ユビキタスな昼とそうでもない夜

ユビキタス・コンピューティングな話題とそうでもない話題

NHKスペシャル、「極小コンピュータ 技術者たちの攻防」放送

2005年08月28日 | ユビキタス関係
NHKスペシャルにて、8月24日に『日本の群像 再起への20年』の第4回として『極小コンピュータ 技術者たちの攻防』が放送.

ICタグの世界標準をめぐる日米の攻防を、NHKスペシャルらしく一面的かつドラマ仕立てに描いている.関係者から見ればそんな単純な話しではない、と言いたいところだろうが、一般向けとしてはそこそこの出来であろう.

ただ気になるのは予告などでは、坂村健東大教授がトップに出ていたので、氏が推進するユビキタスIDセンター VS EPCグローバルという話しを期待したのだが、実は経済産業省のHIBIKI(響)プロジェクトの話しであった.
おまけ程度に国交省の自律移動支援プロジェクトと、いつものトロンが米国の圧力に負けた話しがあったが、坂村教授は客寄せの看板であったようである.

再放送は、8月31日(水)午前0:15~1:07(30日の深夜)

総務省、RFID機器などの医用機器への影響を調査

2005年08月26日 | 非ユビキタス
総務省は8月11日に、RFID機器(据置きタイプ及びモジュールタイプ)から発射される電波が植込み型医用機器へ及ぼす影響について、調査結果を発表
平成15年度に確認したハンディタイプのRFID機器と同様に、22cm程度以上離せば影響が避けられることを確認.

また、CDMA2000 1x方式、CDMA2000 1xEV-DO方式の携帯電話(国内ではauの携帯電話が該当)の影響も調査.従来通り「医療機器と携帯電話は22cm以上離す」との指針が妥当であることを確認.
ちなみに、携帯電話が実際に影響が出た距離は、800MHz帯で8cm、2GHz帯で1cm.実使用より厳しい条件での試験であり、安全性が確認できたとも言えるのでは.

KDDI研究所、携帯向け新アルゴリズムを採用した顔認証システム

2005年08月24日 | ユビキタス関係
KDDI研究所は、携帯端末で撮影した画像を利用して、本人確認が行なえるシステムを開発(ケータイWatch).

このシステムは、YRPユビキタスネットワーキング研究所の携帯端末「ユビキタスコミュニケータ」上で動作しており、将来的には携帯電話への実装を想定している.

KDDI研究所がT-Engineではなくユビキタスコミュニケータを使って開発を行っていることに注目して、取り上げてみた.

富士通、次世代インターネット実証実験を実施

2005年08月23日 | 非ユビキタス
富士通と富士通研究所は、ネットワーク接続の簡略化を目指す次世代インターネット技術を開発、8月19日から21日の3日間、志摩スペイン村で実証実験を実施(発表).

実証実験は、この技術を用いたQRコードを使った迷子通知サービス.
子供にQRコードが印刷されたタグが渡される.保護者は携帯電話でQRコード中の管理サーバーのメールアドレスを読み取り、メールを送って登録する.迷子のタグのQRコードを読み取ると、管理サーバーを経由して保護者にメールが送られる。

どの辺りが新技術かというと、『QRコードなどの非電子媒体に、インターネットに直接送信可能なパルス信号、IPパケット(IPv4およびIPv6)、IPアドレス、IDなどを直接記述し、これらを読み取るだけでインターネットに情報を送信する』ということらしい。

次世代インターネット技術は言い過ぎではないだろうか?

組込みLinuxについて

2005年08月18日 | 非ユビキタス
昨日、組込みLinuxと携帯電話の話しを少し書いたが、日経Linux誌9月号にLinuxを使用した携帯電話P901iの記事があったので一部引用する.

日経Linux 2005年9月号 171頁より(太字は引用者)
『P901iを使った印象は「遅い」。起動に15秒かかる。(一部省略)
一番ひどいのは、電話をかける際に数字ボタンを押してから通話画面に切り替わるのに、ツーテンポくらいかかること』

これを読んで、Linuxでも頑張ったと見るか、やはりLinuxと見るか.
念のため書けば、Linuxが悪いと言っているのではなく、用途が違うのでは、ということ。もちろん頑張ればなんとかなるかも知れないが、決して楽な道ではないだろう.

なおこの記事は、Linuxの開発のしやすさを生かして早期の改善に期待したいと結んでいるが、Linuxが開発しやすいのはアプリケーションであって、このようなシステムの速度の改善は別問題であると思う.

