかんねぇ!!あーっ!苛つくぅぁー!!」

「ドォ~ドォルルシッテ」
「ドォ~ドォルル」「チルシッテ」
…何が何だか解らなかった。(ホントに訳解んないので取り敢えずそのまま書く)

「ドォ~。 シッテドォ~シッテ」

左耳に鸚鵡か鸚哥みたいな甲高くて抑揚の無い声が聞こえてきた。
それが「ドーシテ」と繰り返していると理解するまで少し時間がかかった。
俺はS先生の目を見ていたし、S先生は俺の目を見ていた。
ただ優しくかったS先生の顔は無表情になっているように見えた…。

左側の視界には何かいるってのは分かってた。
チラチラと見えちゃうからね。
よせば良いのに、左を向いてしまった。
首から生暖かい血が流れてるのを感じながら。

アイツが立ってた。
体をくの字に曲げて、俺の顔を覗き込んでいた。
くどいけど…訳が解らなかった。
起きてることを認められなかった。

此処は寺なのに、目の前にはS先生がいるのに…何でなんで何で…。
一週間前に、見たまんまだった。
アイツの顔が目の前にあった。
梟のように小刻みに顔を動かしながら俺を不思議そうに覗き込んでいた。

「ドォシッテ? ドォシッテ? ドォシッテ? ドォシッテ?」

鸚鵡のような声でずっと質問され続けた。
きっと…林も同じようにこの声を聞いていたんだろう。
俺と同じ言葉を囁かれていたのかは解らないが…。

俺は…息する事を忘れてしまって目と口を大きく開いたままだった。
いや、息が上手く出来なかったって方が正しいな。
たまに【コヒュッ】って感じで息を吸い込む事に失敗してた気がするし。
そうこうしているうちに、アイツが手を動かして顔に貼り付けてあるお札みたいなのをゆっくりめくり始めたんだ。

見ちゃ駄目だ!! 絶対駄目だって分かってるし逃げたかったんだけど動けないんだよ!!
もう顎の辺りが見えてしまいそうなくらいまで来ていた。
心の中では「ヤメロ!それ以上めくんな!!」って叫んでるのに口からは「ァ…ァカハッ…」みたいな情けない息しか出ないんだ。
もうやばい!! ヤバい!ヤバい!ってところで

「パンッ!!」

って。 例えとか誇張でもなく“跳び上がった。
心臓が破裂するかと思った。

「パン!!」

その音で俺は跳び上がった。
正座してたから体が倒れそうになりながら後に振り向いてすぐ走り出した。
何か考えてた訳じゃなく体が勝手に動いたんだよね。

でも慣れない正座のせいで足が痺れてまともに走れないのよ。
痺れて足が縺れた事とあんまりにも前を見てないせいで頭から壁に突っ込んだがちっとも痛くなかった。
額から血がだらだら出てたのに…、それだけテンパって周りが見えてなかったって事だな。

血が目に入って何も見えない。手をブン回して出口を探した。
けど的外れの方ばっかり探してたみたい。

「まだいけません!」

いきなりS先生が大きい声を出した。
障子の向こうにいる両親や祖父母に言ったのか俺に言ったのか分からなかった。
分からなかったがその声は俺の動きを止めるには十分だった。
ビクってなってその場で硬直。

またもや頭の中では物凄い回転で事態を把握しようとしていた。
っつーか把握なんて出来る筈もなく、S先生の言うことに従っただけなんだけどね。
俺の動きが止まり、仏間に入ろうとする両親と祖父母の動きが止まった事を確認するかのように少しの間を置いてからS先生が話始めた。

S先生「Tちゃんごめんなさいね。怖かったわね。もう大丈夫だからこっちに戻ってらっしゃい」
「Iさん、大丈夫ですからもう少し待ってて下さいね」

障子(襖だったかも)の向こうからしきりに何か言ってのは聞こえてたけど覚えてない。
血を拭いながらS先生の前に戻ると手拭いを貸してくれた。
お香なのかしんないけどいい匂いがしたな。
ここに来てやっとあの音はS先生が手を叩いた音だって気付いた。
(質問出来る余裕は無かったけど)

S先生「Tちゃん、見えたわね?聞こえた?」
俺「見えました…どーして?って繰り返してました。」

この時にはもうS先生の顔はいつもの優しい顔になってたんだ。
俺も今度はゆっくりと、出来るだけ落ち着いて答える事だけに集中した。
まぁ…考えるのを諦めたんだけどね。

