ロードバイクde通勤日誌

我慢しないで自転車通勤。

おやじ

2009-05-27 | Weblog
小さい頃から父親に似ていると言われてきた。
30才を過ぎ、頭髪が淋しくなってからは更に似てきたように思う。

独身で一人暮らししていた頃、仕事を終えて帰宅し部屋の中にフッと父親の匂いがした事がある。
当時暮らしていたマンションは親の持ち物で、両親が田舎から仕事で出て来た時など自由に出入りしていたので「あ、昼間に親父が来たんだな。」と思い、家に電話して確かめてみた。

「行っとらんよ。」

愕然とし即、気がついた。オヤジに成ったのだ。自分が父親と同じ匂いを発散していたのである。
別に嫌いな匂いではなかった。むしろ小さい頃から大好きな匂いだった様に思う。

もうすぐ6歳になる娘が、朝から私の枕に顔を押し付けて「おとうちゃんの匂いがする~。イイ匂い~」とウットリしている時がある。
カミサンの方を見るとイヤーな顔でしかめっ面。
もう少ししたら、「父さんの洗濯物と別に洗って!」なんて言い出すんだろうなぁ。
寂しい様な、でもそれでイイような。

何が書きたかったのか、解らなくなった。

無趣味だった親父が2ヶ月ほど前から「話し方教室」なるものに通い出した。
毎週月曜・夜の7時から2時間。街の中の何処かで。
夕方、天草から軽トラを運転して我が家にやってくる。
風呂に入って夕飯食ってタクシーを呼んでいそいそ教室に行くらしい。
9時過ぎに戻って来て軽トラに乗って天草へと帰って行くらしい。
別に泊って行けばいいのに、翌朝の店のカギ開けがあるから。と言って帰って行く。
「らしい。」というのは私がその時間は仕事しており、カミサンからの報告だから。

よく客商売していたなぁ、と思うほど人と話をするのが苦手で、田舎に帰省するとオシャベリな母親の隣で黙って笑っているだけの父親が、何を思って話し方教室なんかに行ってるのか不思議だった。
しかしカミサンの話だと教室がとても楽しい様で、戻ってきたらお茶を飲みながら教室での出来事をひとしきりカミサン相手にやや興奮気味で捲し立て、カミサンがイイ具合に相槌を打つのだろう。満足して天草に帰って行くようだ。

家の仕事は兄貴夫婦が取り仕切るようになり、母親は昔から活発に近所付合いするので、これと言って趣味の無い父親の事が心配ではあったのだ。
何にしても元気で居てくれる事で充分だ。

結婚して娘を授かり、家を建てて。
自分もすこしづつ親父に近付いているらしい。