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ある牧師から

ハンドルネームは「司祭」です。

2022年4月6日入学式 「山を下りるために山に登る」 マルコによる福音書9:2~10  農村伝道神学校校長 平良愛香

2022年08月16日 | キリスト教全般

山上の変容(変貌)と呼ばれる記述では、イエスと共に二名の弟子たちが山に登り、そこでイエスがモーセとエリヤに挟まれて光り輝くのを目撃する。イエスと共に山に登るメンバーに選ばれ、さらにこの不思議な体験をした二人の弟子たちは、嬉しくてたまらなかっただろう。「自分といつも一緒にいるイエス様が、実はすごい人だったんだ!モーセ様やエリヤ様と知り合いだったんだ!」と分かると、何となく自分までモーセやエリヤと親しい関係になったように感じ有頂天になってしまう。ペトロが「ここに仮小屋を三つ建てましょう」と言い出したのは、自分にもできることをしたい、役に立ちたい、という純粋な思いがあっただけではなく、もしかしたらイエスとモーセとエリヤに「気が利く奴だ」とほめられたかったのかもしれない。あるいは自分の業績を残したかつたのかもしれない。でも一番言えるのは、弟子たちは、この栄光、イエスの輝きを少しでも長くとどめておきたい、できれば永遠にとどめておきたい、と思ったのではないだろうか。そして自分たちも願わくはここに留まりたいと願った。しかしその栄光は続かず、気づけばいつもの通りのみすぼらしい姿のイエスがいるだけだった。

この出来事から私はいつも考えてしまう。

神がいるのは、果たして山の上なのだろうか。山の上は神に近い場所なのだろうか。イエスは山上に留まろうとはしなかった。弟子たちは、この場所こそが神の子、救い主に相応しい場所であり、山を下りて欲しくないと考えたのだろう。しかしイエスは躊躇なく下山する。弟子たちは後ろ髪をひかれつつ、イエスと共に谷へ下っていく。下りきったところにある地は、山上とは全く逆の場所。山の上がある意味、神のいる場所、光り輝く場所、あらゆる悩みから解放された場所だとすれば、地上は暗闇、病と死、苦しみ、悩み、争い、恐れに満ちた場所。下山したイエスを待っているのは、イエスの敵対者たちや苦しみにあえぐ人々。天から地に降りたイエスの生涯はまさに下り続ける生涯だった。神の住まいではないと思われたところに行き、人々の傷ついたいのちを回復させる道を選んだイエス。

神は確かに「天におられる」のかもしれない。でもそれは地上から遠く離れているという意味ではないはず。大阪の釜ケ崎で日雇い労働者と共に生きるカトリックの本田哲郎神父は、主の祈りをこう祈っている。「はるか遠くではなく、すべてのものを内に包み込む「天」におられる神よ、あなたは前からも後ろからも私を囲み、御手を私の上に置いてくださいます。」

地上を含めてすべてを覆いつくす天であり、そして私たちの足元であるこの地上に神がいる、ということ。イエスは高い所に留まることを選ばず、あえて地上に下りてきた、ということ。

ウクライナが、ミヤンマーが、パレスチナが、アフガニスタンが、香港が、沖縄が、世界中が呻いている今日、神のいのちと恵みを預かつているわたしたちは、どのように生きているだろうか。天の神を仰ぐ、ということを口実にして、被造物のうめきと、隣人の声にならない叫びに無関心になり、務めを放棄してはいないだろうか。

キリスト者として生きるというのは、ただ神を信じ、イエスを救い主として信じてめでたしめでたしではなく、その神が私たちに告げた「この地で生きる」といぅことであり、地で生きるいのちを支えるということ。それをイエスは示し続け、そのために山から下りてきたということ。そこに心を止めたい。

神学校に入学されたYさん、そして在校生のTさん、Iさん、Yさん、Fさん、Gさん。皆さんは山に登って来た。バス通りからは確実に気温が1度は違う。

でもここは、神がいる楽園ではない。もし居心地が良かったら、ちょっと危険。(もちろん校長としては、なるべく居心地のいい環境にしたいなあとは思っているけど)。でも皆さんが山に登って来たのは、ここにしか神がいないからではなく、むしろ学んだあと、山のふもと、地上にいる人びとや被造物の呻きに寄り添うため神がそこにこそ働かれている、ということを学ぶため。もしかしたらこの山の上で「ここには神はいない!」とすら感じることもあるかもしれない。信仰がゆらいだり、薄れたり、あるいは見失ったりすることもあるかもしれない。それでいい。神はあなたの信仰を固く強くするためではなく、「そのままのあなたを用いるから、しっかり学んだら下りておいで。待っているよ、共に働こう」と言っておられる。
 
何をなすべきか。イエスが山の上から地に降りてきたように、そのイエスが示す生き方を私も共に聞いていきたい。(農村伝道神学校学報より)

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世界福音同盟(WEA)の報告

2022年06月23日 | キリスト教全般

元記事リンク

WEA and Communion of Churches in Korea Meet to Discuss Closer Collaboration for Mission, Dedicate New WEA Office
June 8, 2022

For the past two days, World Evangelical Alliance (WEA) Secretary General Bishop Dr. Thomas Schirrmacher met with representatives of the Communion of Churches in Korea (CCIK), WEA’s national member body in Korea, to discuss closer cooperation between the Korean Church and the global body of evangelicals. They also dedicated a new office building for the WEA at the Evangelical Center in Dover, NY, giving it the name “Philadelphia House” to highlight the importance of brotherly love among believers in Jesus Christ.