S先生「そうね。どうして?って聞いてたわね。何だと思った?」
さっぱり分からなかった。考えようなんて思わなかったしね。

俺「?? …いや…、ぅぅん?…分かりません」
S先生「Tちゃんはさっきの怖い?」
俺「怖い…です」
S先生「何が怖いの?」
俺「いや…、だって普通じゃないし。幽霊だし…」

ここらへんで俺の脳は思考能力の限界を越えてたな。
S先生が何が言いたいのかさっぱりだった。

S先生「でも何もされてないわよねぇ?」
俺「いや…首から血が出たし、それに何かお札みたいなの捲ろうとしてたし。明らかに普通じゃないし…」
S先生「そうよねぇ。でも、それ以外は無いわよねぇ」
俺「…」

S先生「難しいわねぇ」
俺「あの、よく分からなくて…すいません」
S先生「いいのよ」

S先生は、俺にも分かるように話してくれた。
諭すっていった方がいいかもしれない。
まず、アイツは幽霊とかお化けって呼ばれるもので間違いない。
じゃあ所謂悪霊ってヤツかって言うと、そう言いきっていいかS先生には難しいらしかった。
明らかにタチが悪い部類に入るらしいけど、S先生には悪意は感じられなかったって言っていた。

俺に起きた事は何なのかに対してはこう答えた。
「悪気は無くても強すぎるとこうなっちゃうのよ。あの人ずっと寂しかったのね。
話したい、触れたい、見て欲しい、気付いて気付いてーって、ずっと思ってたのね」

「Tちゃんはね、分からないかもしれないけど暖かいのよ。
色んな人によく思われてて、それがきっと“いいな~。優しそうだな~って思ったのね。
だから自分に気付いてくれた事が嬉しくて仕方なかったんじゃないかしら」

「でもね、Tちゃんはあの人と比べると全然弱いのね。だから、近くに居るだけでも怖くなっちゃって体が反応しちゃうのね」
S先生は、まるで子供に話すようにゆっくりと、難しい言葉を使わないように話してくれた。

俺はどうすればいいのか分からなくなったよ。
アイツは絶対に悪霊とかタチの悪いヤツだと決めつけてたから。
S先生にお祓いしてもらえばそれで終ると思ってたから…。
それなのにS先生がアイツを庇うように話してたから…。

S先生「さて、それじゃあ今度は何とかしないといけないわね。Tちゃん、時間かかりますけど何とかしてあげますからね」
この一言には本当に救われたよ。
あぁ、もういいんだ。終るんだって思った。やっと安心したんだ。
S先生に教えられたことを書きます。俺にとって一生忘れたくない言葉です。

「見た目が怖くても、自分が知らないものでも自分と同じように苦しんでると思いなさい。
救いの手を差し伸べてくれるのを待っていると思いなさい」

S先生はお経をあげ始めた。
お祓いのためじゃ無くアイツが成仏出来るように。

その晩、額は裂けてたし、よくよく見れば首の痕が大きく破けて痛かったけど本当にぐっすり眠れた。
(お経終わってもキョドってた俺のために笑いながらその日は泊めてくれた)

翌日、朝早く起きたつもりがS先生はすでに朝のお祈りを終らしてた。
S先生「おはよう、Tちゃん。さ、顔洗って朝御飯食べてらっしゃい。食べ終わったら本山に向かいますからね」


関係者でも何でもないんであまり書くのはどうかと思うが少しだけ。
S先生が属している宗派は前にも書いた通り教科書に載るくらい歴史があって、信者の方も修行されてる方も日本全国にいらっしゃるのね。
教えは一緒なんだけど地理的な問題から東と西それぞれに本山があるんだって。
俺が連れていってもらったのが西の本山。

本山に暫くお世話になって、自分が元々持っている徳(未だにどんなものか説明できないけど)を高める事と、
アイツが少しでも早く成仏出来るように本山で供養してあげられるためってS先生は言ってた。

その話を聞いて一番喜んだのが祖母、まだ信じられなそうだったのが親父。
最後は俺が「もう大丈夫。行ってくる」って言ったから反対しなかったけど。

本山に着くと迎えの若い方が待っていて、S先生に丁寧に挨拶してた。
本堂の横奥にある小屋(小屋って呼ぶのが憚れるほど広くて立派だったが)で本山の方々にご挨拶。
ここでもS先生にはかなりの低姿勢だったな。
S先生、実は凄い人らしく、望めばかなりの地位(「寂しいけど序列ができちゃうのね」って
S先生は言ってた)にいても不思議じゃないんだって後から聞いた。

