誦す事で 罪業や 罪悪感が除かれるとされます。
★「オン・ヴィシュヴァニ・デヴァ
サヴィタルドゥリタニ・パラ・スヴァ
ヤド・バドラム・タンナ・アー・スヴァ。」
以下 ネットに投稿されていた体験談のコピペです。
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十代の頃、新聞配達をしていた時期があった。
俺の配達区は大きめの公園を中心にだ円状に広がっていてね、
一度に三百軒分の新聞を持ち運ぶわけにはいかないから、
ある程度まとめてハイエースで中継所に置いていってくれるんだ。
公園が中心にあるもんだから、俺の場合はそこが決められた場所だった。
手持ちぶんの配達を終えて、その中継所で新聞を補給する。
春先のまだ寒い朝方だったから、軍手越しに指先が痛かった。
新聞は公園の入り口にある大きな鳥居の下に置かれている。
奥の方に神社の社があるんだろうが確認したことはなかった。
新聞を積み重ねながら、公園内の石のベンチに腰掛けている一つの影に気づいた。
時間に追われていた俺は、あまり気にせず積み終わり配達に戻る。
次に中継所に戻ると、影はまだ腰掛けていた。
いやもう一つ影が増えている。
座る影の背後、そちらに身を屈めるように立つものがあった。
辺りはだいぶ明るくなっている。
目を凝らすと、うなだれるように座るのはどうやら男、背後に立つのは女らしい。
女は男の耳元に顔を寄せ何か話しているようだ。
微かにどこか違和感があったが、
日が昇りきる前に配り終えたかったので意識的に頭から締め出して原付に跨った。
残す配達も僅かになり最後の中継に戻ったとき、鳥居の下、俺は背筋が寒くなるのを感じた。
記憶の限り先ほどと全く同じ姿勢の男女がいたからだ。
うなだれる男と、背後に立ち身を屈める女。
一度新聞を積んでまたここに戻るまで三、四十分はたっているはず。
それをあのままで?
この寒い中ずっと?
さっき感じた違和感のわけにも気がついた。
男の知り合いなり様子見に来た人なら、隣りに座るか体に触れるかするのではないか。
女の体勢はいかにも不自然だった。
新聞を原付に積みながら、視線はそちらに向いてしまう。
積み終わり縛っていた紐を回収していた時だった。
女が体を起こした。
ほぼ同時に、「ンミー―――ンミ――――」というおかしな声が聞こえ、
男が立ち上がり俺のいる公園入り口へ走ってくるのが見えた。
その声は男が発していた。
俺はもうビビってしまい原付に飛び乗ってエンジンをかけようとしたが、
男は俺に構わず脇を駆け抜けていく。
そのときちらっと見えたんだが、男の髪は毟られたようにまばらに抜け落ち、
両目を手で塞ぎ いやいやするように頭を左右に振っていた。
食いしばった歯から奇声が漏れ、気味悪いことこの上ない。
通りで犬の散歩をしていた男性も、あっけにとられて男を見ていた。
ベンチのほうを振り返ると女はもういなかった。
話はこれでおしまい。
特にその神社とつながりあるとは思わないし、春先だったもんで単に気違いを見ただけかも。
ただその日の昼、内臓を食い荒らされたみたいに抜かれた犬の死骸が公園で見つかったりと
なんだか不気味な出来事だった。