石橋幸緒のごきげんグラシアス!

日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属
正統派??将棋女流プロ棋士が勝手に発信する気まぐれブログ

レディースオープン決勝三番勝負第1局清水女流三冠戦。

2005-11-22 | しょうぶ&はたらく

朝、特別対局室に入った時からなんだかワクワクしてきて、下座で思わずニヤニヤしてしまっていました。 誰かに気づかれんかったかな?
久々の師弟戦は某竜王を押しのけて嬉しい特対(特別対局室の略)。女流棋士は決勝などでしかめったに使わせてもらえない特対はやっぱりやる気がでます

そんな楽しみにしていた対局は振り駒の結果、先手。
TAISENでリアルタイム中継があり、観戦して下さった方々ありがとうございました。(第2局も同様の中継がありますのでまたぜひご覧ください)
そして週刊将棋誌上にて大きく扱ってくださいますので、感想や変化手順など詳細はそちらで見て頂くことで、今回は流れをサラッと振り返ります。
本局の観戦記はさっそく来週号に掲載のようです。

▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△5四歩の出だしから▲8八飛で向かい飛車に。淡々と組合いかと思っていたら急に仕掛けられました。
△6五歩と突っかけられたこの局面で手は決まっていましたが、本格的な戦いは午後にしたかったので昼食休憩にしました。
               
というのも昨日は第31回「将棋の日」感謝状表彰状贈呈式が連盟2階で行われたため、それに出席する都合上、いつもは12:10~13:00の昼食休憩が特別に11:25~13:00となったのです。11:30から式典に出席。

女流棋戦スポンサー様からは女流王将戦タイトル戦対局地でお馴染みの都城市様、その対局場を提供してくださる霧島酒造社長の江夏順行様、第10回までになるまで鹿島杯を発展させてくださった東京メトロポリタンテレビジョン様と株式会社カジマビジョン様の方々が表彰を受けました。おめでとうございます、そして今後ともよろしくお願い致します
あたしが書くまでもないですが、渡辺竜王の八段授与や高野悟志さんが指導棋士四段を取られてまたその人なつこい笑顔を見せてくれたこと、あたしが生まれた年の55年組の先生方の勤続25年表彰など、たくさんの方がいらっしゃいましたが、やはり一番の注目は瀬川新四段への免状授与。
すでにNHKや新聞等でその模様をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、とにかくマスコミのカメラの台数がハンパ無かった あまりの多さに米長会長が御免状を読み上げてる姿がまったく見えなかったとです 合格証書ではありませんがやっぱり四段免状をもらうと世間的にもより実感が湧くでしょうね。
(プロ棋士による「プロ試験制度検討委員会」が<プロ編入試験制度のアンケート>を行っているようです。たくさんのご協力をよろしくお願いいたしますm(_ _)m)

あまりの人の多さに式典が終わると同時に(12:15)連盟を飛び出してドトールへ。コーヒー飲んで寒い外を歩くと少しはしゃっきりします。


午後再開してから優勢になったのですが、図の局面で中途半端な事をしていましました。
               
▲85歩とじっと飛車先を伸ばしてと金作りや▲95角成を見れば優勢を維持できたのですが、なにしろ指したい手が山のようにあって迷ってしまいました
本譜は▲7七桂△3三銀▲4五歩△5六成桂▲6五桂△4二銀右で後手陣も堅固にまとまってしまい混戦への序曲に。
しかもこのあと△6六成桂~△6五成桂でせっかく跳ねた桂をタダ取られてしまったもんだからヒドス 自分でも「これじゃあ悪魔の跳躍だぁ~~~」と思っていたのですが、局後酷評メンバーからは「アホだバカだ頭おかしい」としっちゃかめっちゃか言われました 言い返したいところですがその通りなので言葉がありません。
そんな風でいつの間にか必敗に陥りましたが、中継もあることだしもうちょっと粘ってみようと思い、歯を食いしばって耐えることに
               
いくら頑張っても後手玉が固すぎていっこうに光は見えないのですが、ヤケで打ったこの▲9六角が意外にも最善だったようです。とりあえず△87金と△85飛の2つを消しています。戻ってこの直前で後手には決め手があったようです。
以降も苦しい戦いは続きましたが、途中で▲7四角と飛び出した手が最終盤になって運よく攻防に利いてきて奇跡的に拾うことができました。

いい将棋とはほど遠い内容でしたが、力だけはこもった大変な将棋でした。
苦しい局面が長かったにも関わらず、何年かぶりに心から楽しんで指せた一局だったので生涯忘れないでしょうね いつもこんな気持ちで楽しく指せたらいいのですけど。(こんな局面が苦しいのはイヤですよっ
今はこの精神状態が少しでも長く持ち続けられるように祈ってます
第2局も自分らしく楽しめるといいナ。

局後はあきら竜王・村・ドベ君・mt氏・ぱせり氏・りょうちん・おうなあ・大型台風の大団体で、いわゆる「いつものメンバー」と「いつものユーハイム」で食事して帰りました。