俺は本山に暫く厄介になり、まぁ客人扱いではあったけど皆さんと同じような生活をした。
多分、S先生の言葉添えがあったからだろうな。

その中で、自分が本当に幸運なんだなって実感したよ。
もう四十年間ずっと蛇の怨霊に苦しめられている女性や、家族親族まで祟りで没落してしまって、
身寄りが無くなってしまったけど、家系を辿れば立派な士族の末裔の人とか…
俺なんかよりよっぽど辛い思いしてる人がこんなにいるなんて知らなかったから…。

厳しい生活の中にいたからなのか、場所がそうだからなのか、あるいはS先生の話があったからなのか恐怖は大分薄れた。
(とは言うものの、ふと瞬間にアイツがそばに来てる気がしてかなり怯えたけど)

本山に預けてもらって一ヶ月経った頃S先生がいらっしゃった。
S先生「あらあら、随分良くなったみたいね」
俺「えぇ、S先生のおかげですね」
S先生「あれから見えたりした?」
俺「いや…一回も。多分成仏したかどっかにいったんじゃないですか?ここ、本山だし」
S先生「そんな事ないわよ?」

顔がひきつった。

S先生「あら、ごめんなさい。また怖くなっちゃうわよね」
でもねTちゃん、ここには沢山の苦しんでる人がいるの。
その人達を少しでも多く助けてあげるのが私達の仕事なのよ」

多分だけどS先生の言葉にはアイツも含まれてたんだと思う。

S先生「Tちゃん、もう少しここにいて勉強しなさい。折角なんだから」

俺はS先生の言葉に従った。
あの時の事がまだまだ尾を引いていて、まだここにいたいって思ってたからね。
それに一日はあっという間なんだけど…何て言うか時間がゆっくり流れてような感じが好きだったな。
(何か矛盾してるけどね)

そんなこんなが続いて、結局三ヶ月も居座ってしまった。
その間S先生は(二ヶ月前に来たきり)こっちには顔を出さなかった。
やっぱりS先生の言葉がないと不安だからね。
でも、哀しいかな流石に三ヶ月もそれまで自分がいた騒々しい世界から隔離されると物足りない気持ちが強くなってた。

実に二ヶ月ぶりにS先生がやって来てやっと本山での生活は終りを迎えようとしていた。
身支度を整え、兎に角お世話になった皆さんに一人ずつ御礼を言いS先生と帰ろうとしたんだ。
でも気付くと横にいたはずのS先生がいない。
「あれ?」と思って振り向いたら少し後にいたんだ。

「歩くの速すぎたかな?」って思って戻ったら優しい顔で
「Tちゃん、帰るのやめてここに居たら?」って言われた。
実はS先生に認められた気がして少し嬉しかった。

「いや、僕にはここの人達みたいには出来ないです。本当に皆さん凄いと思います。真似出来そうもないですよ」
照れながら答えたら
S先生「そうじゃなくて帰っちゃ駄目みたいなのよ」
俺「え?」
S先生「だってまだ残ってるから」

また顔がひきつった。
結局、本山を降りる事が出来たのはそれから二ヶ月後だった。
実に五ヶ月も居座ってしまった。
多分、こんなに長く家族でも無い誰かに生活の面倒を見てもらう事はこの先ないだろう。

S先生から「多分もう大丈夫だと思うけど、しばらくの間は月に一度おいでなさい。」と言われた。
アイツが消えたのか、それとも隠れてれのか本当のところは分からないからだそうだ。
長かった本山の生活も終ってやっと日常に戻って来た。
借りてたアパートは母が退去手続きを済ましてくれていて、実家には俺の荷物が運び込まれてた。

アパートの部屋を開けた時、何かを燻したような臭いと部屋の真ん中辺りの床に小さな虫が集まってたらしい。
怖すぎたらしくその日はなにもしないで帰って来たんだってさ。
翌日、仕方無いんで意を決してまた部屋を開けたら臭いは残ってたけど虫は消えてたらしい。
母には申し訳ないが俺が見なくて良かった。