The Korean delegation together with the WEA Secretary General and WEA staff, and leaders of partnering organizations in front of Philadelphia House. (Photo © EP, WEA)

Rev. Joseph Kim, First President of CCIK, current CCIK President Rev. Taeseop Song and CCIK General Secretary Rev. Kwisoo Choi led a delegation of denominational leaders on a trip to several cities in the United States, culminating in the two-day meeting with the WEA head in upstate New York. Schirrmacher and the CCIK leadership affirmed the mutual desire to strengthen the relationship between the churches in Korea and the global evangelical family by increasing the participation of Korean leaders in all aspects of the work of the WEA.
“The Korean Church is well known as having contributed immensely to global mission over the past decades. They have led prayer movements, sent out missionaries to every region of the world and there are many countries that have sizeable churches among the Korean diasporas. As the WEA, we are very pleased to have CCIK as our national member body that seeks to fulfill the same purpose that the WEA was founded for in 1846: to unite evangelicals across different denominations for prayer, sharing the gospel, standing up for religious freedom for all, and responding to the needs in society,” Schirrmacher said.
“We are looking forward to working together more closely than ever with our brothers and sisters in Christ in Korea. Their contribution to the work of the WEA will be invaluable,” he added.

Bp. Dr. Schirrmacher meets with CCIK representatives Rev. Kim and Rev. Song. (Photo © EP for WEA)

The visit of the Korean leaders coincided with the dedication of Philadelphia House with a service and ribbon cutting ceremony on Monday. Preaching about the letter to the church in Philadelphia in Revelation 3:7-10, Schirrmacher spoke about the importance of believing in Jesus Christ and revealing one’s faith in the deeds of everyday life that follow God’s Word. The WEA has always stood on the foundation of the conviction that these two are inseparable for every believer’s life.
Referencing Revelation 12:17, he also said that living out faith in Jesus Christ will inevitably lead to persecution in many places. Persecution often follows from obeying commandments, which is also mentioned first in this verse. But even in countries where believers are not being persecuted outright, they experience the pain of persecution because their hearts ache for the brothers and sisters in Christ who are suffering for their faith in other countries. This then is the real expression of philadelphia, which should be a guiding principle of the work of the WEA.



フィラデルフィアハウスの前でテープカットを行う人たち。 左から右に

マリアン・Rebro師(ドーバー・グリーンズ会長)、マーク・スピサク師(世界オリヴェット総会事務局長)、ダビデ張師(オリヴェット大学創立者)、ソン・テソプ師(CCIK会長)、トーマス・シュルマハー師(WEA事務局長)、ティモシー・Goropevsek師(WEA Communications責任者)、レベッカ・Goropevsek師(WEA Children’s Networkコーディネーター)、ジョアンナ・Bartovic師(CPA財務部長) 
(Photo © EP for WEA)

The new office building is based at the Evangelical Center, a 3,300-acre land belonging to World Olivet Assembly and Olivet University located about 70 miles north of New York City. It was inaugurated in 2016 and has since provided space for WEA offices, meetings and trainings.

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アドベントクランツ

2021年12月23日 | キリスト教全般

アドベント最終の週は、ろうそくに4つの灯がともります。

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【インタビュー】アリスター・E・マクグラスが語る「神学に興奮すべき理由」

2021年10月15日 | キリスト教全般

世界的に著名な神学者で、邦訳書も多数出版されているアリスター・E・マクグラス氏がこのほど、新著『遠い国からの帰還』(原題:Return from a Distant Country)を出版した。キリスト教の家庭に生まれながらも、若い頃にマルクス主義に傾倒し無神論者となった自身が、そうした「遠い国」からどのようにしてキリスト教信仰に立ち戻ったのかを記している。

以下はリンクで
https://www.christiantoday.co.jp/articles/30077/20211014/alister-e-mcgrath-interview.htm

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ウェールズ聖公会、同性カップルの「祝福」認める決定 教会での同性婚は依然認めず

2021年10月11日 | キリスト教全般



英国のウェールズ聖公会は、同性カップルのシビル・パートナーシップや結婚登記所での結婚を、聖職者が「祝福」することを認める議案を可決した。一方、教会で同性カップルのために法的効力のある結婚式を行うことは依然として認めない。

以下はリンクで
https://www.christiantoday.co.jp/articles/30058/20211011/church-in-wales-blessings-for-same-sex-marriages.htm

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