上原正稔日記

ドキュメンタリー作家の上原正稔(しょうねん)が綴る日記です。
この日記はドキュメンタリーでフィクションではありません。

梵語の世界はハッサミヨーだ

2013-10-03 09:16:55 | ウチナー口の秘密

梵語の世界はハッサミヨー、アキヨーナーだ

 草(クサ)のことをサンスクリットでクシャ(kuśa)、パーリ語でクサ(kusa)と言う。母のことをサンスクリットでアムバー(ambā)、パーリ語でアムマー(ammā)と言う。

 今でも東インドで使われているタミール語でもアンマーと使われていることは先に述べた。仏教の生まれた北西インドから中国を伝わってきたのが大乗仏教で、南東インド、セイロン、東南アジアを通って伝わったのが小乗仏教で、サンスクリットは大乗仏教系、パーリ語は小乗仏教系だと大雑把に理解しておこう。上に述べたように、琉球列島には大乗仏教と小乗仏教の言葉が入り混じっているから語源を探るのは難しい。難しいからこそある言葉の語源を探り当てた時の喜びは大きい。

 琉球の地名、人名、行事などは全て梵語だと言っても大袈裟ではない。袈裟も語源はカーサ(khāsa)でサンスクリット梵語であることは仏教を学んだ人は知っていることだ。

 しかし、誰も知らないことを発見するのが真の発見だ。大きな声では言えないが、これが筆者の喜びであり、発見の原動力となっている。ぼくらはオカシなことに出くわすとハッサとかハッサミヨー、あるいはアキヨーナーと「呆れた」という意味の驚嘆の声を出す。これも実はサンスクリットなのだ。ハーサ(hāsa)は「笑い」を意味し、ハーサマヤ(hāsasamaya ハーササマヤの変化したもの)は「おかしな話」「笑い三昧(サンマイ)」を意味するのだ。三昧の語源はサンスクリットのサマヤ(samaya)だ。アキヨーナーの語源はアキャーナ(ākyāna)で同じく「笑い話」を意味する。君とぼくの二人だけのこの秘密を君の友人に教えてやると、その友人はハッサミヨーあるいはアキヨーナーと言うに違いない。アキサミヨーもサンスクリットであることは疑いないが、もう少し、詰めの研究が残されている


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