実家に戻り、実に約半年ぶりくらいに携帯を見ると(そーいやそれまでは気にならなかったな。)
物凄い件数の着信とメールがあった。 中でも一番多かったのが○○。
メールから、奴は奴なりに自分のせいでこんな事になったって自責の念があったらしく、
謝罪とかこうすればいいとかこんな人が見つかったとかまめに連絡が入ってた。

母から、○○が家まで来た事も聞いた。
戻って二日目の夜、○○に電話を入れた。
電話口が騒がしい。○○は呂律が回らず何を言っているか分からなかった。

…コンパしてやがった。
とりあえず電話をきり「殺すぞ」とメールを送っておいた。
所詮世の中他人は他人だ。

翌日、○○から謝りたいから時間くれないか?とメールが来た。
電話じゃなかったのは気まずかったからだろう。
夜になると、家まで○○が来た。
わざわざ遠いところまで来るくらいだ。
相当後悔と反省をしていたのだろう。
(夜に出歩くのを俺が嫌ったからってのが一番の理由である事は言うまでもない)

玄関を開け○○を見るなり二発ぶん殴ってやった。
一発は奴の自責の念を和らげるため、一発はコンパなんぞに行ってて俺を苛つかせた事への贖罪のめに。
言葉で許されるよりも殴られた方がすっきりする事もあるしね。
まぁ、二発目は俺の個人的な怒りだが。
○○に経緯を細かく話し、その晩は二人して興奮したり怖がったり…
今思うと当たり前の日常だなぁ。

○○からは、あの晩のそれからを聞いた。
あの晩、逃げ出した時には林は明らかにおかしくなっていた。
林の車の中で友達と待っていた○○には、まず間違いなくヤバい事になっているって事がすぐに分かったそうだ。
でも、後部座席に飛び乗ってきた林の焦り方は尋常じゃ無かったらしく、車を出さざるを得なかったらしい。
「反抗したりもたついたりしたら何されっか分かんなかったんだよ」

○○の言葉が状況を物語っていた。
○○は、車が俺の家から離れ高速の入り口近くの信号に捕まった時に、逃げ出したらしい。

○○「だってあいつ、途中から笑い出したり、震えたり、
“俺は違う“とか“そんな事しません“とか言い出して怖いんだもんよ」

アイツが何か囁いてる姿が甦ってきて頭の中の映像を消すのに苦労した。
俺の家に戻って来なかったのは単純に怖すぎたからだって。
「根性無しですみませんでした」って謝ってたから許した。
俺が○○でも勘弁だしね。

その後、林がどうなったかは誰も知らない。
さすがに今回の件では○○も頭に来たらしく、林を紹介した友達を問い詰めたらしい。
結局、林は詐欺師まがいにも成りきれないような どうしようも無いヤツだったらしく、
唆されて軽い気持ち(小遣い稼ぎだってさ…)で紹介したんだと。

○○曰く「ちゃんとボコボコにしといたから勘弁してくれ!」との事。
でもこんな状況を招いたのが自分の情報だってのには参ったから、今度は持てる人脈を総動員したが…
こんなことに首を突っ込んだり聞いた事がある奴が回りにいるはずもなく、
多分~とか、~だろうとかってレベルの情報しか無かったんだ。

だから「何か条件が幾つかあって、偶々揃っちゃうと起きるんじゃないか」としか言えなかった。

その後、俺はS先生の言い付けを守って毎月一度、S先生を訪ねた。
最初の一年は毎月、次の一年は三か月に一度。
○○も、俺への謝罪からか何も無くても家まで来ることが増えたし、
S先生のところに行く前と帰ってきた時には必ず連絡が来た。

アイツを見てから二年が経った頃、S先生から「もう心配いらなそうね。
Tちゃん、これからはたまに顔出せばいいわよ。でも、変な事しちゃだめよ」って言ってもらえた。

本当に終ったのか…俺には分からない。
S先生はその三ヶ月後、他界されてしまった。
敬愛すべきS先生、もっと多くの事を教えて欲しかった。
ただ、今は終ったと思いたい。

S先生のお葬式から二ヶ月が経った。
寂しさと、大切な人を亡くした喪失感も薄れ始め俺は日常に戻っていた。
慌ただしい毎日の隙間にふとあの頃を思い出す時がある。
あまりにも日常からかけ離れ過ぎていて、本当に起きた事だったのか分からなくこともある。
こんな話を誰かにするわけもなく、またする必要もなく、ただ毎日を懸命に生きてくだけだ。

