苦楽の彼岸 山あるき 森あるき

こんにちは!umebocです。
主に近畿の山々をうめ子と2人で歩いています。

【23】博士の愛した数式 (新潮文庫 お 45-3)

2008-12-18 | 
事故で、80分しか記憶がもたない、数論専門の元大学教授「博士」。
彼の家政婦として働くことになった主人公「私」。
そして、ひょんなことから博士の家に来るようになった主人公の息子「ルート」。
3人のあたたかな交流の話。

何年か前、話題になっていた本なので、読んでみた。
それだけに、おもしろい。
とりあえず文庫、118項でぐっときた。
ちょっとした事件の後、博士がメモ(博士は、忘れないように体中にメモをとめている)を見てつぶやく。
「僕の記憶は80分しかもたない」

とても大変な障害を持っている博士だけれど、
知識も豊富で(数学についてだけだが)、なにより信念がある。
そのために、悲壮感はあまりなく、
主人公や息子同様、彼に魅了され、どんどん読み進めてしまう。

そして、博士の、子供への底なしの「愛」に脱帽です。

淡々とやさしい気持ちで物語を読んでいくことができる。

博士の愛した数式 (新潮文庫)/小川洋子 umeboc好み度 ★★★☆☆