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  このみちを また駈ける

   このみちは 心は遠い ・ ・ ・ ・ に

武士の家計簿

2010年12月22日 | 映画
12月16日 松竹映画 『武士の家計簿』 を観る

原作は朝日Be 『この人その言葉』で馴染みの茨城大准教授
磯田道史著 「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」
加賀藩御算用者家の三代にわたる下級武家の年代記
久しく見なかつた斬り合いシーン一切なく刀を抜かない時代劇

物語は明治新政府軍に奉じた三代目伊藤祐輝猪山成之の回想形式で展開
お救い米不正の摘出があるくらいで特別劇的なドラマ大仰な事件はない
御算用者の家庭日々を淡々と追う そこがこの作品の一番の好感
何もないところを描くのはいちばんむつかしい
ただ 『たいじや たいじや たいじや』 は取つてつけた感がなくもない

堺直之の抑制のきいた演技噛みつぶしたやうな表情所作
大躯の仲間駒の体当たりどちらも好印象
特に大八木直之の迎合のない真つ直ぐな演技は
いまどきの子役にめずらしく素晴らしい
おばばさま草笛 信之中村雅俊 常松坂 与三八西村雅彦 みんな良い

顔の極度のアップ 硬さとぎこちなさ感じさせる武家所作も見ず
成瀬作品に通ずる自然な雰囲気を感じさせる
ただ大きなヌボッーとした髷は野暮つたく生活感がない
一体に今のかつらはどうしてあんな大きく長い「一(いち)」をするのか
老若男女みな同じなのはどうしてか リアルさに欠け時代の雰囲気が壊れる
溝口作品をよく見よ
なおタイトルは「武士の・・・」より 『武家の家計簿』 がより相応しいと思ふが如何

Vistaの画面は相変わらず粗くモザイクが気になる 輪郭のやわらかさがない
シネスコ・フィルムが懐かしい

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