祖母から一通の手紙が来たのはそんなごくごく当たり前の日常の中だった。
封を切ると、祖母からの手紙と、もう一つ手紙が出てきた。
祖母の手紙には俺への言葉と共にこう書いてあった。
“S先生から渡されていた手紙です。四十九日も終わりましたのでS先生との約束通りTちゃんにお渡しします“

S先生の手紙、今となってはそこに書かれている言葉の真偽が確かめられないし、
そのままで書く事は俺には憚られるので崩して書く。


Tちゃんへ
ご無沙汰しています。Sです。あれから大分経ったわねぇ。
もう大丈夫?怖い思いをしてなければいいのだけど…。
いけませんね、年をとると回りくどくなっちゃって。
今日はね、Tちゃんに謝りたくてお手紙を書いたの。
でも悪い事をした訳じゃ無いのよ。あの時はしょうがなかったの。
でも…、ごめんなさいね。

あの日、Tちゃんがウチに来た時、先生本当は凄く怖かったの。
だってTちゃんが連れていたのはとてもじゃ無いけど先生の手に負えなかったから。
だけどTちゃん怯えてたでしょう?だから先生が怖がっちゃいけないって、そう思ったの。

本当の事を言うとね、いくら手を差し伸べても見向きもされないって事もあるの。
あの時は、運が良かったのね。
Tちゃん、本山での生活はどうだった? 少しでも気が紛れたかしら?
Tちゃんと会う度に先生まだ駄目よって言ったでしょう? 覚えてる?

このまま帰ったら酷い事になるって思ったの。
だから、Tちゃんみたいな若い子には退屈だとは分かってたんだけど帰らせられなかったのね。
先生、毎日お祈りしたんだけど中々何処かへ行ってくれなくて。

でも、もう大丈夫なはずよ。近くにいなくなったみたいだから。
でもねTちゃん、もし…もしもまた辛い思いをしたらすぐに本山に行きなさい。
あそこなら多分Tちゃんの方が強くなれるから中々手を出せないはずよ。

最後にね、ちゃんと教えておかないといけない事があるの。
あまりにも辛かったら、仏様に身を委ねなさい。
もう辛い事しか無くなってしまった時には、心を決めなさい。
決してTちゃんを死なせたい訳じゃないのよ。
でもね、もしもまだ終っていないとしたらTちゃんにとっては辛い時間が終らないって事なの。

Tちゃんも本山で何人もお会いしたでしょう?

本当に悪いモノはね、ゆっくりと時間をかけて苦しめるの。決して終らせないの。
苦しんでる姿を見てニンマリとほくそ笑みたいのね。
悔しいけど、先生達の力が及ばなくて目の前で苦しんでいても何もしてあげられない事もあるの。
あの人達も助けてあげたいけど…、どうにも出来ない事が多くて…。
先生何とかTちゃんだけは助けたくて手を尽くしたんだけど、正直自信が持てないの。
気配は感じないし、いなくなったとも思うけど、まだ安心しちゃ駄目。
安心して気を弛めるのを待っているかも知れないから。

いい?Tちゃん。
決して安心しきっては駄目よ。
いつも気を付けて、怪しい場所には近付かず、余計な事はしないでおきなさい。
先生を信じて。ね?

嘘ばかりついてごめんなさい。
信じてって言う方が虫が良すぎるのは分かっています。
それでも、最後まで仏様にお願いしていた事は信じてね。
Tちゃんが健やかに毎日を過ごせるよう、いつも祈ってます。

S


読みながら、手紙を持つ手が震えているのが分かる。
気持ちの悪い汗もかいている。鼓動が早まる一方だ。
一体、どうすればいい?まだ…、終っていないのか?

急にアイツが何処かから見ているような気がしてきた。
もう、逃れられないんじゃないか?
もしかしたら、隠れてただけでその気になればいつでも俺の目の前に現れる事が出来るんじゃないか?
一度疑い始めたら、もうどうしようもない。全てが疑わしく思えてくる。

S先生は、ひょっとしたらアイツに苦しめられたんじゃないか?
だから、こんな手紙を遺してくれたんじゃないか?
結局…、何も変わっていないんじゃないか?

林は、ひょっとしたらアイツに付きまとわれてしまったんじゃないか?
一体アイツに何を囁かれたんだ。
俺とは違う、もっと直接的な事を言われて…、おかしくなったんじゃないか?