PalmSourceとMontaVista、携帯電話用Linuxで提携

2005年08月17日 | 非ユビキタス
PalmSourceは8月9日、自社のOSをLinuxカーネルに移行させるにあたり、MontaVista Softwareとの提携を発表(ITmedis).

PalmSourceが携帯電話とLinuxにシフトしようとしてたのは既報なので目新しい話しではないのだが、最近は組込みLinuxではなく携帯Linuxなのか、という点で取り上げた.

Linuxブームに便乗して、組込みLinuxが流行ったのはしばらく前だが、製品として形になったのはネットワーク機器を除くと、ビデオレコーダ、そして携帯電話くらいではないだろうか?もともと組込み機器と言ってもPCに近い、もしくはPCそのものな製品以外は対応は困難であろうと思ったが、携帯電話はその中では例外と言える。ただし、かけた費用も他とは違ったのではないだろうか?少なくともLinuxにしたら開発が楽になったと言う事は無いように思えるが、真相は如何に?

オペラ、ローエンド端末用Webブラウザ「Opera Mini」をリリース

2005年08月13日 | 非ユビキタス
Opera Softwareは8月10日、ローエンド携帯でも利用可能なWebブラウザ「Opera Mini」を発表.J2ME(Java 2 Mobile Edition)に対応するすべての携帯電話で動作(CNET Japan).

先行するjigブラウザ等と同様に、サーバー側でページのレンダリング処理を行う方式.非力な携帯電話でフルブラウザを動かすには最適な解か.
Webブラウザに限らず、メインの処理はみなサーバーが行い、携帯端末はユーザインタフェースに徹するのも一つの方向かと.早く太い通信が常時確立できるのであれば、情報を端末側に持たせる必要性は少ないはず.

NTTドコモなど、裏原宿で「おサイフケータイ」情報サービスを開始

2005年08月08日 | ユビキタス関係
URAHARA.ORG、テックファーム、NTTドコモは、8月8日より東京渋谷区の裏原宿で「おサイフケータイ」を使った情報サービスを開始(発表).

店頭のFeliCa対応リーダー/ライターに携帯電話をかざすと情報が取得される。参加店舗は当初153店、9月までに約300店舗を目標とする.

携帯電話をかざして情報を取得するサービスは、先日紹介した電波ポスターと同様だが、電波ポスターはFeliCaの読み取りだけでカードにも対応したシンプルなものだったのに対し、こちらは携帯端末側でJavaアプリを動かしFeliCaへの書き込みで情報を渡している模様.ネットワークへのアクセスは携帯端末側で行っているので、店頭側の端末はシンプルになるかと思われる.

何にしても、携帯端末をかざして情報を取得するスタイルは急速に普及してきたようだ.

国交省など、岐阜で「電波ポスター」「おさいふケータイ」を使った実証実験

2005年08月05日 | ユビキタス関係
国土交通省、岐阜県、岐阜市は、8月4日から10月31日まで「ITを活用したまちづくり実証実験」を実施.
岐阜市内の各所に「電波ポスター」を設置、携帯電話やEdyカードを使って情報の取得ができる.

「電波ポスター」は、大日本印刷が発表したばかりのFeliCa対応端末『PiPorta(ピーポルタ)』
ポスター端末側にICカードリーダを搭載し、FeliCaカードやFeliCa機能付き携帯電話を読み取り、携帯電話にメールで情報を送る.

つまりは「おさいふケータイ」を電波ポスターかざすと情報の取得ができる.今まで国交省が実証実験を行っていた、ICタグを携帯端末で読み取る情報システムと逆の原理.方針転換か?(実行委員会に坂村教授やユビキタスネットワーク研究所の名は無い)
メリットは特別な携帯端末を持たなくても携帯電話がそのまま使用できること、デメリットはポスター側がICタグやQRコードに比べて高額になる、といったところか.

国交省、『ユビキタス万博』実証実験を開始

2005年08月02日 | ユビキタス関係
国土交通省は、8月1日より、『愛・地球博ユビキタス観光ガイド実証実験』を開始(発表).

「外国人観光客の増大等を目的として、ユビキタス・ネットワーク技術を活用した観光情報提供のための調査検討」という事で、春に浅草で行った実証実験の第二弾ということらしい。協力はおなじみ坂村健東大教授.FAXかWebから申し込みすれば、無料で参加可能.

それにしても「ユビキタス万博」と堂々と言えるのは、さすが日本にユビキタスを広めた坂村教授ならではか.