伝えるネットねこレポート

「水俣」を子どもたちに伝えるネットワークのブログ。
首都圏窓口の田嶋いづみ(相模原市在住)が担当してます。

ブログ再開にあたって~出前活動にひとつの区切り

2019-02-14 14:37:40 | 会員レポート
1年ぶりにブログをアップいたします。
ブログは再開しましたが、会報「ネット・インフォメーション」の次号発行はまだペンディングです。
(これからは、広告が割り込んでこない頻度で継続アップしたいと思ってます。)

で、本来なら、会報でお知らせすべきでしょうが、こちらでお知らせすることになりました。



出前活動に区切りを迎えます


「伝えるネット」の活動繁多期は、(文部省指導要領の変更により動きはありましたが)毎年2月から3月にかけて。対象は、社会科環境問題のなかで公害に触れる小学校5年生です。
2000年4月30日に設立総会を持ってから、多い年度で20校以上、少ない年度で10校前後を訪ねてきました。ま、20年間、およそ2万5千人から3万人近くの子どもたちに「水俣」を伝える出前活動をしてきました。

そして、平成を終える今年3月をもって、わたしは“子どもたちに伝える”活動に区切りをつけさせていただくことになりました。

理由は、片耳難聴となって子どもたちの声が聞こえなくなったこと。
年月の経過とともに、いわば、お母さんが伝える「水俣」からおばあさんが伝える「水俣」となったことです。


子どもたちのつぶやきに支えられて出前活動

もともと、「子どもたち」に伝える活動は、子どもたちの身近に「水俣」を持ち込む活動でした。
だから、子どもたちの間に入って、ポロリとこぼすつぶやきを拾い、むしろ、その言葉を手がかりに語りかけ、お母さんが語りかけるような近さで、伝えることを大切にしてきました。

それが、挙手して大きな声で語りかけてもらえなければ、子どもたちが何を言っているか聞こえなくなりました。
白髪のおばあさんの語りは、子どもたちに遠いのは当然です。

2017年7月25日に突発性難聴を発症。幸いに聞こえは多少戻りはしましたが補聴器に頼るようになりました。
何度も「たかが片耳」と思い、お耳の不自由な友人たちの顔を思い浮かべて、「たかが」と思い直そうとしました。水俣病の症状に苦しんでいる方に不遜な思いの馳せ方もしてみましたが、中途失聴の困難がみえるのでした。
片耳難聴になって1年がんばってみましたが、それは、子どもたちの声が聞こえなくなったことを認める時間となりました。 
今までの伝え方では、「子どもたちに伝える」という活動が担えなくなったと自覚するものです。


子どもたちの間には入っていけませんが、高校生や大学、市民大学など一般の方には伝えられるかもしれません。
そうした活動を視野に入れつつ、「子どもたちに」という看板の中に入っている活動は区切りを付けさせていただきます。
もちろん、子どもたちの間に入っていって、より身近に伝えられる気持ちのある方の登場を切望するとともに、どのような援助も惜しまずにまいります。


水俣病が降りられないように 終わりなき活動に

これは、わたし、田嶋の活動についての話であって、「伝えるネット」が解散する、ということではありません。

「伝えるネット」の規約をつくるとき、「この規約では日本国民全てが会員」だと冗談まじりに言ったことがあります。
その通り、水俣病患者が患者をやめることができないように、「伝えるネット」をやめることはできません。
この国、この時代に生きていく限り、わたしたちは「水俣」から離れることはないと再認識するものです。

「伝えるネット」がある以上、会員のみなさまには、「伝えるネット」の名前での呼びかけができます。
それぞれ、発言や呼びかけを行うとき、「伝えるネット」の名前が必要になることもあるでしょう。
その名前が有効である限り、所属や肩書きとして、柔軟に使用していけたらいいと思います。

「死ぬまで代表で名前を使えばいい」と言ってくれた仲間もいます。
それも、ひとつの選択かもしれないと思いますが、さすがに、そうでしかない、とも思えません。現在において、そうなっているだけであって、みなさんの柔軟な提案のなかで変化していくのを是としています。
また、わたしの活動の区切りに伴い、写真ほか伝えるネットの果実の使い道も考えていくことになります。

「終わりなき活動」を考えるなら、まだまだ、したいこと、しなければならないことも見える気がします。


今後予定されている出前活動

ちなみに3月までの出前活動については、以下のように予定されています。

2月19日(火)3,4時限 相模女子大学小学部5年生64名 「つなぐ手・社会」の時間
2月22日(金)3,4時限 相模原市立相武台小学校5年生68名 
2月25日(月)3,4時限と5,6時限 相模原市立清新小学校5年生165名
3月1日(金)3,4時限 座間市立相模が丘小学校5年生108名
3月中旬  日程は決まっておりませんが、相模原市立南大野小学校


振り返ってみれば、子どもたちに伝える側だと思ってきたものが、実は、道案内をしてくれていたのは、子どもたちの方でした。
子どもたちの持つ率直な感受性、本質的な直観力に支えられて、「水俣」に学ぶ体験をもらっていたのは、わたしの側だったと思います。
まだまだ、伝える活動でもらったフィードバックを思索し得ていない、と感じています。
たぶん、20年間の出前活動を総括して、時代に還していくことが緊急に求められていそうです。

区切りを迎える出前活動のお手伝い、参観をしてくださる方、ご連絡ください。

「水俣」を子どもたちに伝えて20年間、出会った2万5千人以上の子どもたち、支えてきてくださったみなさまに深く感謝するものです。











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