S先生は、俺を心配させないように嘘をついてくれたけど、「嘘をつかなければならないほど」の事だったのか…。
結局、それが分かってるからS先生は最後まで心配してたんじゃないのか?
疑えば疑うほど混乱してくる。どうしたらいいのかまるで分からない。

ここまでしか…俺が知っている事はない。
二年半に渡り今でも終ったかどうか定かではない話の全てだ。

結局、理由も分からないし、都合よく解決できたり何かを知ってる人がすぐそばにいるなんて事は無かった。
何処から得たか定かではない知識が招いたものなのか、あるいはそれが何かしらの因果関係にあったのか…。
俺には全く理解できないし、偶々としか言えない。

でも、偶々にしてはあまりにも辛すぎる。
果たしてここまで苦しむような罪を犯したのだろうか?犯していないだろう?
だとしたら…何でなんだ?不公平過ぎるだろう。
それが正直な気持ちだ。

俺に言える事があるとしたらこれだけだ。
「何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを改めて言っておく。
最後まで、誰かが終ったって言ったとしても気を抜いちゃ駄目だ」

そして…、最後の最後で申し訳ないが俺には謝らなければいけない事があるんだ。
この話の中には小さな嘘が幾つもある。
これは多少なりとも分かり易くするためだったり、俺には分からない事もあっての事なので目をつぶって欲しい。
おかげで意味がよく分からない箇所も多かったと思う。
合わせてお詫びとさせて欲しい。

ただ…、謝りたいのはそこじゃあない。
もっと、この話の成り立ちに関わる根本的な部分で俺は嘘をついている。
気付かなかったと思うし、気付かれないように気を付けた。
そうしなければ伝わらないと思ったから。
矛盾を感じる事もあるだろう。がっかりされてしまうかもしれない…。
でもこの話を誰かに知って欲しかった。


俺は○○だよ。

‥今更悔やんでも悔やみきれない。
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発熱少女

2020年01月16日 | Weblog






♪発熱少女
https://www.youtube.com/watch?v=8-dgsZSZsfA

♪赤道直下型の誘惑
https://www.youtube.com/watch?v=WFMay1rzuAE

♪アン・ドゥ・トロワ パート2
https://www.youtube.com/watch?v=2tRckmDORDY

♪GAMBLER
https://www.youtube.com/watch?v=AW9xxlRdScw


♪未経験
https://www.youtube.com/watch?v=dESHJX2pAOc


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「閻魔王や鬼神 地獄に堕ちた亡者に飲食を捧げて功徳を得る」

2020年01月16日 | Weblog



3遍誦す。

「南無(なむ)
本師釈迦牟尼仏(ほんししゃかむにぶつ)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
阿弥陀仏(あみだぶつ)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
東方琉璃薬師仏(とうほうるりやくしぶつ)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
地蔵王菩薩(じぞうおうぼさつ)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
虚空菩薩蔵(こくうぞうぼさつ)。」


1遍誦す。

「我○○(われ 自分の名前)
施食請予加持護佑(せじきよかじごゆう)。」



浄水の入ったコップを 
左手の親指と人差し指と小指を立てた 左手で持つ。
左手の中指と薬指は曲げて握る。


念仏を1遍誦すごとに
浄水の中に ごく少量の米粒を入れる。


3遍誦す。

「南無(なむ)
多宝如来 (たほうにょらい)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
宝勝如来(ほうしょうにょらい)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
妙色身如来 (みょうしきしんにょらい)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
広博身如来(こうはくしんにょらい)。」


3遍誦す。

「南無(なむ)
離怖畏如来 (りふいにょらい)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
甘露王如来 (かんろおうにょらい)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
阿弥陀如来 (あみだにょらい)。」

3遍誦す。

「南無(なむ)
宝髻如来(ほうけいにょらい)。」


右手の 親指と薬指先同士をつけて
水の上で時計回りに 手を回転させながら 7遍誦す。

「オン・アミリティ・ウンパッタ。」

1遍誦す。

「ナム・ブッダヤ
ナム・ダルマヤ
ナム・ソウギャ

南無(なむ)
本尊釈迦牟尼如来(ほんぞんしゃかむににょらい)

南無(なむ)
安住大地菩薩衆(あんじゅうだいちぼさつしゅ)

南無(なむ)
一切龍天善神(いっさいりゅうてんぜんじん)

