おとなりの市にある、すぐ近くの小学校へ
~ 準備も後片付けも子どもたちが中心に ~
~ 準備も後片付けも子どもたちが中心に ~
2011年3月3日3,4時限
座間市立相模が丘小学校5年生3クラス
4F 視聴覚室にて
座間市立相模が丘小学校5年生3クラス
4F 視聴覚室にて

出前授業の始まり、子どもたちに何も話をしていない段階で、まず、写真を見てもらいます。始まりだけに、その後の時間配分に気を取られて、写真を見てもらう時間をせかしてしまっていないか、ハッとしました。子どもたちがじっくり、じっくり、写真を見てくれていたからです。
出前を要請してくれた安池先生と、「せっかく、子どもたちがじっくり写真を見てくれているのだから。せかすのは止めましょうね」と頷き合って、この日の出前がはじまりました。

じっくり写真を一覧している子どもたちでした
その安池先生、子どもたちがそろそろ写真を一巡しようかという頃、私たちに近づいてきて、こっそりおっしゃいました。
「私は、子どもたちに間違いを伝えていました。水俣病“を”学ぶ、と、言っていました。“を”じゃなくて “に”でしたね。みんなには訂正しきれなかったのですが、進行をする子どもたちには、“に”とするように言っておきました。そうですよね、“に”ですよね」、と。
“を”と “に”を使い分ける先生のもとで、“を”と “に”を聞き分ける子どもたちを前に、私自身がとてもこころが落ち着いていくのを感じました。言葉を大切にして伝えよう、そう思って話し始めることができたからです。

3クラスのそれぞれから二人、みんなで6人の進行役の子どもたちが前に出てきて、私たちの紹介をしてくれて、その日の話しかけが始まりました。
相模が丘小学校への出前は、去年にひきつづき2年目。そういえば、去年もそうだったよなぁ、と思い出しました。
去年、相模が丘小学校にうかがったことは、私たちのなかでも、ひときわ印象に残っていました。私たちは、記録と報告のために出前のときに写真を撮っています。出前活動の報告を整理しているときに、相模が丘小学校の写真がなんだか違うように感じたからです。
写真に熱気がある・・・そう、思えたからです。撮影した人の腕の違いだろうか、と、初めに思い、すぐに写っている子どもたちの熱気がちがったことに気づきました。いつもの、同じ仲間が写真を撮っていて、改めて、このときの、子どもたちの熱気と集中力を思い出したからです。
同じような写真なのに、子どもたちの背中を撮っているのに、子どもたちの瞳が見える写真。
そんな写真を残してくれた相模が丘小学校が印象深かったわけです。

今年も去年と同じように、写真をはみ出すくらいの子どもたちの熱気を感じます。

子どもたちを背中から写しているのに、子どもたちの表情が見えます
相模が丘小学校の何がそんな子どもたちを育んでいるのでしょうか。
安池先生だけでなく、学校全体が、そんな子どもたちを支えているのを感じると、門外漢の私たちも「学校の可能性」を感じたり、考えたりします。

給食前の3,4時限の出前は、なかなかできないけれど、延長しないように努めています。お腹をすかせては、子どもたちがかわいそうですからね。
この日の子どもたちは、ちょっとの延長は気にならないかのように、進行役の子どもたちの采配にしたがって、締めくくりには感想をまとめて何人かが発表してくれました。
「もっともっと、水俣のことを調べて知りたいと思います」
「水俣病の患者さんたちはとてもつらい目にあっている。それでも前向きに生きようとしている。そのことを、私は継いで行きたいと思いました」
話を聴いてくれた直後に、こんなふうにしっかりと次々と発表してくれる子どもたちに、私たちも感動して涙が出そうになりました。
そして、授業が終わるやいなや、「どうしたらいいですか?」と訊ねてくれて子どもたちが後片付けをしてくれたのです。そのテキパキとしていたこと、感激!
それこそウワっと、片付けに取り組んでくれているあいま、進行役をしてくれた6人の子どもたちが私たちに近づいてきて「今日は、本当にありがとうございました」と声をそろえてくれました。授業の終わったあとまでお礼を伝えにきてくれて、その役割が形だけでないと知る思いで嬉しかったです。
そして、何より、4階にある視聴覚室までの写真パネルの運搬が子どもたちのおかげでクリアーできたのがありがたかったです。おかげさまで4階の窓からのぞく丹沢もさらにキレイに見えましたよ。
子どもたち、本当にありがとうね。
よい学びの時間でしたね
うるさいし、うちの車に何度もボールを当てられてます。
子供に直接、何度も注意していますが、まだやめません。
公園や学校で遊べばいいと思います、親にまで直接言うと角が立つので、学校から親、子供に注意をお願い致します。
うちには4ヶ月の赤ちゃんが居て、凄く迷惑してます。
公道は遊び場ではありません。
(管理があまく、返信がこのように遅れたことをお詫びします)
私たちは、いろいろなことに「水俣」の学びを照らすようになりました。
子どもたちに伝えるとき、それなりの、大人の向き合いを求められるので、考えるときの指針にさせていただいているのです。
水俣病患者の杉本栄子さんと、大村トミエさんがおっしゃっていたことがあります。
どんなことにも、まっすぐ向き合う大切さです。
とても迷惑されているのでしょう?
迷惑されているのは、わが子ですよね?
子どもを守るのに角がたつのを怖れるのは何故ですか?
何が、どう、角がたつのですか?
本当に、公道で遊んでいる子どもたちと向き合っていますか?
子どもたちに「水俣」を伝えることで、子どもたちから学んだことがあります。
子どもたちは、真意や正邪を、大人より素早く直感的に把握する者たちだということです。
また、ささいな課題が、とても大きな課題を孕んでいることもありますよ。