からくの一人遊び

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KAN『ポップミュージック』 Short Version

2020-11-02 | 音楽
KAN『ポップミュージック』 Short Version



pikapikahikaru pv   anam&maki



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ブラバン


津原泰水
1964(昭和39)年、広島市に生まれる。広島観音高等学校在学中は、吹奏楽部に在籍。青山学院大学を卒業後、少女小説家“津原やすみ"として活動。1997(平成9)年に現名義で『妖都』を上梓。以降、幅広いジャンルにわたる執筆を続ける。2006年に発表した『ブラバン』はベストセラーに。2012年『11 eleven』が第2回Twitter文学賞国内部門第1位に選出される。2014年、「五色の舟」が「SFマガジン」「オールタイム・ベストSF」国内短編部門で1位となる。同作は近藤ようこ氏により漫画化され、第18回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞を受賞。他、『蘆屋家の崩壊』『ピカルディの薔薇』『猫ノ眼時計』からなる〈幽明志怪〉三部作、〈ルピナス探偵団〉〈たまさか人形堂〉シリーズ、『綺譚集』『赤い竪琴』『バレエ・メカニック』『琉璃玉の耳輪』『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』『ヒッキーヒッキーシェイク』など著書多数。

〇1980年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。忘れられない男女がそこにいた。高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、いつしか四半世紀が経過していた―。ある日、再結成の話が持ち上がる。かつての仲間たちから、何人が集まってくれるのだろうか。ほろ苦く温かく奏でられる、永遠の青春組曲。


〇レビュー

メンバーの披露宴のために再結成しようとする40代元ブラバンメンバー達の群像劇。
群像劇とあるように、登場人物が非常に多い。そのため何度も読み返すことがあり、読み終わるのに結構な時間がかかる小説であった。ただ、メンバーたちの現在と高校時代の対比、過去と現在が行き来するのであるがそれぞれ二十数年経っていてその変わりようが、辿ってきた人生というものを感じさせてとても興味深く読めた。
「青春物語」として読まない方がいいと思う。上記のように人生を感じさせる小説であるので、爽やかさとは縁遠いので。個人的には顧問の先生の現在の変わりようと、主人公が父親に欲しかったベースを買ってもらうくだり、全体的にあまり感傷には浸らずに淡々と語っているところに好感が持てた。
まるで音楽が響いてくるような小説でもあった。いろいろな楽器が出てくるので、吹奏楽の知識が少しでもあればもっと楽しめたかもしれないが、私はそれよりも「この場面にはこういう音楽がいいかな」なんて想像しながら読んだのでそこはあまり気にならなかった。
先程書いたようにこれは青春小説ではない。敢えて言うならばむしろとても苦い苦いビターチョコを齧ったときのような感情が沸き上がる「中年小説」なのではないだろうか・・・。
コメント
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