願以威神加哀護助(がんにいじんかあいごじょ)
我今召請十方刹土(がこんしょうじょうじっぽうせつど)
尽虚空界(じんこくうかい)
一切六趣餓鬼有情類(いっさいろくしゅがきうじょうるい)
以三宝威神力故(にさんぽういじんりきこ)
悉至我所(しっしがしょ)。」




浄水の上に 光り輝く水晶の摩尼宝珠があり、
その光が 餓鬼界の炎を鎮め 餓鬼達の喉を開いて苦悩を除くと観じつつ誦す。

「オン・ブブディリ・ガディリ・タタガタヤ。」

(この作法により
毒や刀などの害を受けず
天龍の守護や福徳を受け
顔貌が端正となり 悪趣に堕ちないなどの十種の功徳が得られる。)


そのまま器を持ちながら 7遍誦す。
誦しながら 右手の 親指と薬指先同士をつけて
右手を時計回りに回し、
「ウン。」と誦す時に 親指と中指を弾く。

「ナモ・サルヴァ・タタガタ・ヴァロキテ
 オン・サンバラ・サンバラ・ウン。」


(この作法により 福寿や 無量如来の供養の成就
心清浄や 諸天の守護 記憶力の増強や
顔色の良さなどの 十種の功徳が得られる。)



器をそのまま持ち 右手の手印を解いて 手のひらを器に向かって立てながら
右手の指先より 白銀色の甘露が 途絶える事なく流出して 
それが餓鬼達をことごとく満たすと観じつつ 3遍誦す。

「ナマー・スルパーヤ・タターガターヤ
タドヤター・オン・スルスル・プラスル・プラスル・スヴァーハー。」


(この作法により
寿徳や気力の増長
病が除かれ 千輪王福や敬愛、威徳が得られ
夢の中で諸菩薩や阿羅漢に謁する事ができ
顔色が良くなり 口中から良い香を発するなどの十六種の功徳が得られる。)



左右の親指を立てて
人差し指は 指の甲同士を合わせて折り曲げ
中指は 水平になるようにして曲げ
薬指と小指は合わせて立てて 3遍誦す。

「オン・ガガナ・サンバヴァ・ヴァジュラ・ホー。」




3遍誦す。

「願以此功徳(がんにしくどく)
庄厳仏浄土(しょうごんぶつじょうど)
上報四重恩(じょうほうしじゅうおん)
下斎三途苦(かさいさんずく)
願以此功徳普及于地獄(がんにしくどくふきゅううじごく)
普及于地獄ふう都大帝(ふきゅううじごくふうとたいてい)
閻王爺(えんおうや)
十殿閻羅王以及(じうでんえんらおうにきゅう)
地獄的一切鬼神(じごくてきいっさいきじん)。」



「金剛秘密善門陀羅尼呪経」



以下 「金剛秘密善門陀羅尼呪経」の一部です。

「爾時験
仏復讃金剛密迹菩薩(ぶつぶさんこんごうみつじゃくぼさつ)
善哉善哉(ぜんざい ぜんざい)
金剛密迹(こんごうみつじゃく)
令汝呪術悉皆神験利益衆生(りょうにょしゅじゅつしっかいしんげんりやくしゅじょう)
若有奪人精神気者(にゃくうだつにんせいしんきしゃ)
為作守護使不得便(いさしゅごしふとくべん)

爾時験
梵天王従座而起(ぼんてんのうじゅうざにき)
白仏言(びゃくぶつごん)
世尊(せそん)
若復有人受持読誦(にゃくぶうにんじゅじどくしょう)
善門陀羅尼者(ぜんもんだらにしゃ)
我亦随喜説陀羅尼守護是人(がやくずいきせつだらにしゅごぜにん)
令其所呪悉得神験(りょうごそしゅしっとくしんげん)
即説呪曰(そくせつしゅわつ)

シャドヤテダン・ティリ・ミリ・シリ・スヴァーハー
マフリ・スヴァーハー
バハマヒ・スヴァーハー
ハラキャヒプッパサンタリ・スヴァーハー。」



「金剛寿命眞言の功徳を得る」

有名な 「金剛寿命眞言」の誦し方の1つで



画像のように
左右の手で 親指を内側に入れて 手を握り、
左右の人差し指のみを絡め合って

手印を結んだ両手を頭頂に置いて

自己の胸の中央に 月輪があり
月輪の中央に 白色の「ユ字」が光輝き
光明を遍く照らして 大金剛寿菩薩に変じる様子を観じつつ誦す。

「オン・バサラ・ユセイ・ソワカ。」
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