上田ゆう子のあやせブログ

日々のでき事への私の思いをお伝えしながら、
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「困った子」から「困っている子」へ-問題行動のとらえ方

2006年08月01日 | 綾瀬っていいな
「問題行動や心の問題を持つ子どもと家族についての理解と援助」と題する、村尾泰弘先生(立正大学教授)の講演をお聞きしました。綾瀬市教育研究所の、小・中学校の先生向け夏季研修講座に混ぜていただいたのです。
少年非行は凶悪化していると言われるが統計上はそうではない。むしろ「凶悪化」とくくってしまうことで流されてしまい、ほんとうの問題点が見えにくくなってしまう。
「いきなり型」と言われるような、思わぬ子どもの突然の非行が起きるのは、「コミュニケーションがとれない」というところからきている。これは、厳罰化で解決できることではなく、コミュニケーションの力をつけてやるなどの対応をしていくことが大切、とのユーモアをまじえたお話に、なるほどと思わせられることがたくさんありました。
そして、カウンセラーとして子どもたちや、その家族とどのように関わっているか。その知恵を、学校の先生方にもちょっと取り入れてもらえると、子どもたちとの関わり方がかわり、親たちとも手をつないで対応していけると、具体的な方法を示唆してくださいました。
問題行動をする子を「困った子」ととらえるとき、主体は親、教師、地域にある。同じ子どもを「困っている子」ととらえるとき、主体は子ども自身になる。「困っているから困ったことをするんだ」ととらえれば、どこでつまずいて困っているのかを探して、そこに具体的に対応してやることができる、との視点は、ほんとうに温かいものでした。
他市の学校で問題行動のある子を排除する現実があると知るたび、綾瀬の学校ではそのようなことがなくありがたいなあと感じてきましたが、きょうの村尾先生のお話を活かしてくださる先生が、もっともっと増えてくださるといいなあと思いました。